第2461号(2017年3月27日)の内容

<1面>
今こそ安倍政権を打倒せよ!
森友学園への国有地不当廉売問題の幕引きを断じて許すな
独占資本家と労働貴族の超低額妥結を弾劾する!
<3面>
共謀罪の制定を阻止せよ!
<4面>
学習指導要領の大改悪を許すな!
<5~7面>
17春闘の高揚をかちとろう
<5面>
自動車 大幅一律賃上げ獲得!
<6面>
出版 低額回答を打ち破れ!
<7面>
2・12集会 出版労働者の決意
「生産性向上」に唱和する労働貴族
Topics 「解雇の金銭解決」の新提案
2面>
「月100時間」残業の合法化を許すな!
<8面>
安倍・森友疑獄の深層 ②
 共犯者「維新」の居直り 
森友学園は安倍式「愛国心」教育のモデルだ!
〝国家のために命を捧げる日本人精神〟の刷り込み

 「解放」最新号
































  


今こそ安倍政権を打倒せよ!

森友学園への国有地不当廉売問題の幕引きを断じて許すな

 わが同盟はすべての労働者・学生・人民に断固として訴える。〝お国のために身命を捧げる日本人精神〟を児童に叩きこむ「愛国心」教育のモデル小学校建設のために森友学園に国有地を不当廉売した安倍政権の犯罪を徹底的に弾劾し、労働者・学生・人民に<戦争と貧困と圧政>を強制するこの日本型ネオ・ファシズム政権を打ち倒す一大闘争に、今こそ総決起しようではないか!
 首相・安倍はトカゲのしっぽ切りよろしく森友学園理事長・籠池泰典を使い捨てようとしている。三月二十三日の籠池証人喚問をもって森友学園問題に一気に幕を引くという安倍政権の企みを断じて許すな!
 見よ、幼稚園児に「教育勅語」を暗唱させ、「安倍首相ガンバレ! 安保法制国会通過よかったです!」などと叫ばせる森友学園のファシスト的洗脳教育の実態を。「教育勅語の核の部分は取り戻すべき」などと公言する防衛相・稲田朋美の国会答弁を。〝皇国日本のために滅私奉公せよ〟と全人民に強要する「国柄」を「取り戻す」ことをめざす自称「右翼の軍国主義者」安倍が、「忠君愛国」教育のモデル小学校を籠池につくらせようとした。そしてそのために、安倍を頭とするNSC(国家安全保障会議)の主導のもとに国有財産を不当に廉売した。――これこそが森友学園問題の本質なのである。
 森友学園への国有地不当廉売と南スーダンPKO「日報」隠ぺいが明るみにだされた安倍政権はいま、揺れに揺れている。アベノミクスによる貧窮の強制、侵略戦争法の強行的制定、労働組合や学生自治会にたいする破壊攻撃など、安倍政権が手を染めてきた反動攻撃に憤激せる労働者・学生・人民諸君! 今こそ総反攻のときだ。共謀罪新設など日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化・憲法大改悪に突進する安倍政権を労働者・学生・人民の階級的団結の力で打倒しようではないか!

安倍式「愛国心」教育モデル校建設への便宜供与弾劾!

 首相・安倍の「手のひら返し」に逆上した籠池が〝窮鼠猫を噛む〟式に安倍その人との関係を吹聴しはじめた――「夫人をつうじて一〇〇万円の寄付をいただいた、心と心が通じあっている」とかと。園児・児童に毎朝「君が代」斉唱・「教育勅語」暗唱を強制し、「義勇(ぎゆう)公(こう)ニ奉(ほう)シ以(もっ)テ天壌無窮(てんじょうむきゅう)ノ皇運(こううん)ヲ扶翼(ふよく)スヘシ(一身を捧げて永遠の皇国の為につくせ)」と刷りこむことを理想の教育とすることにおいて、日本型ネオ・ファシスト安倍は籠池と心を一にしているのだ。
 安倍式「愛国心」教育のモデル校として「瑞穂の國記念小學院」=「安倍晋三記念小学校」を設立するために、財務省・国土交通省の官僚や〝改憲連合〟のパートナーでもある橋下・松井ら「維新の会」、りそな銀行など金融諸機関、マスコミ=読売グループなど、政・官・財・学・マスコミに巣くう黒い安倍人脈=右翼「日本会議」人脈を総動員して森友学園に特別の計らいをしてきたのが首相・安倍なのである。
 〝第二の森友問題〟=加計(かけ)学園問題ではより巨大な利権が動いた。安倍が「腹心の友」と呼ぶ加計孝太郎が経営する加計学園が岡山理科大・獣医学部を愛媛県今治市に新設する、この事業のために土地無償譲渡と校舎建設費助成で市財政からなんと計一〇〇億円ちかくも加計学園につぎこまれる。こうした破格の待遇を加計学園が享受できるように安倍が国家戦略特区認定を誘導したことが明るみにだされつつある。
 右翼のオトモダチにあらゆる便宜をはかってきた犯罪のもみ消しを許すな!

共謀罪新設・改憲阻止!
極悪安倍政権を打ち倒せ!

 南スーダンPKO派兵をめぐって、昨年七月のジュバでの「戦闘」発生が明記された「日報」を陸上自衛隊・防衛省が隠ぺいしていたことが露見した。しどろもどろで責任逃れに終始する防衛相・稲田と、五月に陸自部隊を南スーダンから撤収させることの表明をもって問題の火消しにはしる安倍の姑息なのりきりを許すな。
 ぐらぐらに揺さぶられながらも安倍政権は、労働者・人民の頭上にネオ・ファシズム的反動攻撃の斧をふりおろしつづけている。閣議決定が強行され国会上程された共謀罪新設法案は、「テロ対策」を口実にして反政府的とみなした一切の団体を処罰し根絶することを狙う今日版の治安維持法そのものだ。絶対に制定を阻止しなければならない。
 大軍拡への突進を開始したアメリカのトランプ政権に忠誠を誓う安倍政権は、沖縄・辺野古に米海兵隊の巨大新基地を建設するために反対運動を強権的に弾圧しながら海上工事に着手した。自衛隊と米軍による敵地侵攻の共同作戦訓練をくりかえしてもいる。日米共同のグローバル侵略戦争同盟の強化に断固反対せよ。
 アベノミクス大崩壊のりきりのための人民への犠牲強要を許すな。過労死認定基準を超える超長時間労働にお墨付きを与える労働法制の大改悪を阻止しよう。
 いまや国会の憲法審査会では緊急事態条項の新設など具体的な改憲項目をめぐる論議が、野党をひきずりこむかたちで開始されている。「戦力不保持・交戦権否認」を謳う日本国憲法第九条の破棄を核心とする憲法大改悪こそ、日本をアメリカとともに世界中で戦争をやれる軍事強国にするための〝最後の階梯〟だ。みずからの手で憲法改定をなしとげるためにこそ、安倍はなんとしても森友問題による窮地をきりぬけ「総裁三選・二〇二一年までの首相在任」をかちとることに死にものぐるいなのだ。安倍政権による憲法改悪を断固として粉砕せよ。
 わが同盟は、既成反対運動指導部による次期衆院選向け票集めへの闘争歪曲を許さず、安倍ネオ・ファシスト政権を打倒するために労働者・人民の最先頭に立ってたたかいぬく。すべての労働者・学生・人民諸君、わが革マル派とともに起ちあがろう!

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独占資本家と労働貴族の超低額妥結を弾劾する!

「先行き不透明」を口実にした賃金抑制

 二〇一七春闘の山場となった三月十五日の大手集中回答日に、自動車・電機・造船重機などの民間大企業経営者たちは、おおむね「三〇〇〇円以上の賃上げ」を要求してきた自企業労組にたいして、そろって昨年を下回る「賃上げ」なるものを回答した。トヨタは「一三〇〇円」(昨年一五〇〇円)、日産は「一五〇〇円」(同三〇〇〇円)、日立やパナソニックなどの電機大手の経営陣は、わずか「一〇〇〇円」の超低額の回答を横並びでおこなった。また日本郵政(JP)経営陣は、「日銀のマイナス金利」などを理由にして昨年に続いて「ベースアップ・ゼロ」を回答した(要求六〇〇〇円)。
 彼ら経営陣は、アメリカ・トランプ新政権が保護貿易主義的諸政策をうちだそうとしていることを口実にして、「経営環境は先行き不透明」とか「不確実性が増している」とかと叫びたて、この超低額回答を正当化している。それどころか、「ベアゼロも検討したが、内外の状況を総合判断して考え直した」(大手自動車経営者)などと〝これでもありがたく思え〟とうそぶいているのだ。
 資本家どもの意向を卑屈なまでに忖度(そんたく)してうちだした要求がことごとく蹴飛ばされたにもかかわらず、これらの大手諸労組指導部は、「残念だ」の一言とともにこの超低額回答を無抵抗で受けいれ即刻妥結した。
 このような屈辱的な結果は、「経済の自律的な成長」のために「付加価値の適正分配」や「人財への投資」を求めるという〝第二労務部〟たるの立場から、――生活苦にあえぐ組合員の声を抑えつけて――わずか「二%程度」(「連合」)や「三〇〇〇円以上」(JCメタル)という低率・低額の要求しか掲げなかった労働貴族の指導の、その必然的帰結にほかならない。
 労働貴族の腐敗のゆえにおしつけられたこの超低額の妥結を、すべての労働者は弾劾せよ!

以下、見出し

 アベノミクス破綻のりきり策の最期のパンク

労働者を愚弄するインチキ「賃上げ」

 貧窮化の強制をはね返せ

「働き方改革」の名による労働強化を許すな!

〝低額相場〟を打ち破り大幅一律賃上げをかちとれ!

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共謀罪=今日版治安維持法の制定を阻止せよ!

以下、見出し

嘘とペテンの「テロ等準備罪」法案

 あらゆる団体・組織がターゲット

検察・警察権力の捜査権限を飛躍的に強化

抵抗の芽を摘む予防弾圧の企み

ネオ・ファシズム的弾圧法制定を阻止せよ

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安倍政権・文科省による学習指導要領の大改悪を許すな

「特別の教科 道徳」の本格実施反対!
新たな能力主義教育に反対しよう!

以下見出し
「社会に開かれた教育課程の実現」の強調
 道徳教育の徹底と英語・理数教育の強化

軍事強国の〝臣民〟を育成するための「愛国心」教育


グローバル人材の育成」を看板とした能力主義教育

教育のネオ・ファシズム的再編を打ち砕け!

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大幅一律賃上げをかちとろう
 自動車総連二〇一七春闘方針批判

以下、見出し

「トランプショック」に身構える自動車独占体

「日本の構造課題克服」と称して春闘を裏切る労働貴族
 「総合生活改善の転換」の名による賃上げ闘争の放棄
 「中小の底上げ」の名で産業基盤確立を尻押し
 「付加価値の最適循環運動」の反労働者性

大幅一律賃上げ獲得!
労働諸法制改悪反対!

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低額回答を打ち破り出版春闘の高揚をかちとろう

以下見出し
A 〝出版産業崩壊〟下での総攻撃
 資本家に屈服する出版労連指導部

B 〝産業新生春討〟への歪曲を許すな!
 「長時間労働問題」の取り組みを放棄する指導部

C 大幅一律賃上げ獲得・改憲阻止のために闘おう!

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「月一〇〇時間」の殺人的残業の合法化を許すな!

以下見出し
「連合」指導部の八時間労働規制破壊への加担弾劾!
 「一〇〇時間未満」裁定の茶番劇
 アベ式〝働かせ方改革〟を粉砕せよ!

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徹底追及!
安倍・森友疑獄の深層 2

「安倍晋三記念小学校」設置をめぐるドス黒い癒着
共犯者「維新」松井の居直りを許すな!

 三月十日に、籠池は急転直下、「小学校設置認可申請」の取り下げと森友学園理事長の辞任を公表した。籠池が「窮鼠猫を噛む」〝逆襲〟に出ることを恐れていた安倍=菅のネオ・ファシスト権力者が、この〝籠池辞任〟を機になりふりかまわず「森友学園問題」の幕引きをはかっている。
 安倍よ、忘れるな。「私や妻がもし関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」とヒステリックに叫んでみせたことを。九億五六〇〇万円の国有地をわずか二〇〇万円で森友学園に売却するように圧力をかけ・指令し、「瑞穂の國記念小學院」=「安倍晋三記念小学校」を「教育再生」のモデル校として「日本会議大阪」の役員であった籠池に設置させようとしてきた張本人が安倍首相その人であったことは、いまや隠しようもない。安倍はこの全構造が明るみに出されることを何としても阻止し、逃げ切りをはかっているのだ。断じて許すな!
 もう一つ、決して見落としてはならないことは、安倍の右腕となって「神道小学校」の設置に奔走した副官役を「維新」の橋下・松井が果たしてきたという事実だ。今ごろになって、橋下・松井らは「小学校の設置は近畿財務局の要請があったから認可した」などとほざいている(三月十三日)。だが、事実上の与党としての立ち位置にいて、ネオ・ファシスト権力の改憲総攻撃の側面援護をかってでている橋下・松井の「維新」は、「日本会議」にたむろするネオ・ファシストどもによる「瑞穂の國記念小學院」という名の「安倍晋三小学校」の設置に深くかかわってきたことは明らかだ。たとえ「国から相当圧力を受けた」などと彼らが〝被害者ヅラ〟をおしだそうとしたとしても、この〝ファシスト養成学校〟開設の道を切り開いた陰の主役こそ「維新」にほかならないのだ。

森友学園のための小学校設置基準の緩和

 まず第一は、大阪府の私立小学校設置基準を森友学園のために緩和したことだ。
 「維新」の橋下が府知事であった二〇一一年に、森友学園からの小学校開設の要望を受けた。橋下にかわって府知事となった「維新」代表の松井は、一二年四月に、大阪府の私立小学校設置基準を、突如、緩和した。それ以前は、借り入れがある幼稚園法人の小学校設置を、府当局はいっさい認めていなかった。この府の基準を、松井は「借金経営」のままで、小学校を新設することができるようにしたのだ。この基準緩和は議会での可決は必要がない。文字どおり知事・松井の専決で緩和され、二ヵ月後に施行された。
 全国的には、子どもの減少のゆえに小学校の統廃合が課題になっている。こうした全国的趨勢とは逆ベクトルでの設置基準緩和によって、翌一三年に籠池は、「借金運営」の財務実態のままで国有地の取得要望を表明し、一四年十月には、「安倍晋三記念小学校」の設立認可申請書を提出することができたのである。
 府知事・松井はこの緩和措置について、「沢山あった要望のひとつであり、なんら問題はない」などと開き直っている。だがこれはまったくの嘘。一二年の基準緩和以降これまで約五年間で、小学校の設置を申請したのは森友学園ただ一つであって、「たくさんあった」などという事実はない。設置基準の緩和は、明らかに籠池の小学校設置のためだけにおこなわれたのであって、首相・安倍の意を受けた橋下=松井が一肌脱ぎ、地元大阪での開設への道を切り開いたのだ。ネオ・ファシスト橋下は「僕が私学設置基準見直しの大号令をかけた」、「知事であった僕の責任でもある」「(開設は)評価されたはずだ」と「確信犯」よろしくツイッターで公言し居直っているではないか。

認可権者は府知事・松井だ

 第二には、府知事の諮問機関である大阪府の私学審議会が、カネもなく土地もない森友学園がおこなった小学校新設認可申請に、本来ありえない「認可適当」の決定をくだした問題である。一四年十月に森友学園からの申請を受けた大阪府私立学校審議会は十二月の定例会でこの案件を審議している。そこでは〝財務状況に不安がある〟〝計画性がない〟〝思想教育のような部分がある〟等々と懸念する声が続出し、継続審議=認可留保となった。にもかかわらず、一ヵ月後の一五年一月に「小學院」のためだけの臨時会が開かれ、「認可適当」という逆転劇が演じられた。
 松井は「私学審議会の開催は審議会会長の判断であり、認可権限は教育長です」と表明して、府知事であった自分は何の関係もないかのように装っている。だがこれも真っ赤な嘘。大阪において、認可権限が教育長に移管されたのは、一六年四月からであって、設置基準緩和をおこなった一二年も、「認可適当」と審議会での逆転劇が演じられた一五年一月も、認可権者は知事・松井その人なのだ。
 いま府知事・松井は、森友学園の土地不正購入、ゴミ処理のインチキ、異常な教育、ヘイト文書などがいっせいに表沙汰となったがゆえに、手のひらをかえして籠池をこきおろし、「維新」とみずからの関与を否定する言辞をふりまきつづけている。だが、「安倍晋三記念小学校」の大阪豊中市での開設のために安倍の右腕として奔走したのは、まぎれもなくネオ・ファシスト党「維新」なのだ。「教育無償化」を謳った「憲法改定」を全面におしだして安倍自民党に取り入り、改憲の突破口を切り開くその旗振り役を演じているのが、橋下=松井の「維新」にほかならない。
 そもそも、橋下・松井の「維新」は「教育再生」を旗印とする安倍式教育改革と同一の理念をもつネオ・ファシストだ。府知事・松井が首相・安倍と「教育再生」で二人三脚を組む歴史的はじまりは、安倍が総裁になる以前の二〇一二年二月の「日本教育再生機構大阪」がおこなったシンポジウムである。これ以来、「愛国心教育」を徹底化し、〝お国のために命を捧げる軍国日本の臣民〟を育成するモデル校として「日本会議」=森友学園に「安倍晋三記念小学校」をつくらせるべく、二人三脚で奔走してきたのが「維新」の橋下=松井なのだ。
 全国に先駆けて「国旗国歌条例」を制定し、教職員組合をはじめとする公務員の労働運動と組合を破壊するための〝労組破壊三条例〟を制定し自治体労働者と教育労働者へのすさまじい弾圧を強めてきた「維新」の橋下・松井。この輩が、国有地の不正売却に手を染めた安倍・財務省官僚と手を結び籠池とのドス黒い癒着を深めてきたことのすべてを隠蔽し、いまになって籠池に掛けていたハシゴをはずしての逃げ切り=〝トカゲの尻尾切り〟を策すことなど、われわれは断じて許すことはできないのだ!

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森友学園は安倍式「愛国心」教育のモデルだ!

 「こちらの教育方針はたいへん主人もすばらしいと思っていた」と「瑞穂の國記念小學院」名誉校長就任あいさつで首相夫人・安倍昭恵はにこやかに語った(二〇一五年九月五日)。安倍晋三じしんも国会答弁で「しつけをしっかりする、あるいは伝統や文化を大切にする。日本の歴史等についてもしっかりと大切にしている」と――籠池非難に転じた後もなお――森友学園の教育方針そのものはほめそやしていた(三月一日)。それもそのはず、「右翼の軍国主義者」を自任する安倍がめざす「愛国心」教育を具現化しているのが森友学園なのだからだ。

「教育勅語」の暗唱を強制

 ①「小學院」と「塚本幼稚園」の共通の「教育理念」として、「先人から伝承された日本人としての礼節を尊び、それに裏打ちされた愛国心と誇りを育てる」ことが謳われている。「小學院」の「教育の要」とされている十二項目の筆頭から三つはこうだ――「天皇国日本を再認識。皇室を尊ぶ」、「愛国心の醸成。国家観を確立」、「教育勅語素読・解釈による日本人精神の育成」。
 ②現に塚本幼稚園では、園児に毎朝「君が代」を歌わせ「教育勅語」を暗唱させている。また「行事」として、「天皇皇后ご奉迎」とか「海軍慰霊祭での演奏」とか「海上自衛隊訓練体験」とか「海自艦の大阪港入港歓迎」とか「自衛隊基地への遠足」とか「大阪府警察年頭視閲式への参加」とか「大阪護国神社での『同期の桜を歌う会』での合唱」とかを、園児たちに年がら年じゅうやらせている。
 ③運動会では「愛国行進曲」とか「日の丸行進曲」とかの軍歌を歌わせる。一五年の運動会で園児に叫ばせた「宣誓」はこうだ――「大人の人たちは日本が他の国々に負けぬよう尖閣列島、竹島、北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が心を改め、歴史教科書で嘘を教えないようお願いいたします。安倍首相ガンバレ! 安倍首相ガンバレ! 安保法制、国会通過よかったです。日本ガンバレ。エイエイオー!」
 これらのまがまがしい所業を、「教育」に名を借りたファシスト的幼児洗脳といわずして何というのか!
 ④安倍が賛美してきた塚本幼稚園での「しつけ」たるや、園児にトイレに行かせないとか、お漏らしをしたら汚れた下着を通園カバンにつっこんで帰すとかという児童虐待そのものであり、「韓国人と中国人は嫌い」(副園長・籠池諄子)と言い散らしながら〝炭酸飲料は韓国人が飲むものだ〟と言って飲ませないなどの反韓・反中の民族排外主義をむきだしにした〝ヘイト教育〟とでもいうべきしろものなのだ。

学習指導要領改訂の先取り

 こうした塚本幼稚園における「愛国心」刷り込みの実態を安倍夫妻はよくよく承知していた。一五年九月、塚本幼稚園に赴いた安倍昭恵は「園児達は……毎朝君が代を歌い、教育勅語、論語や大学などを暗唱」と誇らしげにフェイスブックに書きこんでいる。これぞみずからが理想と描く「愛国心」教育の手本と見込んだのが首相・安倍晋三なのだ。
 安倍政権は、「日の丸・君が代」の学校現場への強制、「道徳の教科化」の策動をはじめとして「愛国心」教育の強化に狂奔している。
 二月十四日に文部科学省が公表した学習指導要領の改訂案では、「総則」の前に前文を設けて「国を愛する態度」の涵養を明記し、いっそう強調している。また小学校(四年生)で「自然災害に対応する組織」として自衛隊を必ず「取り上げる」こととされている。さらに、幼稚園教育要領に「我が国の伝統的な行事、国歌、唱歌……に親しむ」との記述が追加されている。
 これに合わせて同日、厚生労働省も保育所保育指針に「保育所内外の行事において国旗に親しむ」とか「国歌に親しむ」とかと盛りこむ改訂案を公表した。
 これらのすべては森友学園が先取り的に塚本幼稚園で実施し、「瑞穂の國記念小學院」で実施しようとしていたものばかりだ。森友学園を「教育再生」の名による安倍式「愛国心」教育推進のモデルたらしめるべく籠池に国有地不正廉売をはじめとした法外な便宜をはかってきたのが安倍その人であり、安倍と「心と心が通じている」と確信して「小學院」開設に突進してきたのが森友学園理事長・籠池であったことは明らかではないか。

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〝国家のために命を捧げる日本人精神〟の刷り込み

 森友学園理事長・籠池は「教育勅語のどこが悪いのか」「七十五年かけて本来の日本の教育に戻していかなければならなかった」(三月十日)などと吠えたてている。森友学園顧問弁護士として法廷に立った過去が明るみに出された防衛相・稲田は、塚本幼稚園での「教育勅語」暗唱を擁護しつづけ国会答弁でほざいた、「教育勅語の核の部分は取り戻すべきだ」(三月八日)と。「教育勅語は、天皇陛下が象徴するところの日本という国、民族全体のために命をかけるということだから……教育勅語の精神は取り戻すべきなのではないかなと思っているんです」(二〇〇六年、雑誌座談会での稲田の発言)――安倍晋三の寵愛を受けて防衛大臣の座に就いた稲田のこの発言こそが、安倍政権そのものの本音なのである。

「教育勅語」とは何か

 「教育勅語」は、教育の根本理念をしめす「明治天皇の訓示」として一八九〇年に明治政府(山縣有朋内閣)が発布。「勅語」の写しは日本全国で神の祠(ほこら)に「御真影」(天皇・皇后の写真)とともに納められ、崇拝が強制された。〔日本の敗戦後、GHQによって廃止された。〕
 「朕(ちん)惟(おも)フニ……一旦(いったん)緩急(かんきゅう)アレハ義勇(ぎゆう)公(こう)ニ奉(ほう)シ以(もっ)テ天壌無窮(てんじょうむきゅう)ノ皇運(こううん)ヲ扶翼(ふよく)スヘシ……朕(ちん)爾(なんじ)臣民(しんみん)ト倶(とも)ニ拳々服膺(けんけんふくよう)シテ咸(みな)其(その)徳(とく)ヲ一(いつ)ニセンコトヲ庶幾(こいねが)フ」(旧文部省の口語訳:朕がおもふに、万一危急の大事が起こつたならば、大義に基づいて勇気をふるひ一身を捧げて〔永遠に続く〕皇室国家の為につくせ。……朕は汝臣民と一緒にこの道を大切に守って、皆この道を体得実践することを切に望む)
 ――「天皇のために死ぬことより愉快なことはない」(戦前の文部省による「勅語」の解説)、天皇・お国のために滅私奉公し忠義をつくす「臣民」たれ、というのだ。天皇制ボナパルティスト権力は、帝国主義侵略戦争に若者を動員するために、この「勅語」を子どもに徹底的に叩きこんだ。「小学校以来身に滲みついていた……〝一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ〟を身をもって遂行したのが特攻隊員である」(特攻隊戦没者慰霊平和記念協会の会報より)――「特攻精神」を賛美する立場からのこの言に、「勅語」の何たるかが如実にしめされている。

「普遍的徳目」という大嘘

 「夫婦は仲睦まじく」とか「友人は信じ合い」とか「学問は怠らず」とかの「勅語」にずらずらと並べられている「徳目」じたいはあたかも「普遍性がある」かのようにネオ・ファシストどもはおしだす。だがそれらのすべては、万世一系の天皇・皇室に身命を捧げる「臣民」=天皇の赤子(せきし)としての義務だとされているのが「教育勅語」である。
 これが安倍とそのとりまきが「取り戻す」と叫んでいる「教育勅語」だ。<軍国日本>再興のために国民に愛国主義・軍国主義イデオロギーを注入しようとしている安倍政権にとっては、毎朝「君が代」を斉唱させ「教育勅語」を暗唱させる森友学園の教育方針こそ理想の「愛国心」教育なのである。だからこそ安倍政権は森友学園に最大限の便宜をはかってきたのだ。
 現在の稲田は「教育勅語の核」は「日本が道義国家をめざす」ことだとおしだしているが、これに該当する語は原文にはない。ところが森友学園のホームページに掲載されている「教育勅語の口語文訳」の冒頭は、「私は、私たちの祖先が、遠大な理想のもとに、道義国家の実現をめざして、日本の国をおはじめになったものと信じます」とされている。実際には「朕がおもふに、皇室の先祖である天照大神が国をはじめた遠い昔より、皇室はずっと徳を積みあげてきた」と口語訳すべき文章が、「天皇」「皇室」という語が一切でてこないまったく別物に改作されているのだ。「一身を捧げて永遠に続く皇室国家の為につくせ」という「勅語」の核心部分も、「国の平和と安全に奉仕しなければなりません」と言い換えられている。「天皇陛下万歳!」と叫びながら戦死することを人民に強制した軍国主義教育の〝血の臭い〟を薄めて、あたかも〝どこの国でも通用する道徳〟ででもあるかのように装っているのだ。
 「道義国家」なる語の〝出典〟となっているこのインチキ口語訳は「国民道徳協会訳文」と称されている。元軍人で元自民党国会議員の右翼・佐々木盛雄が「教育勅語」を復活させるために意図的に緻密化をほどこしたものだ(一九七二年)。この「訳文」が現在の日本会議の前身となった組織によって執拗に流布されてきた。稲田がほざく「道義国家をめざすことのどこが悪いのか」という居直りは、憲法改定・「勅語」復活をめざす右翼組織・日本会議の常套手段なのだ。
 自民・維新・民進など二八一人もの国会議員を擁する日本会議国会議員懇談会の特別顧問こそ安倍と麻生であり、稲田は政策審議副会長だ。籠池も日本会議大阪の運営委員だった(現在は退会)。森友学園問題の主要人物は、すべて同じ穴のムジナなのである。

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