第2460号(2017年3月20日)の内容

<1面>
原発・核燃施設を停止・廃棄せよ
 東日本大震災・福島原発事故から六年
 安倍政権による賠償打ち切り・帰還強制を許すな!
徹底追及! 安倍・森友疑獄の深層
 主犯・安倍による「森友学園疑惑」の幕引きを許すな
<4〜7面>
17春闘勝利! 大幅一律賃上げ獲得!
<4面>
『経労委報告』批判 下
<5面>
電機春闘の高揚を!
<6面>
私鉄春闘の爆発かちとれ
<7面>
2・12労働者怒りの総決起集会
 沖縄公務労働者の決意表明
2・17「連合沖縄」春闘開始宣言集会
Topics 都知事・小池のハゲタカ第一
<2面>
官邸前に共謀罪阻止の烽火 3・6
米軍物資陸揚げに抗議 2・22 大分
<3面>
老朽原発の運転延長に突き進む政府・電力資本
<8面>
徹底追及! 安倍・森友疑獄の深層

 「解放」最新号


































  


原発・核燃施設を停止・廃棄せよ

東日本大震災・福島原発事故から六年
安倍政権による賠償打ち切り・帰還強制を許すな!

 東日本大震災・福島原発事故から六年の三月十一日、首相・安倍は原発事故については一言もふれることなく「復興は着実に進展している」と胸を張った。だが、安倍の言う「復興」なるものは巨大な防潮堤の建設や土地のかさ上げなど、ゼネコンをはじめとした独占資本家どもに利殖の機会を提供するものでしかないではないか。
 東北三県では今なお一二万人が避難生活を余儀なくされ、三万四〇〇〇人がプレハブの仮設住宅で暮らしている。海岸からきりはなされ廃業に追いこまれた漁民たち、大規模商業施設や新たな商店街の完成の裏で廃業を余儀なくされた商店主たち。住民の意向などおかまいなしの「復興」のゆえに、多くの住民は故郷を離れざるをえなくなっている。まさに、弱者を切り捨てた「復興」!
 とりわけ福島県被災人民の苦悩は深い。福島第一原発からの放射性物質の拡散がつづき、余震による再度の重大事故発生の危機も去っていない。にもかかわらず安倍政権は、表層だけ除染した、生活インフラも整っていない居住制限区域と避難指示解除準備区域の避難指示をこの三月をもって全面的に解除し、一年後には精神的損害賠償をうち切るというのだ。この帰還強制策に、「帰りたくても帰れない!」と被災人民は怒りにうち震えている。被災人民を地獄に突き落として演出される「復興」。これはまさしく棄民政策だ。
 安倍政権が被災人民を見殺しにしてうちたてようとしている「世界の真ん中で輝く」「安全・安心の国」とは、アメリカとともにいつでも・どこででも戦争のやれる軍事強国日本≠ナあり、「教育勅語」がえがく「皇国日本」の今日版、すなわち、日本型ネオ・ファシズム国家にほかならない(安倍夫妻が深く関与している森友学園を見よ)。安倍は自民党大会(三月五日)で「憲法改正は自民党の歴史的使命だ」とぶちあげ、この三月中にも共謀罪法案を国会に上程しようとしている。
 安倍政権の反動総攻撃を労働者・学生・人民の実力で打ち砕け! 人民を犠牲にし虚構の「復興」を演出しながらすすめられている原発再稼働・輸出策動を阻止せよ!

「復興」演出のための帰還強制=棄民政策

場当たり的で反人民的な「廃炉工程」

原発再稼働への突進と大衆収奪の強化

今こそ原発・核開発反対闘争の高揚をかちとれ!

 原発推進政策の全面的破綻に見まわれている安倍政権は、焦りに満ちてのりきり策にうってでている。われわれは、原発・核開発反対闘争のさらなる高揚をもってこれに応えるのでなければならない。
 ところが「連合」の労働貴族どもは、民進党蓮舫執行部が「三〇年代原発稼働ゼロ」の政策を「三〇年ゼロ」へわずかばかり修正しようとしたのにたいして猛反対した。原発再稼働をすすめる安倍政権と独占ブルジョアジーの尖兵としてたちあらわれた。「連合」傘下でたたかう革命的・戦闘的労働者は、労働貴族を弾劾しつつ彼らの抑圧をうち破って原発反対の闘いを創造するのでなければならない。
 他方、民進党を含めた「野党連合政権」の実現をめざす代々木官僚は、原発政策においても民進党との政策的すり合わせに必死になっている。「(再稼働に様ざまな条件をつける)『新潟方式』で一致点が探れる」(志位)などと。そして現実の運動の組織化においては、もっぱら総選挙や自治体選挙にむけての「野党と市民の共闘」をつくりだすことに主眼をおいている。こうして彼らは、原発反対の闘いを、特定の選挙候補者や自治体首長を支援し・尻押しするものへとおし歪めているのだ。
 また党としての基本政策においても代々木官僚は、「原発ゼロ・再生可能エネルギーの普及」という代案を安倍政権に対置しているにすぎない。安倍政権が潜在的な核兵器保有能力の強化の野望をむきだしにしている今日においてもなお、彼らはこの問題から目をそむけているのだ。
 われわれはこうしたエネルギー政策転換要求をかかげた選挙カンパニアをのりこえ、<原発再稼働阻止・原発輸出反対>の闘いを推進するのでなければならない。原子力発電所の大事故が日本を滅亡させかねないことをわれわれは身をもって体験してきた。放射性廃棄物は何万年ものあいだ人類に災厄をもたらすものである。まさしく原発は現代の資本制技術文明が生みだした「悪」を象徴するものなのであって、われわれはこの「悪」をあばきだし徹底的に弾劾するのでなければならない。
 原発事故被災人民への賠償うち切り=帰還強制反対! 電気料金値上げ反対・原発推進のための大衆収奪の強化を許すな! すべての原発・核燃料サイクル施設を即時停止し・廃棄せよ!
 そして安倍政権の原発・核開発の策動が、アメリカとともに戦争をやれる軍事強国に日本を飛躍させる策動と一体のものであることを明らかにしつつ、辺野古新基地建設反対や南スーダン派兵に反対する反戦反安保闘争と結びつけて、原発・核開発反対の闘いを推進するのでなければならない。
 憲法改悪阻止! 今日版の「治安維持法」=共謀罪の新設反対!
 原発事故被災人民を切り捨て原発再稼働に狂奔する安倍日本型ネオ・ファシズム政権を打倒せよ!

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徹底追及! 安倍・森友疑獄の深層
主犯・安倍による「森友学園疑惑」の幕引きを許すな

 「教育勅語素読・解釈による日本人精神の育成」を「教育の要」として公然と掲げた「瑞穂の國記念小學院」なるものの建設用地として、学校法人・森友学園にたいして安倍政権は、評価額約一〇億円(時価約一三億円)の国有地を九割引きし・さらに「埋設物処理費」を支払うなど、実質わずか二〇〇万円にまで値引きして売却した。労働者・人民には貧窮を強制しておきながら、いったい何だ、この異常なまでの森友優遇≠ヘ!
 この安倍政権が仕組んできた国有地不正売却にたいして、労働者・人民の不信と怒りの声がほうはいとまきおこっている。みずからと妻・昭恵の直接的関与がやり玉にあげられたことに動揺した首相・安倍晋三はいま、問題の幕引き・隠ぺいに狂奔している。森友学園理事長・籠池に設置認可申請を取り下げさせ、理事長辞任を強要したうえで、土地を森友学園から買い戻すことにしたと必死におしだしながら。
 政治的保身の虜(とりこ)になった安倍は、つい先日まで「私の考え方に非常に共鳴している方」と同志扱いしてきた籠池を、掌を返したように切り捨て、訴追・逮捕をちらつかせての「圧力」=脅しを籠池にかけて口封じをしようとしている。だが、森友学園に破格の優遇措置を与えることを財務省・国土交通省に指示してきた黒幕がほかならぬ安倍その人であることは、けっして隠しとおすことはできない。
 アメリカ大統領トランプが米諜報機関内部の反トランプ・グループからの連続的暴露に揺さぶられている(「プーチン・ゲート」事件)。これとトランプにつき従う安倍への疑獄暴露は、連動しているのだ。しかも、自民党内で安倍の総裁三選を阻むことを企む部分などからのリークもはじまっている。森友学園への国有地格安売却と同時期に・まったく同じ構図で、「腹心の友」が経営する加計(かけ)学園・岡山理科大獣医学部新設に三七億円もの土地を無償譲渡する手はずを安倍が整えた、という新たな「疑惑」も明るみにだされている。
 いかにみずからの「関与」=贈収賄はないとおしだそうとも、安倍が権力を乱用し国家諸機関を動かして森友学園や加計学園に便宜をはかってきたことは歴然としている。お国のために命を投げだす≠謔、な「愛国心」を児童・生徒に叩きこむネオ・ファシズム教育のモデル校をつくるためにこそ、安倍はみずからのお墨付きを日本会議幹部の極右国粋主義者・籠池が経営する森友学園に与えてきたのだ。韓国では、「刎頸(ふんけい)の友」に便宜供与してきた朴槿恵が韓国人民から弾劾され大統領の座からひきずりおろされた。「私や妻が関係していたということになれば、総理大臣も国会議員も辞める」と国会で大見得を切った安倍よ、その言葉をけっして忘れるな。
 わが同盟は、安倍の幕引き策動を許さず、<安倍・森友学園疑獄>の深層を連続的に暴露してゆくであろう。第一弾として、国有地管轄責任者たる財務省理財局長に直接的に安倍が口利きしていた決定的事実を明らかにする。

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生産性向上のための春季労使交渉≠叫ぶ独占資本家

  『二〇一七年版経団連経労委報告』の批判 <下>

1 「先行き不透明」を口実にした賃金抑制攻撃
2 「人口減少下の生産性向上」の呼号
3 「年収ベースの賃金引上げ」という欺瞞
4 搾取強化のための「働き方改革」
5 牽強付会の「日本型同一労働同一賃金」論
       <上>は第二四五九号に掲載

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電機春闘の高揚をかちとろう
 「電機産業の持続的発展」の名で労働者に犠牲を強いる労働貴族弾劾!

 電機一七春闘は三月十五日の集中回答日を前にして、電機連合指導部によってまたもや裏切られようとしている。彼らは「経営側の厳しい姿勢を崩せない」と、早くも低額妥結の腹を固め、これを正当化するための言い訳をはじめているのだ。昨年に続き今春闘でも、すでに東芝労組とシャープ労組は電機連合の「産別統一闘争」から離脱した。両労組の戦線離脱を「会社を立て直すことを優先してほしい」などといって容認する委員長・野中を、われわれは怒りをこめて弾劾する!
 いま自動車・電機産業などの独占資本家どもは、アメリカの新大統領トランプが「アメリカ・ファースト」をかかげて突進していることに危機感を高じさせ、「北米戦略」そのものの見直しをつきつけられている。そればかりではなく、半導体・テレビ・スマートフォンなどの事業において中国、韓国、台湾の諸企業に追いつめられている彼らは、「第四次産業革命」に活路を見いだしているのだ。企業の生き残りをはかる独占資本家どもは、「IoT・ビッグデータ・人工知能(AI)」の開発・活用への投資を強化しつつ、いっさいの犠牲を労働者に転嫁してくるであろう。われわれは、資本家どもの賃金抑制攻撃と事業再編(リストラ)にともなう首切り・配転などの一大攻撃を許してはならない。
 同時にわれわれは、「働き方改革」の名のもとに進められようとしている安倍政権による労働諸法制の改悪に断固反対しなければならない。安倍政権は「残業時間の上限規制」とセットで、「裁量労働制」の職種拡大と「高度プロフェッショナル制度」を法制化しようとしているのだ。
 ネオ・ファシスト安倍政権は憲法改悪にむけた攻撃を強化し、今国会において「共謀罪」の制定をも狙っている。われわれはこれらの攻撃を打ち砕くために、既成指導部の闘争歪曲をのりこえ今春闘を職場深部から戦闘的にたたかうのでなければならない。

一、電機独占資本家の賃金抑制攻撃
 業績低迷にあえぐ独占体
二、電機労働運動を下からつくりかえる闘い
三、「人への投資」を提唱する電機連合春闘方針の反労働者性
  (1)超低額「三〇〇〇円」要求の欺瞞性
  (2)独占資本家の意を体した「働き方改革」推進論
  (3)「付加価値の適正循環」なるもの
  (4)政労使協議路線への陥没
 大幅一律賃上げをかちとろう
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総連本部による「交通政策要求実現」運動への埋没を許すな

私鉄17春闘の戦闘的爆発をかちとれ

 私鉄一七春闘の集中回答日を目前にして強欲な私鉄独占資本家どもは、昨年に引き続く好業績をあげながらも、総額人件費の増大につながる賃上げにはいっさい応じないと、かたくなな姿勢をむきだしにしている。これにたいして、私鉄総連指導部は、私鉄独占資本家どもの賃金抑制攻撃をはねのけて、賃上げをかちとろうという構えも気力ももちあわせていない。彼らは、魅力ある産業≠つくるための生産性向上への協力を誓うことによって、その分け前≠ニしての「適正な配分」にありつこうとしているのだ。われわれは、総連指導部の賃上げ闘争の放棄を弾劾し、私鉄一七春闘の危機的現実を突破するために奮闘するのでなければならない。
 同時にわれわれは、アメリカ・トランプ新政権の登場によって高まる米―中の戦争勃発の危機のもとで、日本をアメリカとともに戦争をやれる国≠ニして飛躍させるために血道をあげているネオ・ファシスト安倍政権の反動諸攻撃、とりわけ憲法改悪を阻止するために奮闘しなければならない。
 「交通政策要求実現」運動を前面化し事実上賃上げ闘争を放棄する私鉄総連指導部を弾劾し、大幅一律賃上げを獲得するために奮闘しよう! 同時に、労働諸法制の改悪反対! 憲法改悪阻止! の闘いを職場深部から創造しよう!

以下見出し

T 賃金抑制に狂奔する私鉄独占資本
 低賃金と超長時間労働を強いられる中小・バスの労働者
U 「交渉重視の徹底化」を叫ぶ総連本部
V 本部による「適正配分」要求への歪曲を弾劾し闘いぬこう
  大幅一律賃上げの獲得を!
  労働条件の抜本的改善をかちとろう
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危険な老朽原発の運転延長に突き進む政府・電力資本

 東日本大震災・福島原発事故後六年、いまだに一二万人の労働者・人民が厳しい避難生活を強いられている。東京電力・福島第一原発における廃炉作業はいよいよ困難に逢着している。2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)のロボットを使った調査も失敗。政府・東電の「廃炉プラン」の破産は決定的になった。
 にもかかわらず、安倍政権は原発を「基幹電源」とし「二〇三〇年度の電力供給における原発の比率を二〇〜二二%にする」というエネルギー基本計画を掲げ原発の再稼働に突き進んでいる。労働者・人民の強い原発反対運動によって新・増設は強行できないがゆえに、安倍政権は原子力規制委員会の尻を叩いて危険極まりない老朽原発の再稼働をおしすすめているのだ。政府の意向を体現した規制委は、原発運転期間を「四十年」と定めた原則=i二〇一二年改訂の原子炉等規制法)を事実上反故にして運転開始後四十年を超える老朽原発の延命に次々とゴーサインをだしているのである。

耐用年数超えでも二十年もの運転期間延長を画策
 初めから「認可」ありきのインチキ審査
 地震学者の警告を無視抹殺
 ズサン極まりない「過酷事故対策」
<3・11>が示した老朽原発の恐るべき危険性
 高まる圧力容器崩壊の危機

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徹底追及!
安倍・森友疑獄の深層

安倍こそ口利きの張本人だ!

「疑惑の三日間」

 ・二〇一五年九月三日、安倍が財務省の官房長・岡本薫明および理財局長・迫田英典(肩書きは当時、以下同じ)と官邸で会談。
 ・翌九月四日に、安倍は大阪に飛び、読売テレビのワイドショー番組に出演。その後、元国交相・冬柴鉄三の次男と会食。この日は、「小學院」用地内で建設業者が発見した埋設産業廃棄物の処理方法とその費用にかんして、近畿財務局統括管理官・国交省大阪航空局調査係と森友学園側の設計会社所長・建設会社所長の四者協議が、大阪の近畿財務局の会議室でもたれた。同日、国交省が「小學院」木造校舎建築に六一九四万円の補助金交付を決定。
 ・つづく九月五日、森友学園経営の塚本幼稚園(大阪市淀川区)で安倍昭恵が講演会、「小學院」名誉校長就任のあいさつ。「こちらの教育方針はたいへん主人もすばらしいと思っている」と。
 ――この三日間の安倍の動静にこそ、「小學院」開設を軌道にのせる節目に安倍じしんが直接的に指示を出し・うごめいたことが明瞭にしめされている。
 @九月四日の四者協議の場で、近畿財務局が埋設産廃物を「小學院」建設現場の敷地に「場内処分」することを業者に要請した。業者が「後々問題になる」と指摘したにもかかわらず、撤去すると費用が膨大になることを理由にして、業者にゴミを敷地内で埋め戻すよう財務局がおしこんだのだ。この「場内処分」したゴミが翌年三月に「発見」され、「撤去費用」として一億三一七六万円が森友学園に支払われた。さらに「埋設物処分費用」の名目で八億一九七四万円――この額を見積もったのは大阪航空局だ――もの超大幅値引き≠ェ決定されてゆくのである(一六年六月二十日に契約締結)。〔一五年九月四日の協議記録は「廃棄した」との財務省・国交省の主張はウソ八百だ。当該の協議記録が『産経新聞』三月四日付に掲載された。〕
 A四者協議における近畿財務局のたちまわりは、当時の国有地管轄の直接の責任者である財務省理財局長・迫田の指示にもとづく。前日の九月三日に安倍じしんが迫田に森友学園の財政負担を軽減する配慮をせよ≠ニ口頭で指示し、この安倍の指示が理財局長から近畿財務局におろされた。安倍の意向を忖度した理財局長が近畿財務局を突き動かしつつ、森友学園に超格安で土地を売却するための奇策を案出し、九月四日の四者協議を起点として九割引き≠計画的に実現したのだ。
 B「テレビ出演」をダシにして四日にじきじきに大阪に飛んだ安倍は、元国交相・冬柴の次男であり元りそな銀行高槻支店次長の冬柴大と会食。同日決定された国交省の木造建築助成金約六二〇〇万円の交付をしめしながら、森友学園と業務提携しているりそな銀行からの融資を円滑におこなうよう要請(その後、りそな銀行は校舎建築費として二一億円を融資)。安倍は、安保法制という名の戦争法案の参院採決を目前にしていた時期にわざわざ大阪の地に赴くことで、「維新」との改憲連合≠フ契りを重視することをアピールすると同時に、これとワンセットで「小學院」認可をとどこおりなくすすめるように大阪府当局を牛耳る松井・橋下らと腹合わせしたのだ。
 C安倍じしんの大阪訪問につづいて妻・昭恵を官邸職員同行で大阪に赴かせ、「小學院」名誉校長としてお披露目させた。「名誉校長・安倍総理大臣夫人」の看板を、森友学園の「小學院」開設に向けた要求を各省庁などで最大限に忖度すべき安倍案件≠ニして周知徹底する葵の御紋≠スらしめたのだ。これ以降、八億円値引きによる土地購入をはじめとした籠池の法外な要求がすんなりと実現していく。

安倍人脈をフル稼働

 首相・安倍じしんが、森友学園の「小學院」開設をすすめるための計らいを熱心におこなってきたことは、あまりにも歴然としているではないか。この「疑惑の三日間」の立役者は、すべて安倍人脈というべき連中である。
 もっとも重要な働きをした当時の理財局長・迫田は、安倍のお膝元である山口県下関市出身であり、安倍が手足にするべくかねてから目をかけてきた子飼いの官僚だ。迫田が理財局長=国有地管轄の責任者に就いた一五年七月いこう、安倍は、件の九月三日だけではなく半年の間に五回も迫田を官邸に呼んでいる(七月三十一日、八月七日、九月三日、十月十四日、十二月十五日)。首相の理財局長との面談回数としては異例だ。しかも、うち二回は財務相・麻生も同席している。一五年五月に「小學院」建設用地の「おおむね八年後の購入」を前提条件とした借地契約を成立させたことにふまえて、資金不足が明らかだった森友学園になんとか土地を格安で取得させるための工作の報・連・相を、官邸でくりかえしていたのである。森友学園への九割引きでの土地売却を決定した一六年六月、迫田は国税庁長官に栄転とあいなった。あからさまな論功行賞人事≠セ。
 大阪では、小学校開設の認可にかんして横車をおしてきた橋下・松井の「維新」が改憲連合≠フ同志として安倍とつるんでいるだけではない。安倍政権の広報メディアと化している読売グループが、安倍の意向をうけてうごめいた。一五年九月四日の大阪行きの直接の口実にされたテレビ出演は、読売テレビのワイドショー番組「情報ライブ・ミヤネ屋」の生出演ともう一つの番組の録画収録であった。そもそも大阪の小学校開設認可を審議する大阪私学審議会のメンバーのなかには、学校法人の役員らにまじって読売新聞大阪本社編集局世論調査部主任・満田育子が入っている。森友学園への「十年間貸し付け、その後に売却」を条件とした国有地貸し付けを一五年二月に了承した国有財産近畿地方審議会にも、読売新聞大阪本社編集局管理部長・平井道子が入っている。
 さらには、元りそな銀行関係者で国交省にも顔の利く冬柴ジュニア。防衛相・稲田や平沼赳夫をはじめとする日本会議(国会議員懇談会)所属の議員どもによる森友学園への賛辞・支援。……
 安倍式「愛国心」教育のモデル校を開設するために、首相・安倍じしんが、まさに政・財・官・学・マスコミ・労の<鉄の六角錐>に巣くう安倍人脈をフル稼働させて無理押しに無理押しをかさねて突き進んできた、その実体構造と手口が「疑惑の三日間」に集約的にしめされているのである。
 安倍政権・自民党の幕引き策動を粉砕し、<安倍・森友疑獄>の深層をさらに連続的に暴露し、黒幕・安倍を徹底的に弾劾せよ!


森友学園問題とは何か
「愛国心」教育のモデル校づくりを狙った便宜供与

 森友学園理事長・籠池泰典(やすのり)は、「瑞穂の國記念小學院」の認可申請を取り下げ、みずからは理事長を辞任することを表明する記者会見を三月十日におこなった。この場で籠池は「政治家の口利きはない」とくりかえしたが、「(申請取り下げは)理事長みずからの判断か?」と問われて、会見に同席した長男・佳茂がいみじくも言った、「圧力みたいなやつが大変なんです」と。
 籠池の国会証人喚問を要求する野党にたいして安倍政権・自民党は、かたくなに拒否する姿勢をとっている。訴追・逮捕をちらつかせ脅しつけて黙らせた籠池が、もしも口を開けば何を言いだすかわからぬと脅えているからだ。三月十日の籠池会見に耳目が集まるのを恐れた安倍は、これにぶつけて急きょ同時刻に南スーダンPKOからの陸自撤退表明の記者会見をひらくという姑息な策さえ弄したほどだ。
 安倍の虫のいい幕引き策動はすでにほころびをみせている。副総理兼財務相・麻生の「筆頭家老」と呼ばれる参院議員・鴻池祥肇(よしただ)が、籠池から自分への口利き要請を記録した「陳情整理報告書」を公然と日共に手渡し、「野党ガンバレ」と檄を発する蛮勇をふるった(三月一日)。さらに自民党内から、「政府・与党は、徹底解明する責務を有している」(石破茂、三月十日)とか、「特別の力学が働いたと思わざるを得ない」「安倍総理大臣や昭恵夫人との関連は、自ら明らかにされることだから多くは語らないが、『異常な事案』として、徹底的に事実関係を明らかにしなければならない」(船田元、三月九日)とかと、「森友疑惑解明」の声が執拗にあがってもいるのだ。
  *  *  *
 安倍政権が焦りに焦ってもみ消しに躍起になっている森友学園疑獄問題。その核心は以下の諸点にある。
 (1)森友学園が「小學院」建設用地として大阪府豊中市の国有地を取得するにあたっての、財務省と国交省による異常な厚遇措置(タダ同然の超格安価格と短時間での払い下げ決定)。この国有地不正取得が、首相・安倍じしんの指示にもとづいて実行されたこと。
 (2)小学校新設の認可をめぐって、森友学園の希望を受けた当時の知事・橋下が大阪府の認可基準を緩和したこと。財務状況の悪さが歴然としており土地を取得してもいない段階で大阪私学審に「認可適当」の判断を出させるために、橋下と現知事・松井ら「維新の会」が動いてきたこと。
 (3)幼稚園児に「教育勅語」を暗唱させたり、運動会の宣誓で「安倍首相ガンバレ!」などと叫ばせたりする森友学園の教育方針を、安倍じしんが「素晴らしい」と絶賛し、「小學院」を日本会議直営≠フ神道・ウルトラ「愛国心」教育のモデル校にしようとしていたこと。
 これらの核心問題をうやむやにしてのりきるために、安倍政権・自民党や維新の会は、森友学園による「虚偽の契約書類作成」=補助金詐取問題にのみきりちぢめることに躍起になっている。一切の幕引き・隠ぺいを許さず、安倍・森友疑獄の深層をあまねく暴露していこう。

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3・6
「共謀罪の新設阻止!」
 全学連が首相官邸前闘争に決起
 
 三月六日、全学連のたたかう学生たちは、「共謀罪新設阻止!」を掲げて首相官邸前闘争に勇躍決起した。
 安倍政権・自民党は、「テロ等準備罪」という名の共謀罪法案(組織犯罪処罰法改定案)を今月中旬にも閣議決定し国会に上程しようとしている。今日版の治安維持法というべきこの共謀罪の新設を絶対に阻止する闘いの烽火をあげたのだ。
「共謀罪新設を狙う安倍政権の企みを打ち砕くぞ!」闘う学生が決起
(3月6日、首相官邸前)
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2・22大分
「日出生台での実弾砲撃演習阻止!」
 米軍物資陸揚げに怒りの拳
 二月二十二日、大分市大在埠頭ゲート前において、鹿児島大学のたたかう学生たちは、大分県日出生台での米軍実弾砲撃演習を阻止するために、米軍物資・車両の陸揚げに反対する現地闘争に決起した。大分県平和運動センターに結集する労組員と連帯して、怒りの声を断固とどろかせたのだ。
日出生台演習場へ向かう米軍の車列に労働者・学生が怒りを叩きつける
(2月22日、大在埠頭ゲート前)
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