第2456号(2017年2月20日)の内容

<1面>
トランプに隷従する安倍政権の改憲・安保強化を打ち砕け
<3面>
辺野古着工阻止に起つ
 陸・海で実力闘争 2・6―8
 学生抗議集会 1・28
<2面>
米軍の実弾砲撃演習阻止!
 「連合」日出生台集会 1・28
鹿児島大生が学内集会 1・25
<4〜5面>
「現場力強化」と「生産性向上」への協賛
 JCメタルの賃金・労働政策
◆わが同盟の17春闘スローガン
<6面>
日教組破壊攻撃をはね返し全国教研の創造的実現を!
Topics 「全労連」の17春闘方針
<7面>
リフレ派バカセ・浜田の鉄面皮な変身
読者の広場 感想・意見・疑問
 中央労働者組織委論文を読んで
<8面>「資本主義のもとでの人間発達」の妄想
 ―池上惇批判― <下>
◆「教育無償化のためには改憲が必要」??
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号
































  


トランプに隷従する安倍政権の改憲・安保強化を打ち砕け

「アメリカ・ファースト」を呼号するトランプ政権への忠誠の儀式―日米首脳会談

ユーラシア大陸の東西で高まる戦乱の危機

 対米の核軍事力増強に突進する習近平政権

 ウクライナへの戦争放火をしかけるプーチン

<反安保>の怒りのうねりを全国から巻き起こせ!

 これまで「世界の警察官」の役割を背負わされてきたことによってアメリカが没落したなどと、アメリカを被害者として描きだすトランプ。この男は、「世界の警察官」としての役割を真っ向から否定し、「アメリカ・ファースト」の名においてアメリカ一国の利害をエゴイスティックに貫徹することを国家意志たらしめた。「世界最強の米軍の再建」の名のもとに核軍事力における圧倒的優位を確保することを絶対的基礎として、アメリカの国益=<Aメリカ独占資本家階級の利害を排他的に貫徹しようとしているのだ。隷属国扱いしている日本にたいしては、財政的にも技術的にもアメリカの核軍事力増強を支え・対中国軍事包囲網の中軸を担うことを強いるとともに、イスラム武装勢力との戦いの戦費拠出などを要求している。経済的には日本政府・日銀による円安誘導や日本系多国籍企業の対米輸出拡大などをアメリカの国益を損なうと槍玉にあげながら、日本政府に政策の変更を迫っていこうとしているのだ。
 現代世界はいま、東アジアを舞台にして米中の角逐が熾烈化し、諸国家が互いに軍事力をバックとしながら国益を貫徹する秩序なき時代≠ノ突入している。この激動のただなかにおいて、日本帝国主義の安倍政権は、「二十一世紀の超大国」へと驀進する「市場社会主義国」中国に対抗するために、アメリカ帝国主義のトランプ政権にすがりつき、日米新軍事同盟の強化に狂奔している。アメリカの敵≠軍事的にねじふせるために、そして崩落した国内産業基盤を再建するために、日本の経済力・技術力・軍事力をとことん利用しつくそうとするトランプのアメリカ、これに隷従する道を、安倍ネオ・ファシスト政権はただひたすら突進している。飼い主であるトランプへの貢ぎ物として、トランプが要求する日本国軍の海外派兵や軍事費の増額、基地強化などの軍事的負担のみならず、アメリカ経済のための多額の対米投資、TPPをうわまわる農林水産業部門の対米市場開放などを安倍政権は誓約した。この対米誓約を実現するために安倍政権は、辺野古の海を埋めたて、そして社会保障費や文教予算を徹底的に切りつめて対米支援財源を捻出しようとしているのだ。まさしくこの亡国≠フ誓約がもたらすであろう一切の犠牲を、貧困に苦しむ日本の労働者・人民におしつけることを企んでいるのだ。
 日本帝国主義の屋台骨をなすところの日米新軍事同盟、この帝国主義同盟の反人民性が、今このうえなく露わとなっているではないか。いまこそ、日米新軍事同盟の反人民性を怒りを込めて暴きだし、安保の鎖を断ちきる自覚を労働者・学生・人民に促し、もって安保破棄をかちとる力を創造してゆくべきなのである。だがこのときに、日共の不破=志位指導部は、「野党と市民との共闘」なるものを自己目的化し、辺野古新基地建設に反対する闘いにおいても、自衛隊のPKO派遣に反対する闘いにおいても、「反安保」を完全に放棄している。これほどの犯罪がまたとあろうか。いまこそすべてのたたかう労働者・学生・人民は、<反安保>の旗高くたたかおう! 日米新軍事同盟の強化を打ち砕け! <安保破棄>めざしてたたかおう! 中国の対米対抗的な核軍事力の増強に反対しよう!
 安倍政権・NSCが派遣した警察権力・機動隊の凶暴な弾圧を打ち砕き、辺野古新基地建設のための海上工事を阻止せよ!
 政府・防衛省は、南スーダンにおいて「戦闘が発生した」と明記した自衛隊の日報を隠蔽したうえに、「憲法九条上の問題になる言葉を使うべきではない」から「戦闘」とは言わない(防衛相・稲田)、などと傲然と居直っている。「交戦権の否認」を謳った憲法九条を現実に踏みにじって自衛隊に戦闘任務を付与して派兵するために、「南スーダンは平穏」などと文字通りの真っ赤な嘘をついたのだ。南スーダンPKO派兵に反対せよ! 第九条の破棄を核心とする憲法の改悪を阻止する闘いを断固として創造せよ!
 共謀罪の新設反対! ネオ・ファシズム支配体制の強化反対!
 いまこそすべての労働者・人民は、対米隷従の安倍ネオ・ファシスト政権の打倒をめざして決起せよ!

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辺野古埋め立て着工阻止に起つ

2・6 

「海上工事再開を許すな!」

 陸・海で怒りの実力闘争

学生・労働者の闘いによって工事車両は立ち往生
(2月6日、キャンプ・シュワブ工事用ゲート)
スクラム固く弾圧をはねかえす
(工事用ゲート)
大浦湾の海岸で海上作業に抗議するたたかう学生たち
(2月6日)
海保の弾圧に抗し進入防止用フロートを越え作業海域に突入
(2月8日、大浦湾)
「安保破棄! 全基地撤去!」 瀬嵩浜で闘う学生たち
(1月28日、沖縄)
キャンプシュワブ・ゲート前集会に参加し労働者・市民と連帯し闘う
(1・28)

 二月六日、沖縄県学連の琉球大、沖縄国際大のたたかう学生たちは、日米両政府による米海兵隊の辺野古新基地建設のための埋め立て着工を阻止するために、結集した二五〇人の労働者・市民とともに、米軍キャンプ・シュワブゲート前と海上での実力闘争に決起した。
 許しがたいことに二月三〜四日に来日したトランプ政権の国防長官マティスは、日本の首相・安倍、防衛相・稲田と会談し、東・南シナ海で対米挑戦をエスカレートさせる中国に対抗するために、「日米同盟を強化」するとうたいあげた。この会談で「一にも辺野古、二にも辺野古」とマティスから新基地建設を急ぐよう尻を叩かれた安倍政権は、ただちに二月六日から辺野古の埋め立て工事に着手すると決定し、その最初の段階となる汚濁防止膜を設置するための巨大なコンクリート・ブロック(一一〜一四トン)を、二二八個も大浦湾に投下せんとしていたのだ。絶対に許すものか!

二五〇労働者・市民とともに闘う学生がゲート前で奮闘

 朝七時三十分、たたかう学生たちは、県民会議が主催する早朝行動にあつまった労働者・市民とともに、海上の作業員や工事車両を米軍基地ゲートから中へいっさい入れないために、キャンプ・シュワブの全ゲート(三ヵ所)にピケット部隊を配置する戦闘態勢をとった。たたかう学生はゲート前で、「埋立着工反対」「米トランプ政権の大軍拡反対」「日米首脳会談反対」「日米安保の強化反対」と書いたプラカードをかかげ、闘いの方向性を鮮明にさし示す。八時、海上の作業員をのせた車両が、ゲートの前を何度も通り過ぎるものの、ゲートをかためている労・学・市民を前にして基地内に入ることができない。だが九時前に、市民から名護警察署の裏手に工事車両が結集しているとの一報が入る。
 現場が一気に緊迫する。九時三十分、たたかう学生・労働者・市民がまち構えるなか、重機や砂利を満載した大型トラック・海上作業員をのせた十数台の車列が第二ゲートにむけてやってきた。「きたぞ!」「工事車両をとめろ!」第二ゲート前にいた労働者や市民が車道に飛びだし、断固として車列を止めはじめた。あわてた県警・機動隊ら二十名ほどが新ゲートから飛びだして坂を駆けくだり、工事車両に立ちはだかる労・学・市民を排除しようと襲いかかる。騒然となる第二ゲートからの搬入は無理と見た工事車両は坂をのぼって、工事用ゲートから資材を搬入しようと試みる。「弾圧反対! 埋め立て反対!」工事用ゲート前に座り込むたたかう学生・労働者・市民の怒声を浴びながらも、機動隊員は四〜五人がかりで襲いかかり、ごぼう抜きを開始した。しかし座り込み部隊も腕をくみ脚をからめ必死に抵抗する。一進一退の攻防が続くなか、機動隊は座り込みから引きはがした労働者・市民らを、再び座り込みに戻れないように、人壁をつくりその中に次々にとじこめていく。
 これを見た労働者・市民が、工事用ゲートをめがけて、新ゲートから、第二ゲートから、続々と駆けつける。機動隊の壁にとじこめられていた労働者や市民も、たたかう学生の「弾圧反対!」「機動隊かえれ!」のシュプレヒコールに鼓舞され、機動隊をグイグイと押し返す。機動隊の壁が崩され、とじこめられていた労働者・市民が、次々に工事用ゲート前の座り込みに戻ってくる。十時三十分、ふたたび七十名近い労働者、市民、たたかう学生がゲート前を占拠した。工事車両も、先頭の大型トラックを労働者・市民らに止められ、坂の途中で完全に立ち往生となった。

機動隊の弾圧をはねのけ工事車両に立ちはだかる

 だが、これに苦虫をかみつぶした沖縄県警は、おっとり刀で増援をよび、再びゲートを突破しようと試みた。十一時、増援された一〇〇名近い機動隊は、機動隊バスを三台ならべて隔離&ヌを増強し、工事車両搬入阻止闘争をくりひろげる労・学・市民を完全に排除する挙にでた。たたかう学生がシュプレヒコールをあげ、全体を鼓舞する。「弾圧反対! 埋め立て反対!」全体がこれに呼応して労働者・市民が機動隊の壁を押し返す。怒りを爆発させた労働者や市民は、機動隊バスをグラグラとゆさぶり、ひっくりかえさんばかりの勢いだ。たたかう学生を先頭にして労働者・市民は、機動隊の弾圧をはねかえしつつ、工事車両が搬入される十二時前まで、怒りの声をたたきつけてたたかいぬいた。
 こうしたなかで、闘争現場の責任団体である日本共産党系の反対運動役員は、「機動隊の壁を突破したら逮捕される」と言って闘いに水をかけるという、醜悪な姿をさらけだしたのだ。たたかう学生は既成反対運動指導部による闘争抑圧を許さず、陸上において、労働者・市民らとともに、早朝から半日にわたって工事車両の搬入を阻止したのだ。
 県民会議主催の総括集会後、琉球大、沖縄国際大のたたかう学生たちは、海上工事が強行されている大浦湾の砂浜に移動し、抗議集会をおこなった。たたかう学生たちは、眼前の大型掘削調査船やコンクリート・ブロックを満載したクレーン付き台船にむけ、怒りのシュプレヒコールをたたきつけるとともに、海上でたたかう抗議船団・カヌーチームにたいして、熱烈に連帯をよびかけたのだ。

海上で敢然と抗議行動

 ゲート前の奮闘と連携して、海上行動チームは、工事再開いらい最大の結集をかちとり十六艇のカヌーと六隻の抗議船とで大浦湾に漕ぎだした。「絶対にトン・ブロックの投下を許さない」固い決意で、敢然と海上抗議行動をたたかったのだ。
 十一時過ぎ、クレーン台船からブロックを移しはじめた。台船に最も近い弾薬庫下に結集した海上行動チームが、抗議船から作業を弾劾するアジテーションを始める。「新基地建設を絶対に許さない」「米軍の侵略戦争のための軍事拠点建設を許さない」辺野古の海に、憤怒に満ちた声が響きわたった。進入防止用のロープをはりめぐらせた特殊フロートを挟んで、弾圧の機をうかがう海上保安庁のボート十数艇と対峙しながら、海上行動チームは決然たる抗議行動をくりひろげたのである。

2・8 進入防止用フロートを突破し作業台船に肉迫

 二月七日、許しがたいことに、安倍政権はトン・ブロックを大浦湾に投下した。海上行動チームは、二月八日、連日にわたり進入防止用フロートを突破し、作業台船に肉迫して敢然とたたかいぬいている。

瀬嵩の浜で学生抗議集会 1・28

 一月二十八日、琉球大学と沖縄国際大学のたたかう学生たちは、米海兵隊の辺野古新基地建設を阻止するために、大浦湾に面した名護市瀬嵩の浜で学生抗議集会にたちあがった。

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「現場力強化」と「生産性向上」への協賛

JCメタル「第三次賃金・労働政策」の反労働者性

 一七春闘の山場を前にしてJCメタルを構成する日本のものづくり産業¥箔ニ占資本の頭上にトランプショック≠フ一大激震が走った。JCメタルの指導部が昨一六年と変わらない低額の「三〇〇〇円以上」という賃上げ要求をうちだし、構成各産別労連がそれぞれ要求額(率)を決定して交渉に入ろうとしていた、まさにそのときトランプ勝利≠フ一撃が炸裂したのだ。
 「アメリカ第一主義」を標榜するトランプは、NAFTAの再交渉、TPPからの永久離脱を宣言しただけでなく、「日本との自動車貿易は不公平だ」と日本の自動車メーカーを恫喝している。
 メキシコに新工場を設置することを計画していたトヨタに、トランプはこの「計画はありえない、作るなら高い関税を払え」とツイッターに投稿し撤回を求めた。トヨタにとってメキシコに新工場を建設することは北米戦略の要をなす。さらに、トヨタが名指しされているとはいえ、日産・マツダ・ホンダなど日本の自動車資本、そしてデンソーをはじめとする主要な部品メーカー、さらに新日鉄住金、旭化成、東レなど、素材を供給する大独占資本にもトヨタと同様の対米戦略の見直しが迫られるのだ。
 トヨタ経営陣は社長・豊田章男を先頭にしてトランプの御機嫌うかがいに走り、労働貴族との春闘交渉などまったくそっちのけで企業防衛のためにふるまっている。他の自動車資本ばかりでなくメキシコに進出しているすべての製造業の独占資本家たちはトランプの機嫌をうかがいながら企業戦略の練り直しにのりだしている。
 こうした独占資本家どものあわてぶりを見て、まさにお家の一大事≠ニばかりに危機感を共有し、春闘の賃上げ要求などそっちのけで企業防衛のために馳せ参じようとしているのがJCメタルの労働貴族どもなのだ。
 JCメタルの労働貴族どもは、昨年八月に策定した「第三次賃金・労働政策」において「第4次産業革命」が世界的に進展しているもとで決定的にたち遅れてしまっている日本のものづくり産業の国際競争力を確保するためには、「日本のものづくり産業の強みである現場力」を発揮することがカギである≠ニ強調している。今こそ「現場力」を強化し、資本の生産性向上策、競争力強化策に積極的に協力し支える、と表明している。独占資本がトランプショックをうけて危機に立っている今こそ、<労使政運命共同体>思想を発揮して資本の生き残りのために馳せ参じようとしているのだ。
 労働者の生活苦など歯牙にもかけず、春闘を横にどけて企業防衛のためにふるまうJCメタル労働貴族を弾劾し一七春闘をねばり強くたたかいぬくのでなければならない。

以下見出し
1 ものづくり産業の「現場力」の限りない美化

 「第4次産業革命」の立ち遅れへの焦燥
 「第二労務部」然とした労働強化の尻押し

2 「高付加価値の循環」構造づくりのための「人への投資」要求
 
 「人材移動」=解雇への協力

3 経団連に迎合した「同一価値労働同一賃金」論

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米軍の実弾砲撃演習阻止!
 「連合」日出生台集会 1・28
 二月二十七日から三月八日にかけて大分県・日出生台演習場で在沖米軍が実弾砲撃演習を強行しようとしている。これにたいして一月二十八日、地元玖珠町の玖珠川河川敷において、「『米軍基地の整理・縮小』と『日米地位協定の抜本的見直し』を実現する1・28日出生台集会」(「連合」九州ブロック連絡会・「連合大分」主催)が開催された。この集会には、地元大分をはじめとして、九州各地から労組員四八〇〇名が結集した。
 わが同盟情宣隊は、結集した労組員にたいして米軍演習阻止の闘いを「連合」中央の「米軍基地の整理・縮小」要求運動をのりこえ<反安保>を掲げて戦闘的にたたかおうと呼びかける情宣をくりひろげたのだ。 
 「連合」傘下労組の労組員4800名が結集した1・28日出生台集会
(大分県玖珠町)

わが同盟情宣隊が「演習阻止」を訴え
(1月28日、玖珠町)
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鹿児島大生が学内集会 1・25
 一月二十五日、鹿児島大学のたたかう学生たちは「辺野古新基地建設STOP! 憲法改悪阻止! 沖縄・全国のたたかいと連帯する1・25集会」を鹿大キャンパスで開催した。
沖縄・全国の闘いと連帯して奮闘する学生たち
(1月25日、鹿児島大)
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