トランプ新政権の大軍拡反対！

日米グローバル戦争同盟の強化を打ち砕く反戦反安保闘争に起て

　一月二十日、ドナルド・トランプが第四十五代アメリカ大統領に就任した。ワシントンそして世界中でトランプの大統領就任に抗議する数十万人、数百万人のデモが波状的にくりひろげられている。アメリカの警察権力は、催涙ガスをも使用し凶暴な牙をむきだしにしてこれを弾圧している。この男は就任演説で、「エスタブリッシュメント（支配層）」は「国民を守らなかった」などと声高に叫びたて、��既成政治への挑戦者�≠ﾆしてみずからをおしだしてみせた。そして、全世界に向かって傲然と「今日この日から、ひたすらアメリカ第一に徹する」と叫んだのだ。
　就任式直後からトランプ新政権は、ＴＰＰからの「永久離脱」、ＮＡＦＴＡの再交渉、メキシコとの国境への「壁」建設、中東・アフリカ七ヵ国からの難民入国禁止措置などを指示する大統領令を矢継早にうちだした。のみならず、「他国がわれわれの軍事力を上回ることを許さない」と称して、中国を主敵とした大軍拡政策を前面におしだしたのだ。
　このトランプの国家エゴイズムをむきだしにした強硬姿勢のおしだしは、全世界に政治的地殻変動をまきおこし、経済的な対立の深まりと世界的大戦の危機を切迫させているのだ。
　対米貿易不均衡で日本もヤリ玉にあげ在日米軍駐留経費の負担増を要求するトランプの登場にうろたえ焦りにかられている日本の安倍は、「トランプ新大統領と同盟の絆をさらに強化する」（施政方針演説）などとトランプ就任式直前に表明した。この徒輩は、米新政権にひたすら忠誠を誓いすがりついている。辺野古新基地建設工事の再開強行など日米新軍事同盟のよりいっそうの強化と憲法改悪に突進する意志を鮮明にしているのが安倍政権なのだ。
　たたかう労働者・学生諸君！　大きな歴史のうねりを前にして、われわれは排外主義をむきだしにしたトランプ新政権の大軍拡に断固として反対しよう。日米侵略戦争同盟の構築・強化反対！　憲法改悪阻止！　の革命的反戦闘争の一大高揚を切りひらこう。＜米―中（露）の核軍事力増強競争反対＞の旗高く国際的な反戦闘争を全世界の労働者・人民に呼びかけつつたたかおう。一月二十二日にわが革命的学生たちが権力の弾圧をはね返し、東京・渋谷で反戦反安保・改憲阻止のデモを敢行した。さらなる巨大な反戦の闘いでトランプ・安倍を震撼せしめよ！

以下見出し

国家エゴイズムむき出しの大統領就任演説
　対ロシア「協調」姿勢のおしだし

米新政権発足に身構える習近平中国の対抗策
　トランプを揺さぶるプーチンと加速するＥＵ分解

「新しい国」の「新憲法」策定を呼号するネオ・ファシスト

革命的反戦闘争の国際的な高揚をかちとろう！

わが同盟の二〇一七春闘スローガン

一七春闘勝利！　安倍ネオ・ファシスト政権の憲法改悪と貧困強制を打ち砕こう！

�T　労働者間の分断を許さず、階級的団結の力で大幅一律賃上げをかちとろう！
　◇中小企業労働者や非正規雇用労働者の賃金・労働条件の抜本的改善をかちとれ！
　◇労働者を過労死に追いこむ超長時間労働の強制を許すな！
　◇大リストラ・首切り攻撃粉砕！
　◇「仕事・役割・貢献度」の名による人事・賃金制度の大改悪を許すな！
　◇公務員労働者の大量人員削減・賃金切り下げ反対！
　「格差是正」の名において超低額要求に抑え込む「連合」式春闘をのりこえ闘おう！
　「社会的賃金闘争」と称して選挙カンパニアに埋没する「全労連」日共系指導部を許すな！
�U　安倍式「働き方改革」の欺瞞性を暴き出せ！　労働諸法制の大改悪阻止！
　◇「同一労働同一賃金」や「長時間労働是正」を看板とした生産性向上促進策を許すな！
　◇八時間労働制の実質的撤廃を阻止せよ！　解雇の自由化を許すな！
　◇弱者切り捨ての社会保障制度大改悪を許すな！
�V　日米グローバル戦争同盟の強化を許すな！　辺野古新基地建設阻止！
　◇オスプレイを日本全土から撤去せよ！
　◇侵略戦争法撤廃！　南スーダン派兵反対！　安保破棄めざして闘おう！
　◇原発再稼働反対！　武器輸出反対！
�W　憲法改悪阻止！　日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化を許すな！
　◇労組破壊を許すな！　共謀罪の新設粉砕！
　◇教育のネオ・ファシズム的再編反対！

＜反ファシズム統一戦線＞を構築し、改憲・軍事強国化に突進する安倍ネオ・ファシスト政権を打倒せよ！
跳梁するネオ・ファシズムを全世界労働者・人民の階級的団結で打ち砕け！

最新号紹介

新世紀　The Communist　第２８７号
２０１７年３月


戦乱とファシズムを打ち砕く拠点を――全世界人民への檄

　激動の二〇一七年劈頭にあたり、「戦乱とファシズムを打ち砕く拠点を」のメインスローガンを掲げた『新世紀』第二八七号を、たたかう仲間におくる。
　◆巻頭「ロシア革命一〇〇周年　＜暗黒の二十一世紀＞を覆す革命的拠点を構築せよ」（無署名）は、この記念すべき年を迎えるわが同盟の決意を高らかに宣言している。論文は、米新大統領トランプの登場による世界の一大地殻変動を分析し、力をこめて訴えている。
　――全世界のプロレタリアートの自己解放にむけて輝かしい第一歩を切りひらいた一九一七年ロシア革命。にもかかわらず、ソ連邦の崩壊と全世界のスターリニストの総転向のゆえにプロレタリア階級闘争は衰滅させられている。トランプの登場をインパクトにしてますます危機を深めるこの＜暗黒の二十一世紀＞を根底から覆し、プロレタリア解放闘争の全世界的な蘇生をかちとる拠点をうち固めよう。そのために、黒田がハンガリー事件と主体的に対決し決然として創成したわが反スタ運動、その場所的な原始創造を！――
　このように熱く呼びかけている。

トランプ新政権の階級的本性を喝破

　「国家エゴイズムむきだしのトランプ政権」（茅ヶ崎洋）は、閣僚を極反動分子で固めたトランプ新政権の内外諸政策の階級的本性を喝破している。米国第一主義の理念化、「一つの中国政策」の否定、反グローバリズムのトランポノミクス、製造業国内回帰を迫る強圧。だが階級間・人種間の格差と貧困にあえぐ労働者・人民は労働運動指導部の腐敗のゆえにトランプの排外主義的煽動にまきこまれている。この末期帝国主義アメリカの悲惨な現実を根底から覆すために、真のマルクス主義の復権をかちとろう、と論文は訴えている。
　「ロシア革命一〇〇周年資本主義ロシアを転覆するプロレタリア再革命の炎を」（石垣次郎）は、「ロシアとの協調」を謳うトランプの登場に雀躍しシリア・アレッポ攻略をはじめとしてロシア勢力圏を拡大せんとするプーチン政権の策略を暴きだしている。ロシア左翼諸政党は大国ナショナリズムに呑みこまれ、「ソ連邦の復活」をただ唱えているにすぎない。論文は、いまこそスターリン主義を超克し二十一世紀を革命の第二世紀たらしめよう、と檄を発している。
　「朴政権打倒に決起した韓国の労働者・人民」（鎌田敏勝）は、人民が怒りを爆発させた韓国の政財癒着、階級格差の拡大を鋭く抉りだしている。
　◆労働戦線における闘いの指針を掲載した。「一七春闘の戦闘的高揚を切り開け」（中央労働者組織委員会）はわが同盟の春闘戦闘宣言だ。
　「病床削減を狙う診療報酬改定」（仙道茜）、「郵便局窓口営業部門の人員削減・労働強化」（浅口明央）は職場で苦闘する労働者の力強い反撃の指針だ。
　◆「日銀『異次元金融緩和』政策の完全破産」（風不死涼太）は、「異次元緩和」策の凄絶な破産を喝破している。さらに、リフレ派理論そのもののマヤカシと反人民性を暴きつくしている。
　日本を軍事強国に飛躍させることを狙う安倍政権・防衛省は、兵器開発と武器輸出の拡大のために軍事技術基盤の構築に狂奔している。その実態を暴きだしたのが「急拡大する軍学共同の軍事研究」（平尾謙司）である。
　本号掲載の諸論文を闘いの武器として大いに活用されたい。