小池都当局による大幅賃下げ・扶養手当削減を阻止せよ!
「自律改革」の名による労務管理強化・労組破壊を許すな!
自治体労働者委員会
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11・15都労連集会に結集した労働者(東京都庁前) |
都労連組合員のみなさん!
東京都小池当局は、配偶者扶養手当の大幅引き下げ、ベテラン労働者をターゲットとした給料表の号給カットなどの大幅賃下げを、あくまで強行しようとしている。労働者の生活を破壊する、この悪辣な攻撃を絶対に許すな!
いま安倍政権は、憲法審査会の再開を決定し、いよいよ憲法改悪に向けた総攻撃に突き進んでいる。そのために、あらゆる反対運動を根絶やしにすることをたくらみ、とりわけ公務員労組をターゲットに労組破壊攻撃を強めている。この安倍と裏で結託しながら、「自律改革」の名のもとに労務管理を強化し、労組破壊を狙っているのが、都知事・小池なのだ!
小池都当局の悪辣な攻撃に反撃し、11・16の一時間ストライキを全力でうちぬこう!
大幅賃下げ攻撃を許すな!
都人事委員会は、基本給の据え置き、行政職(一)一級給料表の高位号給カット、配偶者扶養手当の大幅引き下げを勧告した。都当局は、特別給のわずか〇・一月の引き上げという勧告についてさえ「都民の理解と納得を得られるかといった観点」から「取扱いについて慎重に検討」する、などと明言をさけながら、この反動的人勧の「実施」をあくまで強行しようとしている。そればかりではない。扶養手当受給者の収入限度額の国並み引き下げ、さらに業務職給料表の十六号給カットなどを提案してきた。都当局による賃下げ攻撃を絶対に許すな!
都当局は、配偶者の扶養手当を年額一三万円以上も引き下げようとしている。「職責・能力・業績に応じた人事給与制度」に純化していくことをたくらみ、賃金から生活給的要素を根こそぎ剥ぎとろうというのだ。
安倍政権は「一億総活躍プラン」を掲げ、「女性の活躍」を「最重要課題」などと称して企業が安価な女性労働力を「活用」することを「活躍」と言いくるめつつ、それを促進している。しかも保育や介護の現場を支える労働者の劣悪な処遇は放置しているのだ。このような安倍政権と相呼応して、国をも上回る配偶者の扶養手当の引き下げと収入限度額の国並み引き下げを強行しようとしているのが都当局にほかならない。
小池都当局による労働強化反対
小池都当局は、都庁において強権的に「残業削減マラソン」をおしすすめ、各局ごとに超勤縮減率を競わせている。小池は、さも労働者の生活を思いやっているかのように、「ライフ・ワーク・バランス」、「長時間労働の是正」を掲げている。しかし、なにゆえメンタル疾患が続出するほどの長時間労働が生みだされているのか。業務量の増大にもかかわらず、あいつぐ人員削減が強行されてきたからではないか。それをあたかも職員がダラダラ働いているかのように描きだし、「残業削減」「生産性向上」を叫びたてるのは、よりいっそうの労働強化と不払い残業を押しつけるためなのだ。
今日「働き方改革」を掲げる安倍政権は、労働時間の上限規制の適用を除外する制度を盛りこんだ労働基準法改悪案を国会に上程している。総選挙を見越して先送りにしたものの、「時間ではなく成果で評価される働き方」などといいながら、労働者を無制限にタダ働きさせることを狙っている。これと同様に、「残業削減」の名において労働者に生産性向上を強制しているのが、小池なのだ。生産性向上と超勤手当カットを強要する「働き方改革」に反対しよう!
「東京大改革」を許すな!
豊洲新市場の「盛り土」問題を大々的に取り上げ、みずからをあたかも正義の味方≠ナでもあるかのようにおしだしてきた都知事・小池は、いまや関係職員への処分をもって事態の幕引きを図ろうとしている。都の不祥事≠十全に活用し、都幹部を一挙に「粛清」し、みずからに抵抗する部分を一掃することを狙っているのだ。
小池は「都政改革本部」の十一人の特別顧問に強大な「権限」を付与し、都庁幹部に「自律改革」を強制している。同時に若手職員を改革の担い手として組織するために「職員目安箱」の設置や「若手プロジェクトチーム」をつくらせるなどの方策を実施している。
小池は都政の「見える化」「情報公開」を大義名分として、「内部通報システム」と銘打った相互監視体制を構築し、みずからの政策を有無を言わさずトップダウンで実行させるために、旧来の都庁組織そのものを大きくつくりかえようとしているのだ。
小池は「オリンピック・パラリンピック」を自己宣伝の場として大いに活用しつつ、「無駄の排除」といいながらすべての事業を見直しの対象とする一方で、「知事マター」と宣言した諸施策については予算の上限をもうけずに実現をはかるとしている。しかし「都民ファースト」と聞こえのいいことを言いながら、やろうとしていることは何か。「国際金融都市東京」の実現のための拠点整備・道路整備や羽田空港の機能強化、法人税の減税など、ことごとくが独占資本に利殖の機会を提供する「大企業ファースト」の施策ではないか! 小池が特別顧問の筆頭に任命した上山は、大阪の橋下のブレーンとして「過剰サービス、過剰人員、過剰コスト」などとうそぶきつつ、バスや地下鉄、水道などの民営化の旗を振ってきた張本人ではないか。また同じく特別顧問の鈴木亘は、医療・介護・保育の料金が安すぎるから、過剰な需要が生まれ待機問題が起こる≠ネどとデタラメな主張をして利用者の負担増を主張しているではないか。こいつらを先頭に立てて、公的サービスの切り下げやさらなる人員削減や民間委託、民営化などを狙っているのが小池なのだ。
改憲・労組破壊を許すな!
いまマスコミは連日「小池劇場」を報道し、天下りで甘い汁を吸っている都幹部と現場で身を粉にして働いている都職員を意図的に同一視して、「都職員を厚遇している」などの大キャンペーンをはりめぐらせている。このマスコミの援護射撃を受けて、「改革」を叫びながら労組破壊を狙っているのが小池だ。
安倍政権は、「中立性を逸脱した教員」に罰則を科す教育公務員特例法の改悪など、公務員労組の破壊を狙っている。都知事・小池は、都議会自民党との対決姿勢をおしだしながら、背後では安倍政権と気脈をつうじているのだ。「国民主権という傲慢な思想」の放棄と「大日本帝国憲法」の復活を求める都議会請願の紹介議員をかってでた元都議野田某を、わざわざ特別秘書として任命したのが小池だ! しかもみずからも「日本会議」に属するれっきとした右翼ナショナリストではないか。都民に向かっては笑顔をふりまきながら、改憲と労組破壊のどす黒い意図を押し隠しているのだ。
自治労・自治労連本部の闘争歪曲をのりこえ闘おう!
安倍政権は、改憲に向けた総攻撃を開始し、いまや労働者が血みどろの闘いをつうじて勝ちとってきた諸権利をも根こそぎ奪いとろうとしている。今ほど労働組合に結集したたかうべき時はない。ところが今日この時に「連合」会長・神津は、自民党幹事長・二階と会談した。自民党と政策面で意見交換していくことで合意したというのだ。安倍自民党は、衆院選に向けて民進党の支持基盤をぶっかき、さらに労働組合を深くとりこむことを目論んでいる。この安倍政権に、みずから積極的に応えているのが、「連合」指導部内の右派労働貴族どもなのだ。
今や自民党に抱きついた「連合」労働貴族を前にして、自治労本部は、「連合はもっと連帯して(選挙を)たたかうべき」と弱々しくつぶやいているにすぎない。「改憲阻止の闘いは中道・リベラルの結集なくしてはできない」と、民進党の選挙応援に闘いを解消しているのだ。労働組合が「改憲阻止」の共同行動を大衆的に組織することが今日ほど重要な時はないにもかかわらず!
他方自治労連本部は、「改憲阻止」を前面に掲げてはいる。しかし彼らは、民進党との共闘を自己目的化する共産党中央指導部に盲従し、組合員に「野党共闘」への幻想を煽っているにすぎないのだ。
戦争準備をしゃにむに進める安倍ネオ・ファシスト政権が、NSC(国家安全保障会議)専決体制を強化しているなかで、もはや国会審議が儀式でしかないことは明らかではないか。今こそ既成指導部による議会主義的歪曲をのりこえ、全国の自治体労働者のたたかう団結を基礎に、この画歴史的な攻撃に反撃する闘いをつくりだそう!
都労連本部は「労使自主解決」を掲げ、小池批判を極力避けながら都当局と労使交渉を重ねている。しかし、前代未聞の公務労組破壊の三条例を制定した橋下のブレーンを重用しているのが小池ではないか。小池式「都政改革」の極反動性を暴きだし、組合員を武装し団結をうち固めるべきではないのか!「労使自主解決」の形式を護持することに闘いをきりちぢめてはならない。改憲・労組破壊の嵐を打ち砕くために、今こそ職場から組合組織を強化し、日本労働運動再生の先頭に立ってたたかおうではないか!
反ファシズム統一戦線を構築しよう!
全世界で、グローバル化した独占資本によって搾取され収奪されている労働者・人民の怒りは、だが各国労働運動指導部の腐敗ゆえに、トランプのごとき極右の排外主義者にからめとられつつある。この悲劇を突破するために、今こそわれわれは日本の地において、ネオ・ファシズムに抗する闘いを労働組合を主体としてつくりだそうではないか。
都労連組合員のみなさん!
既成指導部の闘争歪曲をのりこえ、安倍ネオ・ファシスト政権による憲法改悪を絶対に阻止しよう! 自衛隊の南スーダン派遣・「駆けつけ警護」任務付与反対! 高江オスプレイパッド・辺野古新基地の建設阻止!
原発再稼働阻止! 社会保障の切り捨て反対! 労働諸法制の大改悪反対! 独占資本を優遇し労働者・人民に貧困を強制するアベノミクス諸政策反対!
安倍政権による労組破壊攻撃をはねかえし、反ファシズム統一戦線を構築しよう! 今こそ労働者の力で安倍政権を打倒しよう!
(十一月十五日)
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