第2446号(2016年11月28日)の内容

<1面>
反戦反安保・改憲阻止の奔流を!
ネオ・ファシズムの嵐を打ち砕く階級的戦列を構築せよ
<4面>
ネオ・ファシストによる日教組壊滅策動を許すな
蓮舫民進党に「本気の共闘」を哀訴する代々木官僚
<5面>
トヨタとスズキの提携に伴う労働者への犠牲転嫁を許すな
<2面>
「米軍Xバンドレーダー基地撤去!」
闘う学生が現地闘争に起つ 11・6 京丹後
<3面>
金沢大生が改憲反対集会で奮闘 11・3
北海道 台風の連続的上陸で過去最大規模の農業被害
<6面>
小池都当局による大幅賃下げ・
扶養手当削減を阻止せよ!
「連合石川」秋闘決起集会 11・8 金沢
<7面>
Topics トランプの排外主義煽り立てを許すな
志賀原発で雨水流入事故
<8面>
万華鏡2016――情勢の断層を読む
◆「重要影響事態」訓練
◆六中全会の「核心」
◆暴言誇示
◆カウンターステルス
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号   



































  


反戦反安保・改憲阻止の奔流を!


ネオ・ファシズムの嵐を打ち砕く階級的戦列を構築せよ


「アメリカ・ファースト」を鼓吹するトランプ


 ニューヨーク・マンハッタン五番街の「トランプ・タワー」においてアメリカの次期大統領トランプと日本の首相・安倍が、初の直接会談に臨んだ(アメリカ時間十一月十七日)。
 この会談の直後に両者は、「信頼できる指導者である」(安倍)だの「偉大な友情」(トランプ)だのとほめ合い、「ドナルド‐シンゾー」の「個人的関係の構築」を演出してみせた。安倍が五〇万円相当の高級ゴルフクラブを贈り、トランプがゴルフウエアの返礼をした、などとおしだしながら。
 大統領選期間をつうじて、「米軍駐留経費を日本が全額負担」しなければ「在日米軍を撤退する」とか、「TPP(環太平洋経済連携協定)からの脱退」とかと叫んできたトランプ。この次期米大統領≠ニのあいだで、とにもかくにも「日米同盟の信頼性」を確認しあった安倍は、トランプのアメリカとの同盟強化を基礎として日本を一流の軍事強国≠ヨとおしあげるという意志をいよいようち固めている。来年一月に発足するトランプ新政権がオバマ現政権以上に「任務分担の拡大と経費負担増」の要求を強めてくるであろうと身構えている。この対日要求の高まりをむしろ好機として、日本国軍をいつでも・どこででも米軍とともに戦いうる軍隊へと強化する野望をたぎらせているのが、このネオ・ファシストなのだ。
 トランプは、長女のイバンカとその夫、元国防情報局長で側近中の側近であるマイケル・フリンを会談に同席させ、「素晴らしい友情関係の始まり」などと安倍をあしらった。大統領選直後に世界の首脳に先駆け一番のりで直接会談に応じてもらったことに有頂天になっている安倍の心中を見透かし、トランプは属国・日本のネオ・ファシストを忠犬≠ニして抱きこむことを策したのだ。
 選挙戦のさなかに「グローバリズムではなくアメリカニズムだ」と叫んできたトランプは、この理念≠ノもとづいて、現下のアメリカ国家の危機をのりきるための諸政策の策定を急いでいる。
 資本のグローバライゼーションのもとでアメリカの製造業は生産拠点を続々と海外に移転し、産業の空洞化を著しく進展させてきた。一方では、失業のゆえにアメリカ労働者は路頭に放りだされ、その他方では、ごく少数の富裕層・独占資本家どもは膨大な富を蓄積しマネーゲームに狂奔している。〇八年秋のリーマンショックいこう、政府は破綻した金融諸機関の救済のためには巨費を投じ、貧窮に苦しむ人民=社会的弱者をおきざりにしてきた。オバマケアなど焼け石に水でしかなかった。首切りや非正規雇用による<どん底的貧困>に突き落とされた下層の白人非熟練労働者や中間層≠形成してきた白人熟練労働者たちのやり場のない怒りを、真の敵≠スるブルジョアジーにむけさせることなく、むきだしのUSAナショナリズムやレイシズム(人種主義)に彩られた言辞を弄して他国やヒスパニック・ムスリムに向けさせ、彼らの支持をかすめとったのがトランプであった。
 それだけではない。二〇〇一年いこう、アフガニスタン、イラク(シリア)において、足掛け十五年にわたって強行してきた「テロとの戦い」という名の侵略戦争・占領支配はことごとく破綻し、膨大な戦費負担を強いられたアメリカ国家は、財政危機の泥沼にはまりこんでいる。ユニラテラリズムにもとづく「ブッシュの戦争」を否定し、一度はアフガニスタン・イラクからの「撤退」期限を決めたオバマ政権は、ムスリム人民の果敢な反米武装闘争に逢着し前言を撤回せざるをえなくなった。この帝国は、引くにひけない蟻地獄に引きずりこまれている。この没落帝国主義の国家的危機を、「アメリカ・ファースト」をシンボルとする国家ナショナリズムの強硬な貫徹をもってのりきることを策しているのが、今ヒトラー≠ニいうべきトランプなのである。
 トランプは、「IS撲滅」の名によるムスリム皆殺し戦争を、「シリア・アサド政権の防衛」を標榜しているプーチンのロシアと結託しておしすすめることを鮮明にしている。「二十一世紀の超大国」へと雄飛する野望に燃えて対米挑戦にうってでている中国、この習近平政権と同盟的結託を強めているプーチン政権を中国から切りはなし政治的に抱きこむために、トランプは、「共産主義でもないロシアと対決するのは不要」とか「クリミアはロシアのもの」だとかと叫びたてている。オバマ政権下で施行されてきた対ロシア経済制裁の緩和と政治的対話≠ノふみだそうとしている。
 南シナ海の軍事拠点化に突き進んでいる中国の習近平政権にたいしてトランプは、当面は静観の態度をとっている。とはいえ、海・空軍の増強に狂奔している中国に対抗する腹であることは言うまでもない。「世界最強の米軍を再建する」「海軍三五〇隻、陸軍五四万人、海兵隊三六大隊」への大軍拡を提唱し、オバマ政権時に課されてきた軍事費の上限規制を破棄すると叫んでいるのだ。同時に、対米輸出を増大させている中国に苛だちを募らせているトランプは、中国を「史上最悪の為替操作国」「知的財産泥棒」と烙印し、対中輸入関税を四五%に引き上げることをも主張している。しかもトランプは「TPPからの脱退」「NAFTA(北米自由貿易協定)の見直し」を喚きたて、日本にも「保護関税」を課す(たとえば日本製自動車にたいしては、アメリカ産牛肉に日本がかけているのと同等の三八・五%にする――現在は二・五%)ことを主張している。
 NATO(北大西洋条約機構)にかんしてトランプは、加盟諸国が軍事費の「応分の負担」をしなければ防衛しない、などとぶちあげてきた。大統領選挙後ただちにトランプは、NATO事務総長ストルテンベルグにたいして、「NATOの不朽の重要性」を確認することと引きかえに、「公平な負担」の名のもとに同盟諸国の支出増加をおしこんだ(十一月十八日)。
 さらに、オバマ現政権が二〇一五年にイランのロウハニ政権とのあいだで交わした核開発停止・経済制裁解除の「合意」をも破棄することを明言しているのが、トランプなのだ。
 国内経済政策においてトランプは、「年成長率四%」の目標を掲げ、より多くの利潤を求めて海外に進出した大企業やタックス・ヘイブンに逃避した富裕層の資産をアメリカ国内に呼び戻すことを狙って、「法人税の三五%から一五%への減税」「所得税最高税率の引き下げと相続税の廃止」などの大企業・富裕層優遇策を早くもぶちあげている。同時に雇用対策≠ニしても位置づけて、「インフラ整備」を名目とした「公共投資五五〇〇億ドル」という大盤振る舞いの財政支出策をおしだしている。
 また、「金融規制の緩和」策として、リーマンショック後の二〇一〇年に巨大金融機関の過度な投機的取り引きを規制することを眼目に制定した「ドッド・フランク法」を撤廃することをも提唱している。金融諸機関・投機屋どもの跳梁をも野放しにするハラなのは明白だ。
 これにたいして、FRB(連邦準備制度理事会)議長のイエレンが「時計の針を戻したくない」と断固反対する意志を表明した。このイエレンにたいしてトランプは、任期切れとなる一八年二月をもって再任させない意志を表明するのみならず任期中の退任をも迫っているのだ。
 こうした大減税と公共事業拡大策の実施によって国家財政赤字はますます増大することは明らかである。そのツケの一切を、労働者人民に犠牲転嫁しようとしているのがトランプなのだ。オバマ現政権のもとで二〇一四年一月から開始された医療保険制度=「オバマケア」についても部分的に継承する≠ネどと前言を修正しつつも基本的には「廃止」にふみきる姿勢を固めている。
 人種政策にかんしては、ヒスパニックなどの「不法移民の強制送還」を声高に叫び、メキシコ国境に壁(ないしフェンス)を建設することを喧伝している。労働者人民の抗議の闘いに直面して、公約に掲げた「一一〇〇万人の強制送還」を「犯罪者や犯罪歴のある二〜三〇〇万人の送還」に修正≠オたとはいえ、レイシズムをむきだしにして「移民排斥」を鼓吹していることにかわりはないのだ。この男は、移民を叩き出しさえすれば白人労働者は仕事にありつくことができ給料も上がる≠ネどというデマを公然と吹聴しつづけているのだ。
 アメリカ国家の政治的・経済的危機の突破をかけて策定しつつある内外諸政策を貫徹するために、トランプは、新政権の陣容を固めることを急いでいる。
 一方では、共和党主流派に協力させることをもくろんで、同党の全国委員長プリーバスを大統領首席補佐官にすえた。その他方では、首席戦略担当兼上級顧問なるポストを新設し、そこに共和党主流派と対立する白人至上主義者たるバノンを起用した。国家安全保障担当補佐官には、民主党員でありながら「イスラム教徒の信仰じたいが問題の根源だ」とムスリム根絶を強硬に主張するマイケル・フリン、司法長官には、移民強制送還を主張し、公民権運動に敵対してきたセッションズ(共和党上院議員)、そしてCIA長官には、逮捕されたムスリム武装グループの構成員にたいする「水責め」などの拷問を公然と是認する「ティー・パーティー」出身のポンペオ(同下院議員)がそれぞれ配置された。
 まさしく極右反動分子によって固められつつある政権の顔ぶれからしても、来年早々にも発足しようとしているトランプ新政権は、「アメリカ・ファースト」と「反グローバリズム」をシンボルとするUSA国家ナショナリズムを煽動し、労働者人民に<戦争と貧困と暗黒支配>を強制するウルトラ反動政権いがいのなにものでもない。

以下見出し

鬱積した人民の怒りと民族排外主義の高まり

軍事強国化に突進する安倍ネオ・ファシスト政権

日共の議会主義的腐敗を弾劾し反戦反安保・改憲阻止の闘いを創造せよ

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ネオ・ファシストによる日教組壊滅策動を許すな

 日教組の新委員長・岡本がスキャンダラスな専従役員生活の一端を右派ジャーナリズム『週刊新潮』によって大々的に暴露され辞任に追いこまれようとしている。安倍政権をはじめとするネオ・ファシストどもによる、このかんのいわゆる日教組バッシングにたいして、頭を低くして嵐のすぎるのを待つ≠ニでもいうべき防衛主義的な態度をとってきた日教組本部ダラ幹どもは、「反日教組」の急先鋒『週刊新潮』を使ってのネオ・ファシストどもによる岡本スキャンダル暴露のまえに、完全に足がすくみ、二進も三進も行かない窮地に立たされている。
 今日の日本労働運動において「最左派」の位置をしめている伝統ある日教組運動に今かけられているこの攻撃を断固うち砕くのでなければならない。革命的・戦闘的教育労働者は、<いま・ここ>で何をなすべきか、このことが問われているのである。

右派マスコミを使った委員長岡本のスキャンダル暴露

 安倍政権は、世界のあらゆるところにおいていつでもアメリカとともに侵略戦争にうってでる軍事強国へと日本を飛躍させることを企み、現実に、いよいよ「血を流す軍隊」として自衛隊を「国際社会」に登場させるために「駆けつけ警護」などの新任務を付与しての南スーダンPKO派遣を強行しようとしている。いまこの政権は、日本国軍翼賛の国民運動の気運を醸成することに躍起となるとともに、「国家のために命を捧げる覚悟をもつ国民」をつくるための「愛国心」教育の徹底をはかっている。
 この安倍政権が憎悪をむきだしにして襲いかかっているのが、昨夏高揚した戦争法制定阻止闘争やその後の戦争法撤廃・改憲反対運動において労働組合としての闘いを突出して実現してきた、「連合」内「最左派」とみなされている日教組である。いうまでもなく日教組のこの闘いの実現は、まともな動員を組織しない本部をたたかう教育労働者たちが下から突きあげとりくむことによって可能となった。わが革命的・戦闘的労働者が内部に確固として根を張るこの日教組を、安倍政権は、改憲にむけて憲法審査会を再開するいまこの時に壊滅するために本腰を入れてのりだしてきたといってよい。
 しかも政府・自民党は「学校教育での政治的中立を確保する」と称して、「政治的行為の制限に違反」した教職員にたいして「三年以下の懲役または百万円以下の罰金」という厳罰を科すための「教育公務員特例法」の改悪案や、教組をはじめとする労働組合に収支報告を義務づける「地方公務員法」の改悪案など、労働組合を弾圧するためのネオ・ファシズム的極反動法案を早期に国会に上程することを虎視眈々と企んでいる。自民党文教部会を先頭にして、「日教組撲滅」を叫ぶネオ・ファシストどもは、「不明金問題」をそのための格好の口実にしようとしているのである。
 この攻撃は、労働運動とその組織を根絶するネオ・ファシズム的反動攻撃の口火が現実に切っておとされた、という階級的意味をもつものとしてとらえられなければならない。
 われわれはネオ・ファシスト櫻井よしこの「連合」の右からの分断・再編論を想起しなければならない。櫻井は、日教組や自治労など旧総評系官公労によって「連合」が牛耳られているという認識のもとに、UAゼンセンなどの右派労働貴族どもの主導権のもとで労組ナショナルセンターを再確立することを唱え、そのために右派労働貴族どもにたいして旧総評系官公労と袂を分かつべきことを進言している。すでに安倍政権は、改憲や労働諸法制の改悪や賃上げなどをめぐって「連合」の神津・逢見執行部の抱きこみを着々とおしすすめてきている。このことにふまえて、右派民間大単産の労働貴族どもの主導権のもとに「連合」を丸ごと抱きこみ、もって安倍ネオ・ファシスト政権を下支えする基盤として取りこむこと(名実ともに産業報国会とすること)を企んでいる。この策動を首尾よくなしとげるために、内部にわが革命的・戦闘的労働者が存在するがゆえに、その妨げとなっているとみなしている日教組や自治労を潰す衝動にかられているのが安倍政権にほかならない。岡本スキャンダルの暴露によって「連合」内での日教組や自治労などの力が大きく削ぎ落されるならば、改憲攻撃を前にして「連合」本部はそれに積極的に棹さすことになるであろう。それにとどまらず、わが革命的・戦闘的労働者たちの奮闘に支えられてねばり強くたたかいぬかれている労働運動の火を消しさる攻撃が一気にしかけられている――このような危機に日本の労働者階級はいまたたされている。
 それだけではない。北教組をはじめとする日教組内の「左派県教組」を標的にした日教組破壊攻撃をうちおろしつつ、しかも日教組本部による北教組見殺し≠フ裏切りに支えられて、「愛国心」教育の徹底など教育のネオ・ファシズム的再編の攻撃が全国的に一挙に貫徹させられてきている。現在、「左派県教組幹部」の代表とみなされているのが、三月に新委員長に就任した大分県教組出身の岡本である。この岡本が委員長就任わずか半年にして標的にされたのだ。
 安倍政権による札つきの右派ジャーナリズムを使った岡本スキャンダル暴露の狙いは、日教組内における「左派」系幹部の影響力を一挙に削ぎ落とし、文科省との太いパイプを形成してきた「右派」系幹部どもに日教組の主導権を完全に掌握させ、もって日教組を安倍政権・文科省のフトコロ深く抱きこみ絞め殺すためでもある。同時にそれは、日教組内の革命的・戦闘的労働者や良心的労働者をターゲットにした諸々のパージ策動と一体のものとして推進されようとしていることは火を見るよりも明らかである。

本部の抑圧に抗し憲法改悪・労組根絶攻撃を打ち砕け!

 頭を低くして嵐のとおりすぎるのを待っていたはずが、実はネオ・ファシストの前に脇腹をさらけだすほどに弛緩し腐敗しきった専従生活を送っていたがゆえに、敵に易々とハメラレ、日教組に大打撃を与えた日教組本部ダラ幹ども。彼らは、安倍政権に暴露ネタ≠存分につかまれているがゆえに第二第三の暴露に戦々兢々としている。彼らは自己保身にかられて改憲反対運動をはじめとする労組としての大衆運動のいっさいから手を引き時が過ぎさるのを待つかのようなひきこもり≠フ態度をきめこもうとしている。そしてこのようなひきこもり≠たたかう教育労働者をはじめとする下部組合員大衆に強制しようとしているのだ。だがこのような態度は労組としての死≠みずから招きよせるものでしかない。矢継ぎ早にふりおろされる政府・文科省の「教育改革」攻撃のまえに、また「日教組撲滅」を叫ぶネオ・ファシストどもによる日教組破壊攻撃のまえにあらかじめ無抵抗をきめこむものだからである。
 彼らは今日、『週刊新潮』による岡本スキャンダル暴露に直面して右往左往し、弁解に汲々としている。いっさいの責任を委員長・岡本になすりつけたうえで、「機密費」や「使途不明金」の「存在」ついては、その打ち消しに躍起となっているのだ(日教組中央執行委員会名の十月十三日付「日教組見解」)。
 だが、日教組本部ダラ幹どもの度し難い弛緩と腐敗ぶりは、彼らが「参加・提言・改革」を掲げて「文科省のパートナー」にしてもらうことを「磯のアワビの片思い」よろしく請い願い、すべての闘いを労使の信頼関係にもとづく労使協議≠ノ解消し、日教組としての諸々の大衆的闘いとそれをつうじての組織の戦闘的強化を放棄してきたことの必然的あらわれである。
 労組としての大衆的な諸々の反対運動の組織化を「古い粕漬けのようなもの」(書記長時代の岡本)と罵倒して否定し、対決型から提案型≠フ運動への切りかえを現実におしすすめようとしてきたのが日教組本部である。文科省・各地方教委との蜜月関係(パートナー)≠結ぶことが、なにかしら要求をかちとることのできる現実性のある路線ででもあるかのように観念して、文科省・各地方教委との関係づくりを第一義のものとし、もっぱら労使協議に没入してきたのだ。こうして対当局要求の内容も文科省・各地方教委が受け入れ可能とみなした「多忙化解消」のための「教育条件整備」に基本的に切り縮めてきたのである。労組としての大衆運動を放棄することを企む彼らは、いまや日教組運動の基本軸を「開かれた教研運動」におき、「現場からの教育改革」と称して「保護者」や「地域住民」との「協働」による教育専門職集団としての教育改革の提言(下からの教育改革の代案)づくりに日教組運動を特化しようとしてきた。このことに規定されて、彼らは「運動論の排除」を口実にして「平和教育」や「職場の民主化」分科会などを切りすてて教科研究活動を中心にする「教研改革」(日教組教研運動の破壊)を貫徹しようとしてもきたのだ。
 このような路線のゆえに、組合員の組合員意識は希薄化の一途をたどり日教組組織の弱体化が急速に進んできた。この反面として、日教組の運動づくりと組織づくりをないがしろにして、「パートナー」にしてもらうための文部官僚などとの接待外交≠ノうつつをぬかし赤提灯ではなくギンザやアカサカに入りびたってきたのが本部ダラ幹どもであり、運動と組織の強化に費やすべき大量の組合資金を、それらに注ぎこんできたのだ。文科省との「パートナー」の関係づくりをもっぱら追い求め、創造するべき労働組合としての諸々の反対運動をくりかえし放棄してきた彼らを、下から弾劾しその路線的根拠をも暴きだしてきた革命的・戦闘的教育労働者そして多くの良心的教育労働者たちの批判と疑問の声を本部ダラ幹どもはことごとく無視してきた。つまり、たたかう下部組合員の声に聞く耳をもたなかったこと、このことが組合官僚としての彼らの腐敗を深め、その果てに日教組を重大な危機に陥れるほどの大失態を演じることになったのだ。この意味において今回の事件は、日教組運動を真面目に担い、そのことに良心と誇りを抱いてきた多くの組合員にたいする犯罪的な裏切り行為以外のなにものでもないのである。
 いまこそ革命的・戦闘的教育労働者は、日教組の運動と組織の未曽有の危機を突破してゆくために、委員長・岡本の辞任によって事態を収拾できるかのように考えている本部ダラ幹どもへの依存=ゲタ預けを断ち切るべきことを多くの真面目な下部組合員大衆に促しつつ、彼らとともに諸課題についての職場からの闘いを基礎に安倍ネオ・ファシスト政権による岡本スキャンダルの暴露を号砲とした日教組壊滅策動を断固はねかえしてゆく闘いを全力でおしすすめるのでなければならない。
 自己保身の塊となっている本部ダラ幹どもは、岡本を代表とする「左派」系幹部に今回の失態の責任をなすりつける「右派」系幹部と岡本をへっぴり腰で擁護しようとする「左派」系幹部との間で醜悪で陰湿な対立劇を演じつつ、本部のひきこもりに抗した改憲反対などの下からの闘いにたいしては、ヒステリックに抑圧してくるにちがいない。このような官僚的自己保身にもとづく本部ダラ幹どもの統制・抑圧をはねのけて、たたかおう。
 すべての革命的・戦闘的教育労働者は、日教組運動の戦闘的再生のために、諸闘争の取り組みのただなかで反幹部のイデオロギー的=組織的闘いを柔軟かつ原則的に貫徹しつつ諸々のフラクションの創造を基礎として日教組組合員としての下部組合員大衆の団結を強化していくのでなければならない。自己保身にかられているがゆえにひきこもりをきめこむ本部ダラ幹ども。彼らの無抵抗・無為無策を下からつき破り、<改憲阻止! 教育のネオ・ファシズム的再編反対! スキャンダル暴露を活用した日教組壊滅策動粉砕!>の日教組としての闘いを下から創造するために全力で奮闘しようではないか。危機にたつ日教組運動の将来は、わが革命的・戦闘的教育労働者の双肩にかかっている。他単産のすべてのたたかう労働者は、日教組のたたかう教育労働者の闘いを支援し彼らと連帯して、<日教組壊滅=労組根絶>のネオ・ファシズム的反動攻撃を打ち砕き、憲法改悪阻止闘争の一大高揚をきりひらくためにともにたたかおう!

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小池都当局による大幅賃下げ・扶養手当削減を阻止せよ!

 「自律改革」の名による労務管理強化・労組破壊を許すな!

  自治体労働者委員会

11・15都労連集会に結集した労働者(東京都庁前)

 都労連組合員のみなさん!
 東京都小池当局は、配偶者扶養手当の大幅引き下げ、ベテラン労働者をターゲットとした給料表の号給カットなどの大幅賃下げを、あくまで強行しようとしている。労働者の生活を破壊する、この悪辣な攻撃を絶対に許すな!
 いま安倍政権は、憲法審査会の再開を決定し、いよいよ憲法改悪に向けた総攻撃に突き進んでいる。そのために、あらゆる反対運動を根絶やしにすることをたくらみ、とりわけ公務員労組をターゲットに労組破壊攻撃を強めている。この安倍と裏で結託しながら、「自律改革」の名のもとに労務管理を強化し、労組破壊を狙っているのが、都知事・小池なのだ!
 小池都当局の悪辣な攻撃に反撃し、11・16の一時間ストライキを全力でうちぬこう!

大幅賃下げ攻撃を許すな!

 都人事委員会は、基本給の据え置き、行政職(一)一級給料表の高位号給カット、配偶者扶養手当の大幅引き下げを勧告した。都当局は、特別給のわずか〇・一月の引き上げという勧告についてさえ「都民の理解と納得を得られるかといった観点」から「取扱いについて慎重に検討」する、などと明言をさけながら、この反動的人勧の「実施」をあくまで強行しようとしている。そればかりではない。扶養手当受給者の収入限度額の国並み引き下げ、さらに業務職給料表の十六号給カットなどを提案してきた。都当局による賃下げ攻撃を絶対に許すな!
 都当局は、配偶者の扶養手当を年額一三万円以上も引き下げようとしている。「職責・能力・業績に応じた人事給与制度」に純化していくことをたくらみ、賃金から生活給的要素を根こそぎ剥ぎとろうというのだ。
 安倍政権は「一億総活躍プラン」を掲げ、「女性の活躍」を「最重要課題」などと称して企業が安価な女性労働力を「活用」することを「活躍」と言いくるめつつ、それを促進している。しかも保育や介護の現場を支える労働者の劣悪な処遇は放置しているのだ。このような安倍政権と相呼応して、国をも上回る配偶者の扶養手当の引き下げと収入限度額の国並み引き下げを強行しようとしているのが都当局にほかならない。

 小池都当局による労働強化反対

 小池都当局は、都庁において強権的に「残業削減マラソン」をおしすすめ、各局ごとに超勤縮減率を競わせている。小池は、さも労働者の生活を思いやっているかのように、「ライフ・ワーク・バランス」、「長時間労働の是正」を掲げている。しかし、なにゆえメンタル疾患が続出するほどの長時間労働が生みだされているのか。業務量の増大にもかかわらず、あいつぐ人員削減が強行されてきたからではないか。それをあたかも職員がダラダラ働いているかのように描きだし、「残業削減」「生産性向上」を叫びたてるのは、よりいっそうの労働強化と不払い残業を押しつけるためなのだ。
 今日「働き方改革」を掲げる安倍政権は、労働時間の上限規制の適用を除外する制度を盛りこんだ労働基準法改悪案を国会に上程している。総選挙を見越して先送りにしたものの、「時間ではなく成果で評価される働き方」などといいながら、労働者を無制限にタダ働きさせることを狙っている。これと同様に、「残業削減」の名において労働者に生産性向上を強制しているのが、小池なのだ。生産性向上と超勤手当カットを強要する「働き方改革」に反対しよう!

 「東京大改革」を許すな!

 豊洲新市場の「盛り土」問題を大々的に取り上げ、みずからをあたかも正義の味方≠ナでもあるかのようにおしだしてきた都知事・小池は、いまや関係職員への処分をもって事態の幕引きを図ろうとしている。都の不祥事≠十全に活用し、都幹部を一挙に「粛清」し、みずからに抵抗する部分を一掃することを狙っているのだ。
 小池は「都政改革本部」の十一人の特別顧問に強大な「権限」を付与し、都庁幹部に「自律改革」を強制している。同時に若手職員を改革の担い手として組織するために「職員目安箱」の設置や「若手プロジェクトチーム」をつくらせるなどの方策を実施している。
 小池は都政の「見える化」「情報公開」を大義名分として、「内部通報システム」と銘打った相互監視体制を構築し、みずからの政策を有無を言わさずトップダウンで実行させるために、旧来の都庁組織そのものを大きくつくりかえようとしているのだ。
 小池は「オリンピック・パラリンピック」を自己宣伝の場として大いに活用しつつ、「無駄の排除」といいながらすべての事業を見直しの対象とする一方で、「知事マター」と宣言した諸施策については予算の上限をもうけずに実現をはかるとしている。しかし「都民ファースト」と聞こえのいいことを言いながら、やろうとしていることは何か。「国際金融都市東京」の実現のための拠点整備・道路整備や羽田空港の機能強化、法人税の減税など、ことごとくが独占資本に利殖の機会を提供する「大企業ファースト」の施策ではないか! 小池が特別顧問の筆頭に任命した上山は、大阪の橋下のブレーンとして「過剰サービス、過剰人員、過剰コスト」などとうそぶきつつ、バスや地下鉄、水道などの民営化の旗を振ってきた張本人ではないか。また同じく特別顧問の鈴木亘は、医療・介護・保育の料金が安すぎるから、過剰な需要が生まれ待機問題が起こる≠ネどとデタラメな主張をして利用者の負担増を主張しているではないか。こいつらを先頭に立てて、公的サービスの切り下げやさらなる人員削減や民間委託、民営化などを狙っているのが小池なのだ。

 改憲・労組破壊を許すな!

 いまマスコミは連日「小池劇場」を報道し、天下りで甘い汁を吸っている都幹部と現場で身を粉にして働いている都職員を意図的に同一視して、「都職員を厚遇している」などの大キャンペーンをはりめぐらせている。このマスコミの援護射撃を受けて、「改革」を叫びながら労組破壊を狙っているのが小池だ。
 安倍政権は、「中立性を逸脱した教員」に罰則を科す教育公務員特例法の改悪など、公務員労組の破壊を狙っている。都知事・小池は、都議会自民党との対決姿勢をおしだしながら、背後では安倍政権と気脈をつうじているのだ。「国民主権という傲慢な思想」の放棄と「大日本帝国憲法」の復活を求める都議会請願の紹介議員をかってでた元都議野田某を、わざわざ特別秘書として任命したのが小池だ! しかもみずからも「日本会議」に属するれっきとした右翼ナショナリストではないか。都民に向かっては笑顔をふりまきながら、改憲と労組破壊のどす黒い意図を押し隠しているのだ。

自治労・自治労連本部の闘争歪曲をのりこえ闘おう!

 安倍政権は、改憲に向けた総攻撃を開始し、いまや労働者が血みどろの闘いをつうじて勝ちとってきた諸権利をも根こそぎ奪いとろうとしている。今ほど労働組合に結集したたかうべき時はない。ところが今日この時に「連合」会長・神津は、自民党幹事長・二階と会談した。自民党と政策面で意見交換していくことで合意したというのだ。安倍自民党は、衆院選に向けて民進党の支持基盤をぶっかき、さらに労働組合を深くとりこむことを目論んでいる。この安倍政権に、みずから積極的に応えているのが、「連合」指導部内の右派労働貴族どもなのだ。
 今や自民党に抱きついた「連合」労働貴族を前にして、自治労本部は、「連合はもっと連帯して(選挙を)たたかうべき」と弱々しくつぶやいているにすぎない。「改憲阻止の闘いは中道・リベラルの結集なくしてはできない」と、民進党の選挙応援に闘いを解消しているのだ。労働組合が「改憲阻止」の共同行動を大衆的に組織することが今日ほど重要な時はないにもかかわらず!
 他方自治労連本部は、「改憲阻止」を前面に掲げてはいる。しかし彼らは、民進党との共闘を自己目的化する共産党中央指導部に盲従し、組合員に「野党共闘」への幻想を煽っているにすぎないのだ。
 戦争準備をしゃにむに進める安倍ネオ・ファシスト政権が、NSC(国家安全保障会議)専決体制を強化しているなかで、もはや国会審議が儀式でしかないことは明らかではないか。今こそ既成指導部による議会主義的歪曲をのりこえ、全国の自治体労働者のたたかう団結を基礎に、この画歴史的な攻撃に反撃する闘いをつくりだそう!
 都労連本部は「労使自主解決」を掲げ、小池批判を極力避けながら都当局と労使交渉を重ねている。しかし、前代未聞の公務労組破壊の三条例を制定した橋下のブレーンを重用しているのが小池ではないか。小池式「都政改革」の極反動性を暴きだし、組合員を武装し団結をうち固めるべきではないのか!「労使自主解決」の形式を護持することに闘いをきりちぢめてはならない。改憲・労組破壊の嵐を打ち砕くために、今こそ職場から組合組織を強化し、日本労働運動再生の先頭に立ってたたかおうではないか!

反ファシズム統一戦線を構築しよう

 全世界で、グローバル化した独占資本によって搾取され収奪されている労働者・人民の怒りは、だが各国労働運動指導部の腐敗ゆえに、トランプのごとき極右の排外主義者にからめとられつつある。この悲劇を突破するために、今こそわれわれは日本の地において、ネオ・ファシズムに抗する闘いを労働組合を主体としてつくりだそうではないか。
 都労連組合員のみなさん!
 既成指導部の闘争歪曲をのりこえ、安倍ネオ・ファシスト政権による憲法改悪を絶対に阻止しよう! 自衛隊の南スーダン派遣・「駆けつけ警護」任務付与反対! 高江オスプレイパッド・辺野古新基地の建設阻止!
 原発再稼働阻止! 社会保障の切り捨て反対! 労働諸法制の大改悪反対! 独占資本を優遇し労働者・人民に貧困を強制するアベノミクス諸政策反対!
 安倍政権による労組破壊攻撃をはねかえし、反ファシズム統一戦線を構築しよう! 今こそ労働者の力で安倍政権を打倒しよう!
 (十一月十五日)

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米軍Xバンドレーダー基地撤去!
闘う学生が現地闘争に起つ  11・6 京丹後
 十一月六日、京都府京丹後市の峰山町において、「米軍基地いらんちゃフェスタin丹後2016」が開催された(主催は「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」と「米軍基地建設反対丹後連絡会」)。神戸大学反戦ネットと奈良女子大学学生自治会のたたかう学生たちは、近畿各府県から結集した七五〇名の労働者・市民と連帯して、米軍Xバンドレーダー基地撤去の闘いに勇躍決起した。
Xバンドレーダー(左上の建屋の中)の土手っ腹に怒りのシュプレヒコール
(11月6日、京丹後市経ヶ岬)
労働者・市民と連帯し闘う学生が峰山市街を戦闘的にデモ
(11・6、京丹後市)
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金沢大生が改憲反対集会で奮闘 11・3 金沢
 十一月三日、金沢市において、「憲法改悪反対! 南スーダンPKO派兵反対!」を掲げた「憲法公布70周年集会」が連続的に開催され、四〇〇名の労働者、市民、学生が安倍政権の反動攻撃への怒りにもえて結集した。
 金沢大学のたたかう学生は、この日共中央の大裏切りをのりこえて、闘いの戦闘的高揚をつくりだすために最後までたたかいぬいた。
労働者・市民と香林坊・片町をデモ行進する学生たち
(11月3日、金沢市)
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