第2440号(2016年10月17日)の内容

<1面>
労学統一行動に総決起せよ
 安倍政権の改憲総攻撃・日米新軍事同盟の強化を打ち砕け
<4面>
プルサーマル運転
 伊方原発3号機を直ちに停止せよ!

核燃料再処理事業を事実上国営化
 「使用済燃料再処理機構」が発足
<5面>
甲状腺検査縮小を策す政府環境省・福島県当局
<6面>
「野党統一候補」支持の正当化に腐心する「全労連」指導部
パート労働者に「106万円の壁」
Topics 働かせ方改革≠ニ一体――安倍・黒田の「賃上げ」要請
<2面>
南スーダン派兵反対の声 9・25 小牧
<7面>
専制支配体制の構築に突進するトルコ・エルドアン政権
<8面>
「マルクス哲学と『資本論』」を読んで
<3面>
万華鏡2016――情勢の断層を読む
◆民間徴用
◆レーダー衛星輸出
◆「協調減産」
◆デマゴーグの典型
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号


































  


労学統一行動に総決起せよ

安倍政権の改憲総攻撃・日米新軍事同盟の強化を打ち砕け

 

「資材搬入を阻止したぞ!」
オスプレイパッド建設を粉砕するためにトラック進入を阻止する行動団
(10月8日、沖縄・高江N1ゲート前)
ヘリパッド建設の山中作業ヤードに肉迫する阻止行動団
(10・8、沖縄・高江)

 全国のたたかう労働者・学生諸君! いま東アジアにおいて、戦争勃発の危機が切迫している。「北朝鮮の最高指揮所を破壊する能力を強化する」と公言しながら、アメリカ帝国主義のオバマ政権と韓国の朴槿恵政権は、朝鮮半島西方海域に原子力空母ロナルド・レーガンを進入させて合同軍事演習「不屈の意志」作戦を開始した(十月十日)。この米韓両政府と連携しつつ安倍政権・自衛隊も、「同盟調整メカニズム」という名の米日統合司令部のもとに対北朝鮮(対中国)の臨戦態勢を強化している。韓国にむけて飛ぶ米戦略爆撃機B1を空自機に護衛させたことをはじめとして、米軍の対北朝鮮軍事行動を自衛隊が全面的に支援する態勢をとっているのだ。
 これにたいして北朝鮮の金正恩政権は、「アメリカは身震いする現実に直面することになる」と「報復」を予告している。朝鮮労働党創立記念日を期して、アメリカ本土を射程に入れるICBMの発射実験などを強行する構えを見せているのだ。
 米韓合同軍事演習にたいしても金正恩政権の核実験にたいしても「朝鮮半島に緊張をもたらす」と非難している中国の習近平政権は、今なによりもオバマ政権が中国北海艦隊の拠点=青島を臨む黄海に空母ロナルド・レーガンを進入させたことに警戒感を昂ぶらせている。この政権は米空母艦隊にむけて偵察機や戦闘機を急派しているのだ。
 南シナ海では、オバマ政権がベトナムやフィリピンへの軍事的テコ入れを強め、南沙・西沙の中国人工島付近における「航行の自由作戦」を強行する機会をうかがっている。安倍政権もまた「南シナ海への関与を強める」と公言し、米軍と自衛隊の合同パトロール≠強行する構えを示している。これにたいして習近平政権は、「米日は南中国海に介入するな」と叫びながら、ロシアのプーチン政権とともに南シナ海北部において中露合同軍事演習を強行した(九月十二〜十九日)。
 こうして朝鮮半島・南シナ海を焦点にして、いま米・日・韓―中・露・北が軍事的・政治的の火花を散らしているのである。
 臨時国会冒頭の所信表明演説にさいして首相・安倍は、自民党議員どもに、中国・北朝鮮から国土を守る自衛隊員・海上保安官≠ヨのスタンディングオベーションをやらせた。「駆けつけ警護」と称する戦闘部隊としての任務を課した自衛隊部隊を南スーダンに派遣する方針を固めている安倍政権は、国際貢献のために国家に命を捧げる日本軍兵士≠ニその最高指揮官=安倍を誉め称え神聖化する儀式を、傲然と強行したのである。
 こうした国を守る自衛隊℃]歌の鼓吹にたいして、日共の不破=志位指導部は完全に腰砕けになっている。彼らは自衛隊への国民の支持が高いから≠ネどという理由をつけて、日共党員が「違憲の自衛隊反対」を掲げることを抑圧し、もっぱら「専守防衛の志をもって入隊した自衛隊員を海外で殺させるな」と叫ばせているのだ。これは安倍政権の<戦争とファシズム>への突進のまえに労働者・人民を武装解除する大犯罪ではないか!
 労働者・学生諸君! わがたたかう労働者・学生を先頭にする沖縄の人民は、東村高江において、オスプレイパッド建設工事を実力阻止すべく、安倍政権の凶暴な弾圧に抗して果敢にたたかいぬいている。「全米軍基地撤去・安保破棄」を高く掲げながら。これと連帯してたたかう全国の労学は、日共指導部の「反安保」の放棄を弾劾しつつ奮闘している。こうしたわが闘いに触発された日共下部党員たちのあいだから、「軍事費=人殺し予算」という「藤野発言」を撤回・謝罪し国家と国民を守る自衛隊≠ノ最敬礼した不破=志位指導部にたいする疑問・批判の声がいま澎湃と噴きあがっているのだ。
 いまこそわれわれは、日共中央の闘争歪曲と「連合」労働貴族どもの闘争抑圧を許さず、改憲阻止・反戦反安保の闘いを断固として創造しなければならない。安倍政権による改憲総攻撃を粉砕せよ! 辺野古・高江の新基地・施設建設阻止! 米・日・韓の対北朝鮮臨戦態勢強化反対! 北朝鮮の核実験・ミサイル発射弾劾! いまこそ<反戦反安保・反ファシズム>の火柱を全国各地において噴きあげよう。すべての労働者・学生は、全国各地で開催される労働者・学生統一行動に総決起せよ!

(以下、見出し)

東アジアにおける米・日・韓―中・露・北の角逐

シリア停戦の破綻と米露対立の激化

アメリカの没落に焦り軍事強国化に突進する安倍政権

「自衛隊解消」を放棄する日共中央を弾劾し反戦反安保の火柱を!

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プルサーマル運転の伊方原発3号機を直ちに停止せよ!

 四国電力伊方原発の運転差し止めを求めて、大分県内の住民二六四人が九月二十八日に大分地裁に提訴した。伊方原発とは最短で東に四五`bの距離にある大分県では、今春に発生した熊本大地震が連鎖し別府・万年山断層帯でも地震が発生した。この断層帯は、伊方原発直近を東西に走る中央構造線断層帯とつながっていると想定されている。地震に直面した住民たちは、伊方原発直下で地震が発生しかねないという危機感を高じさせ、ロクな対策をとらない政府・四国電力への怒りをもって訴訟に踏みきったのだ。すでに地元愛媛の松山地裁と、被爆地の広島地裁においても伊方原発の運転差し止め訴訟がおこされている。
 八月十二日に安倍政権と四電は、多くの抗議の声を踏みにじって、伊方原発3号機を再稼働させた。そして九月七日には営業運転に踏みきった。巨大な地震・津波に襲われる危険性と避難計画の非現実性を重々知りながら、しかも無謀にもプルサーマル運転で……。われわれは、この政府・四電を徹底的に弾劾し、伊方3号機を停止させる闘いを推進するのでなければならない。

以下見出し

中央構造線断層帯直近で原発再稼働の暴挙


 佐田岬半島全域を寸断=孤立させる避難計画

<原発大国・日本>復活を賭けた再稼働の強行を許すな

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破綻した核燃料再処理事業を事実上国営化

 全国の原子力発電所でうみだされる使用済み核燃料の再処理をおこなう事業主体として、認可法人「使用済燃料再処理機構」が、十月三日に青森市で発足した。
 これまで再処理事業は、電力諸資本が共同出資する日本原燃株式会社が請け負い、青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場でおこなう体制がとられてきた。これを今後、再処理事業を直接に請け負う実施主体は新設された認可法人としたうえで、この新法人が日本原燃に実際の業務を委託する体制にきりかえたのである。
 六ヶ所再処理工場は当初予算の三倍の二・二兆円もの資本を投入して「建設中」であるが、これまで操業(本格運転)開始時期が二十三回も延期され、現在は二〇一八年度上期に操業を開始するとされている。この瀕死の再処理事業をなんとしても存続させるために、安倍政権は、再処理事業の事実上の国営化に踏みきったのだ。

以下見出し
認可法人「使用済燃料再処理機構」が発足
再処理事業存続のための大衆収奪の一挙的強化

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甲状腺検査縮小を策す政府環境省・福島県当局を許すな

 福島県民健康調査検討委員会は、九月十四日に、二〇一四年四月から実施している二巡目の甲状腺検査(事故当時十八歳以下の県民と事故後一年間に生まれた子供を合わせた三八万五〇〇〇人が対象)で、新たに四人ががんと診断され、がんとその疑いを合わせ五十九人となったことを明らかにした。一巡目の検査を含めると、がんやその疑いと診断された子供は、計一七四人である。通常一〇〇万人に一人ないし二人といわれる小児甲状腺がんが、実にその一〇〇倍以上の水準で多発しているのである。これは福島原発事故の放射線被曝による健康被害にほかならない。労働者人民の反対の声をふみにじり、原発・核開発をおしすすめ、挙げ句にフクシマの核惨事を引き起こした歴代政府・東京電力の階級的犯罪なのだ。
 しかし、いまなお政府・環境省と検討委員会は、「被曝の影響とは考え難い」と強弁するばかりか、「命をおびやかすことのないがんを多数見つけている過剰診断だ」「過剰診断のストレスで県民の不利益になっている」と称して、いまや甲状腺検査そのものを縮小しようと策しているのだ。

「受けない意思の尊重」と称して検査縮小を画策

被災者を切り捨て「福島復興」を演出する安倍政権

政府の被曝被害隠蔽に加担する一部の日共系学者


福島県外でも甲状腺がん・健康被害が多発
 福島原発事故によって放出された放射性物質は、県境など関係なく、東北や関東の広範な地域にまき散らされた。なかには、福島県の避難指定区域と同程度に汚染された地域が散在している。にもかかわらず安倍政権は、こうした地域の子ども・住民の健康調査をまったくおこなおうとしていない。こうしたなかで一部の地方自治体がおこなった調査によって、健康被害の一端が明らかになっている。
 昨一五年八月二十六日に、茨城県北茨城市は、事故発生当時〇歳〜十八歳だった住民のうち三五九三人の甲状腺超音波検査を実施し、三名が甲状腺がんと診断されたと発表した。宮城県丸森町でも、二名が甲状腺がん・疑いと診断されている。

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