第2435号(2016年9月12日)の内容

<1面>
「違憲の自衛隊解消」を解消≠キる日共中央を弾劾せよ!
<4〜5面>
トヨタ部品メーカーの大再編
<2面>
改憲に棹さす「連合」会長・神津
■ロシア軍機がイラン軍基地からシリア空爆
<3面>
国際反戦集会が各地で高揚 8・7
九州 反動総攻撃粉砕の闘志熱く
北海道 改憲阻止へ強固な戦列構築
<6面>
全教全国教研を創造的に実現しよう
Topics 高齢者切り捨て≠フ医療・介護保険制度改悪を許すな
<8面>
第54回国際反戦集会 海外からのメッセージC
アフガニスタン女性革命協会
アフガニスタン急進左翼
ロシア共産主義者党
ファリダバッド労働者新聞(インド)
<7面>
万華鏡2016――情勢の断層を読む
◎仮装マリオの悪だくみ
◎予算18倍!
◎習近平の憂鬱
◎大票田あいさつ回り
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号


































  


「違憲の自衛隊解消」を解消≠キる日共中央を弾劾せよ!

安倍政権の改憲総攻撃を打ち砕け!

アメリカと共に戦争をやれる軍事強国へ突進する安倍政権

改憲の濁流にのみこまれる既成反対運動

専守防衛の自衛隊への改革≠ネるものの犯罪性

 許し難いことに志位は、この記念講演のなかで藤野発言の問題を「党の方針とまったく異なる誤った発言」をした経験不足≠フ「若い党幹部」のミスであり「指導部の今後の教訓にしたい」などとほざいている。だが、安倍政権・自民党が、自衛隊を否定する日共≠ニ描きだすことで民進党との共闘にクサビを打ちこむことを狙って、藤野の発言の言葉尻をとらえて、やれ「自衛隊員を侮辱するものだ」やれ「共産党の本音が出た」などと集中砲火を浴びせたことは明らかなのだ。
 にもかかわらず、もしもここで党として反論すれば、票が逃げる。民進も離れる≠ニいう危機感を昂じさせ、この安倍のデタラメ極まりない非難をすべて認めて「自衛隊を傷つけたことをお詫びします」などと称して全面降伏したのが、不破=志位指導部だ。藤野個人の「誤り」と決めつけ、党政策委員会責任者の首をさしだして安倍政権・自民党と日本国軍に許しを請うとは、なんという卑屈かつ薄汚い官僚主義的のりきりであることか。
 民共共闘≠ぶちこわすことを狙った安倍の策略のまえに、何一つ反撃もできずに屈服したのが日共の不破=志位指導部なのだ。この彼らの不様な対応は、共産党は、自衛隊を国民の命を守ってくれる不可侵の存在として尊重します≠ニ誓約したことを意味する。戦争法を施行した安倍政権が、今まさに米軍とともに世界中で戦争のできる軍隊として日本国軍を強化しようとしているときに、憲法第九条二項を破棄して国防軍の保持を明記しようとしているこのときに、これほどの裏切りがまたとあるか。それは改憲反対闘争をその内部から破壊する大犯罪なのだ。
 そればかりではない。日共・不破=志位指導部は、藤野発言問題で安倍政権に全面屈服し、国民の命を守ってくれる自衛隊≠党として丸ごと賛美したことをステップとして、党の基本政策じたいをよりいっそう右翼的に変質させる方向に踏みだしたのだ。

 「憲法九条の理想」の内実の換骨奪胎

 志位がこの講演において、安倍による「共産党攻撃」(「自衛隊は違憲だが解散するまでは仕事をしてもらう。こんな失礼なはなしがあるか」というそれ)への「反論」と称しているものは、彼ら日共中央が安倍政権のイデオロギー攻撃のまえにいかに腰砕けとなっているか、そして自衛隊政策のいきづまり≠いかに反動的にのりきろうとしているかを示している。
 志位は次のように主張している。@「自衛隊が憲法違反であることは明瞭」であり「わが党は憲法九条の理想にむかって自衛隊の現実を改革していく」。Aそれまでの期間に「急迫不正の主権侵害や大規模災害など、必要に迫られた場合には自衛隊を活用することを含めてあらゆる手段をつかって国民の命をまもることは当然である」。Bこれが「憲法を守ることと国民の命を守ることとの両方を真剣に追求するもっとも責任ある立場だ」と。
 だが、志位よ。「憲法九条の理想」の内容とは何なのか。「違憲の自衛隊の解消」と言うのを意図的に避けて「自衛隊の現実の改革」などと表現していることに、志位の下心は透けて見えているではないか。いったい、何を改革するというのか。海外派兵だけはやめて「専守防衛」のための自衛戦争≠やれる軍隊に改革するということではないのか。
 志位は「憲法九条の理想」を実現すると語りながら、C「今問われているのは、自衛隊が違憲か合憲かではない」「『専守防衛』の志をもって入隊した自衛隊員を……『殺し、殺される』戦場に送っていいのかどうかが問われているのだ」と主張する。安倍政権が憲法九条第二項の「戦力放棄・交戦権の否定」への憎悪に燃えてこれを「国防軍の保持」に書き換えようとしているときに、「今問われているのは、自衛隊が違憲か合憲かではない」とはどういうことだ。彼ら自身が、「違憲の自衛隊の解消」という一応は綱領に明記されている党の基本政策をかぎりなく後景におしやりたいという価値意識をあらわにしてさえいるではないか。そして「『専守防衛』の志」なるものを天までもちあげているではないか。不破=志位指導部は、「憲法九条の完全実施」の内実を「違憲の自衛隊の解消」から専守防衛の自衛隊への改革≠ニいうべきものにすりかえる布石をうった、というべきなのだ。彼ら日共中央が、これまでも「理想」として永遠の未来におしやってきた「違憲の自衛隊の解消」という政策を、今や「国民の多数が自衛隊に肯定的感情をもっている」(志位)ことをタテにして「解消」しようとしていることは明らかではないか。

 「自衛の戦闘部隊としての認知」を叫ぶ日共御用学者

 このような党中央の意向をストレートに代弁しているのが日共御用学者の五十嵐仁(法政大名誉教授)である。五十嵐は「ここにこそ活路がある ―参院選の結果と野党共闘の成果」と題した論文のなかでつぎのように主張している。
 「自衛隊が持っている『戦闘部隊』としての性格と災害救助隊としての性格という二面性」や「後者の性格への評価が強まっている」という自衛隊の評価への変化があるだけではなく、「戦争法の成立によって『専守防衛』の『自衛』隊から米軍などの『後方支援』も可能な『外征』軍への変質が生じ、これへの批判を強めるなかで自衛のための戦闘部隊としての認知が高まっている」のであって、「これらを踏まえて、今後、自衛隊の役割とその位置づけについての政策的精緻化が必要」なのだと。なぜなら、「解散・総選挙でも野党統一候補の擁立をめざす」ためには、他の野党とのあいだで「外交・安全保障、米軍基地、自衛隊、……などの基本政策での合意形成」が不可欠であり、「このような準備を行ってこそ、総選挙での共闘も連合政権の樹立も可能となる。……ここにこそ展望がある。そして、活路はここにしかない」と。(『月刊全労連』九月号)
 要するに、いつまでも党綱領の「自衛隊の違憲・解消」政策を護持していると、せっかく参院選挙でつくられた野党共闘、とりわけ民進党との共闘を維持して連立政権樹立につなげていくというまたとないチャンスを失うことになる。今こそ、「専守防衛」のための「戦闘部隊としての自衛隊」の「役割」を認め・その活用を積極的に提起して民進党との「基本政策の合意形成」をはかるべきなのだ。それこそが藤野発言問題の教訓であり、「活路はここにしかない」≠アれが五十嵐の言いたいことであり、これこそが不破=志位指導部の本音なのだ。

民進党との共闘≠ヨのしがみつき

 祖国防衛主義への転落
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トヨタ部品メーカーの大再編

「設備の過剰」の独占資本家的のりきり策

 トヨタ資本・経営陣は、自動車の主要部品の生産をトヨタ直系の最大手部品メーカーグループ八社に集中・集約するという、大規模な部品生産体制の再編成の計画を二〇一四年秋に発表し今おしすすめている。ディーゼルエンジン、MT(手動変速機)、ブレーキ、シートなど自動車の主要部品の生産を、グループ内八社の部品メーカー一社にそれぞれ集中するというのである。
 大手部品メーカーは主要部品を各社ごとに特化し、大量の部品を低価格で生産することにふみだし、それにともなって主要部品用に供給される中・小の部品の生産・供給体制も再編成されることになり、長年にわたって形成されてきたトヨタの厖大なサプライチェーンは大再編されることになる。
 トヨタ本体を頂点にして経営陣の連係・結合を強めて、主要グループ八社で売上高総額で一〇兆円を超える巨大部品企業群をつくりあげ、もってフォルクスワーゲン(VW)に部品を供給する自動車部品生産で世界一を占めるドイツのボッシュとコンチネンタルの合計売上高を上回ることを目指している。ここにリーマン・ショックに見舞われ経営危機に陥ったことからの克服を、そして激化する国際的な自動車市場戦争での生き残りをかけているのである。

以下見出し

グループ八社内各一社への各主要部品生産の集約・集中
 中小・零細メーカーの切り捨て

サプライチェーンの大再編

欧米企業との国際競争にうちかつ新たな生産方式の開拓

トヨタ「ジャストインタイム」方式の再編成
 中小・零細メーカーと労働者への犠牲転嫁を許すな
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改憲に棹さす「連合」会長神津を弾劾せよ!

 民進党代表選(九月十五日)についてのインタビューにおいて、「連合」会長・神津は、参議院選に勝利し傲りたかぶる安倍政権の改憲に向けた動きに、公然と加担していく意思を示している。神津は「憲法はしっかりと議論すべきだ。参院選で改憲勢力が発議に必要な三分の二を占めた中で、一切議論しないという方がおかしいだろう。(自民党との)大連立は、条件が整うならばあっていい話だ」(『産経新聞』八月二十三日付)などと、ネオ・ファシスト安倍政権との「(改憲に向けた)大連立」をも口にしているほどなのだ。われわれはこの「連合」会長・神津の犯罪性を断固として暴露し弾劾していくのでなければならない。
 神津が民進党代表選をまえにしてこのように主張するのは、一つには、今夏の参議院選、都知事選において民進党代表の岡田が進めてきた「民共共闘」を否定し、民進党の新代表に共産党との連携を断念すべきことをおしこむためである。神津は、「民共共闘」にたいして昨年の秋には「共産党との共闘はありえない」と発言し、そして今年三月にも「民主党と共産党は考え方が違い、国のあり方や目指す方向も違う」などと当時の民主党を強く牽制してきた。にもかかわらず、民進党の一部幹部が夏の参議院選では「一定の成果」をあげた≠ネどと今後も共産党との連携を続けようしている。この男はこれに危機感をもち、「野党共闘はプラスに働いたところもゼロではないが、マイナス部分も相当あった。そこはしっかり見極めなければならない。ずるずる野党共闘という言葉が独り歩きするのは違う」と、共産党との連携にクサビを打ち込もうとしているのだ。
 とりわけ、次期衆議院選(小選挙区制)での共産党との共闘≠なんとしても阻止するために、神津は八月二十五日の「連合」中央執行委員会の後で記者会見し、「共産党とは目指す国家像がまったく違う。政権選択の衆院選で手を組んでやることは、ありえない話だ」と強調してもいる。この日、中央執行委員会で正式決定した参院選の総括文書では「綱領に社会主義・共産主義社会の実現を掲げる共産党とは、一線を画すことが大原則」などと共産党との共闘を否定する見解をもりこんで、民進党を強く牽制しているのだ。
 このような「連合」指導部の対応にたいしては、自治労委員長・川本が八月十五日の記者会見で「独裁化に向かっている安倍政権にたいし、もっと(野党共闘で)連帯して闘うべきだったのではないか」(『連合通信』八月十八日付)と意見表明してはいる。だがこれは、わが仲間たちの下からのつきあげを受けて、自治労指導部がアリバイ的に「連合」指導部に注文をつけた≠烽フにすぎない。

自治労・日教組をも統制し巻きこむことを狙う

 二つめには、神津は参議院選で三分の二議席を獲得した安倍政権にすり寄って、「連合」総体をナシクズシ的にズルズルと改憲容認へと転換させようとしているからである。神津は『産経新聞』のインタビューで、「憲法はしっかりと議論すべきだ」と言いつつ、これまでの主張をさらに一歩進めて、改憲のためには「自民党との大連立は、あっていい」などと公然と言いはじめた。すでに神津は、参議院選で「民共共闘」が敗北した直後から「自民党のとんでもない内容の改憲草案が(改憲論議の)妨げとなっている」などと主張して、自民党が現在の改憲草案をいったんひっこめるなら改憲論議に参加してもいい≠ニ安倍政権に秋波を送ってきていたのだ。
 明らかに神津は、昨年十月の「連合」大会の時に比しても改憲容認に向けて大きく舵を切っている。当時、「連合」会長に選出された神津は次のように語っていたではないか。「憲法改正について言えば、憲法は不磨の大典かというと、そこは議論があると思います。ただ自民党が圧倒的多数を占めている今、議論すべきとは思いません。自民党の憲法改正試案を見ると、とんでもないなかみです」と。(「連合」はすでに二〇一三年十月の大会で、それまで「時期尚早」としてきた改憲論議について、「憲法改正論議」を容認する政治方針を決定し、改憲容認に向けて大きく転換をとげてしまっているのだが。)
 このような神津のナシクズシ的な転換はなにを意味するのか。このかん首相・安倍やそのイデオローグである桜井よし子などが、極悪労働貴族どもを使って、UAゼンセンなど「連合」内の右派労組(旧同盟系)を「連合」からきりはなし分裂させようと画策してきた(たとえば昨年六月、安倍は「連合」事務局長に内定したばかりのUAゼンセン会長の逢見と首相官邸で「密会」した)。これを神津はニガニガしく思っていたにちがいない。このような動きは、労働戦線の統一によってからめとってきた旧総評系の労組を反発させ左転換≠ウせかねない、と。旧総評内の最右派単産として、総評を反共「連合」へと解体=再編するのに暗躍した鉄鋼労連、この伝統≠引きつぐ基幹労連出身の神津は、「連合」会長としては、自治労や日教組をはじめとした平和フォーラム系などの「護憲」派労組をも「連合」の枠内にとじこめ・統制しつつ、「連合」総体を改憲容認のながれにまきこんでいくことを画策しているのだからである。これこそは、安倍政権による「戦争をする国」づくりに向けたネオ・ファシズム支配体制の強化を下支えし、それに労働者階級を組織し動員するための反動的な策動なのだ。
 われわれはこのような「連合」会長・神津の許しがたい言動の一つひとつを暴きだし弾劾しつつ、安倍政権による改憲総攻撃を粉砕していく闘いを職場深部からねばり強くつくりだしていこうではないか。
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国際反戦集会が各地で高揚 8・7
九州集会   八月七日、わが同盟九州地方委員会と反戦青年委員会、全学連九州地方共闘会議は、第五十四回国際反戦九州集会を福岡市民会館で開催した。連日の猛暑を吹き飛ばし、闘いの自信に満ちあふれた表情でたたかう労働者・学生が続々と結集した。
   「改憲総攻撃粉砕!」雄叫びをあげ闘争態勢をガッチリと打ち固める
(8月7日、福岡市)
北海道集会  八月七日、北海道のたたかう労働者、学生、市民は、札幌市白石区民センターにおいて第五十四回国際反戦北海道集会を戦闘的にかちとった。わがたたかう仲間たちはこの集会で、この春の<改憲阻止、日米グローバル戦争同盟の構築・強化反対>の反戦闘争の取り組みの意義をうちかためると同時に、安倍ネオ・ファシスト政権の改憲総攻撃を真っ向から粉砕するために総決起する意志一致をかちとった。
改憲阻止・反戦反安保の決意みなぎる
(8月7日、札幌市)
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<万華鏡>  仮装マリオの悪だくみ
    許すまじ!五輪狂騒煽って改憲・共謀罪
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