第2430号(2016年8月8日)の内容

本号の内容
<1面>
労働者階級の団結でネオ・ファシズム的総攻撃を打ち砕け!
<4面>
高江ヘリパッド建設阻止!
辺野古陸上部の工事再開粉砕!
 反戦反安保闘争の大爆発をかちとれ

<2〜3面>
「オスプレイパッド建設阻止!」
 高江現地に怒りの声轟く 沖縄

 現地緊急集会に1600人が結集 7・21
 労・学・住民が実力闘争 7・22
<5面>
日共式ブルジョア・アトミズム礼賛論の犯罪性
<6面>
「IoT」を活用した労務管理の強化を許すな!
難民流入制限に踏みきったEU・独メルケル政権
Topics 欧州型「同一労働同一賃金」導入に反対≠キる経団連
<7面>
「同盟内思想闘争の倫理と論理」に学ぶ〈下〉
<8面>
万華鏡2016――情勢の断層を読む
◆指南役は、あの人
◆FSB型ドーピング
◆「水陸機動団」養成
『新世紀』最新号(第284号)紹介

 「解放」最新号   


































  


労働者階級の団結で

ネオ・ファ
シズム的総攻撃を打ち砕け!

 

オスプレイパッド着工阻止! 沖縄・高江現地で激闘
(7月22日)

 参院選での「勝利」に傲(おご)りたかぶる首相・安倍は、いま憲法改悪を最大の焦点とする反動総攻撃に一気にうってでようとしている。
 だがこの決定的なときに、憲法改悪に反対する運動は重大な危機に瀕している。「安倍の暴走を止める」を謳った参院選における民進・共産など四党の「共闘」は、「改憲勢力の三分の二議席確保」を阻むことはできなかった。そればかりか、東京都知事選(七月三十一日)において、民進・共産など四党が推し「東京から安倍政治を止める」をキャッチフレーズにして立候補した鳥越俊太郎が、右派週刊誌のスキャンダル暴露にも直撃されて、惨憺(さんたん)たる敗北を喫した(当選した小池にはダブルスコア以上、次点の増田にさえ大差をつけられた完全敗北)。この二つの選挙の敗北をめぐって、日共党官僚をはじめ四野党と既成諸労組指導部はいま、大きな混乱と分解の危機に見舞われている。「参院選での野党と市民の共闘の最初のチャレンジは大きな成功」(志位)などとうそぶき、「次のチャレンジは都知事選」とハッパをかけていた日共党官僚は、都知事選の惨敗を突きつけられて顔面蒼白となり、噴出する下部からの造反に脅(おび)えている。
 民進党内では、責任追及を恐れた岡田が都知事選投票日前日に「代表退任」を表明した。九月の代表選に向けて、前原・長島らの改憲推進派は「共産党と組むべきではなかった」と叫びたて、党内右派≠フ結集を呼びかけている。この党に組織内候補として国会議員を送りこんでいる「連合」指導部は、「民進・共産両党の政策の隔たりは、自民・公明両党どころではない」と叫んで、今後の選挙での民共提携の放棄≠公然と求めはじめた(会長・神津、『読売新聞』七月二十八日付「インタビュー」)。彼ら労働貴族どもは、憲法審査会での「改憲論議」についても、「与野党で落ち着いた議論をおこなうことが必要」(神津、七月十一日)などと積極姿勢≠うちだしているのだ。岡田執行部がトップダウンでゴリ押しした鳥越選挙、その惨敗の「責任」をめぐって、いまや民進党じたいが大混乱に突入し、この党は分裂の危機にさらされている。そして、「連合」内では、まがりなりにも「安倍政権のもとでの改憲反対」を掲げてきた日教組や自治労などの平和フォーラム系諸労組が、安倍政権のファシスト的弾圧と「連合」中央による統制強化のもとで、ますます後退と萎縮を強いられているのだ。こうした否定的現実をくつがえすために、わが革命的労働者・学生だけが、唯一果敢に奮闘している。
 すべての労働者・学生諸君! このような既成指導部の腐敗に決定された憲法改悪反対運動の危機を突破し、安倍政権による改憲―戦争と貧困強制の総攻撃を打ち砕くために、われわれは全力をあげてたたかわなければならない。
 いまや明らかではないか。日本型ネオ・ファシズム権力のこの反動総攻撃を打ち砕く力は、日共官僚のほざくような「野党と市民の共闘」にあるのではない。いまこそ日本労働者階級は、ブルジョア選挙とブルジョア議会の虚偽性にめざめ、階級的観点を喪失しアトミズム化した市民的個のつながり≠ネるものの無力性を自覚しなければならない。労働者階級の階級的団結を中軸とする労働者・学生・人民の反ファシズム統一戦線を創造し、この力をもって安倍政権の画歴史的総攻撃を打ち砕こうではないか!

(以下見出し)
安倍極反動政権の改憲総攻撃を粉砕せよ
 ヒトラー的「政治の技術」を駆使する安倍
 <戦争と貧困>を強制するウルトラ反動攻撃
  大企業支援と弱者切り捨て

地殻変動に見舞われる現代世界


改憲阻止・反戦反安保闘争と政治経済闘争の大爆発を!

 いまこそ議会主義・市民主義の錯誤を断て!

Top

  


高江ヘリパッド建設阻止!


辺野古陸上部の工事再開粉砕!


 今こそ反戦反安保闘争の大爆発をかちとれ
 沖縄県委員会

 衆参両院の三分の二議席を改憲勢力≠ナ制圧した安倍政権は、いまやカサにかかって憲法大改悪にむけて突進をはじめた。同時に、沖縄においては、徹夜で座り込みを敢行した労働者・学生・市民の闘いを全国動員した五〇〇名の機動隊による暴力をもって弾圧し、東村高江地区へのヘリパッド建設工事を力ずくで再開した〔二〜三面の記事参照〕。この政権は、強権的な弾圧体制のもとで八月初旬にも、辺野古陸上部の生コン製造プラントや海兵隊新宿舎建設工事の再開をも強行しようと策している。
 だがそれにもかかわらず、日本共産党・不破=志位指導部は「野党共闘の成果」なるものに酔い痴れ、安倍政権によるこのネオ・ファシスト的な総攻撃の開始をまえにして、許しがたいことに完全に武装解除を決めこんでいるのだ。
 全国のたたかう労働者・学生諸君! こうした日共中央指導部の闘争サボタージュを弾劾し、既成指導部翼下の「反安保」なき「基地の縮小・撤去」請願運動をのりこえ、いまこそ高江ヘリパッド建設阻止・辺野古新基地建設阻止にたちあがれ! 日米両権力者によるグローバル侵略戦争同盟の構築・強化を打ち砕け!

以下見出し
ヘリパッド建設強行に走る安倍ネオ・ファシスト政権

激しさを増す南・東シナ海をめぐる米・日―中の角逐


反対運動を武装解除する日共中央を弾劾せよ!


日米グローバル侵略戦争同盟の構築・強化を打ち砕け!

Top
 

   

高江オスプレイパッド建設阻止の闘い爆発!


7・21
やんばるの森に怒りの声轟く
  現地緊急集会に一六〇〇人が結集

 

「着工を実力で阻止するぞ!」決意を固める労・学・市民
(7・21、米軍北部訓練場N1ゲート前)

 七月二十一日、東村高江区の米軍北部訓練場N1ゲート前において「オスプレイパッド建設阻止緊急集会」が開催された(「ヘリパッドいらない住民の会」「高江現地行動連絡会」「基地の県内移設に反対する県民会議」の共催)。
 安倍政権は、オスプレイパッド(着陸帯)の建設工事を二十二日(翌日)に再開すると宣言した。警視庁と神奈川・千葉・愛知・大阪・福岡などの各府県警から機動隊五〇〇名を動員し大弾圧体制を敷くなかで、これに抗して怒りに燃えた労働者・学生・市民一六〇〇名が大結集した。沖縄県学連のたたかう学生たちは、怒れる労働者・市民とともに<反安保>の旗幟鮮明に最先頭で奮闘した。

「ゲートは開けさせない!」
 労・学・市民が固く団結

 沖縄本島北部の緑あふれる「やんばる」の広大な森。その中を走る県道七〇号沿いの四ヵ所あるオスプレイパッド建設現場のうちN1地区につながるゲート前が集会場だ。
 集会開始二時間以上前から労働者・学生・市民が続々とN1ゲート前に集まる。那覇や本島中部からの大型バスは、労働者・市民で満席だ。待機している労働者たちから歓迎の拍手がわきおこる。
 午後一時四十五分、すでに森に挟まれた一本道は、一歩も動けないほど怒れる人民で埋めつくされている。労働組合ののぼりが林立し、戦闘的な熱気が高まるなか、労働者・学生・市民のデモ行進がおこなわれた。琉球大学と沖縄国際大学のたたかう学生たちは「安倍政権打倒」のプラカードを掲げて、結集した労働者・人民を鼓舞する。「ヘリパッドいらない! ヘリパッド止めるぞ!」「権力には屈しない! 弾圧には負けない!」そのときだ、米軍AH1ヘリが集会参加者を低空飛行で威嚇するではないか。ゲートを包囲する労働者たちの怒りが高まる。
 午後二時、いよいよ集会の開始だ。隙間なく縦列駐車した車によるバリケードで封鎖されたゲート前に立った平和運動センター議長が力強く開会宣言をおこなう。「安倍内閣は一〇〇〇名もの機動隊を動員して、明日にも工事を強行しようとしている。断じて許すわけにはいきません!」再びシュプレヒコールだ。「工事強行はさせないぞ!」「ゲートは開けさせないぞ!」「団結してがんばるぞ!」労働者たちは猛烈な日差しのもと、工事を絶対に阻止する決意をうち固める。
 はじめに「住民の会」代表の地元議員が「こんなに高江に集まるのは初めてだ。交代で毎日テントに張りついて座り込みをしてきた。四つのヘリパッドはつくらせない!」と決意表明した。
 つづいて「高江現地行動連絡会」代表が発言した。「みんなの力でこれから始まる安倍政権の検問・封鎖・横暴にたいしてたたかっていこう!」と呼びかけた。
 次は、高江住民の発言だ。「毎晩のようにオスプレイが飛びかう。爆音で子どもが眠れないので、隣の国頭村に避難している。本当に生活できない。ヘリパッドができたら出て行くしかない」。彼女はすでに昼夜を問わぬオスプレイの爆音で生活が破壊されている苦しみを、怒りをこめて訴えた。この切実な訴えに「そうだ! 許せない!」と全参加者が共感の雄叫びをあげる。
 住民の怒りの発言の後に、日共国会議員の赤嶺が発言した。彼は結集した労働者たちから浮きあがった実に醜悪な姿をさらけだした。赤嶺は「マスコミでは三分の二とった安倍内閣は強いと言われているが、参院選のもう一つの特徴は一人区十一で勝利したことだ。」「次期衆院選でも野党共闘をしっかりしていけば安倍内閣を倒せる」などという発言に終始した。議会主義に骨の髄までおかされたこの日共官僚は、まさに翌日にも開始されようとしている工事着工に怒りを煮えたぎらせている労働者・人民を前にして、ハレンチにもただただ「選挙」「選挙」と声を張りあげたのだ。目の前の工事強行をいったいいかにして阻止するというのだ!
 すかさず、琉大・沖国大のたたかう学生は「基地撤去」「安保破棄」の一文字プラカードを高く掲げて闘いの方向性をさし示す。「おお、琉大か。俺にも持たせてくれ。」市民がプラカードをともに掲げる。女性労働者が共感してカメラを向ける。
 その後、伊波洋一参議院議員や「市民連絡会」代表の発言が続いた。
 抗議集会は北部訓練場一帯に響きわたる団結ガンバローでしめくくられた。

たたかう学生が<安保破棄>を掲げ奮闘

 政府・沖縄防衛局は参議院選挙が終わるやいなや七月十一日から連日、プレハブ・簡易トイレ・大型発電機などを北部訓練場メインゲートから搬入した。同時にN1ゲートを封鎖している車両と座り込みテントの撤去通告、福岡県警による抗議者排除のための検問を強行した。
 これにたいして沖縄県学連のたたかう学生たちは、労働者・人民とともにその最先頭で座り込み・阻止行動をたたかいぬいてきた。十九日には米軍車両の通行を三十分にわたって阻止し、検問を中断においこんだ。同じ日、N1ゲート前での早朝の抗議集会で、たたかう学生が、「安保強化に反対して安部政権を打倒しよう!」「憲法改悪に反対しよう!」と呼びかけ、労働者・人民の圧倒的共感を呼び起こした。
 ときあたかも、中国・習近平政権とアメリカ・オバマ政権が南シナ海の制海権・制空権をめぐって政治的・軍事的角逐をエスカレートさせている。中国の台頭に危機感を高める没落帝国主義・オバマ政権は、韓国へのTHAAD配備と同時に、日米新軍事同盟の現実的な強化の策動に突進している。在沖米軍トップの四軍調整官ニコルソンは、元海兵隊員による女性暴行殺害弾劾の県民大会の前日六月十八日に、次のように言い放った。「北部訓練場の一部を来年初めに返還する用意がある。今年下半期に動きがあると期待している。」米権力者との腹合わせにもとづいて安倍政権は、対中国の出撃・訓練拠点として高江ヘリパッド建設と辺野古新基地建設を急ピッチでおしすすめようとしているのだ。沖縄の労働者・人民の闘いが全国に燃え広がることを阻止するために、新たなヘリパッド建設とひきかえに北部訓練場の半分が返還され「沖縄の負担軽減」になると大宣伝しつつ。
 こうした高江ヘリパッド建設阻止闘争の正念場において、だがしかし日共指導部は「反安保」を完全に放棄し、都知事選・衆院選に向けた「野党共闘」を宣伝する選挙カンパニアに闘いを歪曲している。高江ヘリパッド建設に怒り・決起した労働者・人民の自覚を反安保の階級的自覚へと高め、反安保の闘いをつくりだすことをぬきには、高江ヘリパッド建設を阻止することはできない。
 琉大・沖国大のたたかう学生たちは、既成指導部の「反安保」を放棄した「基地の縮小・撤去」請願運動をのりこえるかたちで<全米軍基地撤去・安保破棄>のスローガンをも公然と提起しつつ、闘いの内容的高揚をかちとるために奮闘した。たたかう労働者たちは、労働組合の団結の強化をつうじて、高江現地に大結集したのだ。


7・22
「国家権力の大弾圧粉砕!」
 労働者・学生・住民が実力闘争

 

機動隊の大弾圧に抗しゲート封鎖車両上で敢然と奮闘
(7月22日、N1ゲート前)
排除しようとする機動隊に対して一歩もひかず、道路封鎖地点で毅然と対峙(7月22日午前6時すぎ)
「全基地撤去・安保破棄めざして闘うぞ!」バリケードを破ろうとする
機動隊に肉迫する労働者・学生・住民(7月22日、高江)

 七月二十一日深夜、N1ゲート前に結集した約二〇〇名の労働者・学生・住民は、二十二日の早朝から約七〇〇人の機動隊を動員して階級的憎悪を燃やしたこれまでにない暴力的弾圧をはね返し、安倍政権への煮えたぎる怒りをバネに「オスプレイパッド建設阻止! 工事再開阻止!」の実力闘争を断固たたかいぬいた。
 わがたたかう労働者・学生は、地元住民と固く連帯し、オスプレイパッド建設工事再開阻止闘争への動員をネグレクトした日共系指導部を弾劾し、この日の闘いを反戦反安保闘争として高揚させるべく最先頭で奮闘した。

徹夜で闘争態勢を構築
 ――車一七〇台でバリケード

 二十二日午前三時すぎ、すでに前日から結集し徹夜の監視体制に入っていた二〇〇名の闘争参加者はいっせいに行動を開始。左右の路側帯に所狭しと駐められている一六〇台以上の阻止闘争団の車を北向けにハの字型に並べ替える。警察車両やレッカー車が一台たりとも入れないバリケードが築かれた。さあ、これからデモと集会だ。「弾圧粉砕!」「機動隊帰れ!」「ヘリパッド建設阻止!」「新基地建設阻止!」「安倍政権の暴挙を許すな!」「安倍政権倒せ!」――怒りの唱和が高江の森の静寂を突き破り、辺り一帯に響きわたる。いやがうえにも闘争参加者の志気が高まる。対峙してみている機動隊員の顔は緊張で引きつっている。
 午前五時頃、「北側の安波ダム近くに機動隊バス三十台、レッカー車四台が集結」との連絡が入り、ピーンと緊張感が張りつめる。「いよいよ来たか。絶対に阻止してやるぞ!」と闘志が高まり武者震いしながら全員が座りこむ。

猛り狂う機動隊に屈せずスクラム固く座り込み

 夜明けが近づき空もいくぶん白みかかった午前五時半すぎ、南側から到着した機動隊バス五台から出てきた五十人の機動隊員がゲートの南側約五十bの地点で阻止行動団の抑えこみにかかる。これにたいして労働者・学生・住民は、ただちに座りこみ、機動隊の排除攻撃をはね返す。「弾圧粉砕!」「機動隊帰れ!」「工事強行を阻止するぞ!」と怒りの声があがる。
 午前六時前、北側安波ダム方向から続々と機動隊が集結し整列する。その数三〇〇名以上だ。そのうちの約一〇〇名が北側阻止行動団の座りこんでいる脇をすり抜け、南側の阻止団のいる所まで突進した。そこでスクラムを組んでいる阻止行動団を包囲し、ゲート側には入れないように阻止線を張り直した。マスコミの取材陣も一緒に排除した。
 阻止団の労働者・住民は「強権的弾圧粉砕!」「不当な報道規制はやめろ!」と大声で抗議する。それに勇気を得た報道記者が「報道の自由を奪う不当な取材規制だ」と機動隊指揮者に抗議する。わがたたかう仲間が「シリアやイラクで戦争するための基地建設工事に手を貸すのか!」と大声で機動隊を一喝するや、怒りに駆られる労働者・住民が「そうだ! 米軍の犬は帰れ!」「基地建設反対!」「工事強行を許さんぞ!」と唱和する。
 北側の阻止行動団はただちにスクラムを組み直し、再度、車のあいだに入って座りこむ。六時ちょうど、機動隊指揮者の「排除かかれ」の号令で機動隊員がいっせいに襲いかかる。阻止行動団の老若男女の面々は、全員がいっこうにひるまない。「弾圧粉砕! 機動隊帰れ!」のかけ声で結束し、スクラムをほどかれ排除されても、また他の仲間が座りこんでいる別の場所に行き、渾身の力をこめて座り込みを継続する。機動隊のなりふりかまわない暴力行使は阻止団の怒りを倍加させるだけだ。「安倍政権のファッショ的弾圧粉砕!」「われわれは屈しないぞ!」と声をあげるたたかう労働者。「そうだ!」「オスプレイパッド建設阻止!」「基地撤去! 安保粉砕!」の声が続く。
 こうして初段の激闘を力の限りたたかいぬき機動隊の排除攻撃を打ち砕いた阻止団は、その後ゲートの真向かいにあるテントや森の中に移動し、そこで抗議の声をあげつづけたのである。

街宣車の上で決死の反撃
 ゲート前で排除攻撃を粉砕

 午前七時頃から、全闘争参加者はゲート前周辺に結集し、抗議集会をもち、怒りの声を叩きつけた。前夜から駆けつけていた弁護団の代表は「県警による車両の強制排除や県道封鎖にはまったく法的根拠がない」と痛烈に批判した。「そうだ」と大きな拍手。わがたたかう仲間たちは「オスプレイパッド建設阻止」「全基地撤去! 安保破棄!」のプラカードを掲げ、闘争参加者を鼓舞する革命的な檄を飛ばしつづけた。
 九時五分前、機動隊指揮者が「駐車禁止車両をただちに移動させよ。警告に従わないなら部隊をもって排除する」と警告を発す。「排除かかれ」の号令を合図に機動隊部隊や私服デカがいっせいにゲート前の車両やテントに襲いかかる。阻止団は「弾圧許さんぞ!」と迎え撃つ。
 ゲート前の平和運動センターの街宣車の上には十名の闘士たちが、右側の小型街宣車の上には七名が所狭しと乗りこみ怒りの拳をつきあげている。わがたたかう仲間が、街宣車の上から「これが元海兵隊員による女性殺害弾劾の県民大会への回答か!」「戦争のための基地建設は許さんぞ!」と大声で一喝するや、雰囲気が一変し、「海兵隊の訓練基地の建設を許さんぞ!」「安保は戦争のためだ。許さんぞ!」の声が街宣車の上からどんどんあがる。隣のテント前の軽トラックの上でわがたたかう仲間たちは「オスプレイパッド建設阻止!」「安保強化反対!」のシュプレヒコールをくりかえし「安倍のファシズム的弾圧を粉砕しよう!」「安倍政権を打倒するぞ!」と怒りの声をあげつづけた。
 十名近くの機動隊員が狭い車のルーフにあがりこみ、阻止団のメンバーたちを暴力的に引きずりおろそうとする。怒りに燃える労働者・住民は、引きずりおろされてもゲートの内側から次々と金網をよじのぼり反撃をくりかえす。県学連のたたかう学生は、金網の上で車上のメンバーを支えながら「安倍政権の強権的弾圧を許さんぞ!」と抗議の声をはりあげた。
 こうして国家権力・機動隊の暴力的排除攻撃に抗して、わがたたかう仲間を先頭に全員が敢闘精神を発揮しつつ勇猛果敢にたたかいぬいた。この沖縄の労働者・学生・住民の身体を挺した戦闘的な実力阻止行動によって、安倍政権・防衛局は早朝からの工事再開という目論見を打ち砕かれ、実に昼すぎまで一切の建設資機材の搬入ができなかったのだ。

日米新軍事同盟強化のための一斉攻撃を粉砕せよ!
 

 この日、沖縄の労働者・学生・住民は、オスプレイパッド建設工事再開を阻止するために機動隊による凶暴な弾圧をはねのけ断固としてたたかいぬいた。そして、この闘いをつうじて、安倍政権による弾圧の反人民性を満天下に知らしめた。
 今夏の参院選で憲法改定発議に必要な三分の二の議席を改憲勢力が確保したことにおごり高ぶる安倍政権は、NSCの直接指示のもと、警視庁をはじめ本土各県から送りこんだ五〇〇人と沖縄県警(約二〇〇人)の機動隊をフル動員し、県道七〇号線を南北二ヵ所で封鎖し、ブルジョア法規をもことごとく蹂躙して反対運動の暴力的破壊に狂奔した。――これこそ、憲法改悪に突進する安倍政権のネオ・ファシスト的本性をあらわした攻撃にほかならない。
 中国の軍事的台頭に危機感を抱くアメリカ帝国主義・オバマ政権に「これ以上工事を遅らせるな」とせきたてられた安倍政権は、高江において工事再開を強行した七月二十二日、辺野古埋め立て工事の早期再開を狙い、埋め立て承認を取り消し・国の「是正指示」に従わない翁長県当局を相手どり違法確認訴訟を起こした。それと同時に「陸上部は和解協議の対象外」と称して、辺野古陸上部の工事をこの八月に再開すると通告した。いまや全国から動員した国家暴力装置・機動隊の力による制圧下で、一気に辺野古陸上部の工事をも再開しようとしているのが安倍政権なのだ。
 沖縄県警をふくむ最大七〇〇人の機動隊を投入し、基地建設に刃向かう労働者・人民の反対運動に牙をむいて襲いかかっている安倍政権に、沖縄の労働者・人民はますます怒りをかきたてられ、「安倍政権の横暴にはもう我慢できない」と高江や辺野古での闘いに続々と決起している。「沖縄の負担軽減」などという欺瞞的宣伝文句を煙幕とした安倍政権による日米新軍事同盟強化のための一斉攻撃を断固として粉砕せよ!
 この高江と辺野古での基地建設を阻止する闘いを、「野党共闘」を自己目的化して「反安保」を放棄する既成指導部・日共系による運動の議会主義的歪曲をのりこえ、日米グローバル戦争同盟の構築・強化に反対する反戦反安保闘争として大爆発させよう。もって憲法改悪を企む安倍政権を打倒するために、ここ沖縄から断固として攻めのぼっていこう。

Top

    

日共式ブルジョア・アトミズム礼賛論の犯罪性

 日本共産党の不破=志位指導部は、「戦争法廃止」運動の方針として「立憲主義の回復」を掲げ、その中核的理念として「個人の尊厳」なるものをおしだしている。いわく「立憲主義の回復」とは、「国家によって侵害を受け、傷つけられている『個人の尊厳』を回復し、守り、大切にする社会をつくろうということ」だと(一月の党旗びらきでの志位のあいさつなど)。安倍政権による戦争法の制定や改憲にむけた策動に貫かれているイデオロギーを「個人の上に国家をおく」思想だと特徴づけ、これに「個人の尊厳」という理念を対置しているのである。
 しかもこの理念は、昨夏来の戦争法反対運動の高揚を「日本の歴史でも初めての市民革命的な動き」と描きだし、「組合動員型の運動」を否定するためにももちだされている。彼らはこの自説を権威づけるために、マルクス『経済学批判要綱』のデタラメな「解説」をさえ開陳しているのだ。
 まさにこれは、労働者階級の闘いをバラバラの「個」に帰する反労働者的な主張にほかならない。日共官僚は、現に大衆運動場面で「労組の旗を降ろせ」などと称して労組としての闘いを抑えこんでいるだけでなく、イデオロギー的にも労働者階級の階級的自己組織化に敵対する思想をふりまいているのである。われわれはいまこそ安倍政権による改憲総攻撃を打ち砕く闘いの階級的高揚をきりひらくために、日共官僚が「個人の尊厳」という理念を声高に強調していることの犯罪性をあばきだすのでなくてはならない。

以下見出し
一、「個人の尊厳」理念を前面におしだす不破=志位指導部

二、「市民的個人」の実体論的分析の欠如


三、マルクス『経済学批判要綱』の小ブルジョア的解釈

Top
 

  


最新号紹介

新世紀
The Communist第284号

2016年9月

安倍政権の改憲総攻撃を粉砕する<武器>を贈る

同志黒田逝去一〇周年

ハンガリー革命六〇周年
反スタ運動の飛躍を!

 全国のたたかう仲間に『新世紀』第二八四号を贈る。
 ◆巻頭に、わが同盟議長・植田琢磨の論文「同志黒田寛一逝去一〇周年 ハンガリー革命六〇周年 反スターリン主義運動のさらなる飛躍をかちとれ」を掲載した。「私の後継者はわが組織そのもの」という同志黒田の言葉を胸に抱いてこの十年間、われわれは一致団結し、反スターリン主義運動の前進を切り開いてきた。この節目の年にあたって議長は、同盟建設の地平を明確にしつつ、すべての仲間に訴えている。「ハンガリー事件と主体的に対決し日本反スターリン主義運動の創成に踏みだした同志黒田の決断そのものをみずからの内に蘇らせるのでなければならない」、「労働者階級の階級的自己組織化の論理」をわがものにし、わが党をプロレタリアの党として建設するために奮闘しよう、と。同時に、労働者同志二人の「党員への飛躍の決意」を掲載した。「われわれの党建設の原点」にたちかえり、内省と苦闘をも刻みつつ飛躍の意志を決然と表明している。
 ◆衆参両院を「改憲勢力」で制圧し改憲総攻撃を身構えている安倍政権に、階級的反撃の号砲を鳴らせ! 安保も自衛隊も容認する日共中央を弾劾し、既成反対運動の危機を突破するために奮闘しよう!「改憲総攻撃を実力で粉砕せよ」の統一タイトルのもとに諸論文を掲載した。参院選結果に驕り高ぶって改憲への「橋はかかった」とうそぶく安倍政権に断固反撃せよ、と檄を発した「参院を制圧した安倍政権の改憲攻撃を打ち砕け」(無署名)。「憲法改悪・安保同盟強化を阻止する強固な戦列を」(中央学生組織委員会)は、「没落帝国主義アメリカ」の軍事的「役割の肩代わり」を「属国」として果たす軍事強国に日本を飛躍させんとする安倍政権の攻撃を総力をあげて打ち砕け!「グローバル戦争同盟反対」の旗を高だかと掲げ、「反ファシズム統一戦線」の結成を呼びかけてたたかおう、と訴えている。「戦争と貧困を強制する安倍政権を打倒せよ」(無署名)は、安倍政権がアベノミクスの破綻を居直るために弄した「あらゆるウソとデマ」を暴露しつくしている。
 わが革命的左翼は、元米海兵隊員が「基地の島オキナワ」で引きおこした女性暴行殺害の蛮行を弾劾する6・19沖縄県民大会において、その最先頭で奮闘した。大会参加者に大好評を博した『解放』号外を収録した。集会の高揚をつたえる報告とともに読まれたい。さらに「陸自オスプレイの佐賀空港配備を許すな」(池上菊三郎)を掲載した。
 こうした革命的反戦闘争の息吹きを全世界に波及させようではないか。第五十四回国際反戦集会の「海外へのアピール」は、国境を越えた反戦の団結をつくりだそうと熱烈に呼びかけている。
 ◆「EU分解の幕開き――『離脱』を選択したイギリス人民」(樽前源太)は、イギリス国民投票結果が政府の緊縮財政政策と移民との職の奪いあいにさらされたイギリス労働者・民衆、その憤懣の「屈折した意志表示」であることを剔りだし、EUの「四分解」の幕開きと「世界的な金融・経済構造の大地殻変動の開始」という歴史的意味を明らかにしている。

「総活躍プラン」の反人民性を暴く

 ◆「特集 労働者・人民をあざむく『一億総活躍プラン』」は、安倍政権がアベノミクスの大破綻を糊塗しのりきるために大宣伝したこの「プラン」の詐術と反人民性を、個々の施策ごとに批判しつくしている。「同一の職務をおこなっているかぎり何年勤続しようとも賃金額が上がらない賃金支払い形態に変えること」でしかない「アベ式『同一労働同一賃金』論の正体」を、そして「変形労働時間制の導入」などの「労働者にとっては労働強度の増進・不規則勤務の強要・賃下げをしか意味しない」「『生産性向上』とワンセットの『長時間労働の是正』策」のカラクリをつきだしている。さらに、「老人を死ぬまでコキ使う『高齢化対策』」、「『医療の産業化』=社会保障としての医療$リり捨て」、「『安心』とは名ばかりの『保育・介護の整備』策」というように、活躍できない者を切り捨てる=uプラン」の反人民的な全貌を浮きぼりにしている。
 ◆「NTT東日本の勤務時間制度大改悪」(鍬形晃)は、当局の「長時間労働の是正」が「『時間外労働』とみなされる部分を圧倒的に削減」して賃下げと労働強化を同時に実現するものであることを、鮮明につきだしている。その他の産別からの諸論文もあわせ掲載した。
 ◆「富国強兵″にもとづく国立大学の強権的再編成」(平尾謙司)は、「大学を『戦争のできる国』にふさわしい研究・教育機関へとつくりかえる」安倍政権のたくらみと「軍学共同」の実態を明らかにしている。
 本号を闘いの武器として十全に活用されたい。

Top