第2423号(2016年6月20日)の内容

<1面>
憲法改悪を絶対に阻止せよ
 日米グローバル戦争同盟の構築反対! アベノミクス粉砕!

<4面>
日共官僚による改憲阻止闘争の議会主義的歪曲を許すな
<2面>
「改憲阻止! 安倍政権打倒!」
 6・5総がかり大行動で労学が奮闘

<3面>
改憲を煽り立てる高校副教材
 文科省「政治的教養を育む教育」の反動性
国際短信 ウクライナ
 プローニン氏からの手紙
<5面>
NTT 新たな大リストラ攻撃を打ち砕こう
<6面>
新名神高速橋桁落下事故
 建設労働者に死傷を強いたゼネコン
高年齢労働者を酷使・切り捨て
Topics 使い捨てられる非正規公務労働者
<7面>
JAM中央労働貴族の「個別賃金要求方式」の欺瞞
<8面>
万華鏡2016――情勢の断層を読む
◆「領土交渉進展」??
◆アメとムチ
◆痛苦な教訓
◆虹彩認証
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号




































  


憲法改悪を絶対に阻止せよ

日米グローバル戦争同盟の構築反対! アベノミクス粉砕!

 アベノミクスの凄絶な破産をつきつけられた安倍政権は、七月参議院選挙に向けて、改憲推進連合(自民・公明・おおさか維新など)で三分の二の議席をもぎとるために、「改憲」の牙をおしかくしつつ、「アベノミクスは成果をあげている」などといった黒を白と言いくるめるナチスばりの虚偽宣伝をくりひろげている。自民党選挙公約の最末尾に「改憲」を目立たないように組みこみ、改選議席の過半数を獲得すれば「政府・自民党の政策が信任された」と称してまっしぐらに改憲に突き進む魂胆なのだ。
 この重大な局面において、われわれはすべての労働者・学生・人民に訴える。安倍政権による「参院三分の二議席の獲得」をステップとしての憲法大改悪の策動を絶対に阻止せよ!
 没落帝国主義アメリカと台頭する中国とが激突するはざまにおいて、安倍政権は、アメリカとともに日本が世界中どこででも侵略戦争にうってでる国家へと飛躍するために、あらゆる手練手管・詭弁・奸計(かんけい)を使って憲法改定をなしとげようとしているのだ。そして、政府に反旗を翻す平和運動・労働運動を撲滅するために労働者・人民の諸権利を根こそぎ剥奪することを狙っているのだ。われわれは、このネオ・ファシスト政権の一大攻撃を断じて許してはならない!
 元米海兵隊員による女性暴行・殺害を満腔の怒りをこめて弾劾せよ! 米日両権力者による辺野古新基地建設を阻止しよう!「安保反対」の闘いを完全に放棄し、参院選挙における「野党統一候補の勝利」のための集票活動に埋没しているのが、日本共産党指導部だ。この日共の議会主義的腐敗を弾劾し、いまこそ日米グローバル戦争同盟の構築・強化に反対する闘いをつくりだそう。6・19県民大会の戦闘的高揚をかちとるべく奮闘する沖縄のたたかう労働者・学生・人民を先頭にして、<基地撤去・安保破棄>をめざしてたたかおう!
 「野党統一候補の当選」を第一義にして「安保反対」も「ファシズム反対」も掲げない運動では、安倍政権によるネオ・ファシスト的総攻撃を阻止することは決してできない。いまこそ、労働者・人民を主体とした「憲法改悪阻止」「日米新軍事同盟強化反対」「アベノミクス粉砕」「原発再稼働・核開発阻止」などの闘いを大きくつくりだそう。これらの闘いを合流させ、闘いのただなかにおいて<反ファシズム統一戦線>を構築しよう。もって安倍ネオ・ファシスト政権を労働者階級の階級的団結と闘争で打倒しようではないか!

アベノミクス破産を押し隠すファシスト的デマ宣伝

 参議院選挙(六月二十二日公示、七月十日投開票)において、改憲発議に必要な参議院三分の二の議席を制すること――このことを至上目標にしている安倍はいま、労働者・人民にたいして「消費税再増税の再延期」を恩着せがましくうちだし、それを「新しい判断だ」などと称して国民のための大英断≠ナでもあるかのようにおしだしている。
 「デフレからの脱却」とか「経済の好循環の実現」とかの公約をことごとくパンクさせているときに消費税を一〇%に増税するならば人民の総反発をくらうことは避けられないとみてとった安倍は、増税延期をむしろ逆手にとって人気とりの手段に使おうとしているのだ。あまつさえ、この「判断」を「アベノミクスの失敗」ではなく「世界経済のリスク拡大」のゆえだと強弁するために、安倍はG7サミットで「リーマンショック前の状況と似たリスク」なるものを乱発し、各国権力者から総スカンをくらった。にもかかわらずこの男は、「各国首脳から理解された」といけしゃあしゃあと開き直り、「アベノミクスのエンジンを最大限にふかす」などと鉄面皮にうそぶいているのだ。これは「ウソも何百ぺん言えば真実になる」というヒトラー政権宣伝相ゲッベルスばりのデマ政治そのものではないか。
 アベノミクスの破産は、どのような詭弁を弄しても覆い隠すことはできない。「大企業が利益を上げれば、その富の滴(しずく)がしたたり落ちて労働者の給与をも引き上げ、そうすることによって国内消費が拡大する」――このような「トリクルダウン」による「経済の好循環実現」なるものが完全なデマゴギーでしかなかったことは、いまや誰の目にも明白となった。
 労働者の実質賃金は五年連続でマイナスとなり、非正規雇用労働者は安倍政権下の三年間で一六七万人も増え(逆に正規労働者は三六万人減)、全労働者の四割にまで達した。圧倒的多数の労働者・人民は、アベノミクスによる円安・輸入品価格の上昇と消費税八%への増税によってさらなる貧窮・生活苦に陥っている。これにたいして大企業は、安倍政権の徹底した大企業優遇策に支えられて史上空前の内部留保をためこんでいる(二〇一六年三月時点で約三七〇兆円)。日本の超富裕層上位四十人の保有資産総額はこの三年間で倍増し、一五・九兆円にまで達した(これは、下から五三%の世帯の合計資産に相当するというのだ!)。この資本家どものもとに集中した莫大な富は、アベノミクス諸政策に支えられて資本家どもが労働者・人民から徹底的に搾取し奪いとったものにほかならない。いまやアベノミクスにたいする労働者・人民の怒りと不満は鬱積しているのだ。
 それだけではない。三菱UFJ銀行が国債入札特別資格(入札優遇のかわりに四%以上の応札義務を負う)を財務省に返上する調整に入った。黒田日銀による「マイナス金利」と世界的な金利低下のもとで、国債の金利がマイナスとなり、国債を購入し持ちつづけることも、またそれを日銀に転売して日銀当座預金を増大させることも、どちらも大損失を招きかねないがゆえに、金融諸機関は国債を買い支える仕組みから逃げ出しはじめたのだ。すでに政府の消費税増税先送りによって、日本国債の格付けがさらに下がった。アベノミクスによって日本経済に胚胎した矛盾が金融恐慌として爆発する時が迫っているのだ。
 まさにこのように凄絶な破綻が眼前に突きつけられているにもかかわらず、それは「アベノミクスが途(みち)半ばだからだ」と強弁し、ボロボロになったアベノミクスにいかがわしい装飾をほどこしたうえで、またぞろ前面におしだしているのが、この詐欺師内閣なのだ。
 みずからが拡大してきた格差と貧困にたいする人民の反発をかわすために、「一億総活躍社会の実現」などというような第二次大戦中ばりのアドバルーンを掲げてみたり、また「連合」を分断しその内部に自民党支持派≠つくりだすことをたくらんで、「連合」などの諸労組や野党が掲げてきた「同一労働同一賃金の実現」という要求を横取りして「正規・非正規の格差是正にとりくむ」などとウソ八百を並べたりしているのだ。――同時に非正規雇用労働者の増大を促進する派遣法改悪を強行し、「解雇の金銭解決」=自由化を進めていることは押し隠しつつ。
 また安倍政権は、G7会合――集まることに意義がある≠ニいうだけの空疎な首脳会議――を議長国として開催したことを、そしてオバマの広島訪問・演説が実現したことを、自己の「成果」であるかのように大々的に喧伝し、政権への支持率拡大に露骨に利用している。みずからが「憲法九条は、いっさいの核兵器の保有・使用を禁じているのではない」と閣議決定したことを棚に上げて、そらぞらしくも「核なき世界の理想」を核超大国の大統領オバマとともに高唱≠キるなどというパフォーマンスは、労働者・人民・被爆者を愚弄するにもほどがあるではないか!

 <米・中激突>下での憲法大改悪への突進

 安倍政権は、今参議院選挙の自民党公約=政策集において、「国民の合意形成に努め、憲法改正を目指します」とする改憲方針を、「アベノミクス推進」の陰に隠して最後尾にもぐりこませた。だが、過去の国政選挙と同様に、安倍政権は、「経済再生」を前面におしたてて選挙戦で勝ったならば「国民の信任を受けた」とほざいて政治的課題の実現に狂奔する、すなわち憲法改定にのりだす腹づもりなのだ。まさにナチスの大衆操作術に学んだネオ・ファシストの悪辣さだ!
 安倍政権が企む「憲法改正」の核心は、@「戦力不保持」「交戦権の否認」を宣言した第九条(第二項)の削除と「自衛権の発動」「国防軍の保持」の明記、A天皇の「国家の元首」化、B「公益及び公の秩序」を名分にした「基本的人権」の「制限」=剥奪、C首相に非常大権≠与える「緊急事態条項」の新設、などにある。
 安倍政権はいま、アジアにおいて軍備増強と「領土」拡張に狂奔する習近平中国にたいする危機感をみなぎらせ、これに対抗するために、没落帝国主義アメリカにすがりつき、これとの軍事同盟を強化しつつ、「世界の警察官」たることを放棄≠オたアメリカの役割の一部をも肩代わりしようとしている。まさに日米新軍事同盟=グローバル戦争同盟を構築・強化するために、日本国家を世界中のどこでもいつでもアメリカとともに戦争をやれる国≠ニして飛躍させるためにこそ、いま安倍政権は、九条破壊を中心とする憲法改定に突進しているのである。それはまた、内に向かっては、戦争をやれる国≠ノふさわしいネオ・ファシズム的な支配体制をより盤石なものとしてうち固めることを狙った極反動攻撃にほかならない。まさしく、米・中激突下において日本を<軍事強国>へと飛躍させるための極反動の憲法を新たに制定することを狙っているのが、安倍政権なのだ。
 この政権は、こうした策動を正当化するために、いま北朝鮮の核ミサイル開発や中国の尖閣諸島領有策動を利用して中国・北朝鮮の「脅威」を大々的にキャンペーンしている。また、許しがたいことに、熊本大地震を利用して「災害対応のための緊急事態条項の必要性」なるものを喧伝しているのである。

東アジアにおける米・日―中・露角逐の激化

 六月八日夜から九日未明にかけて、ロシア海軍の駆逐艦と中国海軍のフリゲート艦が相次いで尖閣諸島の「接続水域」に進入した。先にロシア軍の駆逐艦が南方から進入し、これを追尾する海自衛艦が「接続水域」に進入したのちに、中国軍艦船が北方からこの水域に進入したのだ。「公海上の航行は自由」とオバマ政権が強弁していることを逆手にとって中・露両国権力者は、中・露版「航行の自由作戦」を展開したのである。
 オバマ政権は南シナ海において「航行の自由作戦」を強行するとともに、バルト海や黒海のロシア・クリミア近海にもアメリカ(NATO)軍艦船を航行させている。また中国の東半分を丸裸にするTHAAD(最終段階高高度地域防衛)ミサイル・システムの韓国配備とロシアの核戦力を無力化するMDシステムのルーマニア・ポーランド配備にも突進している。これにたいして習近平政権とプーチン政権は、中・露が共同して力で対抗する∴モ志をオバマ政権に突きつけるためにこそ、アメリカの属国=日本が「領土」と主張し・アメリカが安保条約の適用を公言する尖閣諸島の周辺での挑発的軍事行動にうってでたのである。
 すでに連日のように、南シナ海や東シナ海では米・中両軍機が、バルト海や黒海では米=NATO軍機とロシア軍機が、急接近・相互威嚇をくりひろげている。まさにユーラシア大陸の東西において、アメリカ帝国主義と、「反米」の同盟的結託を強める中国・ロシアとが、軍事的角逐の火花をちらしているのだ。
 とりわけ南シナ海はいま、米・日―中の一触即発の戦争的危機に覆われている。南沙諸島と西沙諸島での岩礁埋め立て=滑走路など軍事施設の建設につづいて、習近平政権はフィリピンに近いスカボロー礁においても埋め立て工事に向けた測量を開始した。もしもスカボロー礁に中国の軍事拠点が完成したならば、南シナ海の中心部(南沙・西沙・スカボロー礁を頂点とする三角形)の制空権・制海権が中国に握られかねない、と危機感を募らせているオバマ政権と安倍政権は、これを阻止するために躍起になっているのだ。米軍は「航行の自由作戦」と称して南沙諸島・西沙諸島の中国「領海」への進入をくりかえし、日本の海自艦船や哨戒機部隊がこの作戦と連動して動いている。
 同時に日・米両政府は、六月上旬に相次いで開催された国際会議の場において、中国非難のオクターブを上げたのだ。アジア安全保障会議(六月三〜五日、シンガポール)において、米国防長官カーターは、中国政府が南シナ海に軍事基地建設を進めるならば「中国は孤立の万里の長城を築くことになる」と恫喝した。日本の防衛相・中谷もまた「秩序への挑戦」と中国を非難した。〔さらにフランス国防相が、EU各国にたいして南シナ海に海軍艦艇を定期的に派遣し運行させることを呼びかける≠ニ発表した。〕
 これにたいして、中国軍代表・孫建国が猛反発し、アメリカ軍艦の南シナ海航行作戦にたいして「一部の国が国際法を都合良く使い、力を誇示している。断固反対する」「問題が起これば(中国は)起ちあがる」と武力行使も辞さない構えを示し、さらに在韓米軍基地へのTHAADシステムの配備にたいして、「中国とロシアなどの戦略的利益に直接的な損害を与える」と叫び、ロシアと連携して断固反対する姿勢を突きつけたのであった。
 北京において開催された「米中戦略・経済対話」(六月六、七日)においても、習近平が、中国はアメリカと肩を並べる「新型大国関係」にあると傲然と述べ、「しばらく解決できない係争」があったとしても「広大な太平洋を各国が駆け引きする競技場ではなく、協力の舞台にしなければならない」などと、南シナ海問題でアメリカ政府が中国への非難をくりかえすことを牽制した。これにたいして、米国務長官ケリーは、「冷戦や教条的イデオロギーの名残り」が「われわれを間違った方向に追いやることを許してはならない」と発言し、南シナ海領有化策動をすすめる中国にたいしてまわしげりをくらわせたのである。
 いまアメリカでは、「アメリカ第一」「日本や韓国に米軍駐留経費を全額負担させよ、さもなくば米軍を撤退させよ」と叫ぶドナルド・トランプが共和党の大統領候補におしあげられた。アメリカ主導の「国際秩序」を護持するためにアメリカが軍事的・財政的負担を負いつづけることにたいする反発が、アメリカ支配階級内からも噴出しているのだ。オバマはこれに促迫されながら、アメリカの力の衰退を覆い隠すために唯一の属国=日本を従え・日米新軍事同盟を基軸とするかたちで、中国を軍事的に包囲する多国間軍事同盟=アジア・太平洋版NATOの構築に、いよいよ突進しているのである。
 G7サミット前にオバマはベトナムを訪問し「包括的パートナーシップを発展させる」と謳い、武器禁輸措置の全面解除を発表した。また六月十日から、米・日・インド三ヵ国による海上共同訓練を沖縄東方海域で開始した。
 日本とアジア・中東地域をつなぐ海洋ルートの防衛を日本帝国主義にとっての「死活的利害」とみなしている安倍政権は、南シナ海を中国に制圧されることへの危機感と、尖閣諸島をめぐる中国との攻防に苛立ちを募らせている。この政権は、戦争法の施行を踏み台にして、日本国軍の艦船を次々と南シナ海に送りこんでいる。ベトナムのカムラン湾には四月、五月と二度にわたって海自艦を「補給」名目で寄港させた。いまや日本国軍は、米軍と一体化しつつ、南シナ海における対中国の最前線に投入されているのである。

日共の議会主義的歪曲に抗し改憲・安保強化を打ち砕け!

 いまわれわれは、憲法改悪を阻止する闘いの決定的な正念場に立っている。この重大なときに、既成の反対運動指導部はいっさいの闘いを参議院選挙にむけた集票運動に歪曲してしまっている。
 「連合」の神津・逢見指導部は、安倍政権の改憲攻撃をまえにして、「反対」とは一言もいわない。三年前に、「論憲推進」を決定している「連合」指導部は、平和フォーラム加盟の労働組合の改憲反対のとりくみを抑圧しているのだ。「連合」指導部は、今参議院選挙にむけても戦争法や改憲問題などの「平和」の課題を完全に棚上げにし、「労働者保護ルールの堅持」など「雇用と暮らしの安心」をめぐる「重点政策」(民進党との政策協定)だけを掲げて、民進党の応援と組織内候補への集票活動に労組員をかりたてている。いやJCメタルなどの一部の右派労働貴族は、民進党執行部による「民共提携」の追求に猛反発し、――自民党からの揺さぶりや工作をも受けて――選挙区における「野党統一候補支持」方針に公然と反旗を翻して独自行動=i「与党支持」をふくむそれ)をほのめかしてさえいるのだ。
 他方、日共中央の不破=志位指導部は、いっさいを参議院選挙運動に収れんさせ、「戦争法反対集会」をさながら選挙総決起集会のようなものに歪めてきた。不破=志位指導部は、「戦争法廃止」「改憲阻止」の課題をもっぱら参院選の結果をもって実現するというブルジョア議会選挙絶対主義の錯誤に陥っているがゆえに、いっさいの大衆運動を野党統一候補の応援と比例区での共産党への集票活動の場に歪めているのだ。それは、労働者・人民の安倍改憲攻撃にたいする怒りと闘いを、無力化するものにほかならない。
 彼らは、野党の選挙協力を第一義的に追求するために、民進党にたいして「安保廃棄や自衛隊解消を野党共闘にもちこまない」と誓約した。「野党共闘」「保守層との共同」を自己目的化する日共中央は、諸々の大衆集会において、労組員や下部党員たちに「反安保」や「反ファシズム」を掲げることを禁止している。また「自立した市民の運動=市民革命」などと浮かれながら労働組合が労組の旗を掲げることをも抑圧しているのだ。
 それだけではない。不破=志位指導部は「国民連合政府」の政策として、「安保廃棄は凍結します。いざという時には現存の安保条約の第五条と自衛隊法で対応します」などとうちだした。いまや彼らは、「日本防衛のため」という名分において、現行安保条約を肯定し、在日米軍基地を容認し、米軍と日本国軍との日米共同作戦の発動を容認するにいたっているのだ。こうなるのは、彼らが安倍政権の敷いた「国家の安全保障」「日本国家の防衛」という土俵にはまりこんでいるがゆえなのだ。
 このような日共中央の方針は、労働者・学生の自衛隊の海外派遣反対や日米共同演習反対の闘い、沖縄をはじめ全国各地でたたかいぬかれている反米軍基地闘争に敵対し、これを破壊するに等しい犯罪的方針ではないか。
 われわれは、闘いのいっさいを参議院選挙での野党の選挙協力への尻押しにきりちぢめる日共中央を弾劾し、改憲阻止、戦争法撤廃、日米グローバル戦争同盟の構築・強化反対の闘いを断固として高揚させようではないか! 憲法改悪を絶対に阻止せよ!

 元米兵による女性殺害弾劾! 全基地撤去へ!

 同時に、われわれは元海兵隊員による女性暴行殺害を満腔の怒りをこめて弾劾するのでなければならない。
 元米海兵隊員があらかじめ凶器を準備して若い女性を襲い、暴行したあげくに惨殺して雑木林に投げ捨てたこの凶悪な米兵犯罪にたいして、沖縄の労働者・人民は怒りのマグマを爆発させ、六月十九日には「被害者を追悼し、沖縄から海兵隊の撤退を求める県民大会」を開催しようとしている。
 この闘いの高揚をまえにしてふるえあがった米・日両政府は、あわてて「綱紀粛正」と称して米兵・米軍属の禁酒や外出規制施策をとったにすぎない。だが米軍は、酒に酔った米海軍兵による国道逆走による衝突・傷害事故や、米軍属による麻薬密輸事件を次々と引き起こしている。米軍による「綱紀粛正」策が口先だけのその場しのぎであることを自己暴露したのだ。まさに日米安保条約にもとづいて広大な米軍基地が存在し、米軍が殺人演習を日々くりかえしていることこそが、この凄惨な米兵事件の根拠にほかならない。またG7サミット参加のために訪日したオバマは謝罪すらせずに、あろうことか岩国基地におもむいて日本駐留米軍を激励した。そして米日両権力者は、あくまでも辺野古新基地建設を推進する決意をくりかえしているのだ。これが許せるか!
 沖縄のたたかう労働者・人民は、いまや「辺野古新基地建設阻止」にとどまらず「全米軍基地の撤去」を掲げて続々と反基地闘争に起ちあがっているのだ。この満々たる怒りを「安保破棄」の方向において内容的に高め闘いを全国に押し広げていくことが、いま問われているのだ。
 いまこそ<基地撤去・安保破棄>をめざしてたたかおう!
 「核なき世界」を煙幕としたアメリカの核軍事力増強反対! 中・露の対抗的核軍事力増強反対!
 アベノミクス粉砕! 労働法制の大改悪反対! 原発再稼働反対! TPP反対!
 すべての闘いを一つに合流させ、労働者階級を中軸とした<反ファシズム統一戦線>を構築し、安倍政権を打ち倒そう!

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日共官僚による改憲阻止闘争の議会主義的歪曲を許すな

T 「野党共闘」尻押し・参院選向け票集めへの解消

 みずからの在任中に憲法改定を成し遂げる執念を燃やしている安倍は、きたる参議院選挙において改憲発議が可能な三分の二の議席を改憲派で奪取することを狙って、なりふりかまわず突進している。日本をアメリカとともに戦争をやれる軍事強国へと本格的に飛躍させるために、「戦争放棄・戦力不保持」をうたった現行憲法第九条の破棄を核心とする明文改憲に突進しているのが安倍ネオ・ファシスト政権なのだ。まさにいまこのとき、日本労働者階級はその底力を発揮し、日本全土を揺るがす空前の反対闘争を燃えあがらせるのでなければならない。
 だが、この重大時に、代々木官僚は何をやっているのか。彼らはいま、参院選の「一人区」すべてで「野党統一候補」が擁立できたことに欣喜雀躍しながら、「安倍政権による憲法改悪反対」をふくんだ民進党(および社民党、生活の党)との「共通政策」の宣伝にあけくれている。あらゆる大衆集会を、「野党共闘」を尻押しする場として活用している。改憲を阻止するために起ちあがる労働者・人民の闘いを参院選挙戦に従属させ、日共・「野党統一候補」支持の票集めに解消しているのだ。
 昨年来、代々木官僚は、「戦争法反対の国民的大義で大同団結する」と称して、小林節ら「改憲派」の保守層とも「共同」するために「憲法擁護」の旗印を引きおろし、下部党員には大衆集会の場で「改憲反対」を掲げることを禁じ抑圧してさえきた。このことの犯罪性を満天下に暴きだしたわが同盟のイデオロギー闘争に共鳴し感化された良心的な日共党員たちが、代々木中央官僚にたいする批判を噴きあげはじめたことに直面して、官僚的自己保身にかられたのが不破=志位指導部だ。この徒輩は、「野党共闘」の対象である民進党の岡田執行部が「安倍政権による改憲反対が参院選の大争点だ」と言いだした後になって、これにのっかって――五月に入ってようやくにして――「安倍改憲反対」を「野党共闘の旗印」としてオズオズと口にしはじめたというわけなのだ。
 それにしても、参院選において「野党共闘」を自己目的化している代々木官僚の腐敗たるや、まさにとどまるところをしらない。
 三十二の「一人区」のうち、ゆいいつ香川選挙区で日共推薦候補を「野党統一候補」として認めてもらったことに浮かれあがった代々木官僚の指示のもとに、日共の香川県委員会は民進党の香川県連とのあいだで、「平和外交を重視するが、日米安保条約の廃棄や自衛隊の解消という共産党の政策は野党共闘に持ち込まない」ことをはじめとする確認書をとりかわした。〔他の項目は、「今日の日本社会に必要なのは社会主義的変革ではなく、資本主義の枠内での民主的改革である」「天皇制を含めた現行憲法の全条項を守る」など。〕香川県をはじめとして、民進党の多くの地方組織が、そして民進党「支持団体」である「連合」の神津指導部が、日共候補を支持・支援することを拒絶しているもとで、こうした連中にも何とかとりいり共闘相手として認めてもらうために、党綱領に「将来的展望」として一応は明記されている「安保廃棄」や「自衛隊解消」の旗をすすんでおろしたことをアピールすることに腐心しているのが代々木官僚どもなのだ。
 六月五日の「全国総がかり大行動」にあらわれた日共副委員長・山下は、この香川選挙区における確認書を嬉々として宣伝しながら、「共産党にとっては当たり前のことを知っていただくことが大事」などと吹聴した。この輩は、結集した四万人の労働者・人民に、野党間の選挙協力をこそ最優先にして「安保廃棄」も「自衛隊解消」も主張しないことが、あたかも安倍政権を倒す闘いの前進になるかのようにおしだしたのだ。だが、戦争法廃止や改憲反対を課題とする共同行動に結集した労働者・学生・市民にたいして、「日米同盟の深化」「自衛力の整備」を綱領に掲げる民進党と一致できない主張は持ちこむな、と強要するのは、反対運動の内容的質を低める犯罪ではないか。
 それどころではない。代々木官僚が民進党香川県連と交わした確認書のごときものを、「有権者の正しい理解を求めるため」と称して宣伝してまわっているのは、じつのところは彼ら自身が、「震災対応で活躍した自衛隊を解体しようとしている」「日米同盟の絆を壊す」「民共勢力」などという安倍政府・自民党の批難キャンペーンに完全に腰砕けとなっているからなのだ。曰く、「日本共産党は災害時の自衛隊の救助活動に反対したことはありません」「野党共闘に自衛隊解消や日米安保条約廃棄を持ち込まないことは何度も表明しているとおりです」と。ブルジョア議会選挙でいかに票を集めるかしか眼中にない代々木官僚は、「保守層」の票が逃げてしまう≠ニいう恐怖の虜となって、防戦一方の「政治論戦」にあけくれているのだ。
 安倍政権はいま、「自衛隊が違憲と思われているままでいいのか」(五月三日の安倍の発言)などと叫び九条改憲の意志をむきだしにし・かつ南シナ海派兵や年間五兆円を超える巨額の軍事予算を投じて大軍拡に突きすすんでいる。そしてまたオバマ政権とともに「強固な日米同盟」をうたいあげ、対中国の軍事包囲網の構築に狂奔している。まさにこのときに、代々木官僚は、参院選での「野党共闘」を第一義にして、日米軍事同盟の強化に反対することを上から統制し抑圧している。そして戦争法や改憲に危機感を沸きたたせている労働者・学生・市民を日共と「野党統一候補」を支持する「票」としかみなさず、一切の大衆的闘いを参院選向けの集票運動にねじ曲げ解消している。こうした議会主義的な闘争歪曲こそ、反対運動をたたかわずして敗北へと導く大犯罪いがいの何ものでもない。改憲を阻止するために起ちあがった労働者・人民に闘争への参加をつうじて階級的自覚と団結を促してゆくことに真っ向から敵対しているのが代々木官僚なのだ。

(以下、見出し)

  日共式「安倍改憲反対」方針の特徴

U 「反安保」も「反ファシズム」も抜きの改憲反対方針

 (1) 「立憲主義の破壊反対」の錯誤と日米軍事同盟容認の犯罪性

 (2) 「憲法九条にたった平和の外交戦略」なるものの無力性

 (3) 「自由で自発的な市民革命」という幻想

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NTT
春闘妥結を号砲とする新たな大リストラ攻撃を打ち砕こう

 NTT経営陣は、今一六春闘の回答書において「あらゆる経営改善施策に対する貴組合の協力を要請する」と宣言した。このNTT経営陣の一六春闘の回答をNTT労組本部は、「組合員の期待に一定応え得るもの」であり「未来につながるものとしてうけとめる」「妥結に値する」と称して即妥結し丸呑みした。彼ら経営陣は、悪らつな経営・労務施策を無慈悲に貫徹するために、わずかばかりの「賃金改善」をエサに今春闘を妥結させるとともに、NTT労働貴族どもに「あらゆる経営改善施策」への全面協力を誓約させたのである。
 いまNTT西日本会社経営陣はこの一六春闘の妥結にふまえ、NTT持ち株会社経営陣が昨年うちだした新中期経営戦略「新たなステージをめざして二・〇」を具体化するかたちで、国内事業における売上高と利益率の向上および「コスト削減」を至上命令とするNTTグループの事業運営方針「二〇一六年度事業計画」をうちだしそれを次つぎと物質化しつつある。いままさにNTT西日本経営陣は、第二の構造改革≠ノ匹敵する「新たな経営改善施策」の名のもとに、「業務の広域集約や組織の統廃合、外注化の拡大、コスト削減など」の一大リストラ諸施策をうちだし、その実施にともなう首切り、配転・転籍・出向・広域移動・労働強化をわれわれ労働者の頭上に打ちおろしているのである。
 今春闘を「底上げ・底支え」「非正規労働者が中心」と宣伝していたことなどあたかもなかったかのように、「正社員平均一六〇〇円」の獲得≠「成果」としておしだしているNTT労働貴族の定期全国大会(七月)および各企業本部大会(八月)に向けての欺瞞的な総括を絶対に許すな! 経営陣と一体となって賃金抑制攻撃や新たなリストラ施策の実施に全面的に協力している労働貴族どもの腐敗した対応を弾劾し、職場からただちに怒りの声を組織し、大リストラ反対の闘いを創りだそう!

(以下、見出し)

T 非正規雇用労働者の月例賃金改善要求にゼロ回答

  容赦なき切り捨てと「能力をもつ」者の囲い込み

U 労働者を「利益拡大」に駆りたてるための「人材への投資」

  「コスト削減」に狂奔する経営陣

V 非正規雇用労働者を見殺しにしたNTT労働貴族

  事業構造の転換に伴う一大攻撃をはね返そう

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JAM中央労働貴族が主張する「個別賃金要求方式」の欺瞞

 JAM中央指導部は、一六春闘において「連合方針に踏まえ」て「六〇〇〇円を基準とする賃金改善に取り組む」と決定し、「大手企業と中小企業との格差是正をはかる」ために「個別賃金要求方式の取組みを追求する」と唱えた。
 けれども年明けに、中国の過剰設備の露呈による株式急落に連動して日本の株式は暴落し、これを止めようと仕掛けた日銀の「マイナス金利」の導入は裏目となって「円高・株安」が昂進した。安倍政権と独占資本家どもが演出しようとし、労働貴族どもが期待をかけていた「賃上げムード」はいっきに吹きとんだ。自動車、電機、鉄鋼などJCメタル系の単産の労働貴族は、みずからの超低額要求(「三〇〇〇円」)を大幅に下回る独占資本家どもの「賃金改善」と称する回答(トヨタ自動車一五〇〇円、パナソニック一五〇〇円、新日鐵住金二年分で二五〇〇円など)を唯々諾々と受け入れた。JAM中央労働貴族も、「統一回答日」に有額回答をひきだした数少ない単組の「賃金改善」回答が、「一六〇〇円を越えたことは格差是正につながる」と評価しているのである。
 私はJAM指導部の春闘方針にたいする批判を深めるためにも、彼らの「個別賃金要求方式」の批判に挑戦≠オようと思う。このことで、われわれ革命的・戦闘的労働者たちがJAM労働貴族による賃金闘争の歪曲を許さず労組を主体として闘いを左翼的に展開する一助にしたい。

(以下、見出し)

〔1〕 「格差是正のための個別賃金要求方式」とは?

  「格差には合理的なものがある」!?

  「一人前労働者」概念のデッチ上げ

〔2〕 資本家の賃金抑制策への屈服

 @「平均賃上げ要求方式」否定のまやかし

 A成果・業績給拡大の是認

 B「同一労働同一賃金」による基礎づけ

 労働貴族の労使協議への陥没を弾劾し闘おう

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「改憲阻止! 安倍政権打倒!」
6・5総がかり大行動で労学が奮闘
 六月五日、国会―日比谷公園一帯で開催された「全国総がかり大行動」に四万人の労働者・学生・人民が決起した。憲法改悪の野望をたぎらせている安倍政権は、参議院選挙を一ヵ月後にひかえて、またぞろ「アベノミクスのエンジンを最大限ふかす」などとおしだしている。彼らは、参議院の三分の二の議席を改憲勢力で占めることを狙って、労働者・人民が危機感を持っている改憲問題を後景化させ、ブルジョアマスコミをフル動員して「アベノミクスが選挙の争点」だと宣伝させるというファシスト的手口を弄しているのだ。この安倍政権の策動への怒りと危機感に燃え、憲法改悪を絶対に許さないという決意をみなぎらせて、労働者・学生・人民は起ちあがった。
 だが、日共をはじめとする既成反対運動指導部は、「参院選挙は野党が勝利」「選挙に行こう」なるシンボルをかかげて、この行動を野党候補者の応援一色に染めあげようとした。わがたたかう労働者・学生は、このような既成反対運動指導部の議会主義的腐敗を弾劾し、「6・5大行動」を<憲法改悪阻止! グローバル戦争同盟の構築・強化反対! 安倍政権打倒!>の闘いとして戦闘的に高揚させるために奮闘したのだ。
たたかう学生の戦闘的シュプレヒコールに多くの参加者が呼応
(6月5日、国会前)
衆院議員会館前に結集してたたかう教育労働者
(6月5日)
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