郵政事業と国家社会に貢献する運動への歪曲を許すな
本部の全面協力を弾劾しリストラ・合理化に反対しよう!
郵政労働者委員会
全国でたたかう郵政労働者のみなさん!
JP労組本部は六月一日からの第九回全国大会(於・神戸)において、「新たな運動の創造」と称して、経営陣と事業政策をねりあげ合理化・リストラを労使一体となって推進するJP労組運動へと大きく転換していくことを決定しようとしている。まさにそれは、極限的な労働強化と低賃金による生活苦を強いられる組合員には目もくれず、郵政グループの成長・発展のために経営を下支えする労組へとよりいっそう変質することを意味する。断じて許してはならない! 職場から熱烈な討論をつくりだし、たたかう方針を確立するために奮闘しよう!
安倍ネオ・ファシスト政権は、いよいよ憲法改悪の総攻撃にうってでてきている。だがここでも本部は、「政権の横暴」と語りながらも何ひとつ反対する闘いをつくりだそうとしない。事実上闘争放棄をきめこむ本部を許さず、<改憲阻止、安倍政権打倒>を高だかと掲げ今こそ起ちあがろうではないか!
◆一六春闘の裏切り妥結弾劾!
・春闘を収益向上のための「経営協議」に解消し「ゼロ回答」を即刻受け入れた本部弾劾!
・成果・実績重視の「新人事給与制度」による格差拡大を弾劾しよう!
◆新経営陣によるリストラ・合理化に反対しよう!
・「郵便・物流ネットワーク再編」=郵便内務部門の大合理化反対!
・「新たな集配体制構築」と称する郵便外務部門の労働強化を許すな!
・「機能重視のマネジメント」の名による営業活動強要・労務管理強化を許すな!
◆新一般職、非正規雇用労働者の労働条件の抜本的な改善をかちとろう!
◆なんば参院選への埋没をのりこえ憲法改悪反対の闘いを創造しよう!
反戦・反基地、原発・核開発反対の闘いをつくりだそう! |
新経営陣によるリストラ・合理化攻撃を許すな!
ごく一部の富裕層だけを肥え太らせ、多くの労働者・人民を貧窮のどん底へとたたきこんだアベノミクスは大破綻し、追加緩和策としての日銀黒田の「マイナス金利政策」も急激な「株安・円高」を誘発した。安倍政権承認のもとスタートした長門(前ゆうちょ銀行社長)を頭とする新たな郵政経営陣は、上場したばかりの株価の下落や、金融二社の大幅な収益減という難局に直面している。だが長門経営陣は、これをのりきるために資金運用の「多様化」(「リスク資産」への投資など)や手数料収入増対策などをすすめる一方で、グループ会社全体で熾烈なリストラ・合理化と賃金抑制攻撃を郵政労働者の頭上にふりおろしている。
「当面の外部環境変化によって中期経営計画を見直す必要はない」(3・16記者会見)と言いながらも、各部門におけるリストラ・合理化に拍車をかけているのが長門経営陣だ。郵政労働者は、首切りや広域配転にさらされ、万単位の人員不足のなかで極限的な労働強化にたたきこまれ、収益増のため多種多様な商品の営業販売を強いられている。
メガ物流拠点への次世代区分機集中配備と郵便内務作業の集中化によって、郵便内務労働者は首切り・強制配転の攻撃にさらされている。窓口労働者は、来局したお客に三事業の諸商品を販売するだけでなく、貯金・保険の営業をおこなえと強制されている。集配職場では、人もバイク・車両も携帯端末もすべて不足している。
本部は、「コストコントロールが求められている」「マネジメントの高度化をはかり、業績向上に直結させる」と称して、郵政労働者の苦闘を足蹴にしている。
本部は、経営陣のすすめる「中期経営計画」に全面協力するとともに、「極めて低い収益性の改善が必要」「ユニバーサルコスト負担限界の克服が課題」などと経営陣の発言をオウム返ししている。「ゆうパックの成長鈍化」「来客減少」「マイナス金利の影響」などをあげつらい、「営業推進、生産性向上が芳しくない」と経営陣になりかわって組合員を説教しているのだ。「事業の成長・発展」が「処遇改善につながる」と本部は主張するが、会社のリストラ・合理化はつねに労働者に犠牲を強いることで実現されるのだ。本部が「労働者のため」と称して会社施策に協力すべきというのは、まったくもって反労働者的なのだ。
この六月に上場後初の株主総会を控え、「健全経営」と「成長戦略」を示すことを迫られている郵政経営陣は、すべての犠牲を郵政労働者に強いている。われわれ郵政労働者は、本部の全面協力をのりこえ、経営陣によるリストラ・合理化、賃金抑制攻撃に断固反対しよう!
生産性向上に全面協力する本部を弾劾し、闘う方針を確立しよう!
今一六春闘において経営陣は、JP労組の超低額要求にすら耳を貸さず、徹底して「ベアゼロ回答」に終始した。しかも一時金への「特別加算」を「頑張りへの報酬」などと称して、わずかばかりのおこぼれ金とひきかえにさらに生産性向上に協力することを労働者に強要しているのだ。怒りなくして語れないではないか。
だが、「事業の成長・発展のため」と称して積極的に賃金抑制の攻撃を受けいれたのがJP労組本部だ。われわれはこれを絶対許してはならない。
大会議案において本部は、実質上の賃下げでしかない「ベアゼロ」妥結を、なんと「一定の成果」などと総括している。あらかじめ「妥結時には支払い能力を無視することはできない」と言っていた本部は、「正社員の一時金への八〇〇〇円の上乗せ特別加算、非正規労働者の夏期手当への上限一〇〇〇〇円のスキル評価に基づく特別加算」にとびつき、「ギリギリの回答だ」「一定の成果だ」と称して回答指定日に即刻妥結したのだ。
長年の賃金抑制や一時金カットにより、家のローンや教育ローンなどが重くのしかかっている労働者にとっては、吹けば消し飛ぶほどの微々たる「加算」などとうてい穴埋めにすらならない。これを「ベアにかわるものだ」などと天までもちあげ組合員を欺瞞しているのが本部なのだ。非正規雇用労働者の「加算」は、スキルによって格差をつけられ、「正社員との格差是正」どころか非正規労働者間の格差を拡大するものだ。
本部は、昨年まで主張してきた「人への投資」論を後景におしやり、現にうみだされた「要求」と妥結内容との大幅な乖離については「支払い能力」論で正当化し、会社経営陣になりかわって組合員に「生産性向上」に励むことを求めてさえいる。「頑張りによって計画を上回る業績を上げれば処遇に反映される」のだ、と。まさに「ほしがりません、勝つまでは」の精神!事業の成長・発展に寄与するのが労組の役割であるかのように本部は組合員におしだしているのだ。
だが、賃金は「労働の報酬」であり「企業業績」によって決まる、というのはブルジョア的俗論なのだ。資本のたれながす「支払い能力」論に屈服し、労働者の階級的な団結と闘争を手段として賃金をたたかいとることを否定する本部のいう「賃金闘争」を許してはならない! 春闘を生産性向上のための労使協議=「経営協議」へとねじまげるJP労組本部を弾劾しよう!
事業に奉仕する組合への変質を許すな!
本部は、「〔昨年の〕基調大会決定方針の豊富化と補強をおこなう」と言い、さらに「新たな運動の創造」をぬけぬけと提案している。しかしその内実は、経営陣による合理化や労働強化・労務管理強化の攻撃に反対する声をいっさい封殺し、運動方針とともに組合組織のあり方と機関運営、支部活動のすべてに、事業の成長・発展のための事業政策推進という観点をつらぬくものだ。中央から地方、支部・分会にいたるまで「労使協議」=「経営協議」を基本とする運動を展開せよというのだ。「新たな運動の創造」と称して、郵政グループの成長・発展を下支えする運動と、それを担うにふさわしい組合組織へとつくりかえていこうとしているのがJP労組本部にほかならない。われわれは絶対これを許してはならない。
参院選への埋没をのりこえ憲法改悪阻止・安倍政権打倒の闘いを!
四月十四日に発生した熊本大地震以降、多くの被災人民が今なお困難な生活を強いられている。だが安倍政権はこうした被災人民の救援そっちのけで、逆に震災を政治利用してさえいるのだ。官房長官の菅は地震翌日の十五日に「『緊急事態条項』の新設が必要だ」などと改憲の必要性をブチあげた。十八日には「救援物資の搬送」の名目で自衛隊輸送機より積載量のはるかに少ない米軍オスプレイを投入した。これは日米同盟の重要性をアピールするだけでなく、まさに緊急時における日米共同作戦として展開されたのだ。物資も届かず住む場所も失い途方に暮れている被災人民をよそに、人非人的な対応に明け暮れているのが安倍政権なのだ。絶対に許すことはできない!
それだけではない。地質学者は断層の構造的な性質から、歴史学者は過去の巨大地震が頻発した統計から、今後も巨大地震が発生する危険性を訴えている。しかし川内原発を稼働しつづけ、さらに「中央構造線断層帯」上にある四国電力・伊方原発の再稼働ももくろんでいるのが安倍政権だ。あのフクシマの惨禍をくりかえしかねない蛮行を断じて許してはならない。原発・核開発に反対しよう!
首相・安倍は、「自衛隊が『違憲』のままでいいのか」などと言い放ち、憲法第九条を最後的に葬りさるために参議院選挙に圧勝して国会を改憲勢力で制圧することをもくろんでいる。他方で、安保法制=侵略戦争法の施行を号砲として、中国との緊張高まる南シナ海に自衛隊の艦船を送りこみ米軍などとの軍事演習をくりかえしている。
この戦後史を画する一大攻撃を前にJP労組本部はいったい何をしているのか! 今大会議案では「憲法改正を標榜する安倍政権の横暴を許さない」と語りはしても、反対するための具体的闘いをなんら提案していないではないか。もっぱら「郵政事業を守れ」「企業を守れ」の観点からのみ組織内侯補・なんばの選挙カンパニアに組合員を動員しているにすぎない。この本部の対応を弾劾し、安倍政権による憲法改悪に反対する闘いを創造しよう! 安保法制=戦争法撤廃!「戦争ができる国づくり」に突き進む安倍政権を労働者・人民の力で打倒しよう!
(五月八日)
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