第2412号(2016年4月4日)の内容

<1面>
憲法改悪阻止の巨大な闘争を!
戦争法撤廃! 日米グローバル戦争同盟の構築反対!
日共の「反安保」なき「立憲主義守れ」運動をのりこえ闘おう
<4面>
トヨタ労働貴族の大裏切り=超低額妥結弾劾!
Topics 安倍式「同一労働同一賃金」論の欺瞞
<5面>
大破綻をつきつけられた日銀のマイナス金利政策
<2面>
「米兵による女性暴行事件弾劾!」
 2500名が怒りの拳 3・21 辺野古
高浜再稼働阻止の声轟く 3・13 大阪
<3面>
労働者・市民5600が決起
 「戦争法廃止!」総がかり集会 3・19 日比谷
第85回全学連大会をかちとる 3・14〜15
<6面>
大幅一律賃上げ獲得・改憲阻止!
 わが同盟が檄 3・2「連合北海道」春闘集会
 2000名が金沢でデモ 3・7「連合石川」春闘集会
生産性向上への献身を強要
 ――JAMの「高度熟練技能伝承事業」
<7面>
「マイナンバー」制度導入で大混乱する自治体住民票係
◎まるでターミネーター
<8面>
万華鏡2016――情勢の断層を読む
九条への核攻撃
◆「社会主義市場経済」の闇
◆FBIvsアップル
『新世紀』最新号(第282号)紹介

 「解放」最新号







































  


憲法改悪阻止の巨大な闘争を!

戦争法撤廃! 日米グローバル戦争同盟の構築反対!

日共の「反安保」なき「立憲主義守れ」運動をのりこえ闘おう

3・26「原発再稼働阻止! 安倍政権打倒!」の声轟く
3万5000労働者・人民と共に闘う学生が奮闘(「原発のない未来へ! 全国大集会」、代々木公園)

 「在任中の改憲」というドス黒い野望をむき出しにしているネオ・ファシスト首相・安倍はいま、七月の衆参ダブル選挙にうってでる腹を固めて、猛突進をはじめた。三月二十九日には、労働者・人民の反対の声をふみにじって、戦争法施行を強行した。この戦争法をタテとして安倍政権は、アメリカ帝国主義の要請に応えて世界中どこへでも・いつでも日本国軍を派兵する構えなのだ。まさにそのためにこそ、憲法とりわけ第九条の破壊を企んでいるのである。
 マイナス金利政策の破綻に象徴されているアベノミクス大崩壊。この局面において安倍政権は、あくまでも改憲発議に必要な衆・参両院での三分の二議席をもぎ取るために、消費税再増税先送り≠ネどの権謀術数を張りめぐらしている。わが日本の労働者階級は、歴史を画する憲法改悪の総攻撃を許すか否かの正念場に立たされている。
 すべての労働者・学生諸君! いよいよ、事態は風雲急を告げている。こんにちこのときに、日共の不破=志位指導部は、改憲を阻止する労働者・人民の大衆的運動を真正面から呼びかけることも、組織化することも二の次、三の次にしている。彼ら代々木官僚は、いっさいの闘いを参院選(衆参同日選)にむけての集票=「野党共闘」尻押し運動に解消しているのだ。これほどおろかで犯罪的なことがあろうか! いまこそ革命的・戦闘的労働者・学生は、腐敗の度を深める日共・不破=志位指導部翼下の「反安保」なき「戦争法廃止・立憲主義守れ」運動をのりこえ、憲法改悪阻止・反戦反安保の巨大な闘争を全国から組織するのでなくてはならない。<日米グローバル戦争同盟の構築・強化反対! 中国による対抗的核軍事力増強反対!>の旗幟を鮮明にして起ちあがろう! 反ファシズム統一戦線を構築し、もって安倍政権を打倒せよ!

改憲・軍事強国化に突進する安倍ネオ・ファシスト政権

 衆参ダブル選強行のための術策

東アジアを焦点として激化する米・中の角逐

 対中国軍事包囲網の構築に突き進むオバマ政権

「野党共闘」尻押しの集票運動への歪曲を許さず闘おう

 東アジアにおける戦争勃発の危機の高まりのなかで、安倍政権は歴史を画する憲法改悪の総攻撃を労働者人民にふりおろしている。この極反動攻撃にたいして、わが全学連を先頭とした労働者・人民の闘いは猛然と燃え拡がりつつある。「連合」や「全労連」傘下の労組からも、わが革命的・戦闘的労働者の奮闘に鼓舞されながら組合員がナショナルセンターのちがいを超えて続々と改憲阻止・反戦反安保の闘いに決起している。
 だが、こうした労働者・学生・人民の闘いを、日共・不破=志位指導部は、参議院選挙に向けた「野党共闘」尻押しの集票運動=選挙カンパニアへとおし歪めているのだ。この日共指導部の闘争歪曲を許さず、安倍政権による改憲総攻撃を打ち砕く巨大な闘争を全国から巻き起こそうではないか!
 日共委員長・志位は、首相・安倍が「在任中に改憲をなしとげたい」と宣言したその翌日、「参院選の争点」を発表した。そこにおいて志位は、「首相が改憲への執念をむきだしにしている」などと論評しながらも、「今度の参院選の争点についていえば、安保法制=戦争法の廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回が最大の争点」(『しんぶん赤旗』三月四日付)であるなどと称して「憲法改悪阻止」を真正面から掲げた闘いを呼びかけてもいないのだ。たとえ、共産党独自の方針としては改憲には「反対」を表明しているのだとしても、「選挙戦」「野党共闘」においては、「反安保」はもちろんのこと、「九条擁護」も意図的に後景に押しやっているのである。
 それどころか、彼らは、「国民連合政府の政策」としては、「安保廃棄も凍結にする」、「有事の際には安保条約第五条にもとづき日米共同で対処する」はては、「私たちの提案には『憲法擁護』ということも書いていない」とまで吹聴しているほどなのだ。
 民主党と維新の党が合流した「民進党」などとの「野党共闘」を何よりも優先し、一致点≠どこまでも押し下げているのが日共・不破=志位指導部なのだ。
 民進党は、新綱領に「自衛隊の着実な整備」と「日米同盟の深化」をかかげている。こうした保守政党に迎合して「反安保」を放棄し、「憲法九条守れ」さえも真正面から掲げることなく、もっぱら選挙において保守票の取りこみに躍起となっているのが日共中央なのだ。
 今まさに安倍政権が「反中国」の民族排外主義をむきだしにして日米同盟の重要性≠セの改憲の必要性≠セのをわめきたてていることにたいして、「全労連」組合員や日共下部党員から「憲法九条守れ・日米安保強化反対」の声が噴きあがっている。こうした怒りの声を日共中央は、「野党共闘を維持する」ためと称して抑圧してまわっているのである。日米新軍事同盟を強化し憲法九条の不戦・平和条項をなきものとする安倍政権の策動と対決する闘いを広範に組織化すべきまさにこのときに、「反安保」や「九条守れ」を掲げることを抑圧するなどというのは、労働者・人民をナショナリズムの濁流の前に武装解除する階級的犯罪にほかならない。
 しかも彼らは、労組の「動員型」ではなく「一人ひとりが主権者として自分の頭で考え」「自由で自発的な行動」が重要だ、などと称して、労働組合に組織的に結集する労働者の闘いを真っ向うから否定しさっている。
 だが、アメリカ帝国主義とのグローバル侵略戦争同盟の構築に突進している安倍政権は、現行憲法を足蹴にし、そのブルジョア民主主義的な条項を踏みにじりつつ、首相・NSC専決のネオ・ファシズム支配体制の強化をたくらんでいる。しかも、未曽有の経済危機のもとで中国に対抗してアジアそして全世界へとグローバル化=新植民地主義的侵略をすすめていくという日本独占ブルジョアジーの階級的利害をかけて、安倍政権は右翼ゴロツキ=ファシスト突撃隊をも動員しつつ、労働者階級の団結を破壊することを企んでいる。
 安倍政権が日本型ネオ・ファシズム支配体制を強化するために、労働者階級の団結を破壊する攻撃や市民の諸権利を剥奪する階級的な攻撃を次々とかけている今日このときに、日共中央のように、もっぱら「個人の尊厳」を守ることを対置するのは、労働者階級を主体とし、階級的利害をつらぬくことを公然と否定する犯罪なのだ。ネオ・ファシスト政権がしかけている改憲攻撃に反撃するこのような労働者・人民の闘いを、個々人の「主権者」としての「市民革命的な動き」とみなして、選挙にむけた一票に解消するのは、まさに闘いを敗北にみちびく犯罪なのだ。
 たたかう労働者・学生諸君! いまこそわれわれは、「反安保」はおろか「改憲阻止」さえ後景におしやった日共指導部による「野党共闘」尻押しの選挙カンパニアへの歪曲を許さず、憲法改悪阻止の巨大な闘争を爆発させようではないか!
 辺野古新基地建設を阻止せよ! 南シナ海への自衛艦派遣反対! 南スーダンPKOへの自衛隊北部方面隊派遣を許すな! 米―中露の核軍事力増強競争に反対しよう! 軍事費五兆円を計上した軍備増強を許すな!「アジア・太平洋版NATOづくり」のための日米共同演習や多国間合同演習反対!
 福島原発事故被災者の切り捨てに反対し原発再稼働を阻止しよう! 消費税増税と社会保障切り捨てを断じて許すな!
 <反ファシズム統一戦線>を構築し、もって反動安倍政権を実力で打倒せよ!

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トヨタ労働貴族の大裏切り=超低額妥結を弾劾せよ

 労使一体の「生産性向上運動」の推進を許すな

要求切り下げ・超低額妥結の全労働者への押しつけ

 一六春闘回答指定日前日の三月十五日午後、たたかう労働者の奮闘にもかかわらず、トヨタ労使は「賃金改善分一五〇〇円」という超低額で妥結したことを大々的に発表した。それまで予想されていた二〇〇〇円という金額をさえ下まわるこの提示をもって、彼らは全組合を超低額妥結に導くことをたくらんでいるのだ。翌十六日〜十七日に公表された大手諸企業労組の妥結は、軒なみこの一五〇〇円か、それ以下に抑えこまれたのだ。日産の「三〇〇〇円」を例外として他の自動車大手はすべて一五〇〇円以下、電機大手は「一五〇〇円」の横ならび(経営危機にある東芝とシャープをのぞく)、「隔年春闘」基幹労連主要労組は二年で二五〇〇円(一六年は一五〇〇円)、JP労組にいたっては月例賃金はゼロで、一時金を年間わずか八〇〇〇円上積みしただけであった。
 今春闘を全体として超低額妥結に導くために狂奔したトヨタ労働貴族の犯罪を怒りをこめて弾劾する!
 安倍政権が「三%賃上げ」を要請し、「連合」指導部が独占資本家どもの顔色をうかがいながら「二%程度」というそれじたい超低率の要求をオズオズとうちだそうとしていた昨秋十一月。この時点ですでに、トヨタ労働貴族は、賃上げを渋るトヨタ経営陣の意を受けて「賃金改善分三〇〇〇円」という一%にも満たない超々低額要求を抜け駆け的にうちだし、ただちに自動車総連に・JCメタル全体に押しつけ貫徹した(本紙第二四〇八号、村山論文参照)。このかん春闘相場をリードしてきたJCメタルが十二月に「三〇〇〇円要求」を正式決定したことによって、「連合」の「二%程度」という要求は提起されると同時に反古化されたのだ。
 一応は「連合」方針にしたがって「二%程度」の要求をうちだしたUAゼンセンやJAM、そしてJP労組の幹部たちは口ぐちに「トヨタが三〇〇〇円なのにうちがそれ以上とれっこない」とつぶやき、早ばやと白旗を掲げた。
 しかも、年初いらいの世界的な株安など経済危機の深まりのなかで、日銀黒田と安倍が「円安・株価上昇」の「窮余の策」として「マイナス金利」をうちだした。これは逆に、「円高・株安」をもたらすことによって大パンクを露わにした。ここに破綻したアベノミクスののりきり策さえもが破産した。まさにアベノミクス大崩壊! これを受けてトヨタなど大独占体経営陣はいっせいに財布の紐を締めなおした。これにつき従ってトヨタ労働貴族どもは、二月中旬の要求提出以降「交渉の厳しさ・難しさ」をことあるたびにおしだし、賃上げムード≠フかき消しにこれつとめた。そして労使協議において発せられた御主人様=豊田章男の「経営環境の潮目が変わった」という宣言にひれふして、「一五〇〇円」での妥結をすすんで受けいれたのだ。
 「年間営業利益二兆八〇〇〇億円」と、自企業労働者の強搾取と下請け諸企業からの強収奪を基礎にしてボロ儲けしているトヨタ自動車。その労組の幹部であり、ここ十数年にわたって春闘の「パターンセッター(相場形成役)」でありつづけてきたことに驕り高ぶるトヨタ労働貴族どもは、トヨタ経営陣の・大多数の製造業独占資本家どもの意を体現して超低額妥結という大裏切りをやってのけた。これこそは、日本のすべての労働者をさらにさらに貧窮のドン底に追いやるものだ、絶対に許さない!

(以下、見出し

「三年連続の賃金改善」なる居直りを許すな

「国際競争力強化」を叫ぶトヨタ独占資本の狗どもを許すな

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大破綻をつきつけられた日銀のマイナス金利政策


A アベノミクス崩壊をおし隠すための苦肉の策

 安倍政権・黒田の日銀がくりひろげてきたアベノミクス諸政策は、いまや最後的な大崩壊を招来しつつある。
 黒田日銀当局がマイナス金利政策を実施して一ヵ月余。アベノミクス政策の根幹をなす「異次元金融緩和」策の破綻をおし隠すために日銀・黒田がぶちあげたマイナス金利の導入という苦肉の策は、完全な破産をつきつけられている。マイナス金利導入の発表直後に一時は円安を誘導し株価を上昇させたものの、それは文字どおりの三日天下になりおわった。その後に株価は低落を続け、一時は一万五〇〇〇円を割り(二月十二日)、いまなお一万六〜七〇〇〇円台におちこんだままだ。円高も急進して一ドル=一一〇円(二月十一日)にはねあがり、これ以降も円高傾向が定着している。
 日銀・黒田は、マイナス金利の導入をうちあげた際に(一月二十九日)、これを「異次元緩和」の量・質にくわえた第三の次元≠フ追加策だと強弁した。同時に「必要な場合、さらに金利を引き下げる」とくりかえした。こうした言辞によって、日銀の「異次元の金融緩和」そのものがもはや限界につきあたり有効な追加緩和策をくりだしえず万策がつきている、と内外の機関投資家やヘッジファンドから見すかされたのだ。外国人投資家による日本株買いを煽ろうとした安倍・黒田のもくろみは、もののみごとにパンクしたのである。
 そもそも二〇一六年の年初から、アベノミクスそのものの大破綻が誰の目にも明らかになりつつあることに、安倍と黒田は焦りをつのらせた。
 中国の製造業景気指数の五ヵ月連続悪化の発表(一月一日)を契機にした上海株価の低落、これはただちに国際金融市場に伝播して米・欧・アジア・日本の株価が落ちこんだ。世界的な株価低落は原油価格の下落(一バレル=三〇ドル割れ)にも連動した。このうねりをうけて日本では東京証券取引所の「大発会」(一月四日)から六日連続の株価下落にみまわれ、その後も低落しつづけた。それだけではなくいわゆる実態経済のいっそうの停滞を示す諸指標が明らかとなった。ついに株価が一万七〇〇〇円割れ(一月二十六日)に追いこまれるにいたった。
 焦りにかられた黒田の日銀は、まさに危機突破のサプライズ″としてマイナス金利導入を決定したのだ。〔これを決定した日銀政策決定会合は、真っ二つに分裂して激論が交わされた。審議委員六人のうち安倍政権以前からの委員である四人がマイナス金利導入策に反対したのにたいして、いわゆる日銀内リフレ派の五人――総裁と二人の副総裁および審議委員二人――がゴリ押ししておしきった。〕
 日銀のマイナス金利導入策とは、以下のようなものである。民間銀行が日銀当座預金口座に預けている資金には、〇八年いらい〇・一%の利子が払われていた。日銀口座の総額二五四兆円(二月十六日〜三月十五日までの平均)のうち昨年まで積みあげられてきた二〇九兆円には従来と同じに〇・一%の利子が支払われる。残る四五兆円のうち二三兆円について年マイナス〇・一%金利を適用し、残る二二兆円はゼロ金利とする。数ヵ月ごとにマイナス金利の適用額を調節しマイナス金利部分を三〇兆円を超えないようにしていくという。
 政府・日銀の二年半におよぶ「異次元緩和」政策の展開にもかかわらず、緩和マネーは民間銀行から企業への融資や投資にはまわらず、日銀口座に約二六〇兆円が積みあげられた。黒田当局はこの現状を打破するために、日銀口座の預金にたいして手数料=罰金≠とりたてることを制度化したのだ。〔実際にマイナス金利が適用されてからの一ヵ月で金融諸機関が日銀に払いこんだ手数料は約二〇億円、そのうちの八〇%を信託銀行とゆうちょ銀行が占めた。〕
 黒田日銀はなによりもまず、株価の吊り上げを狙ってマイナス金利導入というサプライズ≠喧伝したのである。七月参院選の勝利≠もぎとるために「アベノミクスの成果」を誇示することを願望する安倍政権は、大企業の三月期決算を前にして株価を吊り上げようと躍起になったのだ。
 安倍も黒田も、大企業資本家が内部留保を膨大に溜めこんでいることからして年八〇兆円もの緩和マネーを金融諸機関・民間銀行に流しこんでも、それが容易に銀行から企業への融資にはまわらず、企業も国内設備投資にのりだそうとしていないことを知っている。だから彼らはいま、金融諸機関・民間銀行をして日銀口座に溜めこんでいる資金を短期金融市場に吐きださせ、それを呼び水として国際的な投機マネーを日本の株式・債券市場に呼びこもうと策したのだ。外国人投資家・機関投資家による日本株買いを誘導し、もって一三年四月以来の一時期のミニ金融資産バブル≠フ再来を願望したのだ。
 一年前に日本国債の金利高騰・価格暴落の危機≠ヨの危惧を吐露していたのが日銀・黒田であった。国債の大量発行と日銀によるそれの実質上の直接引き受けを今後とも継続することを企むこの男は、同時に、日本のソブリン危機の可能性の胚胎に神経をとがらせてもいる。それゆえに、長期金利を徹底して抑えこむ策として、長期国債の金利をマイナスに誘導することに執着しているのだといえる。
 二月九日いこう、長期国債の金利はマイナスとなっている。それゆえに国債発行者=政府は、借金をしていながら利息を得るという倒錯した事態がひきおこされているのである。
 世界の機関投資家やヘッジファンドから日銀の金融緩和策がもはや万策尽きていると見すかされたことのゆえに、マイナス金利の導入という黒田流サプライズ≠ヘ完全な不発に終わったのだ。より根本的には、米・日・欧の金融当局が実施してきた超金融緩和策すなわち金融の量的緩和=マネーのたれ流しと、中国を牽引役とした新興諸国・途上諸国の経済成長≠ニに依存したところのリーマンショック後の国際金融危機・世界的不況からの脱出策そのものが、もはや根底から破綻していること。このゆえに、安倍や黒田が願望した国際的投機マネーの日本市場への流入によるミニバブル≠ネどは起こりうるはずもなかったのである。
 そもそもアベノミクスの「成果」として喧伝されている一三年春以来の円安と株高じたいが、一二年半ばから醸成された国際的な金融バブル≠フ再燃=世界的な株価高騰のうねりにのったことによってもたらされたものでしかなかった。こうした金融活況じたいが中国経済の大減速と米FRBの利上げへの踏みきりとをインパクトにして終息したのである。世界経済の停滞・不況への再突入と国際金融不安の醸成とを外的条件にして、「好循環実現」をキャッチフレーズにしたアベノミクス政策そのものの虚構性が、いまや一挙に露呈しているのである。

以下、見出しのみ

B 世界経済停滞下での同時株安と円高の急進

C アベクロ式「異次元緩和」政策の大パンク

D 労働者・人民への重犠牲の強要を許すな!

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3・21 辺野古

米兵による女性暴行事件弾劾!」
 二五〇〇名が怒りの拳

「米軍基地撤去しかない!」憤怒に燃えた沖縄人民の声が飛びかう
(3・21、キャンプシュワブ・ゲート前)

 三月二十一日、沖縄県名護市のキャンプシュワブ・ゲート前で「海軍兵による性暴力を許さない緊急抗議集会」(主催・基地の県内移設を許さない県民会議)が開催された。開催決定からわずか五日後にもかかわらず、主催者の目標一〇〇〇名をはるかに上回る二五〇〇名の労働者・学生・市民が怒りに燃えて結集し、米軍基地に弾劾のこぶしを突きつけた。
 わが同盟とともにたたかう県学連のたたかう学生たちは、この日の集会を、日共指導部による「人権守れ」をタテにした「反安保」抜きの基地の縮小・撤去要求への歪曲を許さず、<基地撤去・安保破棄>の方向性を鮮明にさし示してたたかいぬいた。戦闘的・革命的労働者たちは、職場深部から組合員や同僚とともに結集し、集会の戦闘的高揚をかちとるために奮闘した。

「全米軍基地撤去!」の雄叫び
 シュワブ前緊急抗議集会

 午後二時。第一ゲートのど真ん中を演壇にして集会の陣形を整え、沖縄平和運動センター議長の司会のもと「団結ガンバロー」で集会がはじまった。
 最初に主催者として県民会議の共同代表が発言し、つづいて女性代表、ヘリ基地反対協代表、そして稲嶺名護市長が発言した。発言者たちは、口ぐちに「われわれの宝である命と人権を踏みにじる事件は絶対に許さない」「いつまでこんなことを続けなければいけないのか」と今回の事件への憤怒を表明し、「地位協定の見直しどころかいっさい手を触れず、綱紀粛正・再発防止のみをくりかえすだけ」の日米両政府の対応を糾弾した。そして「根本的な解決はすべての米軍基地をなくすことだ」「早く基地を閉めろ、新しい基地は造るな」と、全米軍基地の撤去を求めた。「戦後の沖縄は米軍最優先で、ベトナム・朝鮮・イラクといった新たな戦争の踏み台にされた。もうこれ以上、基地の被害者・加害者になることは断固拒否しよう」と訴えた発言もあり、どの発言者も新基地建設は絶対に許さない≠ニいう決意を力強く表明した。
 つづいて、各政党の代表が登壇した。社民党・照屋衆院議員は、新基地建設を阻止する力は「裁判所の『和解』などではなく、ウチナー・ウマンチュ(沖縄のみんな)と、それに連帯する全世界、全国の民衆の闘い」にこそあると訴えた。この発言に参加者たちは指笛と大きな拍手で応えた。
 つづいて登壇した日共・衆院議員赤嶺は、「県民・国民の人権は、安保条約や日米同盟にとって代わるものではない」と、安保の是非には触れることなく、今回の暴行事件を人権問題≠ノ矮小化しようとした。そのときだ。「安保を破棄しよう!」とたたかう女子学生の声がひときわ高く響きわたり、「そうだ!」と日共系労組員たちからも共感の声があがった。赤嶺は、辺野古への新基地建設の策動が現時点の日米軍事同盟強化の要をなしていることにも、また彼らが天までもちあげている安倍政権と翁長県当局との「和解」についても、最後まで一言も触れなかった。
 集会は最後に、「すべての米軍は沖縄から撤退すること」を求める決議を採択し、参加者全員の「団結ガンバロー」でしめくくられた。第一ゲート前を占拠した二五〇〇名の労働者・学生・市民の怒りの拳と雄叫びがキャンプ・シュワブに向けて大きく轟きわたった。

第一ゲート前を労・学・市民が占拠

米軍兵士の蛮行に抗議しセンターラインに座りこみキャンプシュワブ・ゲート前道路を封鎖してたたかう労働者・学生・市民(3月16日)

 三月十三日未明に引き起こされた、キャンプ・シュワブ所属の米海軍兵による女性暴行事件にたいする、沖縄の労働者・市民の怒りは沸点に達している。すでに十六日には、県学連の学生を先頭にした二〇〇名の労働者・市民が、キャンプ・シュワブゲート前で抗議闘争にたちあがり、通行する米軍車両にたいし道路封鎖をも駆使して果敢にたたかいぬいてきたのだ。
 この日の集会に先立って、その前段から抗議のゲート前座り込み行動が果敢にたたかわれた。午後一時。第一ゲートむかいのテントには、続々と労働者・市民が集まってきた。その目の前で迷彩色の米軍車両がゲートを出入りし、大浦湾ではオスプレイ三機が威嚇するように上空を旋回している。参加者たちは、ますます米軍への怒りを燃えあがらせた。
 そのなかをわが同盟の情宣隊は、「今こそ<基地撤去・安保破棄>めざし闘おう」と赤字見出しの躍るビラを参加者にくまなく手渡していく。「暴行事件を弾劾しよう」「『和解』を煙幕とした埋め立て強行を阻止しよう」と声をかけながら手渡すと、参加者たちは「ガンバロー」と呼応したり、「もう一枚ください」と言ってビラをうけとっていく。どの顔も、米軍への怒りと新基地建設を絶対に許さないという決意にみなぎっている。あちこちで、ビラを広げて熱心に読む姿が見える。
 午後一時半。「ゲート前を占拠しよう!」平和運動センター議長が呼びかけると、手に手にメッセージボードや筵(むしろ)旗を持った労働者・市民たちが、いっせいに道路をわたって米軍車両用ゲートにおしよせ、「Don't rape OKINAWA」「NO新基地」「県民の怒り沸騰」などのボードを基地にむけてつきつけた。ゲート奥で監視している軍警や県警の刑事たちは、緊張に顔をひきつらせ立ちつくしたまま手をだせない。ゲートから出てきた米軍車両にむかって「CLOSE ALL BASE」と書いたメッセージボードをかざし、怒りの拳を突きあげる市民もいる。
 「米兵による女性暴行事件弾劾! 辺野古新基地とめるぞ! 改憲阻止!」と大書された横断幕を、琉大学生会と沖国大自治会のたたかう学生たちが、ゲート前に広げる。参加者たちがいっせいに注目した。「すべての基地撤去! 安保破棄!」と書かれた大きなプラカードも掲げている。市民が「学生はがんばっているね」と共感の声を次々とかけてくる。ゲート前はみるみるうちに戦闘的なムードに包まれ、労働者・学生・市民たちは、いっせいにその場に座りこみゲート前を占拠した。
 すでにゲート側の歩道は続々と結集する労働者・市民であふれ、参加者たちは対面側の歩道にも座りこむ。「許さん! 米兵による女性暴行事件、新基地建設阻止!」と書かれた横断幕や、沖教組、高教組、沖退教、県職労、国公労などの諸労組や各地域の「島ぐるみ会議」のノボリが林立している。沖縄全域から、労組や「島ぐるみ会議」を中心に労働者・市民が結集してきているのだ。

安倍政権の策略を暴き革命的左翼が奮闘

 県学連のたたかう学生たちは、この日の集会に、「基地撤去・安保破棄」を高だかと掲げて参加し、闘いの方向性を鮮明にさし示してたたかいぬいた。中東・東アジアで一触即発の戦争的危機をつくりだしている米・日―中・露の軍事的角逐に反対する反戦・反安保の闘いをつくりだすべきことを訴えたのだ。
 わが同盟はこの日の情宣をつうじて、<基地の島沖縄>で発生しつづける米兵の凶悪犯罪は、日米両権力者が日米安保同盟をグローバル戦争同盟として構築・強化しているがゆえに引き起こされていることを明らかにしつつ、いまこそ<全米軍基地撤去・安保破棄>をめざして闘いの高揚がかちとられなければならないことを提起し、安倍ネオ・ファシスト政権の打倒へと前進すべきことを呼びかけた。
 さらに、安倍政権が翁長県当局を「和解」の土俵にひきずりこみ「協議」を煙幕に衆参両院の三分の二議席を改憲勢力≠ナ制圧しようとたくらんでいること、県当局の手を縛ったうえで辺野古埋め立て工事の早期強行につきすすもうとしていることをあばきだして警鐘を乱打し、この「和解」を「闘いの成果」として天までもちあげている日共の能天気な対応が、労働者・学生・市民を武装解除する犯罪行為であることを弾劾してたたかった。
 この日の闘いをステップにして、沖縄のたたかう労働者・学生たちはいま、憲法大改悪と辺野古本体工事強行にむけて突進をはじめた安倍政権の一大攻撃を打ち砕く闘いをつくりだすために奮闘している。

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3・19

労働者・市民五六〇〇が決起
「戦争法廃止!」総がかり日比谷大集会


怒りに燃えて結集した労働者・市民(3月19日、日比谷野音)
銀座を力強くデモ行進(3月19日)

 戦争法の施行を目前にした三月十九日、「戦争法廃止! 安倍政権の暴走を許さない3・19総がかり日比谷大集会」が、安倍政権への怒りに燃える五六〇〇人の労働者・市民の結集で実現された。
 ネオ・ファシスト安倍は悲願である憲法の明文改憲を「私の任期中におこないたい」と公然と宣言した。そのために安倍は、いまや誰の目にもその破綻が明らかとなったアベノミクスを必死で弥縫するのみならず、消費税増税の延期を目玉商品≠ニしつつ、改憲の発議に必要な衆参両院の三分の二の議席を確保することを狙って七月のダブル選挙≠ノ打って出る腹を固めている。日本労働者人民の命運を決するこの決定的局面において、いっさいの闘いが日共をはじめとする既成反対運動指導部によって「立憲主義守れ」をシンボルとする「五野党共闘のもとでの選挙協力」の尻押し運動にねじ曲げられようとしている。この日、わが革命的・戦闘的労働者は「野党は共闘」「参院選挙は野党が勝利」などというコールに埋めつくされている既成反対運動の屈辱的現実を根底から覆すという決意に燃えて職場・地域から勇躍決起したのだ。

以下見出し

「憲法改悪阻止の大闘争を!」
わが同盟の訴えに共感の渦


「野党協力」の宣伝に終始した日共・小池

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第85回全学連大会をかちとる

改憲阻止・安保強化粉砕!
今春期の闘争態勢を築


3・14〜15

「安倍政権打倒!」決意をうち固める全学連の仲間たち(3月15日)

 三月十四・十五日の両日、全学連は第八十五回定期全国大会を開催した。
 まさに憲法改定をめぐって風雲急を告げる緊迫した情勢のまっただなかで、本全学連大会を安倍政権による憲法改悪を打ち砕く総決起集会として断固として実現したのだ。
 大会前日の十三日、首相・安倍は、自民党大会において「憲法改正推進」の運動方針を掲げるとともに、「民共勢力との戦い」を絶叫した。みずからの在任中に改憲をなしとげることに執念を燃やしている安倍は、「民共勢力」を支えている≠ニみなした労働組合とその運動を破壊する牙をむきだしにしたのだ。この自民党大会こそは、「憲法改正」の旗をうちふりながら議会の三分の二の議席を改憲派で制圧せんとするネオ・ファシストどもの決起集会の場と化したのだ。
 改憲阻止闘争の組織化を完全に放棄する日共中央の歴史的大裏切りを弾劾し、彼ら翼下の「反安保」なき「立憲主義守れ」運動をのりこえ憲法改悪阻止闘争を中心とする今春期闘争の革命的指針と戦闘態勢を築きあげたのである。

以下、見出し

中執議案・地方報告をめぐって活発な討論

「反安保」なき「立憲主義守れ」運動をのりこえ闘おう

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九条への核攻撃
核兵器の使用を「合憲」と吹聴する安倍政権弾劾!

 「憲法上あらゆる種類の核兵器の使用がおよそ禁止されているとは考えていない」――三月十八日の参院予算委員会において内閣法制局長官・横畠はこう言い放った。この横畠発言について官房長官・菅は「過去の国会答弁をふまえた答弁だ」「(核兵器の保有・使用は)ありえない」とごまかしたが、「あらゆる種類の核兵器の使用」が合憲だと言いはるのは、「必要最小限度のものにとどまるなら可能」としてきた従来のそれじたい反動的な答弁(一九九八年の内閣法制局長官・大森)さえも超えたものであることは明らかだ。
 そもそも「大陸間弾道弾は憲法上は問題ではない。原子爆弾だって問題ではない、小型であれば」「戦術核を使うということは違憲ではない」などという人非人的言辞を確信犯的に開陳してきたのが首相・安倍晋三だ(〇二年、副官房長官時代の早大での講演)。このとき安倍がなお口にしていた「小型であれば」という限定も、今やすべてとりはらって「あらゆる種類の」と言い直したのが、安倍の腰巾着・横畠の今回の答弁。これこそ、憲法第九条を完全になきものにする改憲に突き進むという安倍政権の傲岸な意志の表明いがいのなにものでもない。
 戦争法の施行をまえにして、ことさらに「わが国を防衛するため」の「あらゆる核兵器の使用」を合憲と強弁する見解をおしだしたことに、安倍政権の政治的意図がこめられているといえる。核兵器の開発・保有を騒ぎたてている北朝鮮の金正恩政権にたいしてというだけではなく、とりわけSLBM搭載の戦略原潜を増強し・核攻撃能力の強化に邁進している中国の習近平政権にたいして、日本だっていつでも核兵器を持てるんだぞ≠ニ突っ張ってみせるとともに、日本の潜在的核兵器製造・保有能力の維持・強化を正当化すること。それだけではない。たとえ「海外での核使用は『必要最小限度』を一般的に超える」とつけ加えていたとしても、「存立危機事態」=「一般的」ではない事態が生起したと首相・NSCが断定したならば、米軍と一体となって日本国軍がアメリカの核攻撃作戦にも――いかなる種類の核兵器が使われようと――参戦する、という腹の内を意図的に披瀝してみせたのだ。
 日米共同演習において日米両権力者は、すでに敵基地を攻撃する米軍の戦略爆撃機を自衛隊の戦闘機が護衛する実戦的訓練を強行している。戦争法案をめぐる論戦のなかではさしあたって「敵基地攻撃」にかんしては後景におしやられたのだとしても、安倍政権は日米新軍事同盟にもとづいてアメリカの敵基地核先制攻撃作戦にも参加しうる、本格的な軍事強国に飛躍する野望をたぎらせているのだ。独自核武装という帝国主義権力者としての願望をも胸の内に抱きながら。まさにそのためにこそネオ・ファシスト安倍は、いわゆる解釈改憲の手口で空無化してきたとはいえなお条文としては残されている<戦争放棄と戦力不保持>を謳う日本国憲法第九条を、みずからの手で完全に葬りさることに執念を燃やしているのである。
 広島・長崎に原子爆弾が投下されることによって惹起された惨事は、「われわれが日本人であるかぎり……まさしく追体験されなければならない」(黒田寛一『現代における平和と革命』改版あとがき、二七四頁)。だが、改憲総攻撃に突進する安倍政権が「あらゆる核兵器の使用=合憲」などと公言しはじめたにもかかわらず、日共の不破=志位指導部たるや「過去の政府答弁に沿ったもの」などというすっとぼけた客観報道≠『しんぶん赤旗』の片隅に載せただけ。安倍が衆参同日選挙にふみきる腹を固めていることに戦々恐々としながら「野党の選挙協力」にのみ血眼になっている。この代々木官僚のていたらくのゆえに、既成平和運動はひたすら沈黙をしいられているのだ。
 横畠答弁を弾劾し、憲法改悪阻止・日米グローバル侵略戦争同盟の構築反対の一大闘争をまきおこそう!

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最新号紹介

新世紀 The Communist 第282号
2016年5月

16春闘の階級的高揚をかちとれ――闘いの指針を提起

 超低額の春闘集中回答が出された。額にして一五〇〇円、率にして〇・四七%。この超低額回答を労働貴族どもは唯々諾々と受け入れた。中小労組の闘いに困難を強いる大手労働貴族による低額妥結を弾劾し、大幅一律賃上げをかちとるために、一六春闘のさらなる戦闘的高揚めざしてわれわれは奮闘しなくてはならない。時を同じくして首相・安倍は改憲にむけた突撃を開始した。断固たる決意を固めてこれを粉砕するのでなければならない。この闘いの武器として、『新世紀』第二八二号は、<改憲阻止! 一六春闘の高揚を>と題して特集を組んだ。
 ▼巻頭論文「貧困強制を許すな! 大幅一律賃上げを獲得しよう」(無署名)は、一六春闘の正念場においてわが同盟が発した檄だ。「連合」指導部の春闘方針の反労働者性を理論的にあますところなく批判しているのが、「『格差是正』『底上げ』に名を借りた『生産性向上運動』の呼号」(竜門清太)である。労働貴族どもは「大企業と中小との格差是正」を名目に大手組合の賃上げ要求を実質上放棄する。しかも「底上げ」と称してその内実を「全バリュー・チェーンの付加価値生産性の向上」にスリカエる。まさしく彼らは、日本経済の先行きを憂う独占資本家と危機感を共有し、労働者にとってはリストラ・合理化の嵐しかもたらさない生産性向上運動に、労働者階級総体を動員してゆくことを企んでいるのだ。この詐術を怒りを込めて弾劾し、「連合」指導部の裏切りを許さず一六春闘を戦闘的にたたかおうと呼びかけている。
 「『全労連』指導部の賃闘放棄を弾劾し一六春闘の階級的高揚をかちとれ」(椎本加奈子)は、大企業と富裕層だけを肥え太らせ、労働者階級・人民を貧窮地獄に叩きこんできたアベノミクスのまやかしが誰の目にも明らかになったなかでむかえた一六春闘において、アベノミクスへの幻想を煽り独占資本家に媚びを売ってきた労働貴族の裏切りを弾劾し、労働者が団結してたたかうべきことを力強く訴えている。「ブルジョア支配階級とその政府による労働者階級へのとめどもない貧困の強制をうち破る道は、『大幅で・しかも一律な賃上げ』を労働者自身の団結の力でたたかいとる以外にない。このことに、すべての労働者は今こそ目覚めなければならない」と。とりわけいま、「全労連」指導部は、「労使の力関係だけでは大幅な賃上げは難しい」などとほざき、「社会的賃金闘争」を「市民参加の国民運動」として展開せよなどと号令し、春闘を参議院選挙の集票運動に収斂させようとしている。彼らが労働者の資本家にたいする階級闘争としての賃金闘争を真っ向から否定していることの反労働者性を怒りを込めて暴きだし、労働者階級にとっての賃金闘争の意味と意義を主体化してたたかうことの重要性を筆者は訴えている。
 「『連合』指導部の腐敗を暴きだし大幅一律賃上げをかちとろう」(笹本明)と「<改憲阻止・反戦・反ファシズム>を掲げて一六春闘を闘おう」(剣高志)は、「2・7労働者怒りの総決起集会」の第一、第二基調報告である。一六春闘の最前線でたたかう労働者同志の、職場の現実に立脚した闘いの指針の確信にみちた提起である。「軽井沢スキーツアーバス事故――惨事は安全無視の政府と資本家によって引き起こされた!」(南原裕)は、痛憤を込めた弾劾の一文だ。

世界経済危機の分析を深化

 ▼「硝煙とマネーゲームに覆われた世界経済の危機」(藻岩夏彦)は、年初から急激に進行した世界同時株安の諸要因を構造的に分析し、ソ連邦崩壊以後の現代資本主義の構造的特質にも論及している。世界経済はマネーゲームに覆われるとともに、その技術的基礎をなすICTの飛躍的発展に支えられて<経済のグローバル化>がもたらされ、軍需産業への依存に象徴される腐朽性の深まりとともに労働市場のグローバル化≠ニでもいうべき事態さえもが現出し、世界の労働者・人民には貧窮と戦争の責め苦が強制されているのだ。こうした国家独占資本主義の今日的特質をも本論文は浮き彫りにしている。
 ▼安倍政権は「任期中の改憲」をぶちあげ一挙に突っ走っている。「改憲阻止の一大闘争をまきおこせ」(無署名)は、「立憲主義守れ」運動に堕した既成反対運動の危機を突破し、反戦反安保、改憲阻止の闘いの一大高揚をかちとる指針の提起である。
 みずからの世襲的権力の維持を目的にした北朝鮮・金正恩政権による核実験と弾道ミサイル発射の強行。この反人民的軍事的挑発行為を弾劾するとともに、「北の挑発」への対抗を口実に米日韓共同の戦争遂行体制構築に狂奔するアメリカ帝国主義オバマ政権と、それにつき従う韓国・朴槿恵政権、日本のネオ・ファシスト安倍政権の軍事行動・戦争遂行体制構築に反対してたたかうべきことを呼びかけているのが、「北朝鮮の核実験・ミサイル発射弾劾! 米日韓の臨戦態勢構築・制裁強行を許すな」(鎌田敏勝)である。
 ▼「COP21『パリ協定』採択―米・欧・中の角逐と瞞着」(菖田常雄)では、京都議定書いらい十八年ぶりの地球温暖化抑制の国際条約「パリ協定」の欺瞞性が全面的に暴かれる。世界の二大「環境破壊大国」の権力者、オバマと習近平の瞞着によってこの協定は成立した。途上諸国の代表者づらをしていたネオ・スターリン主義中国の裏切りと帝国主義権力者どもの国家エゴのぶつけあい――これこそが地球環境破壊の元凶なのだ。北京官僚の犯罪と偽善は、「高濃度のPM2・5に襲われた北京」(有明環)においても、リアルに暴きだされている。
 本号を、日々の闘いの武器として、十全に活用しようではないか。

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高浜再稼働阻止の声轟く 3・13 大阪
三月十三日、大阪において「さよなら原発 関西アクション」と銘打った集会とデモが開催され、一三〇〇名の労働者・学生・市民が結集した(主催は同実行委員会)。
横断幕を掲げ労働者・市民と共に御堂筋をデモする神戸大・奈良女大生
(3・13、大阪)
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