第2400号(2016年1月1日)の内容

<1〜4面>
反スタ運動の一大飛躍を!
 ハンガリー革命60周年
  <戦争とファシズム>の暗雲を切り裂く革命的拠点を構築せよ
<5面>
「米仏英露のシリア空爆弾劾!」
 闘う学生が反戦の雄叫び
12・13 渋谷
工事車両搬入を実力阻止
 労・学・市民がゲートを連日封鎖
12・2〜9 辺野古
<6〜7面>
安倍邪鬼退治絵巻
<8〜9面>
ソ連邦崩壊25年
 資本主義ロシアに反スターリン主義運動の奔流を!
<10〜11面>
年頭の決意
 沖縄/九州/北陸
 郵政/教育/交通運輸/電機/重工業
<12面>
写真特集 激闘2015
◎お知らせ

 「解放」最新号




























  


反スタ運動の一大飛躍を!

ハンガリー革命六〇周年

<戦争とファシズム>の暗雲を切り裂く革命的拠点を構築せよ

「侵略戦争法案の参院採決阻止! ファシズム反対!」巨万人民の先頭で全学連が奮闘
(2015年9月18日、国会前)

 二〇一六年劈頭の現代世界は、「対テロ戦争」という名の凄惨な国家テロリズムが荒れ狂い、凶暴なファシズムの暗雲に覆われている。
 中洋人民をさんざん痛めつけ殺戮し富を略奪してきた米・仏・英とロシアは、みずからの蛮行にたいするイスラーム・ジハード主義者の報復に逆上し、よってたかって凄惨な空爆を競いあっている。現にいまこの瞬間も、血に飢えた権力者どもの狂気の空爆によって、無辜(むこ)のムスリム人民が虫けらのように虐殺されている。「自由と民主主義を守る」とか「人類の普遍的価値を守る」とかとほざいて強行されているこの戦争は、「文明」の名による国家テロリズムいがいの何ものでもないではないか!
 わが自称「軍国主義者」安倍晋三は、この「対テロ戦争」への全面的支援をただちに宣言した。「IS撲滅のための有志連合」なるものにすでに参加している安倍政権は、かの侵略戦争法を活用してアメリカ主導の「有志連合」による「IS撲滅戦争」に「後方支援」の名において参戦する機会を虎視眈々とうかがっているのだ。
 それだけではない。「太平洋の半分は俺のものだ」と叫ぶ習近平の中国、その南沙諸島での軍事要塞建設への危機意識に駆られたオバマ政権が、この中国の策動を牽制するための米軍の軍事行動に日本国軍=自衛隊の本格派遣を要請している。この要請に積極的に応えて、遠く離れた南シナ海に日本国軍を派遣しようとしているのが、この政権なのだ。まさにいま日・米両国権力者は、いつでも世界のどこででも米・日共同の侵略戦争を遂行しうる文字通りのグローバル戦争同盟の構築・強化に突進しているのだ。われわれはこれを絶対に許してはならない!
 わが同盟と革命的労働者・学生は、昨夏の侵略戦争法制定阻止の闘いにおいて、この闘争を「民主主義・立憲主義守れ」の運動に押しとどめようとする既成指導部の闘争歪曲をのりこえ、「安保粉砕・ファシズム反対・安倍政権実力打倒」の革命的スローガンのもとに万余の人民の最先頭で闘いを牽引してきた。そして現にいま、沖縄のたたかう労働者・学生は、日・米両政府による辺野古新基地建設の攻撃を阻止するために、国家権力・機動隊の弾圧に抗して沖縄人民の最先頭でたたかっている。
 いまや、日本における一切の左翼は消滅し、労働運動はネオ産業報国運動と化している。見よ。「保守層」の尻を追いかけたあげくに「安保廃棄」も「憲法擁護」も神棚に上げてしまった日本共産党は、今回のパリ事件にたいしても、権力者どもと声を合わせて「テロ根絶」を合唱しているではないか。このような既成指導部の腐敗に決定された日本階級闘争の危機と閉塞を打ち破り、安倍政権による戦争とファシズムへの暴走を打ち砕くことができるのは、ひとり、わが革命的左翼だけなのだ。
 すべての諸君。このような自負と誇りをもって、われわれは日本階級闘争の危機を突き破るために全力でたたかおうではないか。ハンガリー革命から六十年・ソ連邦崩壊以後二十五年の今日、われわれは、世界に冠たる反スターリン主義革命的左翼の矜持にかけて、全世界を覆う<戦争とファシズム>の暗雲を突破し国際労働者階級の永続的な解放に向けての大道を切り開くために奮闘しなければならない。わが日本反スターリン主義革命的左翼に課せられた責務は重かつ大なのである。
 本二〇一六年を、わが日本反スターリン主義運動の新たな飛躍の年とせよ!

T 「対テロ戦争」という名の新たなジェノサイドを許すな
 A パリ事件を口実にした空爆テロのエスカレート
 B IS式テロルの錯誤とフランス国家の犯罪
 C 帝国主義が産んだ鬼っ子≠ニしてのイスラーム国
 D 「空爆弾劾」の国際反戦闘争を!
  イスラーム族際主義にもとづいて団結せよ!

U 米日―中露の激突とムスリムの反逆――二十一世紀世界の現在的=歴史的位相
 A <米日―中露>激突の諸位相
 B 没落帝国アメリカのあがき
 C EUの対中国抱きつき外交
 D 国内矛盾の外的転嫁に走る現代中国
 E 渦心としての「火を噴くイスラーム世界」

V 安倍ネオ・ファシスト政権を階級的力で打倒せよ
 A わが侵略戦争法制定阻止闘争が切り開いた画期的地平
 B 日米グローバル侵略戦争同盟の構築・強化を打ち砕け
 C 安倍政権のファシスト的総攻撃を粉砕せよ

W 日本階級闘争の危機を突き破れ
 A 日本労働運動の産報化を内側からくつがえせ
 B 日本型ネオ・ファシズムを補完する日本共産党を弾劾せよ

X いまこそ<革命的マルクス主義>の拠点を構築せよ

 (1)われわれは、あらためて胸を張って確認しようではないか。
 腐臭ふんぷんたる二十一世紀現代世界の閉塞と危機、これを根底から突破する力と思想を有しているのは、わが日本反スターリン主義革命的左翼だけであるということを!
 スターリン主義の壊滅的な破産と国際階級闘争の衰弱。――これを真にのりこえていくためにわれわれは、ニセ・マルクス主義としてのスターリン主義の誤りと犯罪を徹底的に抉(えぐ)りだし、マルクスのマルクス主義を今日的に再興していくのでなければならない。その立脚点をなすものは、わが創始者・黒田寛一が打ち立てた<革命的マルクス主義の立場>いがいにはありえない。
 (2)一九五六年のハンガリー事件にたいして、共産主義者としての全実存をかけて対決した黒田寛一。その命がけの「断絶と飛躍」によって、わが日本反スターリン主義革命的共産主義運動は創成された。
 「共産主義者としての主体性」、これを拠点とし貫徹するかたちで創造された前衛党組織創造論。その組織現実論としての展開=発展。対馬忠行およびトロツキーのソ連論との対決をつうじてつくりだされた現代ソ連論および社会主義社会論、これによる現代ソ連邦の反マルクス主義的=スターリン主義的本質の抉りだし。マルクス・レーニン・トロツキーの革命理論の批判的検討をつうじてなされた「現代革命戦略の根本問題」の究明、「反帝国主義・反スターリン主義」の世界革命戦略の創造。さらにはスターリニストによる商品経済史観的歪曲に抗して、「プロレタリアートの自己解放の精神的武器」として『資本論』を蘇らせる追究。……
 「マルクスへ帰れ」と叫びつつ、スターリン主義的に歪められた「マルクス主義」の虚偽性を暴きだし、もって「マルクスのマルクス主義」の現代的再興をなしとげたのが、わが運動の創始者・黒田寛一である。その拠点こそは、「マルクス主義を現代的に展開し、それを革命的実践へ適用せんとする共産主義者の創造的な立場」すなわち<革命的マルクス主義の立場>にほかならない(『革命的マルクス主義とは何か?』九九頁)。そして、こうした黒田の実践的=理論的営為につらぬかれている哲学は、マルクス実践的唯物論の精髄を継承して切り開かれた<実践の場所の哲学>にほかならないのである。この世界に冠たる黒田の哲学を、われわれは、必死でみずからのものとしようではないか!
 (3)わが日本反スターリン主義運動はすでに六十年近い年輪を刻もうとしている。われわれは、<いま・ここ>において、わが日本反スターリン主義運動のこの歩み・その教訓を汲み尽くしながら、新たな前進を切り開く決意をうちかためよう。
 わが同盟は、このかん『革マル派 五十年の軌跡』を連続的に発刊してきた。そこには、これまで公開したことのなかった激しくも稔り多き内部思想闘争の記録が生き生きと明らかにされている。――同志黒田と、彼とともにたたかってきた先輩同志たちの血のにじむような組織建設の苦闘が、そして真摯な思想的研鑽と理論創造の努力が、余すところなく開示されている。それは、新たにわが反スターリン主義運動の隊列に結集した若き同志たちにたいする先輩同志たちからの贈り物でもある。
 老いも若きも、老・壮・青すべての同志が、わが反スターリン主義的マルクス主義諸理論の精髄とその基盤をなす黒田哲学をわがものとするために、ともに学びともに研鑽しようではないか。
 (4)一九九一年のスターリン主義ソ連邦の自己崩壊を結節点として、全世界の自称「左翼」や自称「マルクス・レーニン主義党」はことごとく転向し自滅しはてた。こうした左翼の消滅と労働運動の体制内化のゆえに、現存支配秩序にたいする民衆の不満や怒りは、組織されざる「市民」によるオキュパイ(占拠)運動やイスラーム「聖戦」思想にもとづく武装闘争や自爆テロとして噴出しているのである。それらは、国際的なプロレタリア階級闘争の衰退がもたらした徒花(あだばな)いがいの何ものでもない。まさにそれゆえに、この否定的現実を突破するための核心問題は、<スターリン主義の超克>なのである。
 緑なす革命的実践をつうじて、またその真摯な反省と思想的=理論的自己研鑽を媒介として、われわれは、わが革共同を世界に冠たる真実の革命的前衛党としてさらに大きく強く鍛えあげるのでなければならない。
 すべての同志たちが、現代世界の腐敗と暴虐を打ち破るためにともにスクラムを組んで実践することを、そしてともに切磋琢磨し真摯な内部思想闘争をつうじてみずからを鍛えあげ、もってわが革共同の担い手として飛躍されんことを、最後に訴える。
 ハンガリー革命から六十年、スターリン主義ソ連邦の自己崩壊から二十五年。国際労働者階級の現在と未来は、ひとえにわが日本反スターリン主義革命的左翼の双肩にかかっている。いまこそ反スターリン主義の強大な前衛党をともに創造しよう!

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工事車両搬入を実力阻止

 労・学・市民がゲートを連日封鎖

15・12・2〜9 辺野古

降りしきる雨をつき労・学・市民500人が旧ゲートを完全封鎖
(15年12・2)
勝利の拳あげ更なる闘いを決意
(15年12・9、シュワブ旧ゲート前)
米軍車両に「NO BASE!」の拳
(15年12・9、新ゲート)

 沖縄の労働者・学生・市民は、辺野古埋め立て着工準備工事のための工事車両搬入阻止の闘いを、毎日早朝六時からキャンプ・シュワブのゲート前に体を張って座り込み、敢然とたたかいつづけている。
 とりわけ毎週水曜の行動日である十二月二日と九日には、五〇〇名規模の怒りに燃えた労働者・学生・市民が、わがたたかう労働者・学生を先頭に「新基地建設断固阻止!」の意気も高く大結集し、終日にわたり工事車両の進入を実力で阻止した。沖縄県警・警視庁機動隊の凶暴な弾圧にもひるむことなくこれをはね返し奮闘したのだ。

早朝から五〇〇名が座り込み 12・2

 十二月二日、午前六時。沖縄ではまだ真っ暗の闇のなかを、労働者・学生・人民が工事車両の進入を阻止しようと、キャンプ・シュワブ旧ゲート前に続々と結集してくる。新ゲートの中には機動隊のバス八台が待機し、ゲート入り口には私服警察官や軍警備員がたむろし弾圧の機をうかがっている。
 空が白んできた午前七時。旧ゲート前には、すでに三〇〇名の労働者・人民が車道にまであふれて座り込んだ。座り込みを妨害するために県警がゲートの左右に配置した機動隊車両をもとり囲むように、その周りにも人びとが一杯に座り込んでいる。県学連のたたかう学生たちは、その先頭で「基地撤去!」「安保破棄!」の赤ハチマキを締めて座り込み、「がんばりましょう!」と声をかける。労働者たちは、出勤前に車でかけつけ、「全基地撤去!」や「新基地建設阻止!」のプラカードをかかげて座り込む。県議会議員や市町村議員らも三十名余が座り込んでいる。
 平和運動センターの議長が「まんなかに屈強な男が座れ」と指示し隊列を固めた。全員が「さあ、来るぞ!」「絶対阻止するぞ!」と声をかけ合い身構える。旧ゲートの向かい側と旧ゲート北側の第二ゲートにいたる歩道上にも、それぞれ一〇〇名が並び、工事車両が来たら車道に座り込んで阻止しようと、緊張して待ち構える。
 突然、激しい雨が降り注いできた。座り込みの部隊は全員が雨合羽を着込み、旧ゲート前にブルーシートで急ごしらえのテントを張って雨をしのぎ、腕をいっそうガッチリと組んで座り込みを続ける。この日、カヌーチームのメンバーたちも、ゲート前に結集してともに座り込んだ。鹿児島や大分からやってきた自治労の労働者たちも「一緒にがんばりましょう!」と発言し、連帯してたたかいぬいている。隊列は総勢五〇〇名にふくれあがった。
 八時すぎ――。県警と警視庁の機動隊は、まったく動く気配をみせない。平和運動センター議長が雄叫びをあげた。「勝利したぞお!」「さらに昼まで座り込みを続けよう!」阻止団の労働者・学生・市民は、「やったぞ!」と叫んで大歓声をあげ、意気軒高と座り込み態勢を継続する。
 大挙して座り込んだ労働者・人民の闘いに恐れをなした県警は、この日、ついに機動隊を一度たりとも出動させることができず、防衛局は一台の工事車両も搬入できなかった。五〇〇名の部隊は、この日、終日旧ゲートを封鎖し、工事を完全にストップさせたのだ。

県警・米軍の報復的な不当逮捕を糾弾 12・

 燃え広がる闘いによって工事をストップさせられたことに焦りをつのらせた安倍政権は、十二月五日、県警・警視庁の機動隊を使って阻止団の指揮者を報復的に不当逮捕する許しがたい暴挙にうってでた。
 この日、旧ゲートを座り込みで封鎖した二〇〇名の労働者・学生・市民に、機動隊が「かかれ!」の号令で暴力的に襲いかかり、市民一人と指揮をしていた団体役員を「公務執行妨害罪」をデッチあげて強権的に逮捕した。この暴挙にたいして、労働者・学生・市民は怒りを燃えあがらせ、ただちに新ゲート前に移動して抗議集会を断固開催した。このさいに、ゲートの中から「警告」と称して大音量で集会を妨害しつづける県警に抗議した平和運動センターの山城議長にたいして、今度は軍警備員が襲いかかり、不当にも「刑特法違反」容疑をデッチあげて逮捕したのだ。
 たび重なる不当逮捕の暴挙に怒りを爆発させた二〇〇名の労・学・市民の部隊は、「不当逮捕を許さないぞ!」「仲間を返せ!」と嵐のような弾劾のシュプレヒコールをあげ、ただちに名護警察署前に移動して抗議闘争をくりひろげた。この闘いによって、ついに二名の奪還をかちとったのだ。県警は、平和運動センター議長を翌日に、団体役員を八日に釈放せざるをえなかった。

全国から続々支援、県学連の学生が先頭で奮闘 12・9

 十二月九日、労働者・学生・市民は早朝六時から四〇〇名がゲート前に結集した。二〇〇名が旧ゲート前に座り込み、ゲートの向かいに一〇〇名が、北側にある第二ゲートまでの歩道上にも一〇〇名余が、工事車両を阻止すべく配置についた。琉球大学・沖縄国際大学のたたかう学生たちも、「安保破棄!」「全基地撤去!」のゼッケンを身につけ、プラカードを手にかかげて先頭で座り込んだ。
 午前九時。「絶対に一台も入れないぞ!」阻止団は警戒をつづけながらゲート前で決起集会をかちとる。この日三十名が座り込みに参加している自治労の代表があいさつにたった。彼らは九州各地から二〇〇名が駆けつけて、連日辺野古現地でたたかっている。代表は「ともにたたかい、基地反対の声が大きいとわかった。九州各地でも軍事演習が強行され、自衛隊のオスプレイが配備されようとしている。沖縄と連帯して地元でたたかう」と決意を述べ、大きな拍手があがった。さらに、宮城県や福岡から来た労働者・市民らが決意を述べる。いまや全国から労働者・市民たちが、新基地建設を阻止するために続々と辺野古に駆けつけてきているのだ。
 つづいて、北部の「ヤンバル」(「山原」の意。本島北部の山陵地帯をさす沖縄方言)に住む女性がマイクをとり「私は七〇年安保世代です。辺野古の基地は安保の問題。戦争のための基地はいらない。若い人たちも、ともにたたかいましょう!」と力強く呼びかけた。嘉手納爆音訴訟団の代表は「嘉手納基地にはアメリカ本国から州軍の戦闘機が一時配備され、爆音は通常の三倍から五倍にもなっている。許せない! 十一日に嘉手納基地第一ゲート前で抗議の集会をおこなうので来てほしい」と怒りを表明し集会への結集を呼びかけた。
 阻止団は旧ゲート前で座り込みを継続すると同時に、新ゲート前でも、米軍や海上保安庁の「海ザル」どもの乗った車両を阻止する行動を敢行した。阻止団によって米軍車両の進入が阻止されるや、機動隊があわてて基地ゲート内のバスから出てきて排除を試みる。だが阻止団は少しもひるむことなく「NO BASE HENOKO!」のプラカードをかかげ米軍車両を阻止するために奮闘した。
 この日、労働者・人民は二日にひきつづき、ついに工事車両の搬入を一台も許すことなく完全に実力で阻止した。「先週につづいて、きょうもやったぞお!」結集した労働者・学生・市民は勝利の凱歌をあげ、さらにたたかう決意をうち固めた。
 いままさに闘いは正念場だ。南シナ海・東シナ海における習近平中国の軍事行動に焦りをつのらせる米・日の両権力者は、対中国のみならず中東・アフリカにおける対IS・「対テロ戦争」への米・日両軍の出撃拠点として、辺野古の新基地を早期に建設するために血眼になっている。「国民連合政府」構想を「保守層」に売りこむために「反安保」を完全に投げ捨て参議院選挙へと埋没している日共中央指導部を弾劾し、辺野古新基地建設阻止の闘いを<反戦・反安保>の闘いとして赤々と燃えあがらせ、断固として安倍政権打倒へと攻めのぼろうではないか!

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子曰く、怒り満つる民の炎に包まれし邪鬼晋三戦(おのの)き逃散せり。
鬼晋曰く、吾銃後に、民服せしめ戦(いくさ)に志す。戦場に兵遣(つか)はせ国を立つる。始終民を惑(まど)はす。九条破棄の天命を知る。追従して洋鬼惡罵魔(オバマ)の命に順(したが)ふ。戦後七十にして爺の欲するところに従ひて、憲法(のり)を壊す。
欧乱怒(オランド)曰く、テロ遠方自(よ)り来たる有り。亦恐ろしからずや。是(これ)に対(こた)へて曰く、敢へて回教渦心に攻めたるは暴虎馮河(ぼうこひょうが)の如きなりや。雷帝浮沈(プーチン)曰く、露国の浮沈賭け参戦す。
習曰く、君子蠅虎犯(いさ)め正す。諸国帥(ひき)ゐるに元を広め爆買ひを以(もっ)てすれば、孰(たれ)か敢へて飛びつかざらん。
志位曰く、皮脱ぎ裸身露はに清水より降下す。保守と同ぜずんば、焉(いずく)んぞ政権にありつかん。是、誤りの至りにあらずや。
仁王曰く、かかる状況の只中におきて、無産階級こぞりて反腐安刺図謀(ファシズム)に必ずや蹶起(けっき)すべし。安倍邪鬼退治せずんばあらず。海越え万国の同胞(はらから)と固く結びて今ぞ進まん。

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ソ連邦崩壊25年・ハンガリー革命60周年

資本主義ロシアに反スターリン主義運動の奔流を!

 「社会主義大国」を自称したスターリン主義ソ連邦の大崩壊から四半世紀――「ソ連の継承国家」を任ずるロシアの権力者ウラジーミル・プーチンは、ロシアの勢力圏を死守し・拡大することをたくらんで、ウクライナ軍事介入やシリア空爆などの侵略戦争に次々にのりだしている。現に今、「IS掃討の反テロ国際連合」形成を謳いながら、シリアでの無差別空爆を――米・仏・英のそれを凌駕する規模で――連日連夜強行している。このムスリム人民虐殺の蛮行を、われわれは絶対に許してはならない。
 われわれは、ソ連邦崩壊以後の世界を覆う大逆流に敢然と立ち向かい革命的マルクス主義をロシアに土着化するために死力を尽くしたわが運動の創始者・同志黒田寛一に導かれて・そして彼の遺志を受け継ぎ、エリツィンおよびプーチン統治下の資本主義ロシア(旧ソ連諸国)に反スターリン主義運動を波及させるべく奮闘してきた。ハンガリー革命六十年・ソ連邦崩壊二十五年の今日、われわれはエリツィン・プーチン統治下におけるわが闘いをふりかえるとともに、決意も新たに、ロシア労働者階級にプーチン政権を打倒し第二のプロレタリア革命を実現することを呼びかけ、共にたたかうのでなければならない。

1 「IS撲滅」を名分としたシリア空爆を弾劾せよ

 イスラーム原理主義武装勢力IS(イスラム国)による11・13パリ自爆・銃撃テロを「人類と文明にたいする挑戦」などと非難する米・仏・英とロシアの権力者どもは、「IS殲滅の対テロ戦」を名分にしてシリアでの猛空爆を強行している。アサド政権の強権的弾圧と四年も続く内戦、アメリカ帝国主義主導の「有志連合」諸国の軍事介入によって地獄に突き落とされてきたシリアのムスリム人民、彼らの頭上に爆弾・ミサイルを雨霰(あられ)と降り注いでいる。とりわけロシアのプーチン政権は、連日一四〇回以上の空爆、地上のみならず空(戦略爆撃機)と海(ミサイル巡洋艦・核搭載潜水艦)からの巡航ミサイル発射などの悪逆無道の攻撃をしかけている。人非人的にも最新精密兵器の実験場としても活用し、「核恫喝」をくりかえしてさえいるのだ。これは、ムスリム人民皆殺しの蛮行いがいの何ものでもない。
 米・仏・英の帝国主義権力者どもが、これまで強行してきたシリア(イラク)空爆を棚に上げ、ISの「ジハード」戦闘への恐怖心に突き動かされながら被害者づらをおしだすのは欺瞞でしかない。「自由と民主主義」という西欧出自の価値観を絶対化する彼らの傲慢が、中東におけるそれぞれの権益を確保するという階級的意図が、そこには露出しているからである。この帝国主義権力者と「協調」するかのように対ISの「反テロ」戦争に参戦したロシア権力者は、あくまでも同盟国シリア・アサド政権の防衛を第一義としている。それだけではなく、この参戦をもってウクライナ軍事介入を正当化しロシア非難をかき消すことをたくらんでいるのがプーチンである。
 プーチン政権は、中国・習近平政権の暗黙の支持とアサド政権を支援するシーア派国家イランの権力者との結託を基礎にしながら、ソ連邦崩壊いご初めて中東への軍事介入に踏みきった。崩壊寸前に追いつめられているアサド政権を援護するために、ロシア軍はISの拠点と同時に反アサドの武装勢力(自由シリア軍やヌスラ戦線など)をも攻撃対象にして殲滅戦を強行している。ロシア軍は、ムスリム居住地域へのクラスター爆弾をも使用した空爆を強行している。ロシア軍事顧問団が、レバノンのヒズボラおよびイランの革命防衛隊が合流しているアサド政府軍を指揮し、義勇兵を装ったロシア軍部隊をも送りこんで、街そのものを破壊しつくす残虐な地上戦闘を展開している。チェチェンを焦土と化した人民皆殺しのチェチェン軍事侵攻と同じやり口ではないか!
 同時に、プーチン政権は、この軍事介入をもってシリア内戦の「政治的解決」の主導権を掌握するとともに、ウクライナ軍事介入いごの対ロシア経済制裁の解除を欧・米諸国権力者からひきだすことをもたくらんで、「IS掃討」の「反テロ国際連合」形成の外交戦をくりひろげている。トルコ国境沿いのトルクメン人居住地域を空爆し領空侵犯をくりかえすロシア軍機を撃墜したトルコのエルドアン政権にたいしては、あえて十八〜十九世紀の露土戦争の悪夢を彼らに呼び覚まさせる恫喝をくわえ経済制裁を発動している。
 アフガニスタン・イラク侵略戦争に敗退し力の衰退をあらわにしているアメリカ帝国主義の現状をみてとり、黒海艦隊の地中海進出の橋頭堡を死守しロシア勢力圏を拡大するために中東軍事介入にうってでたプーチン政権。この政権は、米・仏・英(独)の権力者と戦果≠競い合うかのようにシリアへの猛空爆を強行している。この蛮行を全世界のムスリム人民は現代版十字軍≠フ攻撃とうけとめ怒りと憎悪を募らせている。欧米諸国では労働者・人民が空爆反対の運動を巻き起こしている。われわれは、日本の地において米・仏・英とロシアによるシリア空爆弾劾の闘いに起ちあがるだけではなく、国際反戦闘争の推進を全世界の労働者・人民に呼びかけていくのでなければならない。ロシアの労働者・人民に訴える。プーチン政権のシリア空爆反対の闘いに今こそ決起せよ。われわれは、中洋イスラーム人民に訴える。IS式テロリズムの錯誤をのりこえ、宗派・民族の相違を超えてイスラミック・インター‐ナショナリズムにもとづいて、米・欧や中・露の中東支配を打ち砕く闘いを推進せよ。

クリミア併合・ウクライナ軍事介入反対!

 また、われわれは、二〇一四年三月にプーチン政権が強行したクリミア軍事占領=ロシアへの併合とウクライナ東部への軍事介入に反対する闘いを、NATOの軍事介入にも反対しつつおしすすめるのでなければならない。ウクライナ危機の本質は何か、大ロシア主義とウクライナ民族主義の激突としてあらわれている悲劇をいかに突破していくべきか、ということをも鮮明にさししめしながら。
 プーチン政権は、ウクライナ政変(ヤヌコビッチ政権の倒壊と親米欧政権の成立)を機に電撃的にクリミアを軍事占領しロシア系住民による「住民投票」なるものを衝立にしてロシアに編入=併合し、さらにウクライナ東部に軍事介入した。この政権は、クリミア・セバストポリの黒海艦隊基地を死守しNATOの「東方拡大」策への防波堤を築くと同時に、「ユーラシア同盟」という名のロシア勢力圏構築の策動が頓挫しかねない危機の軍事的突破をはかったのだ。「ロシア世界の統一」の名によるプーチンのこの強硬策は、旧ソ連邦構成諸国にたいする「民主主義の輸出」政策(いわゆる「カラー革命」)を強行してきたアメリカ帝国主義にたいする反撃であり、大ロシア・ナショナリズムの国境を越えての軍事的貫徹という意味をもつ。
 六〇〇〇人以上の死者と一〇〇万人の難民をうみだしているウクライナ東部の内戦――政府軍と、ロシア軍に指揮された親露派武装勢力との戦争は、ウクライナの東西への国家的分裂の危機をはらんでいる。宗教(カトリックと正教)や言語・慣習が相違し、東西の経済格差を物質的基礎としているから、というだけではない。米・欧の干渉に反発し急進的ウクライナ民族主義者の台頭に危機感を高めロシアへの帰属を要求しているのが東部のロシア系住民である。他方、プーチン政権の「ユーラシア同盟」形成の策動とウクライナ軍事介入にたいして――旧ソ連邦のスターリン時代の受難の歴史(強制的農業集団化や「ロシア化」政策など)と重ね合わせて――大ロシア主義反対の民族的怨念を駆りたてているのが西部のウクライナ系住民である。これは、歴史的には、ソ連邦崩壊(=ウクライナの国家的独立)ひいてはソ連スターリン主義の官僚主義的民族政策の貫徹にもとづく悲劇でもある。
 われわれは、ウクライナ・ロシア両国の労働者・人民にたいして呼びかける。両国権力者が鼓吹するナショナリズムの大濁流に抗して国境を越えて団結し自国政府の戦争政策に反対する闘いに決起せよ、と。われわれは、同志黒田の「クレムリンの民族政策」(『死滅するソ連邦』所収)などに学び、旧ソ連構成諸国家の労働者階級がそれぞれが属する諸民族の民族的個別性にふまえながらも労働者階級的特殊性にもとづいて普遍的に(国境を越えて)団結していくという、プロレタリア・インターナショナリズムに立脚しての根本的解決の方向性をも訴えていくべきである。
 プーチン政権の圧政に呻吟するロシアの労働者・人民に訴える。ロシア左翼諸党の裏切りと犯罪的な対応を弾劾し、シリア空爆・ウクライナ軍事介入に反対する闘いをおしすすめよう。ロシア連邦共産党指導部は、その民族主義的堕落のゆえにプーチンの戦争政策を賛美している。ロシア共産主義労働者党の指導部は、「プーチン政府=ブルジョア政府打倒」を掲げつつも、帝国主義に打撃を与える≠ニいう観点からシリア空爆を事実上容認したり、当初的にはクリミア軍事占領に反対したにもかかわらず「反ファシズムの闘い」なる意義づけをもってウクライナ軍事介入を尻押ししたりする、というように動揺に動揺を重ねている。プーチン政権の流布するロシア大国ナショナリズム・愛国主義に足をすくわれてしまうのは、彼らが左翼スターリン主義の枠内にあるからである。ロシア労働者階級は、残存のスターリン主義諸党をのりこえプーチン政権打倒の階級的戦列を打ち固めるのでなければならない。

(以下、見出し)

2 プーチン専制体制とその経済構造の歴史的特質

 A FSBを実体的基礎とした強権的=軍事的支配体制

 B 経済立て直し=ロシア型国家資本主義への推転

3 エリツィン・ロシアに反スターリン主義の檄

 A 二次にわたるわが同盟派遣団の画期的な闘い

 B ロシアの大地に根づく黒田の哲学と革命思想

4 スターリン主義を超克し第二のプロレタリア革命へ

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「米仏英露のシリア空爆弾劾!」
 闘う学生が反戦の雄叫び 15年12・13 渋谷
 二〇一五年十二月十三日、早稲田大学・国学院大学をはじめとする首都圏のたたかう学生たちは、<米仏英露のシリア空爆弾劾!><日米グローバル戦争同盟の構築反対!>を掲げ、渋谷市街を席巻する怒りのデモに決起した。
 11・13パリ銃撃・自爆テロ事件に震撼させられたフランス・アメリカ・イギリスの帝国主義権力者どもは、いまやこぞって「IS壊滅」を叫びたて、シリアでの空爆をエスカレートさせている。この米仏英を数層倍する一日一四〇回を上回る猛空爆を強行しシリア人民を血の海に沈めているのが、アサド政権を防衛することを狙っているロシアのプーチン政権にほかならない。
 侵略戦争法の制定を強行した安倍政権は、同じ敗戦国ドイツの権力者がフランスの「後方支援」の名による派兵に踏みだしたことを横目で見つつ、「IS壊滅戦」への参戦の機会を虎視眈々とうかがっている。このように安倍政権は、オバマ政権の要請に応えて「対テロ戦争」への参戦を企むとともに、辺野古新基地建設のための工事を反対運動を踏みにじって強行しているのだ。
 中東において戦火燃えさかるこの決定的局面にあって、たたかう学生たちは権力者どもの「反テロ」の大合唱に唱和する日共中央の腐敗を断固としてのりこえ、米仏英露の権力者どもによる野蛮きわまる国家テロル=ムスリム人民皆殺し戦争を弾劾するとともに、「日米グローバル戦争同盟の構築反対」を高く掲げて戦闘的デモに勇躍決起したのだ。
「日米グローバル戦争同盟の構築反対!」シュプレヒコールを轟かせながら渋谷駅付近を進撃する闘う学生たち
(15年12・13)

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◎お知らせ
本号は二〇一六年一月四日号付にあたりますが、一月一日付新年特別号とします。なお、二〇一五年十二月二十八日付、二〇一六年一月十一付は休刊にします。
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