反スタ運動の一大飛躍を!
ハンガリー革命六〇周年
<戦争とファシズム>の暗雲を切り裂く革命的拠点を構築せよ
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「侵略戦争法案の参院採決阻止! ファシズム反対!」巨万人民の先頭で全学連が奮闘
(2015年9月18日、国会前) |
二〇一六年劈頭の現代世界は、「対テロ戦争」という名の凄惨な国家テロリズムが荒れ狂い、凶暴なファシズムの暗雲に覆われている。
中洋人民をさんざん痛めつけ殺戮し富を略奪してきた米・仏・英とロシアは、みずからの蛮行にたいするイスラーム・ジハード主義者の報復に逆上し、よってたかって凄惨な空爆を競いあっている。現にいまこの瞬間も、血に飢えた権力者どもの狂気の空爆によって、無辜(むこ)のムスリム人民が虫けらのように虐殺されている。「自由と民主主義を守る」とか「人類の普遍的価値を守る」とかとほざいて強行されているこの戦争は、「文明」の名による国家テロリズムいがいの何ものでもないではないか!
わが自称「軍国主義者」安倍晋三は、この「対テロ戦争」への全面的支援をただちに宣言した。「IS撲滅のための有志連合」なるものにすでに参加している安倍政権は、かの侵略戦争法を活用してアメリカ主導の「有志連合」による「IS撲滅戦争」に「後方支援」の名において参戦する機会を虎視眈々とうかがっているのだ。
それだけではない。「太平洋の半分は俺のものだ」と叫ぶ習近平の中国、その南沙諸島での軍事要塞建設への危機意識に駆られたオバマ政権が、この中国の策動を牽制するための米軍の軍事行動に日本国軍=自衛隊の本格派遣を要請している。この要請に積極的に応えて、遠く離れた南シナ海に日本国軍を派遣しようとしているのが、この政権なのだ。まさにいま日・米両国権力者は、いつでも世界のどこででも米・日共同の侵略戦争を遂行しうる文字通りのグローバル戦争同盟の構築・強化に突進しているのだ。われわれはこれを絶対に許してはならない!
わが同盟と革命的労働者・学生は、昨夏の侵略戦争法制定阻止の闘いにおいて、この闘争を「民主主義・立憲主義守れ」の運動に押しとどめようとする既成指導部の闘争歪曲をのりこえ、「安保粉砕・ファシズム反対・安倍政権実力打倒」の革命的スローガンのもとに万余の人民の最先頭で闘いを牽引してきた。そして現にいま、沖縄のたたかう労働者・学生は、日・米両政府による辺野古新基地建設の攻撃を阻止するために、国家権力・機動隊の弾圧に抗して沖縄人民の最先頭でたたかっている。
いまや、日本における一切の左翼は消滅し、労働運動はネオ産業報国運動と化している。見よ。「保守層」の尻を追いかけたあげくに「安保廃棄」も「憲法擁護」も神棚に上げてしまった日本共産党は、今回のパリ事件にたいしても、権力者どもと声を合わせて「テロ根絶」を合唱しているではないか。このような既成指導部の腐敗に決定された日本階級闘争の危機と閉塞を打ち破り、安倍政権による戦争とファシズムへの暴走を打ち砕くことができるのは、ひとり、わが革命的左翼だけなのだ。
すべての諸君。このような自負と誇りをもって、われわれは日本階級闘争の危機を突き破るために全力でたたかおうではないか。ハンガリー革命から六十年・ソ連邦崩壊以後二十五年の今日、われわれは、世界に冠たる反スターリン主義革命的左翼の矜持にかけて、全世界を覆う<戦争とファシズム>の暗雲を突破し国際労働者階級の永続的な解放に向けての大道を切り開くために奮闘しなければならない。わが日本反スターリン主義革命的左翼に課せられた責務は重かつ大なのである。
本二〇一六年を、わが日本反スターリン主義運動の新たな飛躍の年とせよ!
T 「対テロ戦争」という名の新たなジェノサイドを許すな
A パリ事件を口実にした空爆テロのエスカレート
B IS式テロルの錯誤とフランス国家の犯罪
C 帝国主義が産んだ鬼っ子≠ニしてのイスラーム国
D 「空爆弾劾」の国際反戦闘争を!
イスラーム族際主義にもとづいて団結せよ!
U 米日―中露の激突とムスリムの反逆――二十一世紀世界の現在的=歴史的位相
A <米日―中露>激突の諸位相
B 没落帝国アメリカのあがき
C EUの対中国抱きつき外交
D 国内矛盾の外的転嫁に走る現代中国
E 渦心としての「火を噴くイスラーム世界」
V 安倍ネオ・ファシスト政権を階級的力で打倒せよ
A わが侵略戦争法制定阻止闘争が切り開いた画期的地平
B 日米グローバル侵略戦争同盟の構築・強化を打ち砕け
C 安倍政権のファシスト的総攻撃を粉砕せよ
W 日本階級闘争の危機を突き破れ
A 日本労働運動の産報化を内側からくつがえせ
B 日本型ネオ・ファシズムを補完する日本共産党を弾劾せよ
X いまこそ<革命的マルクス主義>の拠点を構築せよ
(1)われわれは、あらためて胸を張って確認しようではないか。
腐臭ふんぷんたる二十一世紀現代世界の閉塞と危機、これを根底から突破する力と思想を有しているのは、わが日本反スターリン主義革命的左翼だけであるということを!
スターリン主義の壊滅的な破産と国際階級闘争の衰弱。――これを真にのりこえていくためにわれわれは、ニセ・マルクス主義としてのスターリン主義の誤りと犯罪を徹底的に抉(えぐ)りだし、マルクスのマルクス主義を今日的に再興していくのでなければならない。その立脚点をなすものは、わが創始者・黒田寛一が打ち立てた<革命的マルクス主義の立場>いがいにはありえない。
(2)一九五六年のハンガリー事件にたいして、共産主義者としての全実存をかけて対決した黒田寛一。その命がけの「断絶と飛躍」によって、わが日本反スターリン主義革命的共産主義運動は創成された。
「共産主義者としての主体性」、これを拠点とし貫徹するかたちで創造された前衛党組織創造論。その組織現実論としての展開=発展。対馬忠行およびトロツキーのソ連論との対決をつうじてつくりだされた現代ソ連論および社会主義社会論、これによる現代ソ連邦の反マルクス主義的=スターリン主義的本質の抉りだし。マルクス・レーニン・トロツキーの革命理論の批判的検討をつうじてなされた「現代革命戦略の根本問題」の究明、「反帝国主義・反スターリン主義」の世界革命戦略の創造。さらにはスターリニストによる商品経済史観的歪曲に抗して、「プロレタリアートの自己解放の精神的武器」として『資本論』を蘇らせる追究。……
「マルクスへ帰れ」と叫びつつ、スターリン主義的に歪められた「マルクス主義」の虚偽性を暴きだし、もって「マルクスのマルクス主義」の現代的再興をなしとげたのが、わが運動の創始者・黒田寛一である。その拠点こそは、「マルクス主義を現代的に展開し、それを革命的実践へ適用せんとする共産主義者の創造的な立場」すなわち<革命的マルクス主義の立場>にほかならない(『革命的マルクス主義とは何か?』九九頁)。そして、こうした黒田の実践的=理論的営為につらぬかれている哲学は、マルクス実践的唯物論の精髄を継承して切り開かれた<実践の場所の哲学>にほかならないのである。この世界に冠たる黒田の哲学を、われわれは、必死でみずからのものとしようではないか!
(3)わが日本反スターリン主義運動はすでに六十年近い年輪を刻もうとしている。われわれは、<いま・ここ>において、わが日本反スターリン主義運動のこの歩み・その教訓を汲み尽くしながら、新たな前進を切り開く決意をうちかためよう。
わが同盟は、このかん『革マル派 五十年の軌跡』を連続的に発刊してきた。そこには、これまで公開したことのなかった激しくも稔り多き内部思想闘争の記録が生き生きと明らかにされている。――同志黒田と、彼とともにたたかってきた先輩同志たちの血のにじむような組織建設の苦闘が、そして真摯な思想的研鑽と理論創造の努力が、余すところなく開示されている。それは、新たにわが反スターリン主義運動の隊列に結集した若き同志たちにたいする先輩同志たちからの贈り物でもある。
老いも若きも、老・壮・青すべての同志が、わが反スターリン主義的マルクス主義諸理論の精髄とその基盤をなす黒田哲学をわがものとするために、ともに学びともに研鑽しようではないか。
(4)一九九一年のスターリン主義ソ連邦の自己崩壊を結節点として、全世界の自称「左翼」や自称「マルクス・レーニン主義党」はことごとく転向し自滅しはてた。こうした左翼の消滅と労働運動の体制内化のゆえに、現存支配秩序にたいする民衆の不満や怒りは、組織されざる「市民」によるオキュパイ(占拠)運動やイスラーム「聖戦」思想にもとづく武装闘争や自爆テロとして噴出しているのである。それらは、国際的なプロレタリア階級闘争の衰退がもたらした徒花(あだばな)いがいの何ものでもない。まさにそれゆえに、この否定的現実を突破するための核心問題は、<スターリン主義の超克>なのである。
緑なす革命的実践をつうじて、またその真摯な反省と思想的=理論的自己研鑽を媒介として、われわれは、わが革共同を世界に冠たる真実の革命的前衛党としてさらに大きく強く鍛えあげるのでなければならない。
すべての同志たちが、現代世界の腐敗と暴虐を打ち破るためにともにスクラムを組んで実践することを、そしてともに切磋琢磨し真摯な内部思想闘争をつうじてみずからを鍛えあげ、もってわが革共同の担い手として飛躍されんことを、最後に訴える。
ハンガリー革命から六十年、スターリン主義ソ連邦の自己崩壊から二十五年。国際労働者階級の現在と未来は、ひとえにわが日本反スターリン主義革命的左翼の双肩にかかっている。いまこそ反スターリン主義の強大な前衛党をともに創造しよう!
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