第2365号(2015年4月27日)の内容

<1面>
「8時間労働制」の破壊を阻止せよ
 権利剥奪・労組破壊を狙う労働法制のファシスト的改悪を許すな

<4〜5面>
労働戦線の帝国主義的再編に反対する歴史的闘い
<5面>
自治体福祉職場
 不安定雇用、低収入を強いられる非常勤労働者
<2面>
福島第一、第二原発で相次ぐ労働者の死亡事故
■カーターの日韓歴訪
<6面>
Topics 労働時間規制適用除外の対象拡大を要求する経済同友会
「日経平均株価上昇」のからくり
大阪市・橋下当局の生活保護費プリペイドカード支給の反動性
<7面>
安倍の提灯もち中西輝政の対米屈従$ウ当化論
<8面>
私の意識は生きようとする意志と情動に満たされる
 『実践と場所』第三巻を学習して

<3面>
万華鏡2015――情勢の断層を読む
◆歴史的会談
◆スター誕ジョン
◆先頭はグーグル!?
うた 復讐のその黒き旗
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号




































  


「8時間労働制」の破壊を阻止せよ

 権利剥奪・労組破壊を狙う労働法制のファシスト的改悪を許すな

 安倍政権は、アベノミクスの破綻を隠蔽しのりきるために、今春闘における低率・低額の「賃上げ」を「過去最高のベースアップ」などとおしだして、勤労人民に消費拡大を煽っている。それと同時にいま彼らは、ネオ・ファシズム政権としての凶暴な牙をむきだしにして、労働者階級にたいする諸権利剥奪の一大攻撃にうってでているのだ。
 政府はすでに、春闘のまっただなかの三月十三日に、生涯派遣≠フ解禁を認める労働者派遣法の改定案を国会に上程した。四月三日には、労働時間規制の適用除外=日本版エグゼンプション制度の創設を中心とした労働基準法の改定案を閣議決定し、国会に上程した。さらに、政府の規制改革会議が「解雇の金銭解決制度」の導入にかんする意見書をまとめた(三月二十五日)ことを受けて、安倍政権は、秋の臨時国会での法改定にむけて法案策定を開始しようとしている。日本の諸独占体の国際競争力=「稼ぐ力」を回復するために、独占資本家どもは労働者への強搾取を徹底することをたくらんで、政府にたいして解雇規制・労働時間規制のしばり≠取り払えと要求している。これに応えて安倍政権はいま、労働者階級の頭上に超弩級の攻撃をふりおろしてきているのだ。
 法人税の二〇パーセント台への引き下げを進めると同時に、諸企業に解雇自由化≠ニ労働時間上限規制の緩和・撤廃≠保障する――これらをアベノミクス「第三の矢」=「成長戦略」のカナメとして安倍政権はおしだしてきた。日本を「世界一企業が活躍しやすい国」に変えるとほざきながら。日本の独占諸資本の海外への流出=″蒼燻Y業(製造業)の空洞化に歯止めをかけるとともに外資系企業を日本に呼びこむかたちで日本経済の再活性化をはかる。そのために、日本の労働者にタダ働きの長時間労働を強制するとともにいつでも自由に解雇できる「ビジネス環境」をつくりだすための諸規制の緩和・撤廃を、「岩盤規制の打破」と称して強行しているのが安倍政権なのである。
 われわれは、日米新ガイドライン策定阻止、侵略戦争法の制定阻止、辺野古新基地建設阻止を中心環とする反戦反安保闘争を推進すると同時に、労働者の諸権利を根こそぎ奪い取るこの画歴史的攻撃を打ち砕く闘いを総力をあげて推進するのでなければならない。一八八六年五月一日にシカゴでの「八時間労働制」を要求するゼネスト・デモ行進を契機にメーデーは始まった。このメーデーを目前にした今、全世界の労働者階級が血みどろでたたかいとってきた八時間労働制を根底からなきものにしようとする安倍政権の悪らつな策動を打ち砕くために、すべての労働者は総決起しようではないか。

以下、見出し

労働時間規制の実質的撤廃――労基法の根本的改悪

 みなし労働時間制の一挙的拡大

生涯派遣≠フ解禁と解雇の自由化≠フ策動

「岩盤規制破砕」の名による独占資本家的搾取強化の支援

 「政労使会議」にとりこまれた「連合」指導部

闘争幕引きを企む労働貴族を弾劾し労働法制の一挙的改悪を総力で打ち砕け!

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労働戦線の帝国主義的再編に反対する歴史的闘い

「労働運動の階級的前進をめざす」を掲げてとりくまれた80年8・15集会(日比谷野音)

万余の労働者の注目を浴びてデモに出発する全学連と反戦青年委の隊列(80年10・21、代々木公園)

 労働時間規制の実質上の撤廃や解雇自由化を企む安倍政権の労働諸法制改悪の一大攻撃をまえにして、既成指導部翼下の日本労働運動はいま危機的な状況をさらけだしている。<労使運命共同体>イデオロギーに陥没している「連合」労働貴族どもが、安倍ネオ・ファシスト政権の諸政策につき従い・この政権を下支えする産業報国運動を推進しているからだ。まさにこのゆえに日本の労働者階級は、十九世紀プロレタリアと同然の無権利と貧苦のどん底に叩きこまれかねない危機に直面しているのである。
 私はいま、既成労働運動指導部の腐敗にたいして、そしてまた労働貴族どもの歴史的犯罪にたいして、怒りを新たにしている。独占ブルジョアジーの階級的意志を体した労働貴族どもは、労働戦線を右翼的に再編成する策動を執拗にくりひろげ、執行部の指導性喪失をあらわにしていた総評を分解に追いこみ、みずからのヘゲモニーのもとに「連合」を発足させた(一九八九年)。わが革マル派と革命的労働者・戦闘的労働者たちは、労働戦線の帝国主義的再編の策動をうち砕くために、この再編の大波に呑みこまれた総評指導部の変質をのりこえ、「新たなナショナルセンターの土台づくり」をめざした「統一労組懇」路線を提起し総評そのものの組織的分断をあえてした代々木共産党中央の策動をあばきだしてたたかいぬいた。
 わが革命的左翼は、一九八〇年8・15集会を頂点として、「軍事大国化阻止・労働戦線の右翼的再編反対」の共同行動を柔軟かつ戦闘的に創造した。<反社民・反代々木中央>を合言葉とした戦闘的労働者の闘いは、既成のナショナルセンターの枠を越え種々の労働組合の活動家や日共系組合員のなかにも波及し拡大した。この闘いは、日本労働運動の帝国主義的再編を頓挫させる戦闘的闘いの烽火となったのである。ネオ産業報国会=「連合」の結成を許したとはいえ、わが革命的左翼の獅子奮迅の闘いの意義と教訓はじつに貴重なものである。
 革マル派結成五十年に際して、私は、吹き荒れる安倍政権のネオ・ファシズム的反動諸攻撃をうち砕く闘いを強化する<武器>をうちきたえるために、われわれが一九七〇年代末から一九八一年にかけて労働戦線の帝国主義的再編をうち砕く闘いをいかに創造したのかを、黒田寛一編『革新の幻想』や黒田寛一『労働運動の前進のために』(ともにこぶし書房)に学びつつ論じてみたい。

以下見出し
A 「労働戦線統一」の大波と総評指導部の変質

 (1)「民間先行の統一」を策した同盟・JCの幹部

 (2)総評指導部の屈服と迎合

 (3)日共中央の「統一労組懇づくり」路線

B 燃えあがる戦闘的諸労組の「右翼的再編反対」の闘い

 (1)8・15集会――戦闘的反撃の烽火

 (2)報復的謀略襲撃への怒りの抗議

 (3)「統一労組懇」路線のなしくずし的転換

(つづく)

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<軍国日本>再興に突進する安倍の提灯もち

 中西輝政の対米屈従$ウ当化論

 「自民党は九条改正案を示している。なぜ改正するかと言えば、国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ。」(参院予算委員会)――「イスラム国」による日本人殺害事件直後の二月三日、首相・安倍は、この事件を最大限に利用しながら、<軍国日本>再興に向け憲法改悪にいよいよのりだす決意を傲然と披瀝した。この安倍を頭目とする日本型ネオ・ファシスト政権は、「安保法制」改定=侵略戦争法制定に突き進むのみならず、かつての日本軍国主義のアジア・中国侵略戦争を聖化する内実の「戦後七十年談話」を八月にもうちだそうとしている。このいわゆる「安倍談話」発表に向けて安倍政権は「二十世紀を振り返り二十一世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会」(日本郵政社長・西室泰三が座長、座長代理は国際大学学長・北岡伸一、以下、「二十一世紀構想懇談会」と略)を発足させた(二月二十五日に初会合)。
 この「二十一世紀構想懇談会」のメンバーであり安倍のブレーンたる京都大学名誉教授・中西輝政は、「戦後の屈辱」をはらし日本が軍事的にも政治的にも強国として世界に躍り出るべきことをけたたましく叫びたてている。安倍政権による日米安保同盟強化、憲法改悪を阻止する闘いの高揚をかちとるために、ここでは中西輝政がふりまくイデオロギーの反人民性、その階級的本質を徹底的に暴きだすことにする。

(以下、見出し)

日本人殺害事件を活用しての「対テロ戦争」の称揚

「行きすぎたグローバリゼーション」の御都合主義的解釈

「地球儀俯瞰外交」という名の対中包囲網形成の願望

血塗られた「八紘一宇」理念の焼き直し

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私の意識は生きようとする意志と情動に満たされる

 黒田さんの『実践と場所』第三巻「A 実践と認識」を学習して

 私は、黒田さんの著書『実践と場所』第三巻「A 実践と認識」を学習した。
 黒田さんは、この著書のテーマは何であるのかについて、次のように記している。「実践主体としてのわれわれであるわれが自己にとっての対象として客体(他者または環境的自然)を措定しこれに関係する」「このような関係を意識化しうる人間意識とは何であり如何なるものであるか、ということにふれなければならない。」(四七頁)
 黒田さんは、執筆当時の二十一世紀の開けを前にした末期資本主義世界の腐朽性を前にして、それを「魂のない世界」ととらえている。同時に、その世界を創造する主体たる人間の疎外はいっそう深まり「『心の穴』を大きくひろげたロボット人間・電脳人間」がうみだされ、人間破壊へとつながり、その価値意識も崩壊していることを突きだしている。この腐れきった現実を変革するための武器として、黒田さんは、われわれにたいして認識論・自覚論を論じているのである。
 それは次のように明言されている。「脳味噌の電脳的・彩電的疎外と人間性の破壊を意識し自覚する労働者をつくりだすために奮闘することは、極めて大切なことである。」(六四頁)
 私はこのことをうけとめようと、難解であったが根気強く読み考えた。
 今年〔二〇一三年〕は革マル派結成五十周年の輝かしい節目の年である。私はその重みを強く噛みしめている。その反面、今日のおのれ自身や紆余曲折したおのれの過去を省みるにつけ、「後悔先に立たず」の念に駆られるのである。
 だが、いま問われていることは、ボヤボヤすることなく、諸実践を担い、それに不可欠な諸理論を主体化し、おのれ自身の変革に心血を注ぐことである。
 今回の学習をつうじて学び、考えさせられたことをここにまとめることにする。

(以下、見出し)

一 エロースに満ち溢れた少年時代の黒田さん

二 社会的実践主体として自己を感覚し自覚できるのは人間存在のみ

三 語られたことを記憶し考える習い性を取り戻さねばならない
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