第2361号(2015年3月30日)の内容

<1面>
労働貴族の低額妥結を弾劾せよ
 中小春闘の戦闘的高揚を!
 労働法制の大改悪を阻止せよ

<4面>
大手私鉄の超低額回答=妥結を許すな
 私鉄総連中央の交通政策要求運動への埋没を弾劾し闘おう
<5面>
鉄鋼「課題解決型労使交渉」の反労働者性
<6面>
労働者に生涯派遣を強制する派遣法改悪を絶対阻止しよう
Topics シチズン中国工場で1000人首切り
<7面>
各地で春闘集会 闘う労働者が決起
 3・1「連合愛知」/3・6「連合大阪」
 3・12「連合石川」
<2面>
日出生台実弾砲撃演習阻止! 2・26 大分
 米軍物資陸揚げに抗議の拳
全学連第138回中央委かちとる 3・16〜17
<3面>
高浜原発再稼働阻止に3500が決起
 3・8「さよなら原発関西アクション」
■福島原発で多発する労災事故
人民総監視・総管理のためのマイナンバー制度を許すな
<8面>
万華鏡2015――情勢の断層を読む
◆八百長試合
◆木鶏もビックリ
◆サイバー戦争
◆秒速7000メートル
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号









































  


労働貴族の低額妥結を弾劾せよ

中小春闘の戦闘的高揚を!

労働法制の大改悪を阻止せよ

 辺野古 ボーリング調査に怒り! 
3900名の労・学・市民が決起
(3・21県民集会、瀬嵩の浜)
 三月十八日、自動車や電機などの諸独占体の経営陣は、「連合」傘下の諸労働組合の「賃金改善」要求にたいしていっせいに回答した。トヨタ四〇〇〇円、電機主要六社三〇〇〇円などの回答を、各労組の労働貴族は即刻受けいれ、「連合」会長・古賀は「これでデフレ脱却への道筋はつけた」などと、自画自讃したのであった。
 ふざけるな! 消費者物価上昇率以下のたった六〇〇〇円の要求を掲げていたにすぎないにもかかわらず、これにもはるかに届かない低額回答に一発で膝を屈したのがJCメタルの労働貴族ではないか。それにもかかわらず、何が「史上最高のベースアップ」だ。労働貴族どもは、昨年四月からの消費税増税と円安による生活必需品の高騰に直撃されている労組員やその家族の生活を抜本的に改善するために身を挺してたたかうのではなく、アベノミクスの破綻をとりつくろうために独占資本家と春討≠おこなったにすぎないのだ。このことが古賀の言辞にはっきり示されているではないか。それだけではない。安倍政権は、労働諸法制の大改悪や安保諸法制の大改定という画歴史的反動攻撃を労働貴族に呑ませるためのオブラートとして、独占資本家と結託し彼らにわずかばかりの「賃金改善」を用意させたのである。
 われわれは、「連合」傘下の大手企業労組労働貴族の低額妥結を弾劾するとともに、統一地方選での票田開拓のために傘下組合員を引き回している「全労連」の日共中央盲従指導部の議会主義的腐敗をのりこえ、一五春闘を戦闘的に高揚させるために力のかぎり奮闘するのでなければならない。大幅一律賃上げ獲得! 労働諸法制の改悪阻止! アベノミクス粉砕! 侵略戦争法の制定を絶対に許すな!

「経済の好循環実現」を名分にした<政労使>結託の低額妥結を許すな

 「連合」の回答指定日に発表された独占資本家どもの回答は、「連合」指導部がおしだしてきた「二%以上」(六〇〇〇円相当)にもおよばない低額であった。これを労働貴族どもは、すべて受けいれたのだ。六〇〇〇円の「賃金改善」要求で足並みを揃えていた自動車産別では、トヨタ以外では、日産五〇〇〇円、本田が三四〇〇円など、三菱自動車(二〇〇〇円)を除けばいずれも昨年と比較するならば、それを上回る額であった。一時金は「満額回答」で、トヨタの六・八ヵ月分を筆頭に五・五ヵ月分までと、バラツキがあった。電機産別では、産別統一闘争をおこなってきた日立・東芝・パナソニックなどの大企業労組(十二中闘――経営悪化を理由にして三年連続で統一闘争から離脱したシャープグループ労連を除く)にたいして、経営陣は三〇〇〇円の統一回答≠提示した(昨年は二〇〇〇円)。
 ところが、機械製造のコマツとクボタは昨年以下の二五〇〇円、二七〇〇円の低額妥結。情報サービス産業のNTT労組は二四〇〇円、JP労組にいたっては去年と同額のたったの一〇〇〇円! 大手私鉄も、三〇〇〇円で妥結した阪急を除いては、数百円から二〇〇〇円の低額妥結に終わった(十九日)。消費税増税後の消費低迷に直撃されている小売り・外食産業もまた同様に、四三〇〇円で妥結した「すかいらーく」を除けば、ファミリーマートのゼロ回答≠ェ象徴しているように、昨年比大幅減で労組ダラ幹は妥結するというように、惨憺(さんたん)たる結果であった。
 ところが安倍政権は、JCメタル諸労組に製造業諸独占体の経営陣が昨年を上回る回答を出したことだけを取りあげて、「一次試験は九〇点」(経済再生相・甘利)などと持ちあげたのであった。経団連もまた「好循環の二巡目を力強く回す原動力」(会長・榊原)と自画自讃している。とりわけ安倍政権は、四〇〇〇円の「賃金改善」で妥結したトヨタを例にとって「定期昇給込みでは三・二%の賃上げになり、消費税分を含めた物価上昇率を上回る」などとおしだしている。十九ヵ月連続の実質賃金の低下をおしかくし、アベノミクスの成果≠ネどというデマゴギーにいくばくかの現実性があるかに見せかけるためのシンボルとしておしだしているのだ。
 労働貴族も、「スタート時点において、二〇一五春季生活闘争の意義・目的を果たしうる内容」(「連合」事務局長・神津)とか、「デフレ脱却と経済好循環にむけた確固たる二歩目を踏み出した」(自動車総連会長・相原)とかと、政府・独占資本家に唱和している。
 だが、こんなふざけた話があるか! 消費税増税と円安による輸入生活必需品価格の高騰などに襲われている労働者・勤労人民の生活状況を改善するにはまったくほど遠い低額妥結ではないか。三月期決算で過去最高の営業利益二兆七〇〇〇億円を見込んでいるトヨタをはじめとする自動車産業の独占体、またリストラに次ぐリストラで何十万人もの労働者を路頭に放り出すことによって過去最高益を謳歌している日立・東芝などの電機独占体。アベノミクスによる円安の恩恵をこうむっているごく一部の製造業諸独占体だけが、昨年を上回る「賃上げ」回答を提示したことをことさらにおしだして、政府・独占体経営陣・労働貴族がお互いに賞賛しあっているにすぎないのだ。
 現実には、資本金一〇億円以上の大手企業の内でも昨年以上の賃上げを予定している企業はわずか一四%、また七六%の企業が改定後の賃金上昇幅は増税分以下という水準を見込んでいる。ましてや、日本の雇用の七割を占めている中小・零細企業では、アベノミクスの恩恵≠ヌころか、逆に、大企業の製造拠点の海外移転による受注の大幅減少、――原油価格の下落によって若干緩和されているとはいえ――円安による輸入原材料価格の高騰や電力料金の値上げに直撃されて、軒並み経営危機にあえいでいる。そこで働いている圧倒的多数の労働者は賃上げどころか、賃下げ・解雇の危機に直面させられているではないか。
 一部の商業紙が「過去最高のベア」と絶賛している自動車や電機の「賃金改善」なるものの配分はどうか。経営陣は「生産性向上」に寄与しているとみなしている一握りの労働者にだけ厚く配分しているのであって、賃金がまったく上がらない労働者が大半を占めているのだ。しかもトヨタ経営陣は、一五春闘のまっただなかで工場労働者を対象とする賃金制度の改定案を公表した。年功的要素を残しているこれまでの制度を、年功的要素をさらに圧縮して「役割や成果など個人の能力に応じて査定の幅を広げる」制度へと改変するというのだ。電機諸独占体の経営陣もまた、昨一四春闘以降、軒並み「仕事・役割、貢献度」にもとづく賃金制度に改変することをうちだしている。パナソニックやソニーでは今年四月からこれを全社員を対象に導入することを決定している。それゆえに、昨年を上回る「賃上げ」といっても、その対象となるのは経営陣が「生産性向上」にもっとも貢献≠オているとみなした特定の層であったり、将来それが期待≠ナきる若年層であったりするだけであり、大部分の中高年労働者は、「賃上げ」の対象となってはいないのだ。
 「連合」労働貴族は物価上昇率以下の低額要求しか提示しなかったことを隠蔽するために、今春闘の課題に「格差」問題を大きくとりあげている。だが、これまでの妥結結果にかぎって見ても、業種間・企業間・企業内・雇用形態間のいずれの賃金格差もさらに拡大しているのである。

賃上げムード¥成のための出来レース

 今回の自動車諸独占体の「賃上げ」を主導したのは――トヨタ労組が事実上民間大手組合の「賃金改善」要求額の上限を六〇〇〇円に定めたのと同様に――トヨタであり、トヨタの四〇〇〇円を基準≠ニして他の諸企業経営陣はこれ以下に抑えこむかたちで賃上げ額を決定した。賃上げの中小企業への波及を要請する安倍政権に応えて、トヨタ幹部は一月末に経済再生大臣室をわざわざ訪問し、下請け企業の賃上げ原資を確保するためと称して、取引先企業への部品単価切り下げ要請を一五年度上期もおこなわないと報告したほどであった。トヨタ労組幹部も今春闘で直接雇用の非正規雇用労働者の賃上げを要求した(結果は日給三〇〇円の引き上げ)。また、自動車や電機の労使交渉の経過が早々とリークされた。電機では要求書提出直後の二月下旬に「三〇〇〇円の賃上げ」とマスコミが報道し、労働貴族がこの打ち消しに回るという茶番すら演じられた。しかも回答指定日の五日前の三月十三日の産別統一交渉において主要六労使が三〇〇〇円で妥結したことを経営陣が発表したほどであった。
 要するに、アベノミクスによる円安・株高の恩恵を一身に受けているトヨタをはじめとする大手製造業の経営者は、安倍政権のたびかさなる要請に応えて、企業の「社会的責任」の名において賃上げムード≠フ醸成と波及にこれ努めたのだ。アベノミクス諸施策の破綻はいまや誰の目にも明らかになり、一方的に犠牲を転嫁されてきた労働者・勤労人民はますます困窮し、安倍政権にたいする不信を増幅させている。中小企業ではアベノミクス倒産・廃業≠ェ相次ぎ、地方経済も萎縮する一方だ。この他方で、投機や配当によって独占資本家や富裕層だけが肥え太っている。しかも「異次元の金融緩和」と公共事業へのばらまき策によって政府債務は空前の規模にまで達している。
 このアベノミクスの破綻を隠蔽し、アベノミクスの成果≠ネるものをなんとかとりつくろうために、安倍政権は、必死になって「賃上げ」のムードづくりをおこない、大企業経営陣にもこれに呼応することを求めている。独占資本家もまた、法人税の二〇%台への減税や労働諸法制の大改定などの見返りを期待してわずかばかりに「賃金改善」に応じる姿勢をみせたのである。しかもこれらの企業の労働貴族どももまた、「デフレ脱却・経済好循環の実現」をわが使命と心得て、傘下組合員や勤労人民の困窮をまったくかえりみることなく「賃金改善」交渉にとりくんでみせたのである。

安倍政権による労働法制のファシズム的改悪阻止!

政労使会議の「常態化」を懇願する「連合」指導部を許すな

中小春闘の戦闘的高揚をかちとれ

 大手企業労組が低額で一発妥結したことによって、いわゆる春闘相場が形成されたと称して、中小企業経営者は賃上げを超低額に抑えつけようとしている。中小企業でたたかう革命的・戦闘的労働者は、このような困難な状況を打ち破るために断固奮闘しようではないか。
 安倍政権はトヨタ労使が直接雇用の非正規雇用労働者(再雇用労働者や期間工)の賃上げで合意したことをもちあげ、これをシンボルとして中小企業や非正規雇用労働者にも「賃上げ」を「波及させる」とほざき、そのために政労使会議を開催する意向を明らかにしている。中小の製造業労組が中心のJAM(ものづくり産業労組)会長の真中は「大手がつくってくれた大きな波に勇気を持って交渉する」と述べ、波及効果≠ネるものに淡い期待を寄せているしまつだ。
 何を言っているのか! 労働者階級は大企業経営陣や御用組合幹部の恩恵≠ありがたく受ける存在などでは断じてない! こんな他力本願では大幅賃上げは絶対にかちとれないだけではなく労働組合の戦闘的強化をかちとることもできない。団結固く組合員の実力でかちとるのみだ。
 ある部品製造会社では、労組幹部は大手企業労組の数分の一程度の賃上げ要求しか提出していない。しかもこんな超低額の要求額であったとしてもそれを同じ職場で働く非正規雇用労働者には漏らすな、とかん口令が敷かれている。これまでの複数回におよぶリストラのゆえに労働者が減らされ、少ない人数に膨大な業務を課せられてもいる。それゆえに一ヵ月一〇〇時間を超える残業(しかもその多くは不払い残業だ!)を強要されたりもしている。
 中小企業のたたかう仲間は、このような厳しい状況を覆すために断固奮闘しようではないか。たたかう労働者は、正規・非正規の格差と差別に棹さす組合執行部の対応をのりこえ、一律でしかも大幅な賃上げをかちとるために奮闘しよう。そしてまた、大企業経営陣による納入単価の切り下げに反対する闘いを、大企業で働く労働者と連帯して創造しようではないか。経営陣による超・長時間労働の強制に反対する闘いを、勤務間インターバル制度の導入などを条件にして闘いを裏切っている「連合」指導部の腐敗した対応を暴きだし、安倍政権による労働時間規制撤廃に反対することをも同時に呼びかけながら、つくりだしていかなければならない。
 すべての革命的・戦闘的労働者諸君! わが反スタ魂で奮い立ち、「連合」指導部の腐敗した対応や、「内部留保の社会的還元」などという代案を宣伝しながら春闘を統一地方選の集票活動に収斂している日共中央盲従の「全労連」幹部の腐敗した対応を、断々固左翼的にのりこえ、一五春闘の戦闘的高揚をかちとるためにさらに奮闘しようではないか!
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大手私鉄の超低額回答=妥結を許すな

 大手私鉄の回答指定日であった三月十九日に、大手私鉄経営者は各社ごとの交渉において今春闘の賃上げ回答を提示し、大手私鉄諸労組のダラ幹どもはこれに直ちにとびつき妥結=闘争収拾に向かった。
 今回の大手私鉄回答では、昨年よりもいわゆる「ベースアップ」回答を提示した企業が増え、大手私鉄経営者の多くが、形のうえでは政労使会議で確認された「賃上げ」要請に応じる姿勢をしめしたといえる。昨年は「ベア」には応じず、解決一時金や年間臨時給(一時金)をプラスアルファするという方式をとった企業のいくつかが、今回はこうした一時金支給を削減してわずかではあれ「ベア」を認める方式をとったのである。けれども、「ベア」回答の内実は数百円から多くて二〇〇〇円程度というまったくの超低額でしかない(電機なみの三〇〇〇円は阪急のみ)。
 要するに、内需の回復・拡大を渇望している大手私鉄資本家どもは、安倍政権の賃上げ<ードの煽りたてに呼応して、「ベア」回答の演出の一端をになってみせたのだ。彼らは、賃金支払い形態を「仕事・役割・貢献度」重視のものに改変し徹底することによって総額人件費をあくまでも抑制・圧縮しつつ、こうした「ベア」回答をおこなったのだ。それゆえ、ほとんどの労働者にとって生活の困窮をなんら打開できない「賃上げ」でしかないのである。
 にもかかわらず私鉄総連中央は、「大手組合の固い決意と交渉力」によって「全ての組合で定昇相当分もしくは昨年実績を確保したうえで、実質的な上積みを引き出した」などと自讃し、貧窮に苦しむ労働者の現実からかけ離れた腐敗した姿をさらけだしている。総連中央および大手諸労組ダラ幹のこの裏切りを許すな! 中小私鉄諸労組の春闘を戦闘的に実現せよ!

一五春闘勝利! 大幅一律賃上げ獲得!

私鉄総連中央の交通政策要求運動への埋没を弾劾し闘おう

 いま一五春闘は危機的な状況にある。
 ネオ・ファシスト安倍政権は、憲法改悪の意志を鮮明にし、日本をアメリカとともに世界中で戦争をやれる軍事強国に飛躍させるために邁進している。「イスラム国」による日本人人質の殺害、これを最大限に利用して、「対テロ戦」への参戦に踏みきろうとしている。<軍国日本>再興のための策動を強めつつ、その経済的基盤の構築を狙って、アベノミクス諸施策を強行的に貫徹しようとしている。安倍はいま労働時間規制を葬りさるために時間無制限・残業代ゼロ労働≠合法化しようという画歴史的な攻撃をかけてきている。全世界の労働者階級が血みどろの闘いによって勝ち取ってきた基本的権利の剥奪を断じて許すわけにはいかない。
 アベノミクスの破綻が露わとなるなかで、政府・独占資本家どもは今春闘にむけて、昨年暮れの政労使会議において「連合」労働貴族に生産性向上への協力を誓わせるとともに、賃金支払い形態を「仕事・役割・貢献度を重視した賃金体系」へと改変することに合意させた。
 私鉄のたたかう労働者たち!
 安倍が賃上げムード≠あおり、労使がこれに呼応する、この屈辱的な春闘の再現を絶対に許すな! この危機を突破するために全力でたたかおう!
 「連合」労働貴族とそれに追随する私鉄総連中央の腐敗を弾劾し、ネオ・ファシスト安倍による<戦争とファシズムと貧困>の強制に反対し、<アベノミクス粉砕・大幅一律賃上げ獲得・ファシズム反対>の旗のもと、今春闘の戦闘的爆発を実現しよう!

(以下、見出し)

一 賃金抑制・労務管理強化の攻撃

  A 私鉄・バス資本家による「日勤教育」の常態化

  B 産業・企業発展のための春闘≠ヨの歪曲

二 「他産業との格差改善」要求の欺瞞

  A 超低率・超低額の賃上げ要求

  B 労働者を生産性向上にかりたてる総連ダラ幹

  C 統一ストライキの放棄

  D 地方・国政選挙運動への埋没

三 大幅一律賃上げ獲得・ファシズム反対をかかげ闘おう
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一五春闘から離脱≠オた基幹労連指導部を弾劾せよ

鉄鋼「課題解決型労使交渉」の反労働者性

 鉄鋼、造船重機、非鉄金属ならびに建設産業の各企業労組で構成する基幹労連(委員長・工藤)は、一五春闘において産別統一要求として「賃金改善」を掲げていない。「連合」が「二%以上の賃上げ」要求を決定し、そしてまた自動車・電機・鉄鋼・造船・金属機械などのJCM(金属労協)も「六〇〇〇円以上の賃上げ要求基準」を決定したにもかかわらず、これに従わずに「産別自決」を持ち出して、離脱する≠アとを公然と表明したのが基幹労連指導部なのである。
 彼らは、「好循環の実現! 確かな未来へ」をメインスローガンに掲げて二月十八日に開催した第十二回中央委員会において、「一五年度分の賃金改善は昨年すでに妥結している(たったの一〇〇〇円でだ!)」だの「(その時に考慮してきた)環境条件には特段の変化がない」だのと居直って、「二年サイクルの『個別年度』として『年間一時金』『格差改善』を中心に取り組む」ことを決定したのだ。こうして、基幹労連傘下の労働組合で「賃金改善」にとりくむのは約三割にまで激減し、しかもそれは単年度ごとの要求をしている業種別部会の中小企業労組だけなのである。
 「環境条件に特段の変化がない」とはなんだ! 厚生労働省の発表でも、二〇一四年の実質賃金は二・五%も減少しているではないか。基幹労連の労働貴族どもは、労働者・組合員の生活苦などまったく歯牙にもかけていないのだ。
 実質賃金の大幅な低下は、昨春闘を主導した労働貴族どもが「政労使合意」に依拠し、「経済の好循環実現」なるものを名分としてとりくんできたこと、この反労働者的な裏切りのゆえなのである。にもかかわらず許しがたいことに、この屈辱的な事態が、一五春闘においてもくりかえされようとしている。「連合」指導部は、政府・経団連と口裏を合わせて、消費税の増税分は、国民みんなで生活を切り詰めるのだ≠ニ言わんばかりの屁理屈をこねているではないか。そして「好循環の実現」を名目とした賃金制度の見直しや労働法制改悪の攻撃に、彼らは膝を屈しているではないか。われわれは、労働貴族どもによって牛耳られた既成労組指導部のこのような反労働者性を暴きだし彼らの裏切り的指導をのりこえて、一五春闘を戦闘的にたたかうのでなければならない。
 いまこそ日本労働運動を下から活性化し、転機を創造すべきなのである。われわれは、基幹労連右派労働貴族どもの支配と統制のもとでニヒル感におそわれてもいる組合員大衆に再出発の決意をうながす思想闘争を、生産点・職場において下から組織する、という決意に燃えて<いま・ここ>から開始するのでなければならない。そのために、賃上げ要求を放棄した基幹労連の「AP(アクションプラン)一五春季取り組み」方針の反労働者性を、そして同時に鉄鋼大手企業労組の指導部が展開している「人への投資」論にもとづく「課題解決型の労使交渉」なるものの犯罪的な実態を具体的に暴きだしていきたい。

(以下、見出し)

T 賃上げ要求を放棄した「AP(アクションプラン)一五春季方針」

 軍需生産・武器輸出の拡大を請い願う労働貴族

U 鉄鋼大手における「課題解決型の労使交渉」の犯罪的実態
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労働者に生涯派遣を強制する

派遣法改悪を絶対阻止しよう

 安倍政権は、三月十三日に、ついに労働者派遣法を改悪する法案を閣議決定し国会に上程した。
 この派遣法の改悪は、派遣労働者を一挙に増加させ・かつ生涯派遣においやる攻撃にほかならない。安倍政権は同時に、今国会において労働時間規制の適用除外(エグゼンプション)を制度化する労働基準法の改悪をもなしとげようとしている。われわれは、資本家どもの要求に積極的に応えた安倍政権のこの労働諸法制の大改悪の攻撃を粉砕するために、断固としてたたかうのでなければならない。

(以下、見出し)

A 派遣労働者拡大と生涯派遣の促進

B 労働分野における「戦後レジームからの脱却」

 禁止されていた労働者派遣を解禁・自由化

C 既成指導部の闘争歪曲をのりこえ労働諸法制改悪阻止に起て!
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人民総監視・総管理のための

マイナンバー制度を許すな

16年本格運用に突進する安倍政権

 「アメリカとともに戦争をやれる国づくり」に突進する安倍ネオ・ファシスト政権は、二〇一四年十二月十日に特定秘密保護法を施行し、労働者・人民を監視し・あらゆる情報を日本版NSCのもとに一元的に統制する体制の構築に狂奔している。この策動と軌を一にして安倍政権は、二〇一六年一月から「共通番号(マイナンバー)」制度の運用を本格的に開始することをたくらんでいる。
 「マイナンバー」制度とは、個人一人ひとりに固有の十二桁の共通番号を付し、この番号により種々の「個人情報」を収集・管理し、また、法人(企業・団体など)にも十三桁の固有の新番号をわりふり、資金の動きなどからそれらの諸活動を政府が把握するものである。その本格的な運用に向け、現在、政府・自治体ではシステム改修や「個人情報保護評価書」づくりなどをおこなっている。企業・団体などでも、給与を支払うすべての労働者の「マイナンバー」を収集し、源泉徴収票などにこの番号を記載するための準備を進めている。安倍政権は、特定秘密保護法に規定する「特定秘密取扱者」の「適性評価」調査にも「マイナンバー」を利用しようとしているのだ。共通番号制度の本格稼働を許してはならない!


(以下、見出し)

「小さく産んで大きく育てる」――利用拡大の企み

ネオ・ファシズム支配体制の強権的な強化に反対しよう
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日出生台実弾砲撃演習阻止! 2・26 大分
 米軍物資陸揚げに抗議の拳
 アメリカ・オバマ政権は、安倍政権の協力のもとに、三月二日から大分県の日出生台演習場において在沖米海兵隊による実弾砲撃演習を実施するために、二月二十六日、演習用の物資・車両の陸揚げを大分港東部の大在埠頭において強行しようとしていた。鹿児島大学のたたかう学生たちは、この米軍物資・車両の陸揚げを阻止する現地闘争に、大分県平和運動センターの労働者とともに決起した。
大分港大在埠頭から日出生台演習場へ向かう米軍車両に抗議(2月26日)
埠頭に隣接する公園で抗議集会(2月26日)
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全学連第138回中央委かちとる 3・16〜17
 三月十六・十七日の両日、全学連は首都・東京において第一三八回中央委員会を実現した。
 米日両権力者は、四月下旬からの安倍訪米―日米首脳会談をば、台頭する中国の抑えこみや「イスラム国」の壊滅を「共通戦略目標」とする文字通りの<グローバル・アライアンス>として、日米新軍事同盟を飛躍的に強化する跳躍台たらしめようとしているのだ。
 この重大な局面において全学連は、「反安保」を放棄した日共翼下の既成反対運動をのりこえ、「新ガイドライン策定阻止」「侵略戦争法制定阻止」「辺野古新基地建設阻止」の闘い、憲法改悪阻止闘争の巨大な前進を切り拓くための橋頭堡を確固としてうち固めたのである。
安倍ネオ・ファシスト政権打倒へみなぎる決意(3月16日、東京)
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高浜原発再稼働阻止に3500が決起
 3・8「さよなら原発関西アクション」
 三月八日、大阪市北区の扇町公園に三五〇〇名の労働者・学生・市民が結集し、「さよなら原発関西アクション」が開催された(主催は同実行委員会)。この日は「平和人権センター」系・「全労協」系・「全労連」系の各労組がナショナルセンターの枠をこえて結集し、原発再稼働に突進する安倍政権にたいする怒りの声を大阪市街に轟かせた。神戸大学と奈良女子大学のたたかう学生たちは、たたかう労働者と連帯してこの日の集会とデモの戦闘的な高揚をかちとるために奮闘した。
神戸大・奈良女子大の闘う学生が労働者・市民とともにデモ(3月8日、大阪)
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