第2358号(2015年3月9日)の内容
<1面>
反ファシズム春闘の高揚を!
安倍政権・独占資本家に追従する「連合」指導部を弾劾せよ
<4〜5面>
アベノミクスを尻押しする「連合」指導部を弾劾せよ!
――『2015連合白書』批判――
<2面>
東電福島第一原発
汚染水流出の隠蔽・放置弾劾!
新兵器開発に狂奔するアメリカ
<3面>
米軍の不当逮捕に怒り爆発
新基地建設阻止! 5000人が大結集
――2・22沖縄県民大集会 辺野古――
県学連・全学連が決起集会 2・22
――早朝、弾薬庫ゲート前
<6面>
辺野古集会参加決定に大歓声
2・18「連合沖縄」春闘開始宣言集会
Topics トヨタが相も変わらぬ低賃金強要と下請けイジメ
<7面>
特別手当0.3ヵ月
JP労組本部の超低額妥結を許すな!
郵便年末年始繁忙期
労働者に極限的な労働強化
<8面>
党建設に向けて頑張りたい
12・7政治集会に参加して
『革マル派五十年の軌跡』第一巻を学習して 〈下〉
週間日誌は7面に掲載
「解放」最新号
反ファシズム春闘の高揚を! 安倍政権・独占資本家に追従する「連合」指導部を弾劾せよ
アメリカ帝国主義主導の「対テロ戦争」に参戦する野望を燃やしている第三次安倍政権は、「イスラム国」(IS)による日本人人質殺害事件を活用して「テロとの戦い」を叫びたてながら、五月連休明けにも侵略戦争法の諸法案を今国会に上程しようとしている。この政権は、いよいよ改憲の発議を来年の参院選後にも実施することを射程にいれ、そのための作業をいま急ピッチでおしすすめてもいるのだ。 しかも安倍政権は、時間無制限・残業代ゼロ≠フ日本版エグゼンプション制度を導入する労働基準法改悪についにうってでた。労働者階級が血みどろの闘いをつうじてかちとってきた労働時間規制の権利を根底から破壊し、労働者を無権利状態に叩きこみ、労働組合を破壊するこのファシズム的攻撃を、われわれは、日本労働者階級の未来をかけて絶対に打ち砕くのでなければならない。 だが、安倍政権が次々と打ちおろしてくるネオ・ファシズム反動総攻撃をまえにして、腰砕けになっているのが「連合」古賀指導部なのだ。彼らは、一五春闘を「経済の好循環実現」のための取り組みと称して、アベノミクスを尻押しするものにおし歪めている。過年度物価上昇率にも満たないわずか「二%以上の賃上げ」要求を、政府・独占資本家どもとの談合≠ノふまえて掲げているにすぎない。安倍政権による労働諸法制大改悪の攻撃にたいしては、「反対」を唱えはするものの、その実「長時間労働規制」の代案の採用を安倍政権に乞い願っているにすぎないのだ。 他方、「全労連」の日共系指導部は、「経済の好循環を真に実現する」ためには「大企業の内部留保を社会的に還元して消費拡大を」という代案を宣伝し、その採用を安倍政権に請願する運動ヘと一五春闘を解消しようとしている。 われわれは、アベノミクスを尻押しする「連合」古賀指導部を徹底的に弾劾し「全労連」指導部による日共の政策宣伝と統一地方選に向けての票田開拓への歪曲を許さず、一五春闘を「アベノミクス粉砕・大幅一律賃上げ獲得・ファシズム反対!」の旗高く戦闘的にたたかうのでなければならない。われわれは、「侵略戦争法制定阻止!」の反戦反安保闘争や原発核開発反対の闘いを、一五春闘と同時的に推進しなければならない。これらいっさいの闘いを集約して、労働者階級のヘゲモニーのもとに反ファシズム統一戦線を構築し、安倍ネオ・ファシスト政権打倒に向けて進撃しよう! 以下見出し 労働者人民に<戦争と貧困>を強制する安倍政権 「岩盤規制破壊」の名による諸権利剥奪 企業収益増大・賃上げ抑制に狂奔する独占資本家 賃上げ抑制に協力し労働諸法制改悪攻撃に屈服する「連合」指導部を弾劾せよ 大幅一律賃上げ獲得! 一五春闘の戦闘的高揚を! |
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アベノミクスを尻押しする「連合」指導部を弾劾せよ! 政府・独占資本家との合奏==w連合白書』 1 安倍式「政労使会議」に取り込まれた労働貴族ども 「連合」古賀指導部は、安倍政権が二〇一三年に引き続いて開催した「政労使会議」(二〇一四年九月から十二月にかけて四回開催)に喜び勇んで参加し、安倍政権や経団連などの経営者諸団体の独占資本家どもとともに、「経済の好循環の継続に向けて〔政労使が〕一致協力して取り組む」ことを誓い合った。十二月十六日の「第四回政労使会議」の場で公表された合意文書には、@「政府の環境整備の取組の下、経済界は、賃金の引上げに向けた最大限の努力を図る」こと、A「労使は、仕事・役割、貢献度を重視した賃金体系にすることや子育て世代への配分を高める方向へ賃金体系を見直す」こと、B「労働の付加価値生産性の向上」をはかること、C「政労使一体となった休み方改革」「個々人の時間を豊かにする働き方改革」の推進、などが盛りこまれた。 こんにち、アベノミクス諸政策の破綻はますます露わになっている。一方では、一部の大企業・富裕層に富が集中している。その他方では、多くの労働者人民は物価だけが上昇し賃金が上がらない≠ニいう最悪の事態(実質賃金の低落化)にさいなまれ生活苦にあえいでいる。労働者人民は、安倍政権への不満と不信と怒りの声をあげている。「政労使会議」を開催した首相・安倍は、誰の目にも露わとなったアベノミクスの破綻をのりきるために、「アベノミクスの恩恵が行き渡る」などというデマをふりまきながら、独占資本家どもに「賃上げに最大限の努力を」と要請して見せたのだ。二〇%台への法人税大減税という「環境整備」と引き換えにして。そして「賃上げへの最大限の努力」をエサにして、「連合」古賀指導部にたいしては、独占資本家どもの「賃金体系の見直し」などの要求の受け入れを迫ったのである。 これにたいして「連合」古賀指導部は、「最大限の賃上げの努力」の約束に飛びついて、「仕事・役割、貢献度を重視した賃金体系」や、「生産性向上」や、「新しい労働時間制度」の含みをもつ「休み方・働き方改革」にかんする政府や独占資本家どもの施策の受け入れを誓約した。この会議で「生産性向上の国民運動の推進」を提唱した自動車総連会長・相原は、安倍政権閣僚・独占資本家どもから拍手喝采を浴びたほどなのだ。それだけでなく彼らは、一五春闘に向けては、過年度物価上昇率(三・二%=日銀見通し)のうち消費税増税の影響分(二%)は賃上げ要求には加算しないこと≠、政府・独占資本家どもとのあいだで腹合わせ≠オたのである。こうして彼らは、春闘史上初めてという、過年度物価上昇率に遠くおよばない「二%以上」という「賃上げ要求」をうちだした。なんたる大裏切り! 安倍政権は、一方では平和フォーラム系の護憲・平和運動を中心的に担っている日教組や自治労などの公務員諸労組を破壊する策動を強めるとともに、他方では、「連合」の労働貴族どもが牛耳る民間諸単産を「連合」から分裂させることを企んで、「連合」会長・古賀をはじめUAゼンセン会長・逢見、自動車総連会長・相原ら右派労働貴族ども――かの櫻井よしこが「民間労組は官公労と決別し、連合を分裂させよ」とけしかけた部分――を「政労使会議」に招請したのである。この安倍政権に恭順の意を表明したのが「連合」労働貴族どもなのである。 「瑞穂の国の資本主義」を唱える安倍へのすり寄り <軍国日本>再興への加担 2 安倍政権の「日本再興戦略」を補完する「政策・制度要求」 ネオ産業報国会の新たな理念=「価値創造参画社会」なるもの 3 実質賃金の低下を容認した「賃上げ」要求 実質賃金低下をたくらむアベノミクスの尻押し |
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東電福島第一原発 汚染水流出の隠蔽・放置弾劾! 政府・東電・規制委の居直りを許すな 二月二十四日、福島第一原発から大量の汚染水が流出しつづけていることが、またしても明らかになった。 東京電力の発表によれば、四基の原子炉の山側を通り外洋に通じている「K排水溝」から、雨水とともに大量の放射性物質が流出していた。とりわけ、2号炉建屋の大物搬入口の屋上には、1g当たり二万九四〇〇ベクレルの放射性セシウムや五万二〇〇〇ベクレルのベータ線を出す放射性物質(ストロンチウムなど)を含んだ高濃度の汚染水がたまっており、これが降雨のたびに排水溝に流れだしている。K排水溝の流量は一日当たり約一七〇〇dもあり、通常でも規準値を超える放射性物質を含んでいるだけでなく、昨年八月には、基準の数十倍の高濃度を測定していたのだ。 東電経営陣は、一三年十一月から汚染の事実を知り、昨一四年四月からは週一度の濃度測定をしていながらも、これを隠蔽していた。しかも「申し訳ない」と言うそばから、漏れつづけているのは「雨水であり」これは「管理対象ではなく、当社の基準では公表対象ではない」(福島第一原発所長・増田)などと居直っているのだ。 原子力規制委も、一三年十一月から汚染水流出を知りながら、「一五年三月までに濃度基準を下回るように」などと指導≠オて隠蔽に手を貸していた。こんにちにいたっても「あの〔福島第一原発の事故処理作業の過酷な〕状況のなかでは、コントロールできるような状況ではない」(委員長・田中)などと東電経営陣を擁護しているのだ。 そして、安倍内閣の官房長官・菅は、「港湾外の海水の濃度は法令告示濃度に比べ十分に低い。汚染水の影響は完全にブロックされている。状況はコントロールされている」と言い放った。菅は、安倍がIOC総会(一三年九月)で全世界に向かって大ウソをついた「アンダーコントロール」発言をなぞって、この程度の汚染水流出は取るに足らないものであり、対処の必要などない≠ニ公々然と宣言しているのだ。まさしく、今回の汚染水流出の隠蔽・放置は、政府・東電経営陣・規制委の三者がグルになってしでかした犯罪にほかならない。 福島県漁連の抗議をはじめとした批判の声の高まりを受けて、東電経営陣は、排水溝の出口を外洋から港湾内に付けかえるとか、溝にゼオライトを敷きつめるとかの対策をとるとうちだしている。しかし、港湾内に流したとしても港湾の海水は、一日で半分ほど入れ替わっているのであり、これらは世論を鎮めるためのアリバイ的応急対策でしかないのだ。 汚染水の大量放出を策謀 東電が汚染水流出を発表した、その約一ヵ月前の一月二十一日に、規制委は、原子炉建屋周辺の「サブドレン」と呼ばれる井戸からくみあげた汚染地下水を、「浄化」したのちに海に放出するという東電の計画を認可した。同時に、タンクに保管している六一万dにものぼる汚染水(一日に三〇〇dずつ増える)も、アルプス(多核種除去装置)で処理したのちに海に放出するという計画も、おおむね了承した。両方とも大量のトリチウム(三重水素)を含んでいることを承知のうえで、海に流せばすべて解決≠ニしているのだ。こうした徒輩にとってみれば、今回の汚染水流出など何の問題もないのである。 昨一四年八月の東電の発表によれば、現在でもなお福島第一原子力発電所からは、一日当たり五〇億ベクレルのストロンチウム90、二〇億ベクレルのセシウム137、一五〇億ベクレルのトリチウムが海に流出しているという。とどまるところを知らない海洋汚染・地球汚染が今なお進行中なのだ。これは幾世代にもわたって、日本人民に世界人民に甚大な被害をおよぼすにちがいない。 こうした事態に何の痛みも感じない犯罪者どもが、汚染の実態を隠蔽して「福島の復興」をあおり、原発再稼働・原発輸出に突進しているのである。 汚染水流出の隠蔽・放置弾劾! 政府・東電・規制委の居直りを許すな! トリチウム汚染水の海洋放出反対! 川内1・2号機、高浜3・4号機の再稼働阻止! すべての原発・核燃料サイクル施設を廃棄せよ! |
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2・22辺野古 米軍の不当逮捕に怒り爆発 新基地建設阻止! 五〇〇〇人が大結集 沖縄県民大集会 「米軍の不当逮捕許さんぞ!」「辺野古新基地建設を阻止するぞ!」「ボーリング調査阻止! 埋め立て阻止!」の大唱和が地鳴りのごとく米軍キャンプ・シュワブに轟きわたった。二月二十二日、午後一時から開催された「止めよう辺野古新基地建設! 国の横暴・工事強行に抗議する県民大集会」(主催「止めよう辺野古新基地建設実行委員会」)は、全県下から結集した五〇〇〇名の労働者・人民の怒りの坩堝と化した。 この日の朝、米軍警察(軍警備員)によって強行された山城博治平和運動センター議長ら二人の逮捕に労働者・人民の怒りは一気に爆発した。そのまっただなかで、県民集会は開催された。実行委員会は、「辺野古新基地建設阻止」と同時に、二人の不当逮捕を糾弾するものとして県民集会を開催した。そして県民集会終了後、多くの参加者が二人が勾留されている県警・名護署を包囲し「不当逮捕」を弾劾し断固としてたたかいぬいた。 わが県学連と全学連派遣団のたたかう学生たちは、米軍警察による山城議長らの不当逮捕を断固として弾劾し、「キャンプ・シュワブ撤去!」「安保破棄」を掲げ、この日の闘いの最先頭で奮闘した。また革命的・戦闘的労働者たちは、「連合」指導部を突きあげつつ職場深部から組合員を組織化し、この県民集会への大結集を下から実現した。わが同盟に指導された労働者・学生の奮闘によって、この日の闘いの大爆発がかちとられたのである。 刑特法を盾にした弾圧に抗議――キャンプシュワブ・ゲート前
この県民集会当日の午前九時過ぎ、キャンプ・シュワブ新ゲート前で五十名の労働者・学生・市民とともに辺野古新基地建設反対の抗議行動を展開していた沖縄平和運動センター議長の山城氏めがけて、基地内から突然現れた米軍警備員が背後から襲いかかって引き倒し、両足を持って逆さ吊りにして基地内に引きずりこみ、後ろ手で手錠をかけて拘束・逮捕するという凶暴な弾圧にでてきた。その際、山城議長を奪い返そうとしたもう一人の市民も米軍に不当に拘束・逮捕された。 ゲート前に引かれた「イエローライン」をわずかに「越えた」ということをもって「刑事特別法」を盾とし、県警機動隊の見ている目の前で、突然基地の中から出てきた米軍警察(軍警備員)が直接逮捕した。この異常な弾圧は、ゲート前におけるわが労働者・人民の闘いにアメリカの権力者がいかに恐怖と苛立ちを募らせていたかを示した。 たたかう労・学・人民の辺野古の陸と海での闘いによって資材搬入が阻止され工事日程がズタズタに寸断された。こうして基地機能そのものが麻痺させられていることに米国防総省は、苛立ちと憎悪を募らせただけではない。なによりもこの日の県民集会が「キャンプ・シュワブ撤去」の闘いとして燃えあがることを恐れたのだ。 この焦りに駆られた米軍警察による二人の不当逮捕の攻撃は、続々と結集してくる労働者・人民の燃えさかる怒りに火をつけた。「不当逮捕許さないぞ!」「仲間を返せ!」新ゲート前は、不当逮捕に怒る数百名の労働者・学生・市民で包囲された。県民会議の指導部も「もはやキャンプ・シュワブの撤去だ!」と叫んだ。 怒りのシュプレヒコールが響きわたるなかで、午前十一時ころから、集会参加者たちは「島ぐるみ会議」や各労働組合などがチャーターしたバス、一般の路線バスや自家用車で辺野古現地に続々と駆けつける。わが同盟の情宣隊は「不当逮捕を糾弾しよう」と呼びかけつつ、「辺野古埋め立て・新基地建設を阻止せよ!」「<すべての基地撤去・安保破棄>めざしてたたかおう!」と訴えたビラを配布した。参加者たちは「(不当逮捕は)絶対に許せない」と怒りに唇をふるわせながらゲート前に向かう。琉球大や沖縄国際大学生自治会、ヘリ基地反対協をはじめとした各市民団体ののぼりが林立する。学生・市民だけでなく、労働組合の旗を掲げた労組員たちも抗議行動に決起し、怒りの声をあげ始め、それは県民集会開始時間までひっきりなしに続いた。 連日果敢に海上での抗議行動を展開しているカヌーチームの数十名が、「辺野古ぶるー」のTシャツ姿でカヌーを担いでゲート前に到着するやひときわ大きな拍手が巻き起こる。「弾圧粉砕・仲間を返せ」の渦巻きデモは一段と盛りあがり今にも基地内に突入せんばかりに戦闘化する。県警機動隊は必死に阻止線をはる。労働者・学生・人民の怒りは倍加し、「弾圧粉砕・仲間を返せ」と唱和する声がますます高まる。 ゲートの反対側の歩道や、芝生のスロープには市民団体や各労組の旗・のぼりが林立し、ゼッケン姿の労働者や子供を連れた若い夫婦、年配の人たちがぎっしりと座りこみ、ゲート前での抗議闘争に呼応して拳をあげる。わが同盟のビラを隅から隅まで読み、大事にポケットにしまい込む労働者がいたるところで見受けられる。 集会開始時間の午後一時が迫った。司会が、「集会直前に仲間を米軍に奪われた。この不当拘束・逮捕に抗議する集会として、今日の県民大集会を成功させよう」と呼びかけ、県民大集会は怒りの集会として開始された。 「逮捕許さん! もう 基地撤去だ」の声轟く 集会の冒頭、怒りのシュプレヒコールが米軍基地に叩きつけられた。「米軍の不当弾圧を許さないぞ!」「刑特法適用粉砕!」「仲間を直ちに解放せよ!」「辺野古新基地建設を阻止するぞ!」「海底ボーリング調査の強行を許さんぞ!」――五〇〇〇名に膨らんだ集会参加の労働者・学生・人民の怒りの声が一つになり、キャンプ・シュワブ全域、そして辺野古沖から大浦湾一帯にまで怒濤のごとく轟きわたる。 まず共同代表の県議会議長・国会議員が挨拶に立った。喜納県議会議長につづいて挨拶に立った照屋寛徳衆議院議員(社民党)は、「海兵隊による仲間の不当逮捕を糾弾する。直ちに釈放せよ」、「沖縄はいつまでも国策に翻弄され、犠牲を強要されることを断固拒否し、人間の尊厳をかけてたたかいぬこう」と力強く呼びかけた。 日共の赤嶺政賢衆議院議員は、米軍の凶暴な弾圧にたいして「憲法で保障された表現の自由を侵害するもの」と弱々しく非難することしかできない。「オール沖縄の団結」を強調し、ただただ「県知事を先頭にして頑張ろう」と語ったのみである。その瞬間、ゲート前に陣取るたたかう部隊のなかから「安保の強化に反対しよう!」と強烈なヤジが発せられ、会場全体に凜と響きわたった。 つづいて、玉城デニー・仲里利信の両衆議院議員、糸数慶子参議院議員が発言した。 連帯挨拶に立った稲嶺名護市長が、「戦後七十年間も、県民は金網に囲まれた生活を強いられてきた。さらに一〇〇年以上も使える新基地をつくることは合点ならぬ」「強い力に抵抗できるのは唯一、市民・県民の団結だ。日本政府に突きつけていこう」と表明するや、会場から「そうだ!」の声が口々にあがった。 安次富ヘリ基地反対協共同代表は満身の怒りをこめて二人の仲間の不当逮捕を弾劾し、「もうすべての米軍基地を返してもらおう」と、基地撤去闘争への決起を呼びかけた。 最後に、大浦湾に面する瀬嵩地区で育った高校二年生の渡具知武龍君が発言した。彼は、政府・防衛局がゲート前の「テントの撤去」を通告してきたことにふれ、「本当に撤去されるべきはテントではなく米軍基地だ」ときっぱりと表明した。この訴えに参加者はひときわ大きな拍手と声援で応えた。 米軍警察は山城議長ら二人を四時間にわたりキャンプ・シュワブ内で拘束した後、県警・名護署に引き渡した。逮捕の容疑は刑事特別法違反であった。「団結ガンバロウ」の後、司会は、「不当逮捕された仲間の釈放をかちとるために、直ちに名護署へ抗議行動に向かいましょう」と全参加者に呼びかけた。 「仲間を返せ!」労・学・市民八〇〇が名護署を包囲
二人が勾留されている名護署には、県民集会参加者が続々と駆けつけた。その数は膨れあがり八〇〇名を超える労働者・学生・市民が、名護署を包囲した。名護署敷地内への正面入り口から、南側のブロック塀沿いに身動きできないぐらいぎっしりと立ち並び、「弾圧許すな! 仲間を返せ!」の大合唱が地鳴りのごとく鳴り響く。 わが県学連や全学連派遣団のたたかう学生たちも、次々とハンドマイクを手にして、ひときわ大きな声でシュプレヒコールの音頭をとる。「米軍と県警グルになった弾圧反対!」「ファシズム的弾圧反対!」「安倍を倒せ!」「仲間を返せ!」「日米安保の強化反対!」また、「この刑特法違反という弾圧攻撃の大もとには日米安保条約およびそれにもとづく日米地位協定がある。いまこそ、日米安保の強化に反対しよう!」と凜と響きわたる声で呼びかける。 平和運動センター加盟労組の組合員のみならず、「連合沖縄」傘下の労組に属する労働者たち、さらには「島ぐるみ会議」に結集する市民も多数駆けつけ、張り裂けんばかりの声でシュプレヒコールに唱和し、名護署に勾留されている二人を激励した。 さらに翌日の二月二十三日も午前九時から名護署前での抗議行動をくりひろげ、そしてついに同日午後八時前に二人を奪還した。 今こそ<全米軍基地撤去・安保破棄>めざして闘おう
米軍警察が、平和運動センター議長らを直接逮捕するというこの異常な弾圧攻撃は、わが革命的左翼を先頭とする沖縄の労働者・人民の闘いにアメリカの権力者がいかに震撼しているのかを示した。 ゲート前には連日百数十名〜二百数十名が結集し、一月中旬からは、ゲート前にテント小屋が設置され二十四時間の闘争態勢が構築された。そして、ゲート前の闘いにおいては、わがたたかう学生・労働者の闘いに支えられ、「ボーリング調査阻止! 辺野古埋め立て阻止! 新基地建設阻止!」のスローガンだけではなく、「キャンプ・シュワブ撤去!」や「安保破棄!」のスローガンもが響きわたっている。 この辺野古の闘いに危機意識を高じさせたアメリカ国防総省は、一月六日には、国防次官代理エステベスと国防次官補バトーらを派遣し大浦湾の海上やキャンプシュワブ・ゲート前の抗議行動を「視察」したのであった。そして、在沖米軍幹部とともに「抗議行動の排除」をめぐって協議し、「テントの撤去」などを日本政府に求めた。また米国防総省は二月二十二日の県民集会についても、「安全面において望ましくない」と日本政府に通達していた。それを受けて安倍政権は、警察庁や海上保安庁にテコ入れし弾圧体制を強化した。沖縄防衛局と国土交通省(北部土木事務所)も「二月二十六日までにテントを撤去せよ」と通告してきた(二月十九日)。 しかし、こうした安倍政権にテコ入れされた警察庁・沖縄県警や海上保安庁の凶暴な弾圧をもはね返して辺野古の陸と海における闘いはますます燃えあがる。このままでは、キャンプ・シュワブが数千人の労働者・人民に包囲され封鎖されてしまうといよいよ恐怖と憎悪を募らせたのが米軍当局であり、米国防総省であった。 二月二十二日の県民集会当日、「日本側がやらなければこちらが出て行くしかない」と、米国防総省の指示にもとづいて軍警察が直接のりだし、平和運動センター議長らの逮捕にふみきったのだ。だが日米地位協定にもとづく刑事特別法をふりかざした米軍によるこの凶暴な弾圧は、辺野古への新基地建設に反対してたたかっている労働者・人民の怒りの炎に油を注ぐこととなった。不当逮捕に怒る労働者・人民は、「不当逮捕糾弾」とともに、「もはやキャンプ・シュワブの撤去だ!」と叫び、「安保破棄」のスローガンを掲げた。そして、アメリカに尻を叩かれて弾圧体制を強化し、ボーリング調査の再開・辺野古埋め立て本体工事の強行を策す安倍政権への怒りをますます燃えあがらせ、「安倍政権打倒!」「ファシズム反対!」の声をあげている。 全国の労働者・学生諸君! いまや、わが革命的労働者・学生の奮闘に支えられた辺野古新基地建設阻止闘争の大衆的・戦闘的高揚は、日米安保同盟の根幹を揺るがしている。 こうした労働者・学生・人民の反対運動の盛り上がりに突き動かされて翁長県当局も、ついに「岩礁破壊許可区域外での大型コンクリートブロックによる珊瑚礁破壊」を理由に「岩礁破壊許可」の撤回に言及するなど具体的行動に踏みきる姿勢を見せ始めた。安倍政権は、この翁長県知事の抵抗にたいしても「すでに前県知事から許可されたこと」などと憎悪をむき出しにこれを拒否しようとしている。 中東地域や北アフリカ諸国で激発している「イスラム国」およびその支持組織による「テロ・ゲリラ事件」なるものを口実にして、安倍政権は、ここぞとばかりにオバマ政権と約束した日米新軍事同盟の「グローバル・アライアンス」としての構築・強化に血道をあげている。 われわれは、「オール沖縄」の名のもとに「保守層との共同」を自己目的化し「反安保」を放擲している日共指導部による闘いの歪曲をのりこえ、辺野古新基地建設阻止・埋め立て着工阻止の闘いを「日米新軍事同盟のグローバルな攻守同盟としての強化反対!」を掲げ反戦・反安保闘争として推進しその高揚を切り開いていかなければならない。この沖縄の闘いを突破口に<反安保>のうねりを全国からまきおこし、日米両権力者をして心底震撼せしめようではないか! 県学連・全学連が決起集会 ――早朝、弾薬庫ゲート前
二月二十二日、夜明け前の午前六時半、辺野古弾薬庫ゲート(第三ゲート)前に、たたかう学生たちが登場した。「安保粉砕! 基地撤去!」と大書した横断幕が基地ゲート前に掲げられた。真紅の全学連旗がライトに照らされて浮かびあがる。 司会の学生が米軍の車止め用コンクリートブロックに飛び乗り、フロートで覆われた大浦湾と米軍基地をにらみながらシュプレヒコールを開始する。「辺野古新基地建設阻止! ボーリング調査を実力で阻止するぞ!」 酒井全学連委員長が発言に立った。「わが闘いは米日両権力者を震撼せしめている。いまこそわれわれは新基地建設阻止にとどまらず、キャンプ・シュワブそのものを撤去させようではないか! この闘いを『反安保』を放棄する日共中央をのりこえ、日米新軍事同盟のグローバルアライアンスとしての強化反対の方向性を鮮明にしてたたかいぬこう!」「よし!」 つづいて、沖縄県学連の学生と全学連現地派遣団の学生がたたかう決意を述べた。海上で海上保安庁の弾圧に抗して最先頭でたたかっている船外機付きゴムボート「ポセイドン」を操縦する学生がボーリング調査を断固阻止する決意を力強く宣言した。 たたかう学生たちは最後に、団結がんばろうを三唱し、県民集会の大高揚をかちとるために最先頭で奮闘する決意をうち固めた。そして、弾薬庫ゲート前からキャンプ・シュワブのゲートまでの約一キロの道のりをデモ行進し、早朝のゲート前抗議行動に合流したのだ。 |
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