第2354号(2015年2月9日)の内容

<1面>
侵略戦争法の制定を阻止せよ
<軍国日本>再興に突進する安倍政権の総攻撃を粉砕せよ
<2面>
「イスラム国」による日本人人質の殺害を弾劾する
安倍政権の「対テロ戦」への参戦を阻止せよ!
<4面>
首都に反戦反ファシズムの烽火
 全学連が首相官邸・米大使館にデモ 1・24
<5面>
「辺野古新基地建設阻止!」
 7000人が怒りの国会包囲 1・25
安倍政権の暴走に反対する国会前行動 1・26
<3面>
沖縄・南西諸島における自衛隊増強の実態――日米共同の戦争準備
<6面>
Topics 経団連「労使フォーラム」
 政労使共謀の「賃上げ」宣伝
資本家に「内部留保の社会的還元」をお願いする「全労連」・労働総研
人権読本の廃棄処分を強制 福岡市教委
<7面>
アメリカ公務員労働組合にたいする破壊攻撃を許すな
8面:万華鏡2015――情勢の断層を読む
 ◇「反緊縮」政権の誕生
 ◇ヴォイス・オブ・アベ
 ◇戦後70年・安倍詭弁
『新世紀』最新号(第275号)紹介
週間日誌は6面に掲載
 「解放」最新号 





































  


侵略戦争法の制定を阻止せよ

<軍国日本>再興に突進する安倍政権の総攻撃を粉砕せよ

カヌー隊と連帯し岸壁から工事強行に抗議の声をあげる沖縄県学連の学生たち
(1月29日)
トンブロックを投下する大型作業船に肉迫するカヌー隊
(1月29日)
 一月二十六日に開幕した今通常国会において安倍政権は、「集団的自衛権行使容認」の閣議決定にもとづく「関連法の整備」=侵略戦争遂行法の制定をなにがなんでもなしとげようとしている。この政権は、日本を世界中のどこででも・いつでもアメリカとともに戦争をやれる国≠ヨとおしあげるために血眼となっているのだ。おりから「イスラム国」が強行した反人民的な日本人の人質殺害事件。これを最大限に利用して安倍政権は、「テロリストに罪を償わせるために国際社会と連携していく」などとヒステリックにわめきたて、「テロとの戦い」の名による「イスラム国」掃討戦への参戦に踏みきる意志をむきだしにしているのだ。
 安倍政権は同時に、アメリカ帝国主義のオバマ政権の要求に全面的に応えて、対中国戦争のみならず「対テロ戦争」を最前線において担う米海兵隊の出撃基地を、沖縄の辺野古になにがなんでも建設しようとしている。沖縄全島にひろがる労働者・人民の基地建設反対の闘いを圧殺することを企んで、警察権力・海上保安庁による強権的な弾圧体制をとっているのがこの政権なのだ。
 すべてのたたかう労働者・学生諸君! ネオ・ファシスト安倍を頭とするこの反動政権の諸攻撃を打ち砕く決意も固く、わが同盟を先頭とする沖縄の、首都圏の、全国のたたかう労働者・学生は勇猛果敢に反戦反安保闘争に決起している。侵略戦争と暗黒支配と貧窮地獄に労働者・人民を突き落とす安倍政権にたいして、われわれは総力でたたかうのでなければならない。「テロとの戦い」を名分とした日米新軍事同盟の「グローバル・アライアンス」としての本格的構築・強化の攻撃を絶対に許してはならない。ところが、日共の不破=志位指導部は、「国際社会が一致してテロ組織に対処せよ」などと主張している。彼らは、「安倍内閣の暴走政治を止める」などと称しながらも、その実は「対テロ戦争」を煽りたてる安倍政権を事実上尻押しする犯罪的な対応をとっているのだ。われわれは、腐敗を深める日共翼下の既成反対運動をのりこえ、日米新軍事同盟の強化反対・改憲阻止の一大闘争にうってでるのでなければならない。

以下見出し

対「イスラム国」戦争に全面協力する安倍政権

米―中・露角逐下の戦争勃発の危機の高まり

 ウクライナ分割を狙うロシアの軍事攻勢

<反安保・反ファシズム>の戦列を拡大・強化せよ
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「イスラム国」による日本人人質の殺害を弾劾する

安倍政権の「対テロ戦」への参戦を阻止せよ!

(1)
 二月一日、「イスラム国」は人質として拘束していた後藤健二氏を殺害したことを発表した。一月二十四日に湯川遙菜氏殺害を発表したのにつづいて。王制国家ヨルダンを揺さぶるためのかけひきに後藤氏の生命を利用し彼の家族をも脅迫するという反人民的行為をくりかえした挙げ句の果てに、「イスラム国」は、ついに後藤氏をも殺害したのだ。われわれは「イスラム国」による日本人人質二名の反人民的な殺害を怒りを込めて弾劾する。
 政府権力者・支配階級と被支配階級・人民とを区別することもなく、みずからに対立する者すべてを「異教徒」と烙印して無差別的に殺害するという、「イスラム国」のこの非道な所業は、イスラムの精神にも背くものであって、われわれはこの蛮行を労働者階級の名において弾劾する。無差別のテロリズムによっては、イスラム世界の未来を切り拓くことは決してできないのである。
(2)
 われわれは同時に、「対テロ戦」を大義名分とする「有志連合」の「イスラム国壊滅」作戦への日本の安倍政権の参戦を絶対に阻止する。二月一日に首相・安倍は、「テロリストにその罪を償わせるために国際社会と連携していく」と叫び、「安保法制の整備」=侵略戦争法制定に突進している。われわれはこの策動を弾劾し、これを打ち砕くために断固としてたたかう決意である。
 そもそも今回の事件は、安倍ネオ・ファシスト政権が従来の中東政策を大転換し、アメリカ帝国主義権力者の同盟軍としての・かつイスラエル権力者の刎頸(ふんけい)の友≠ニしての姿勢を公然と明らかにしたことにもとづくのであって、われわれはこのことを断固として暴きだし、これを弾劾する。ネオ・ファシスト安倍は、<反米・反シオニズム>の旗のもとにたたかうすべてのムスリム人民への敵対者としてたちあらわれたのである。
 第一に、首相・安倍は、一月十七日から二十一日にかけて中東諸国を歴訪し、カイロで「積極的平和主義」の旗をうち振りつつ、「ISIL(イスラム国)とたたかう周辺各国に二億ドルの支援を約束する」と言明した(十七日)。しかも翌十八日には、首相・安倍はイスラエル首相ネタニヤフと抱きあい、「テロ対策で連携する」と宣言した。安倍政権はイスラエルに次期主力戦闘機F35の部品輸出をおこなうことすら画策しているのだ。
 第二に、そもそも安倍政権は、昨年八月から湯川氏が、そして彼の救出に向かった後藤氏が昨年十一月から「イスラム国」の人質になっていたことを知っていたにもかかわらず、あえて「有志連合国支援」を宣言し、彼らを見殺しにしたのだ。そればかりか、今年一月二十日以降も、人質を見殺しにしてきたみずからの犯罪的所業が露見するのを避けるために、後藤氏の母親の記者会見を抑えこもうとしたほどなのだ。
 安倍政権は「人質救出」の意志などはじめからもってはいない。それどころか逆に、彼らは、日本を「アメリカとともに戦争がやれる国」に雄飛させるためのテコとしてこの人質事件を活用しようとしたのだ。これが第三である。
 後藤氏殺害の公表直後に安倍は、「テロと戦う国際社会において、日本としての責任を毅然として果たしていく」と叫びたて、「有志連合」の一員として「人道支援」の名において米英軍を支援する意志を披瀝した。すでに一月二十九日の衆院予算委で安倍は、「邦人救出」のためには自衛隊の出動・武力行使が必要だ、そのためには自衛隊法をはじめとする安保法制の改定が必要だ、と強弁した。ここに彼らの階級的意志が端的に示されている。
 安倍政権は「集団的自衛権行使」の名における武力行使の第一歩を踏みだす、まさにそのためにこそ、アメリカ主導の「イスラム国」壊滅作戦に「有志連合」の一員として参加する意志を鮮明にしたのだ。二人の日本人は、この野望をたぎらせている安倍政権のイケニエに供されたのである。
 昨年十二月の総選挙をつうじて成立した第三次安倍政権は、今まさに労働者人民に反動総攻撃をかけてきている。われわれは、「集団的自衛権行使」の名による海外出兵=武力行使を絶対に阻止するのでなければならない。
(3)
 同時にわれわれは、全世界のムスリム人民に訴える。すべてのムスリム人民は、テロリズムに陥っている「イスラム国」の錯誤をのりこえ、今こそ<反米・反シオニズム>の旗のもと、宗派・民族の違いを超えてイスラミック・インター‐ナショナリズムにもとづいて団結し闘争せよ。
 カリフ≠自称するバグダーディを頭とする「イスラム国」の指導部は、これまでも「有志連合」に加わっている諸国のジャーナリストやNGO職員、さらにはトルコ政府職員などを人質として捕らえ見せしめとして殺害したり、多額の身代金をせしめたりしてきた。それのみならず、シリア東部からイラク北部にまたがる支配地域内では、彼らに支配されることを潔しとしない部族の勤労人民を処刑したり、異宗派・異教徒の女性を奴隷≠ニして売買したりすることすらおこなっている。
 たしかに彼らは、米・欧諸国による中東支配を打破し、サイクス・ピコ協定にもとづいてヨーロッパ諸国権力者が人為的に引いた国境線を超えるかたちで、「初期カリフ制」にもとづく「ウンマ」共同体を建設することを謳ってはいる。軍事制圧した地域ではイスラム法(シャリーア)にもとづく統治をおこなっていると表明してもいる。この「イスラム国」指導部のプロパガンダに惹かれて、イラク・シリアをはじめとするアラブ諸国や米欧諸国からもムスリム青年が「イスラム国」のもとに参集している。
 だが、「イスラム国」指導部が米・欧・日の国家権力とこれに支配されている労働者人民とを区別することなくテロの対象にしたり、異教徒のみならずイスラムの異なる宗派をも異教徒≠ニみなして無差別のテロをくりかえすかぎり、「イスラム国」は、帝国主義諸国権力者による中東支配にたいする・そして圧制と腐敗を深める中東諸国権力者にたいするムスリム人民の闘いの徒花≠ノ終わるしかないのである。
 われわれはすべてのムスリム人民にあらためて呼びかける。中東支配の再確立を企む米・欧(日)帝国主義の軍事侵略を許さず、イスラエルのネタニヤフ政権によるパレスチナ人民への暴圧を打ち破る闘いを断固として創造せよ。そして勤労人民への圧制を強化している自国権力を打倒する闘いを組織せよ。「反イスラム」の排外主義の嵐に抗しシリア・イラク空爆に反対してたたかう帝国主義諸国の労働者階級と固く連帯してたたかえ! たたかうムスリム人民はいまこそイスラミック・インター‐ナショナリズムにもとづいて団結し、<ウンマ=ムスリム共同体>の実現をめざしてたたかおう!
(4)
 わが同盟は、イラク・シリアへの空爆に狂奔している帝国主義諸国の労働者人民に訴える。イスラム国撲滅≠フためと称する「有志連合」の空爆は、イラク・シリアのムスリム人民を無差別に殺戮しているではないか! アメリカを中心とする「有志連合」諸国権力者は、これまで二〇〇〇回以上の空爆を強行してきている。いったいどれだけの無辜の民衆を殺したと思っているのか! まさしくこれは国家テロリズム以外のなにものでもない。
 想起せよ! アフガニスタンおよびイラクへの「ブッシュの戦争」を。「対テロ戦」の名のもとに帝国主義諸国権力者が強行してきた幾十万人にもおよぶ殺戮を。見よ! パレスチナ人民にたいするイスラエル権力者のジェノサイドを。これらの軍事侵略によって親兄弟・仲間を殺されたムスリムの青年が「イスラム国」に参加しているのだ。まさしくアメリカをはじめとする帝国主義の国家テロリズムによる無差別大量殺戮にたいする怒りと悲憤のるつぼの中から、「イスラム国」という鬼っ子≠ェ生みだされたのである。
 こんにち、米欧の帝国主義諸国権力者は、ムスリムの「テロル」に怯えつつ、「イスラムは自由の敵」と描きだすことに躍起になっている。中洋・アラブ世界においてみずからが暴虐の限りを尽くしてきたことには頬被りをして。まさにそれは、西欧出自の<自由・人権・民主主義>なるブルジョア・イデオロギーを絶対化し、これを力ずくで押しつける西欧中心主義=「西毒化」の証左なのである。
 欧米の諸国では新自由主義的経済政策によって貧富の格差がますます拡大している。その最底辺でうめいている勤労人民の多くはイスラムを心の支えにしている移民労働者とその子女なのである。彼らは資本家の強搾取にさらされているだけではなく、社会的にもさまざまの差別に耐えている。このミゼラブルな事態は、根本的には階級対立にこそもとづくのである。
 帝国主義国内部の労働者階級・人民は、<自由・人権>思想の虚偽性を暴きだし、ムスリム人民にたいする自国帝国主義の戦争と略奪、貧困強制と抑圧に反対せよ。
 わが同盟は、「アメリカとともに対テロ戦争を戦う国」へと日本国家を雄飛させる野望をたぎらせている安倍政権を弾劾する! 中東派兵策動を阻止し、「安保法制の整備」=侵略戦争法制定を阻止するために死力を尽くす決意である。安倍政権に「テロ対策」を尻押しするにすぎない野党、とりわけ安倍政権にたいする批判を封殺し「国際社会の結束」(米・英・日の権力者のことだ!)を尻押しする日本共産党・不破=志位指導部の腐敗を弾劾せよ。
 全世界人民に呼びかける。「対テロ戦」の名において米・欧帝国主義諸国権力者やイラク・シリア周辺国権力者がおこなっている空爆を許すな。たたかうムスリム人民と連帯し、国際的な反戦闘争を巻き起こせ!
 プロレタリア・インターナショナリズムの深紅の旗をはためかせ、全世界の労働者・被抑圧人民は決起せよ。
(二月一日)
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1・24
首都に反戦反ファシズムの烽火
 
全学連が首相官邸・米大使館にデモ

横断幕・全学連旗を先頭に首都を席巻し安倍に痛打(1月24日、東京・港区)
「安保粉砕! 改憲阻止!」―闘志に満ちて進撃(1月24日)
 「日米新ガイドライン策定阻止! 憲法改悪阻止!」――通常国会開会が間近にせまった一月二十四日、全学連のたたかう学生たちは、首相官邸にたいする戦闘的デモンストレーションを断固うちぬいた。
 昨年末の総選挙において、マスコミへの国家統制を強化しウソとデマの限りを尽くすことによって自・公の与党で再び「絶対多数」の議席を占めた安倍政権は、このことをもって「二年間の政策のすべてが信任された」などと強弁しながら、いま労働者・勤労人民にたいして反動の牙をむきだしにしている。日米ガイドラインの改定と侵略戦争遂行のための「安保法制」の整備、そして辺野古新基地建設への猛突進。さらにこの政権はいまや、「歴史的チャレンジだ」(安倍)と叫びながら、「占領憲法」とみなした現行憲法の明文改定へと本格的に踏みだしているのだ。断じて許すものか! 第三次安倍政権の反動総攻撃を木っ端微塵に打ち砕くぞ!――この固い決意に燃えて、全学連は起ちあがった。
 いままさに沖縄・辺野古の地においては労働者・学生・市民が、県警・海上保安庁による凶暴な弾圧を打ち破りながら、安倍政権による海底ボーリング調査強行を実力で阻止する闘いを不屈にくりひろげている。新基地建設に突進する安倍政権の暴挙にたいする労働者・人民の怒りはいまや沖縄から全国へと燃え広がりつつある。そして困窮を深める人民は、アベノミクスによって雇用と賃金が改善したなどという安倍の宣伝の欺瞞性を体で感じ、安倍政権への怒りを高めつつある。
 だがしかし労働者・人民の闘いは、安倍政権の反動攻撃をことごとく容認している「連合」中央によって抑圧され、そしてまた議席増に浮かれ「現実的提案」の提示にいそしむ日共・不破=志位指導部によって歪曲されているのだ。こうしたなかで全学連は、一五春闘をたたかう戦闘的・革命的労働者と連帯して、第三次安倍ネオ・ファシスト政権にたいする反撃の烽火を首都中枢に噴きあげた。もってすべての労働者・勤労人民にたいして、安倍政権による<戦争と貧困と暗黒支配>の強制を打ち砕く闘いの行く手をさししめしたのである。

(以下、見出し)

「日米新ガイドライン策定阻止」の声高く進撃

<戦争と貧困と暗黒支配>の強制を許すな!
  ――決起集会

今こそ反ファシズム統一戦線の創造を!
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最新号紹介


 新世紀  第275号
  The Communist
2015年3月

2015年日本階級闘争を領導せよ――年頭の檄

 「イスラム国」掃討の「有志連合」に参加する意志をもむきだしにして、安倍政権は、日米新ガイドライン策定、侵略戦争遂行のための安保法制の制定、米軍辺野古新基地の建設に突進し、さらに日本国憲法を明文改定する野望をたぎらせている。この歴史を画する攻撃を打ち砕く総反撃の闘いに起て。その武器として『新世紀』第二七五号を贈る。
 巻頭、わが同盟議長・植田琢磨が「労働者階級の団結をうち固め安倍政権打倒へ進撃せよ」と題して力強い檄を発している。――わが同盟の「反ファシズム統一戦線結成」の呼びかけとその闘いは、日本の労働者・人民のなかに広く浸透している。いまこそ、プロレタリア統一戦線の核となるべきわが同盟を強大な前衛党として築くために、わが党組織づくりの原点にたちかえれ、と。そして、わが党組織をいっそう躍動的なものたらしめるために、われわれ一人ひとりが同志・黒田寛一の<実践の場所の哲学>を主体化し哲学的同一性をかちとること、指導者意識や被指導者意識などの組織建設における疎外された態度を打破するべきことを提起し、鼓舞している。
 ◆「激動する国際・国内情勢とわが革マル派の任務」(無署名)は、二〇一五年劈頭におけるわが同盟の決意と闘いの方向性を明らかにしている。昨年末総選挙における与党の勝利≠ニ第三次安倍政権の成立の日本労働者階級にとって意味するものを明らかにしつつ、政治ニヒリズムに落ちこんでいる労働者・人民をも広範に組織化し、「安倍政権のネオ・ファシズム反動攻撃を打ち砕く闘いを断固として展開せよ!」と提起している。
 論文はまた、二十一世紀の超大国へと台頭する中国と没落帝国主義アメリカとの力関係のドラスティックで構造的な変動を的確に分析するとともに、ウクライナ内戦の悲劇の根源を明らかにし、「イスラム国」の米・欧にたいする反逆の錯誤をもつきだしている。そして、新たな世界的大戦勃発の切迫に抗してプロレタリア・インターナショナリズムに立脚した国際的な反戦闘争に決起するべきことを訴えている。最後に論文は、われわれ自身のたえざる自己変革を基礎とした内部思想闘争を生動的に実現し、同志的信頼にもとづく強固かつしなやかさを兼ねそなえた強靭な組織を創造しよう、と力強く呼びかけている。
 ◆「安保同盟強化・改憲攻撃を打ち砕け」(中央学生組織委員会)は、安倍政権成立いらいの全学連の二年間の闘いを総括し、第三次安倍政権にたいする反撃の指針を提起している。日米両権力者の日米新軍事同盟を「グローバル・アライアンス」として構築する策動――日米新ガイドラインの策定と「安保法制の整備」という名の侵略戦争法の制定、これこそは、対中国の日米共同作戦だけでなく対「イスラム国」空爆などにも日本国軍を参戦させる道をひらくことを狙ったものだ、と論文は喝破している。そして、ネオ・ファシズム的反動攻撃を打ち砕く闘いの大爆発をかちとり、いまこそ安倍政権打倒に攻めのぼれ! と提起している。

米・中両国の分析を深化

 昨年十一月のAPEC首脳会議と米中首脳会談は、米・中の力関係の劇的大変動を露わにした。「世界の警察官」たりつづけることはもはや困難という現実的認識にたって「二十一世紀の超大国」と化しつつある中国とプラグマティックに瞞着しつつ伍してゆくのか、ブッシュ王朝℃梠繧フユニラテラリズムの残像にしがみついて軍国主義帝国の棍棒を振りあげつづけようとするのか――こうした対立をオバマ政権と共和党指導部が露わにしている。このもとで世界支配戦略の練りなおしをはかっているオバマのジレンマ≠浮き彫りにしているのが、「没落帝国アメリカの揺らぐ世界支配戦略」(猪方高昌)だ。
 「内部からの崩壊を開始した中国ネオ・スターリン主義」(水木章子)は、中国経済圏創出への本格的始動をAPEC首脳会議に焦点を合わせて分析し、中国共産党・習近平指導部の江沢民一派にたいする党内=権力闘争の勝利と習体制の確立を明らかにしている。さらに、中共第十八期四中全会でうちだされた「社会主義法治」なるシンボル、これが党そのものをも「管理・統治」の対象とし下部党員に習指導部への服従を迫るとともに、勤労人民にたいする強権的支配を一挙に強化することを狙ってうちだされていることを暴きだしている。
 ◆「日米共同の戦争マニュアルの策定=新ガイドライン中間報告」(植畑稔)は、日米両権力者が策定せんとしている新ガイドラインの核心をつきだしている。世界のどこででもアメリカとともに日本が戦争を遂行するための戦争マニュアルというべきものであり、日米新軍事同盟を文字通りの<グローバル・アライアンス>として本格的に構築・強化せんとするものだ、と。「『道徳』教科化による『愛国心』教育の一挙的強化」(無署名)は、<軍国日本>にふさわしい国家のために死ねる国民≠フ創出をたくらむ安倍政権が中教審に提出させた「道徳」教科化の指針、そのドス黒い企みを完膚なきまでに暴き、これを粉砕する指針を明らかにしている。原発再稼働にかんする三論文も、あわせ検討されたい。
 「ウクライナの悲劇を真に突破するために」(宮尾登)は、ウクライナ内戦にかんするロシアとウクライナの左翼諸党の主張を批判的に検討し、左翼の混迷を突破するためにはスターリン主義の超克が絶対に必要であることを明らかにしている。
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 「辺野古海兵隊新基地建設阻止!」  七〇〇〇人が怒りの国会包囲
国会議事堂に向け怒りのシュプレヒコール
(1月25日)
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安倍政権の暴走に反対する国会前行動 1・26
安倍政権にたいする怒りに燃えて国会議事堂に拳
(1月26日、国会前)
労組旗が林立し労働者の熱気あふれる
(1月26日、国会前)
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