第2319号(2014年5月19日)の内容

<1面>
「集団的自衛権行使」合憲化の閣議決定を絶対に阻止せよ!
<4〜5面>
「経済好循環実現」の名による安倍政権への屈服
 ――腐敗と危機を深めた「連合」14春闘
 中央労働者組織委員会

<2面>
「国民投票法改定案の採決阻止!」
 全学連が国会前で唯一決起 5・8

闘う学生が自民道連へデモ 4・26 札幌
与那国島への自衛隊配備に抗議 4・14 那覇
<3面>
神戸市街に反安保・改憲阻止の声 4・26
川内原発再稼働を阻止せよ
<6面>
搾取強化と労働者使い捨てを企む「限定正社員化」 ユニクロ
ファシスト党「国民戦線」の台頭とフランス左翼の混迷
Topics 安倍が英で法人税減税′言
<7面>
メーデーの戦闘的高揚めざし奮闘
 4・26「連合」 登壇した安倍に弾劾の嵐
 5・1「全労連」 日共中央の「保守層」迎合に怒り
 5・1「全労協」 改憲阻止・原発反対の声轟く
<8面>
万華鏡2014――情勢の断層を読む
 ◆幹事長のホンネ
 ◆リバランスでリバイバル
 ◆チョーク・ポイント
 ◆ハンガリーのシンゾー
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号





































  


「集団的自衛権行使」合憲化の閣議決定を絶対に阻止せよ!

 安倍政権は、「集団的自衛権行使」合憲化の閣議決定を今夏までになんとしてもなしとげるハラを打ち固め、いま猛然と反動攻勢にうってでている。五月十五日に発表されようとしている首相の私的懇談会・安保法制懇(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)の最終報告を受けて、安倍政権および石破の自民党執行部は、ただちに「政府基本方針」をうちだし公明党との与党間協議を開始することを宣言した。安倍・石破らの政府・自民党執行部は、「集団的自衛権行使」を容認することはできない、という姿勢をなお護持している公明党を抱きこみ屈服させることに躍起となっている。「やろうとしていることに差はない。埋まらない間隙ではない」(石破)などとうそぶきながら。
 安倍政権が全体重をかけて強行しようとしている「集団的自衛権行使」の合憲化を、われわれは絶対に許してはならない! この策動こそは、アメリカ国家とともに対中国侵略戦争を遂行しうる一流の軍事強国≠ヨと日本国家を飛躍させるための、かつ現行憲法第九条を実質的に葬り去ることを狙っての一大攻撃にほかならない。
 時あたかも、アメリカ大統領オバマがアジア歴訪を終えたその直後に、南シナ海の西沙諸島周辺海域において中国の習近平政権が突如として海底油田掘削作業を強行開始した。これに抗議するベトナム海上警察の警備艇にたいして中国海警局の監視船が再三にわたって体当たり攻撃をしかける、という事態が惹き起こされている(五月三日〜九日)。まさに一触即発の戦争的危機の高まり! この緊迫する情勢のただなかで習近平の中国は、プーチンのロシアとともに中露合同軍事演習「海上協力―2014」を、五月末から東シナ海の尖閣諸島北西海域で開始することを傲然と宣言しているのだ。
 ロシアとの同盟的結託の強化を基礎とした中国の軍事行動のエスカレートにたいしていよいよ危機感を募らせている米・日両国家権力者は、これに対抗して対中(・対露)軍事包囲網の構築にいよいよ拍車をかけている。とりわけ、中国への敵愾心をむきだしにしている安倍政権は、「中国の対外姿勢、軍事的動向は日本を含む国際社会の懸念事項だ」(五月六日、NATO理事会での演説)などと金切り声をあげながら、「積極的平和主義」の名のもとに「独自の抑止力」=敵基地攻撃能力≠有する軍事強国へと日本国家をおしあげることに躍起となっているのだ。
 すべての労働者・学生諸君! われわれは、安倍ネオ・ファシスト政権の「集団的自衛権行使」合憲化の閣議決定を断固として阻止する決意に燃えて、職場・学園・地域から闘いに総決起しようではないか! 南シナ海・東シナ海を焦点としていま一挙に熾烈化の様相を呈している米―中・露の核軍事力増強競争に断固として反対し、反戦反安保闘争の大爆発をかちとろうではないか!

以下、見出し

閣議決定の強行を企み奔走する安倍ネオ・ファシスト政権

南シナ海情勢の緊迫と米・日―中・露の軍事的角逐の激化

 対中軍事包囲網の構築・強化に狂奔するアメリカ

 「アジア新安保観」を旗印とした中露の同盟的結託強化

〈反安保・反ファシズム〉なき日共式「一点共闘」をのりこえたたかおう!
Top

  


「経済好循環実現」の名による安倍反動政権への唱和=屈服

――腐敗と危機を深めた「連合」一四春闘

中央労働者組織委員会

 安倍自民党政権が労働貴族の頭越しに「賃上げ」を叫びたて、これに独占資本家どもが応えるポーズをとり、この両者によってつくられた「賃上げ」ムードに促迫されて、「連合」労働貴族がしぶしぶ「月例賃金引き上げ」を求める。――このような労働貴族の腐りきった対応で始まった二〇一四春闘は、「官製春闘」などと揶揄されるほどの労組指導部の無指導と闘争抑圧のゆえに、――わが同盟と革命的・戦闘的労働者たちの奮闘にもかかわらず――総じて、消費税増税と物価高に直撃された労働者・人民にとっては実質賃金の低下分もとりもどせないような低額妥結で収束させられようとしている。われわれは、このような労働者・勤労人民を馬鹿にしきった妥協=妥結を満腔の怒りをこめて弾劾する!
 わが同盟は、安倍の「賃上げ」要請なるものがアベノミクスによる犠牲転嫁と消費税増税にたいする労働者・人民の反発をかわし労働法制の大改悪を労働貴族どもに受け入れさせるための術策であることを暴露しつつ、「連合」や「全労連」の指導部による「経済の好循環実現春闘」への歪曲をのりこえ、「大幅一律賃上げ獲得」のためにたたかうべきことを、すべての労働者に強く訴えた。各産業・企業諸労組の内部でたたかう革命的・戦闘的労働者たちは、各労組指導部が掲げた「一%賃上げ」要求の欺瞞性を暴きだしつつ、下から一四春闘の戦闘的高揚をつくりだすために創意的にたたかいぬいた。けれども、労働貴族の支配下にある民間大企業諸労組の多くは、資本家どもの提示したわずかばかりの「賃上げ」回答にとびついてただちに妥結する、というかたちでその闘いの矛を収めた。
 首相・安倍が自分の手柄ででもあるかのように吹聴する大企業正社員労働者の「賃上げ」などは、それじたい欺瞞に満ちたものであり、何よりも消費税増税によって一瞬にして吹き飛んでしまうような微々たるものでしかない。しかも多くの中小企業労働者や非正規雇用の労働者たちは、仰々しい「賃上げ」宣伝とは裏腹の過酷な低賃金のまま放置されている。二〇一四春闘は、安倍政権および独占資本家どもと産業競争力強化に資する賃上げ≠フ契りを結んだ「連合」労働貴族によって完全に裏切られ、その結果として労働者・勤労人民はさらなる強搾取と貧窮を強いられようとしている。
 獲得された「賃上げ」なるものの額の低さと欺瞞性からのみ、そのように言うのではない。春闘開始直前に「経済の好循環実現」に政・労・使が一丸となって協力するという誓約書(二〇一三年12・20政労使合意)に調印した「連合」労働貴族は、今春闘における名ばかりの「賃上げ」と引き替えに、傘下の組合員を、いや全労働者階級を、ネオ・ファシスト安倍政権の新たな攻撃の前に無防備でさしだしているではないか。
 見よ。首相・安倍は、いまや政府のおかげで賃上げができたのだからこんどは労働規制緩和を受け入れよ≠ニ凄みながら、時間無制限・残業代ゼロ労働≠フ合法化や「解雇の金銭解決ルール」の導入を傲然と宣言した。だが、このような挑戦状を叩きつけてきた安倍を、「連合」指導部は、なんと二〇一四年メーデー中央大会(四月二十六日)に恭(うやうや)しく招待し、「経済の好循環実現のためには経営者も労働者もない」などととうとうとしゃべらせたのだ。安倍に向かって発せられた囂々(ごうごう)たるヤジと弾劾の嵐から安倍を防衛≠オたのは、「連合」労働貴族にほかならない。この許しがたい事態こそは、「強い日本」「強い経済」の再興を呼号する安倍ネオ・ファシスト政権に屈服し政治的に媚びを売りはじめた「連合」指導部の腐敗の極みを、だからいまなおその軛のもとにネオ産業報国運動たらしめられている日本労働運動の危機の深刻さをしめしてあまりあるというべきではないか!
 すべてのたたかう労働者諸君! 安倍政権・独占資本家・「連合」指導部の三者共謀による「賃上げ」なるものの欺瞞性を暴きだせ。ネオ・ファシスト政権に「経済好循環実現」にむけての協力を誓約した「連合」指導部の反労働者性を徹底的に暴露せよ。そして、安倍ネオ・ファシスト政権による労働諸法制の歴史的大改悪と「集団的自衛権行使」の合憲化という二大攻撃をうち砕く壮大な闘いを全戦線から創造しようではないか。

以下見出し

T アベノミクス尻押し≠ヨの歪曲とそれをのりこえる闘い

 A 「政労使合意」のタガをはめられた「連合」労働貴族

 B イカサマの「賃上げ」回答

 C 「大幅一律賃上げ獲得」をめざしたわが革命的・戦闘的労働者の闘い

U 真正ネオ・ファシスト政権を支える産業報国会への転進

 A 安倍政権への政策的すり寄り

 B 「人への投資」論の全面開花

 C 国益ナショナリズムへの陥没

V 労働時間規制撤廃・解雇自由化を粉砕せよ! 今こそ日本労働運動の戦闘的再生を!
Top
 

   

川内原発再稼働を阻止せよ

核開発の野望を燃やす安倍政権の策動を打ち砕け

 マル学同革マル派 九州地方委員会

 四月十一日に安倍政権は、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ「原発再稼働を進める」と謳った新たな「エネルギー基本計画」を閣議決定した。これを号砲として安倍政権と九州電力経営陣は、いま九州電力川内原発1・2号機の今夏の再稼働にむけて猛突進を開始している。そして安倍政権は、これを突破口として日本全国の停止中原発の再稼働を一挙におしすすめようとしているのだ。
 すべての労働者・学生諸君! <原発大国・日本>の復活をたくらむ安倍政権が、東電福島第一原発事故への対処をおざなりにし、全国で燃えあがる原発反対運動を踏みにじって原発・核開発に驀進することを、われわれはこれ以上許してはならない。日共系の「エネルギー政策転換」要求運動をのりこえ、原発・核開発阻止闘争の爆発をかちとろう! いまこそ川内・鹿児島現地から、そして全国から川内原発再稼働阻止の闘いの戦闘的高揚をまきおこせ! 同時に、反戦反安保闘争・改憲阻止闘争・増税反対闘争の爆発をかちとれ! これらの諸闘争と原発・核開発反対闘争を合流させ、もって安倍ネオ・ファシスト政権打倒の一大奔流を創造せよ!

(以下、見出し)

再稼働に突進する政府・九電

新「エネルギー基本計画」にもとづく<原発大国>復活の企み

九州における再稼働反対闘争の高揚

日共中央のエネルギー政策転換要求運動をのりこえ闘おう
Top



  
「国民投票法改定案の採決阻止!」
 全学連が国会前で唯一決起 5・8
 五月八日、全学連のたたかう学生たちは、衆院憲法審査会での国民投票法改定案の採決を阻止するために、断固として国会前闘争に決起した。
国民投票法改定案採決に全学連が拳
(5・8、国会前)
改憲翼賛議会≠ニ化した国会に怒りの拳を叩きつける闘う学生
(5月8日、国会前)
Top
  
闘う学生が自民道連へデモ 4・26 札幌
 四月二十六日、北海道大学農学部学生自治会と帯広畜産大学のたたかう学生たちは、四月二十四日の日米首脳会談に反対してたちあがった首都圏の全学連の学生たちと連帯して、「STOP!『集団的自衛権行使』の合憲化 『戦争のできる国づくり』NO! 4・26全道学生のつどい・デモ」に起ちあがった。
北大農学部・帯畜大の自治会旗を翻し札幌中心部をデモ
(4・26)
Top
  
与那国島への自衛隊配備に抗議 4・14 那覇
 四月十四日、沖縄県平和運動センターなどが主催して「防衛省は『着工式典』をとりやめろ! 与那国島への自衛隊配備に反対する市民集会」が開催された。
与那国島からかけつけた住民を先頭に県庁前で闘う労・学・住民
(4・14、那覇)
Top
  
神戸市街に反安保・改憲阻止の声 4・26
 四月二十六日、神戸大と奈良女子大のたたかう学生たちは、「集団的自衛権行使」合憲化に突進する安倍ネオ・ファシスト政権への怒りに燃えて、自民党兵庫県連に抗議し神戸一の繁華街・三宮をデモ行進する関西学生怒りのデモにたちあがった。
安倍自民党に怒りを叩きつける学生たち
(4月26日、神戸)
Top
  
メーデーの戦闘的高揚めざし奮闘
 第85回メーデーの戦闘的高揚めざして奮闘
 第八十五回メーデーが全国各地で開催され、わが革命的・戦闘的労働者はこれを戦闘的につくりかえるために奮闘した。安倍ネオ・ファシスト政権はいま、労働者派遣法の大改悪や労働時間規制の撤廃などの労働法制の改悪に突進している。しかも彼らは、「集団的自衛権行使」を合憲化する閣議決定にむけての「政府方針」を発表しようとしている。
 この緊迫した情勢下にあるにもかかわらず、「連合」指導部はメーデー中央大会に労働者階級の不倶戴天の敵=ネオ・ファシスト安倍を招待したのだ。しかも労働貴族は「集団的自衛権行使」の合憲化を黙認する姿勢をおし通している。彼らは、本メーデーを、政・労・使一体≠ナの経済好循環℃タ現を謳歌する産業報国メーデー≠ニして変質させようとしたのだ。
 他方、日共系の「全労連」中央はどうか。彼らは「ストップ! 安倍『暴走政治』」を前面におしだしてはいる。しかしその内実は、「立憲主義守れの一点」での改憲論者との「共同」を傘下組合に強要したり、「賃上げによる景気回復」の要求が政府や財界・大企業を動かした≠ネどと、傘下労組員にアベノミクスへの幻想を煽ったりする体のものなのだ。「全労連」指導部はその修正資本主義的腐敗をますます色濃くしているのである。
 二〇一四春闘において大幅一律賃上げをかちとるために奮闘してきたわが革命的・戦闘的労働者は、本メーデーをこの日本階級闘争の危機を断固として突破し安倍政権打倒の烽火をあげるたたかうメーデー≠ニして実現するために奮闘した。わが同盟もこの闘いに呼応して反ファシズム統一戦線の結成を参加する労働者に呼びかけたのである。
  
登壇した安倍に弾劾の嵐
 4・26「連合」中央メーデー
安倍を招待した労働貴族への憤怒を込めて「団結ガンバロー!」
(4月26日、代々木公園)
メイン入り口付近で情宣
(4・26、代々木公園)
  
日共中央の「保守層」迎合に怒り
 5・1「全労連」中央メーデー
わが同盟の革命的檄に鼓舞され闘う決意を固める労働者たち
(5月1日、代々木公園)
わが情宣隊は参加者と精力的に交流
(5・1、代々木公園)
  
改憲阻止・原発反対の声轟く
 5・1「全労協」日比谷メーデー
安倍政権の極反動攻撃に危機感
(5・1、日比谷野音)
Top