第2308号(2014年3月3日)の内容

<1面>
大幅一律賃上げをかちとれ!
 労働法制改悪粉砕! 消費税大増税阻止!
 一四春闘勝利!「経済再生春闘」への歪曲を突き破れ

<4〜5面>
「好循環実現」を政府・独占資本家と唱和する「連合」労働貴族を弾劾せよ
<8面>
2・9労働者総決起集会 第2基調報告
 <軍国日本>復活を企む安倍政権の反動総攻撃を打ち砕け

<6面>
Topics 安倍の賃上げ要請≠ヨの幻想をあおる「全労連」ダラ幹
「地域医療・介護総合推進法」の制定を許すな!
<7面>
吉川さんの体験が伝わってきた
 『今のぼくは二十七歳』を読んで
◎12・8革共同政治集会に参加して
<2面>
海自飛行艇US2のインドへの輸出を許すな
 「武器輸出三原則」破棄に突き進む安倍政権

<3面>
福島第一原発
 高濃度汚染水の大量流出弾劾!

万華鏡2014
 ◆これぞ「価値観外交」
 ◆「こっちが失望」
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号































  


大幅一律賃上げをかちとれ!

 労働法制改悪粉砕! 消費税大増税阻止!

 一四春闘勝利!「経済再生春闘」への歪曲を突き破れ

 今二〇一四春闘の戦闘的高揚を切りひらくために日夜奮闘しているたたかう労働者諸君! いま、安倍政権は、「経済の好循環実現」を標榜し、「日本を世界で一番企業が活躍しやすい国にする」と豪語している。この政権が経営者団体に「賃上げ」要請をおこない、これに独占資本家どもが「寄り添うしかない」などと称して呼応し、そして労働貴族がしぶしぶ超低率の「賃上げ」要求を掲げている。すべてのたたかう労働者は、「賃上げ」のムードを煽りたてている政府権力者・安倍の音頭取りのもとで労使交渉がおこなわれるという、日本労働者階級にとってまさに屈辱的な春闘の現局面を、断固としてくつがえすために全力で闘いをおしすすめようではないか!
 三月十二日を集中回答日に設定したJCメタル(金属労協)傘下の主要労組と企業との労使協議が開始されるや否や、トヨタ自動車と日立製作所の資本家が「ベースアップ相当分の賃上げ」をうちあげ喧伝している。安倍政権の意を体したマスコミが「六年ぶりの賃上げ」と煽りたてている。労働者をバカにするのもいいかげんにしろ! ほとんどの独占資本家どもは、「連合」労働貴族の求めている一%の「月例賃金引き上げ」さえ拒否しているではないか。
 賃金を一九九七年いらい一割以上も下げられてきた労働者は今、どん底の貧窮地獄≠ノたたきこまれている。昨二〇一三年の現金給与総額は一九九〇年以降で過去最低水準にまでおちこんでいる。アベノミクス諸施策による円安誘導にともなうガソリン・輸入食料品などの生活必需品の価格高騰、これに加えて四月からは消費税大増税が強行されようとしている。しかも社会保険料引き上げ・給付削減などの社会保障制度大改悪をも断行しているのが安倍政権なのだ。なにが「景気回復」だ! なにが「労働者の将来への安心感を醸成」(政労使会議の合意文書)だ!
 この他方で安倍政権は、日米新軍事同盟を対中(対露)攻守同盟として強化し日本を世界一流の軍事強国へと飛躍させるために、辺野古新基地建設や「集団的自衛権行使」の合憲化、さらには憲法改悪に突進しているのだ。
 革命的・戦闘的労働者諸君! われわれは、「連合」労働貴族による「経済の好循環実現春闘」への歪曲を許さず、すべての労働者の団結によって大幅賃上げを・しかも一律でかちとるために奮闘するのでなければならない。独占資本家どもによる労働者の分断・支配を突き破れ! 今こそ二〇一四春闘の勝利にむけてたたかおう! 安倍政権による労働諸法制改悪・消費税大増税と軍事強国化・憲法改悪を断固として粉砕せよ!

以下見出し
「賃上げ」と引き替えにリストラへの協力を迫る独占資本家

法人税減税と労働法制改悪に突進する安倍政権

政労使合意にすがりつく既成指導部と戦闘的労働者の闘い

超低額要求に抑え込む既成指導部をのりこえ闘おう!

春闘勝利! 反ファシズム統一戦線を構築せよ!
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「好循環実現」を安倍政権・独占資本家と唱和する「連合」労働貴族を弾劾せよ

 賃上げ自制・「競争力強化」策への協力を許すな!

T 安倍政権に主導された春闘
   ――日本労働運動の空前の危機


 二月五日の労使トップ会談につづいて、二月七日に基幹労連、十二日に自動車総連と大手諸組合が相次いで要求書を提出し、今二〇一四年春闘は本格的な闘いの火蓋を切った。これら大手諸組合は軒なみ三〇〇〇〜四〇〇〇円(基幹労連は二年分・各三五〇〇円)の「賃金改善」とか「ベースアップ分」とかと称する「賃上げ要求」を提出し、マスコミなどでは「六年ぶりの賃上げ(ベア)へ」などと喧伝されている。
 だが自動車大手の要求提出日に、トヨタ出身の自動車総連会長・相原康伸は語った。「労使協議をつうじて、デフレや競争力低下の不安をはねのける適切なメッセージを発信したい」と。これは、独占資本家と安倍政権への誓約の弁ではないか。「四〇〇〇円」に近い賃上げを実施してもらえば、私どもはその分以上に、自企業の「国際競争力」・業績を損なうことがないように生産性向上に励み、安倍政権がおしすすめようとしている「デフレ克服」「景気回復」策にも全面協力します≠ニ。こうした労働貴族の対応に、わが労働者階級にとっての今春闘の危機性が端的に示されているではないか。
 安倍政権は独占資本家どもにたいして、「賃上げ要請」をくりかえしおこなってきた。激烈なグローバル競争のただなかにあることをタテにこれを渋る独占資本家どもを叱咤し、「一時金」だけではなくあくまでも「月例給」の引き上げを実施することを求めるという姿勢をおしだしてきた。「異次元の金融緩和」や大規模公共事業を中心とする「財政出動」をつうじて「円安・株高」を演出し、自動車・電機など輸出産業・基幹製造業と金融業などの大独占体に巨大な利潤を保障してきたのに加えて、いままた「労働者派遣法改定」を皮切りに「労働分野の規制緩和」策を次々と繰りだし、さらに「法人税の大幅引き下げ」を国際公約するなど、大独占体に至れり尽くせりの優遇策を施しながら。
 この安倍の度重なる要請を受けて独占資本家どもは、「首相は法人税率の引き下げにも意欲を見せる。寄り添わない選択肢はない」(経団連幹部)と、業績好調の独占体を先頭に一定程度の「月例給アップ」を受け入れる態度を示しはじめた。
 「連合」労働貴族とりわけJCメタル労働貴族は当初、賃上げ要求をおこなうことそのものに及び腰であった。なかでもトヨタ労働貴族どもは、「連合」指導部が・またJCメタル幹部=自動車総連(日産)出身の議長・西原が「一%以上の賃上げ(賃金改善)要求」という方針をうちだした時点(十月初頭)においても、トヨタ経営陣の顔色を窺(うかが)って、「賃金はその時どきの情勢で、やたら上げ下げするものではない」(トヨタ労組委員長・鶴岡)と、「月例給アップ」を要求することにはネガティブな姿勢を示していた。けれども、安倍の度重なる要請にトヨタ経営陣が日本のリーディング企業≠スるの自負を込めて一定程度の賃上げ≠ノ応じる姿勢を示しはじめたのを見とどけて、トヨタ労働貴族どもは彼ら経営陣との腹あわせ≠ノもとづいてオズオズと「四〇〇〇円」要求をうちだしたのだ。このトヨタ労働貴族の要求≠アそは、労使協議での合意にもとづく賃上げ要求∴ネ外のなにものでもないのだ。
 このトヨタ労組の「四〇〇〇円」要求の公表を機に、大手諸労組幹部が――これまで「月例給アップ」要求など考えてもいなかったNTT労組やJP労組の本部労働貴族をふくめて――相次いで三〇〇〇円〜四〇〇〇円の要求をうちだした。かくして「連合」中央とこれを牛耳る大企業諸労組の幹部=労働貴族どもは、わずかばかりの「賃上げ」要求を多少なりとも呑んでもらうこととひきかえに、これまで以上の大リストラも・労働諸法制の大改悪も・社会保障制度の改悪もすべてを呑み、各独占体諸企業と日本経済の発展のためにあらゆる協力を惜しまないことを誓約させられるものに、まさに「日本経済再生」のための政使労一体のとりくみに今春闘を歪曲し解消しているのである。
 そもそもこれに先だって「連合」の古賀・神津執行部は、安倍政権が「賃上げ要請」をエサとして誘いをかけた「経済の好循環実現に向けた政労使会議」なるものに――「賃上げ決定」の主導権を奪われてしまうことや、労働諸法制改定への協力を約束させられることへの不安≠抱きながらも――参加する道を選びとった。民主党政権下において「政労協議」に慣れ親しみ、その運動路線を「要求型から協議型へ」と称して「政労協議」を基軸とするものに純化してきた彼らとしては、安倍自民党政権誕生以来ほされにほされ・ようやくにして差し出されたこのエサに飛びついたのだ。
 この「政労使会議」において彼ら労働貴族どもは、「企業収益の拡大を賃金上昇につなげていく」との合意とひきかえに、「多様な形態の正規雇用労働者の実現・普及を進める」ことや、「職業能力の向上をつうじて生産性を高めていく」ことを、安倍政権と独占ブルジョアどもに宣誓させられた。まさにそれは、「経済の好循環実現」とそのための「国際競争力向上」という価値観を政府や独占資本家どもと共有していることをこそ根拠とするものにほかならない。――これを決定的契機として、いま「連合」労働貴族どもは今春闘を、安倍政権および独占ブルジョアどもと「経済の好循環実現」を唱和し・彼らに奉仕するものへとねじ曲げる道を驀進しているのだ。
 すなわち、事のはじめから安倍政権によって演出されてきたのが、賃上げ<ードなるものであり「好循環実現」を政労使が唱和する今一四春闘なのだ。「六年ぶりの賃上げ」などと喧伝されているのだとしてもそれは、四月消費税増税による景気の腰折れ≠回避するとともに、独占諸資本の利害を少しも損なうこともなく、労働者には「賃上げ」とひきかえに多大な犠牲を強いるものにほかならない。すなわち独占諸資本には、法人税税率大幅引き下げや「労働分野の規制緩和」という甘い汁を提供するのみならず、「国家戦略特区」設置をテコとする新成長産業育成・外国資本誘致の大企業優遇諸施策の実現に一挙に弾みをつけること、労働者には無権利と労働強化への全面協力を強いることを策しているのが安倍政権なのである。
 しかもネオ・ファシスト安倍政権は、賃上げ<ードの演出をもって「連合」の右派労組幹部どもを抱きこみ、平和フォーラム系などのいまなお「護憲」や「平和」を掲げている労組を孤立させ破壊することをも策している。もって安倍政権は、日米新軍事同盟強化・日本の軍事強国化―憲法改悪や原発再稼働、そして日本型ネオ・ファシズム支配体制の一挙的強化に一路驀進しようとしているのだ。
 いまこそわれわれは、決意を新たに今春闘に起ちあがるのでなければならない。この安倍ペース≠ナの春闘が許されてしまうならば、日本労働運動は日本型ネオ・ファシズム体制を下支えする今日版産業報国会としてよりいっそう変質≠ウせられかねない。このことに屈辱感と危機感を燃えたたせ、既成労働運動指導部の大裏切りに抗しこれをのりこえ、労働者階級の階級的に団結した闘いを創造し、大幅賃上げを・しかもいっさいの分断策を打ち砕き一律にかちとるために奮闘するのでなければならない。消費税大増税や労働諸法制改悪など、労働者人民に犠牲を強要するいっさいの反動攻撃を打ち砕くためにたたかおう!

(以下、見出し)

U 物価上昇率にはるかに及ばない超低額要求

V 独占資本家どもと安倍政権の危機突破策への全面協力

W 労使運命共同体思想と国益ナショナリズムへの陥没
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2・9労働者怒りの総決起集会 第二基調報告

<軍国日本>復活を企む安倍政権の反動総攻撃を打ち砕け

 みなさんこんにちは。私は公務職場で働く労働者です。
 いま安倍政権は、「集団的自衛権行使」の合憲化をはかる意志をむきだしにして、国会で毎日のように「憲法解釈を変える」とぶちあげています。私は怒りで一杯です!
 昨年十二月、安倍政権は、国会・首相官邸を包囲した反対の声を踏みにじって秘密保護法制定を強行しました。さらに安倍は、日本をアメリカとともに戦争をやれる国につくりかえる野望をたぎらせて、辺野古への米軍新基地建設など日米安保同盟の強化、日本の軍事強国化と強権的支配体制の強化に突進しています。国家財政危機をのりきりつつ大企業支援策と軍事予算に莫大な資金を投じるために、消費税大増税と社会的弱者切り捨ての社会保障制度大改悪を強行しようとしています。
 すべてのみなさん! 今一四春闘のただなかで私たちは、新たなファシズムというべき安倍政権のこの大反動攻撃を打ち砕く闘いを大きくつくりだそうではありませんか! そのために、これから第二基調報告をおこないたいと思います。

以下見出し
T 安倍政権による消費税増税・社会保障制度改悪に反対しよう

U 強権的=軍事的支配体制強化の攻撃を許すな

V 既成指導部の闘争歪曲に抗して反ファシズムの闘いをつくりだそう!
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海自飛行艇US2のインドへの輸出を許すな!

 「武器輸出三原則」の全面破棄に突き進む安倍政権

 安倍政権は今、「集団的自衛権の行使」を合憲とする憲法解釈の変更を今夏にも閣議決定することをたくらむと同時に、武器の禁輸を建て前としてきた「武器輸出三原則」を破棄する意志をむきだしにしている。「国家安全保障戦略」において「武器等の海外移転に関し、新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定める」と宣言し、「武器輸出三原則」に代わる新たな「武器輸出管理三原則」なるものを三月にも閣議決定することを目論んでいるのだ。
 新たな三原則とは、@国際的な平和・安全の維持を妨げることが明らかな場合は輸出しない、A輸出を認め得る場合を限定し、厳格審査、B目的外使用・第三国移転について、適正管理が確保される場合に限定――というものであり、「紛争当事国であっても政府の国家安全保障会議が可能と判断すれば武器を輸出できるようにする」とされている(『毎日新聞』二月二十二日付)。
 すでに、次のようなかたちで武器輸出を安倍政権は現に拡大している。
 (a)空自の次期主力戦闘機にF35を決定し・その生産に日本の軍需独占体も――「戦闘機の生産・技術基盤の維持・高度化」のためとおしだしながら――参画する。すべてのF35ユーザー国が、各国で製造された部品を融通しあう部品管理システムに日本も参画することを、安倍政権は「武器輸出三原則の例外措置」と強弁して決定した。さっそくF35用のミサイルを日・英で共同開発する検討を開始してもいる。F35ユーザー国にはパレスチナを占領し・人民虐殺に手を染めているイスラエルも含まれていることからして、「紛争当事国」への「禁輸」という従来の「原則」の緩和にとどまらず、これを最後的に破棄しようとしているのだ。
 (b)昨年十二月には、南スーダンの国連平和維持軍に参加している韓国軍にたいして、陸自の弾薬一万発を無償譲渡した(韓国内で「国辱だ」という反発が噴きあがり、韓国軍が返却してきたのであったが)。従来はPKO部隊に武器弾薬を供与することは「仮に要請があっても断る」と日本政府は国会で答弁してきたのであったが、これを「緊急措置」の名でなしくずし的に突破したことにふまえて安倍政権は、「国際機関への武器輸出容認」を明確化しようとしている。
 (c)MDシステムの主力をなすSM3の新型(ブロックUA)の日米共同開発がすすめられている。この新型SM3が欧州などに配備されることも「武器輸出三原則」の「例外」だと日本政府は強弁してきた。安倍政権はさらに、トルコ政府との戦車用エンジンの共同開発など「共同開発・生産」をいっそう推進しようとしている。また、フィリピンへの巡視艇の提供やハイチへの油圧ショベル(「武器」に該当する)の譲渡などをも「例外」と称しておこなったり、海自救難飛行艇US2や空自輸送機C2などを「民間転用」と称して他国に売りこむことを追求したりしている。
 新たな「武器輸出管理三原則」なるものは、右のような追求を既成事実化しながら、もはや「例外」ではなく全面的に武器の輸出を可能とすることを狙うものにほかならない。われわれは、安倍政権による「武器輸出三原則」の破棄=武器輸出の全面的解禁を断じて許してはならない。
 本稿では、US2をインドに輸出しようとしている安倍政権の策動を中心として分析する。

以下、見出し

〔1〕 安倍の訪印――US2輸出の策動

〔2〕 インドを対中国包囲網にからめとるためのテコ

〔3〕 「民間転用」の名による新たな兵器輸出

〔4〕 兵器産業にたいするカンフル剤
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福島第一原発

高濃度汚染水の大量流出弾劾!

一〇〇トンの汚染水がタンクから流出
 福島第一原発において、またもや高濃度汚染水の大量流出事故が発生した。われわれは、東京電力経営陣と安倍政権のズサンな福島原発事故処理対応がもたらしたこの流出事故を、満腔の怒りを込めて弾劾する。
 東京電力が二月二十日に発表したところによれば、二月十九日午後十一時二十五分ごろ、高濃度汚染水タンクの上部から汚染水があふれ出ていることを見回りの作業員が発見、タンクを囲む堰(せき)の外に一〇〇dが流出したという。
 この汚染水は、原子炉建屋地下などから汲み出して、放射性セシウムと塩分を取り除いたのちに保管しているものであり、毎日四〇〇dずつ増えている。セシウムを除去したとしても他の放射性物質は残っており、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質が一gあたり二億四〇〇〇万ベクレルも含まれている。
 流出した地下水は地面に滲みこみ、やがて一日数百dも山側から海に流れこんでいる地下水に混じって海に流出することになるのだ。福島第一原発の所長・小野は、「唯一の救いは海に流れていないこと」などと、被害を小さくみせかけることにやっきになっている。だが、流出が発見されたのは、水位の異常を示す警報が鳴った午後二時すぎから九時間もたっており、また流出が止まったのが、発見から六時間後であり、すでに大量の汚染水が地面に滲みこんでしまったのだ。
 昨年八月には同型のタンクから三〇〇dの高濃度汚染水が流出していたことが発覚し、国際原子力事故評価尺度(INES)で「レベル3」と判断された。その後、東電経営陣は、一日二回であったタンクの見回り回数を四回に増やすなどの措置をとって、「対策強化」の姿勢をおしだしてきた。今回の事態は、これがうわべだけのマヤカシであり、福島第一原発の事故処理現場の危機がますます深まっていることを露わにしたのである。


警報が鳴っても「計器の故障」として放置


柏崎原発の再稼働を許すな
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