第2291号(2013年10月28日)の内容

<1面>
労働法制の大改悪を阻止せよ
 規制緩和・撤廃による労働者人民への貧困強制を許すな
<4面>
TPP交渉の難航と米・日―中争闘戦の激化
<5面>
軍事強国化のための弾圧立法=秘密保護法制定を阻止せよ
<2面>
国会・東電本店に巨万のデモ 10・13
 「原発ゼロ統一行動
<3面>
「集団的自衛権行使の合憲化反対!」
 全学連が国会前闘争に決起 10・15
関西共闘 饗庭野・日米共同演習に抗議 10・10
外相・防衛相の来沖を弾劾 10・8 沖縄
「オスプレイ撤去」沖縄県民集会 10・1 那覇
<6面>
郵政年末年始業務における極限的な労働強化を許すな
<7面>
2013全教教研集会を創造的に実現
Topics 経団連会長・米倉の「報酬増額」
<8面>
万華鏡2013――情勢の断層を読む
◆「水銀被害を克服」!?
◆医療ネット化の闇
◆高高度無人偵察機
国際短信 FLTIからの手紙(ペルー)
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号
































  


労働法制の大改悪を阻止せよ

 規制緩和・撤廃による労働者人民への貧困強制を許すな

10・20 労学が国会・首相官邸に怒りの拳
(詳報次号)
 安倍政権は、十月十五日から始まった臨時国会において、「強い日本をつくる」を叫びながら、日米新軍事同盟強化と日本の軍事強国化・大企業支援を一段と進めるための反動諸法案を一挙的に成立させようと突進している。日本国家をアメリカとともに戦争をやれる国≠ニして飛躍させるために、「集団的自衛権行使」の合憲化を当面の目標としつつ、それと一体のものとして「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法」と「特定秘密保護法」を成立させようとしている。それと同時に、「日本経済のデフレからの脱却」を実現するための「アベノミクスの第三の矢」と位置づけた「成長戦略(日本再興戦略)」、これを一気に実施するために、「産業競争力強化法案」や「国家戦略特区関連法案」などを立て続けに成立させようとしている。
 この政権は、消費税税率の八%への引き上げ実施を決定したうえで、復興法人税の前倒し廃止をはじめとする大企業向けの減税を大盤ぶるまいし、「景気腰折れ防止のため」と称して五兆円(消費税増収予測の七割にも相当)にものぼる大企業の利殖支援の景気対策を実行しようとしている。そして、「日本の経済社会の風景を変える」と叫びたてつつ、「労働者保護」や「中小零細事業者保護」などを建前としてきた諸法制・諸規制をことごとく撤廃することに突進している。とりわけ労働諸法制をめぐっては、「解雇の自由化」と「ホワイトカラー・エグゼンプション制度導入」に的を絞って、その抜本的な「改革」=改悪をたくらんでいる。まさにこれらの攻撃を一挙に貫徹するために、この政権は、今臨時国会での「成長戦略」関連諸法案の成立に突進している。衆参両院での圧倒的な「数の力」を楯にして、向こう三年間選挙がない今がチャンス≠ニほざきながら、わずか五十一日間の会期のうちに、こうした反動諸法案を首相専決の強権的やり方で一気呵成に可決・成立させようとしているのが、ネオ・ファシスト安倍政権なのだ。
 だが、こうした危機的情勢のもとにあって「連合」古賀指導部は、「〔憲法改正論議は〕時期尚早」とするこれまでの政治方針を「国民的な議論の動向にも注意を払いつつ慎重な対応を図る」という文言に改め、改憲論議に一歩踏みこむことを表明した。それだけではなく、すでに消費税増税に賛成してきた彼らは、安倍政権がしつらえた「経済の好循環実現に向けた政労使会議」の土俵にはまりこみ、アベノミクスの小道具としての「賃上げ」宣伝にからめとられて、増税や社会保障制度改悪にたいする労働者の闘いを抑えこむことに躍起となっている。日本共産党の不破=志位指導部も、参議院選挙での「躍進」に浮かれて、「真の景気回復」のためと称する代案の提出とその宣伝に明け暮れている。
 こうした既成指導部の腐敗を暴きだし既成反対運動をのりこえ、わが同盟と革命的・戦闘的労働者は、今こそ「解雇自由化」をはじめとする労働諸法制の改悪に反対し消費税大増税と社会保障制度大改悪に反対する政治経済闘争を――「集団的自衛権行使」の合憲化反対・秘密保護法制定阻止の闘いとともに――あらゆる戦線から創造するのでなければならない。日本をアメリカとともに戦争をやれる国≠ヨと飛躍させ、「世界で一番企業が活躍しやすい国」という看板のもとに日本とアメリカの独占諸資本にボロ儲けの天国を提供する安倍政権の反動諸攻撃を許すな! とりわけ今日の安倍政権がたくらむ「特区」方式をも活用した労働諸規制の緩和=撤廃攻撃は、労働者・人民を貧窮と無権利の奈落に突き落とす歴史的な総攻撃にほかならない。すべてのたたかう労働者は、こうした反動諸攻撃をうち砕く闘いを総力で創造し、もって極反動安倍政権打倒のために前進せよ!

(以下、見出し)
大企業パラダイス≠ニしての「国家戦略特区」設置

「解雇の自由化」をなお狙いすます安倍政権

労働諸規制の歴史的大改悪

アベノミクスによる労働者・人民への貧困強制と権利剥奪

既成指導部の歪曲に抗して労働法制改悪阻止の大闘争を
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TPP交渉の難航と米・日―中争闘戦の激化

日本農畜産業・国民皆保険制度の崩壊に道を開く安倍政権を許すな

 十月十五日の所信表明演説において首相・安倍は、TPP(環太平洋連携協定)交渉において日本が「中核的な役割」を果たし「アジア・太平洋の新たな経済秩序づくりに貢献する」などと豪語しながらTPP参加への道を驀進する姿勢を傲然としめした。いまや安倍自民党政府は、七月の参院選挙向けに掲げてきた「重要五項目(コメ、麦、乳製品、牛・豚肉、砂糖)=聖域を守る」という口先だけの「公約」さえもナシクズシ的に破棄する腹の内をむきだしにしている。「五項目の中で『これはどうしても』という項目を、最悪のことを考えておくのは当然だ」(十月八日)などとさえうそぶいているのが副総理・麻生だ!
 日本の農畜産業のみならず医療・国民皆保険制度を壊滅に導くTPPへの参加にたいして、全国の農業団体・医療団体や労働者・人民は、満身に危機感と怒りをみなぎらせ抗議の声をあげている。こうした怒りの声を真っ向からふみにじって安倍政権は、「攻めるべきは攻め、守るべきは守るという公約になんら変わりはない」などと居直り的言辞を弄しながら、なんとしても今年十二月二十四日を最終期限としてTPP交渉の妥結にこぎつけることに躍起になっているのだ。
 十月八日に開催されたTPP首脳会合およびそれに先立つ閣僚会議において安倍政権は、<人民元経済圏>の構築をおしすすめる中国に対抗しつつ、アメリカ政府と結託してアジア・太平洋地域に「自由貿易圏」を構築するために、マレーシア、ベトナムなどのASEANの経済新興諸国を政治的に抱きこむことに血道をあげた。その他面では、アメリカ帝国主義・オバマ政権に譲歩して日本農産物の関税撤廃品目を拡大し、もってTPP締結にむけての政治交渉を一気に進展させようとしているのだ。いっさいの犠牲を労働者・人民に転嫁しながら日本のTPP参加に突進する安倍極反動政権を労働者・人民の怒りの炎で包囲せよ! いまこそ、たたかう労働者・学生は、反戦反安保闘争や憲法改悪阻止闘争を断固として推進するとともに、全国の農漁民、良心的市民と連帯して日本のTPP参加を阻止する闘いにうってでようではないか!

以下見出し
T 最後の「聖域」撤廃=対米屈服に走る安倍政権

 「重要五品目」死守の「公約」の反故化

 医療・保険の対米「市場開放」

U 貿易・投資ルールをめぐる米(日)―ASEAN間の軋轢

 ASEAN抱き込みに狂奔する安倍

 アメリカのダブルスタンダードへの反発

V 「成長市場」ASEANの抱き込みをかけた米・日―中の激突

 〈人民元経済圏〉構築に奔走する中国

 「ASEAN共同体」創設をにらんでの角逐
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軍事強国化のための弾圧立法=秘密保護法制定を阻止せよ

「秘密保護法の制定阻止!」を掲げてたたかう全学連と反戦
――10・20労学統一行動(芝公園)
 安倍政権は、「特定秘密保護法案」を十月二十五日にも閣議決定し、国会に提出しようとしている。すでに十月十七日には、衆議院において「特定秘密保護法案」と「国家安全保障会議設置法案」を付託し審議する「国家安全保障特別委員会」の設置を強行した。この二つの法案を、今臨時国会の――十月十五日開会・十二月六日閉会という――短期間の会期中になんとしても可決・成立させようとしているのだ。
 「国民の知る権利」「報道の自由」の明記という公明党の「修正要求」を「特定秘密保護法・最終案」(十月十七日公表)にとりこむという体裁をとりつくろったことをもって、安倍政権はあたかも「国民の不安の払拭」に努めたかのようにおしだしている。だがこうした「修正」は、おためごかしにすぎない。「国家の安全保障」にかかわり「秘匿することが必要」と権力者が指定した情報を「漏えい」または「取得」した者には最高で「懲役十年・罰金千万円」を科すというのが、安倍政権が制定せんとしている「特定秘密保護法」だ。これこそはアメリカとともに戦争をやれる国家≠ノふさわしく強権的=軍事的支配体制を強化するための弾圧立法いがいのなにものでもない。
 労働者人民の総力でいまこそ秘密保護法制定を断固阻止せよ!

戦争をやれる国≠ヨの雄飛を企む安倍政権の弾圧立法

 
@権力者が恣意的に「特定秘密」を指定

 A「漏えい」も「取得」も重罰

 B「知る権利・報道の自由への配慮」の欺瞞

 C「適性評価」と称する思想調査


日米新軍事同盟強化のための「情報保全」

ネオ・ファシズム反動攻撃を打ち砕け!


西山事件――沖縄返還密約の暴露に対する報復的弾圧
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郵政年末年始業務における極限的な労働強化を許すな

 六月に日本郵政の新社長に就任した西室泰三は、「経営のスピードを上げる」と称して日本郵政の株式上場を二〇一五年春に半年前倒しするとともに、米大手保険会社・アフラックとの業務提携、事業の第四の柱≠ニ称する「高齢者見守り事業」の実施など新たな施策を次々とうちだしている。だが、西室は「中期経営計画」にかんしては、「老朽化設備とシステムの見直しが必要であり、中期経営計画を本格的に見直すために時間がかかる」と九月発表を断念し来年二月に先延ばしにせざるをえなかった理由を説明している。そして「設備更新、システム見直しはどの程度の費用がかかるか分からない。実は調査が終わっていない」などと、「中期経営計画」見直しの困難性を吐露している。西室は、「お客様と社員に我慢をしてもらう段階は通り過ぎている」などと強調し、かんぽの宿や逓信病院などの不採算部門の切り捨てや郵便局の統廃合という国民・利用者と郵政労働者に多大な犠牲を強いる諸施策を「中期経営計画」に新たに盛りこむこの見直しを、あたかもお客様と社員のため≠ナあるかのように装い正当化しているのだ。
 郵政経営陣は、日本郵便(郵便事業)会社の稼ぎ時期≠ナある年末年始の業務運行計画を、八月十三日に早ばやとJP労組本部に提示した。その内容は、既配備の書状区分機を活用して年賀郵便を集中処理し区分率を飛躍的に上げ、このことを基礎にして短期間雇用の非常勤労働者の労働生産性を高める、もって人員と超勤を約一〇%も大幅に削減する計画なのだ。これにたいしてJP労組本部は、九月九日に「要求書」を提出したものの、なんと九月二十五日には早ばやと「大綱整理」=妥結に応じた。当局は回答において、「黒字基調を継続させるためにコスト低減が必要。人件費は日別・時間帯別に管理し、可能な限り低減を図る」などと、より徹底して人件費・委託費・輸送費などを削減する意思をむきだしにした。だが本部は、こうした当局回答を、「必要な労働力は配置するとの共通認識をはかった」などと賞賛し妥結したのだ。本部は、当局が株式上場にむけて「万全の態勢」で年末年始業務をのりきるために全面協力しているのだ。この妥結は、人員不足のなかで労働強化を強いられ呻吟する郵政労働者にたいする裏切りにほかならない。
 全国の郵政労働者はこの本部妥結を弾劾し、当局による区分機の効率的稼働のための深夜帯における労働強化と、徹底した要員削減策による極限的な労働強化に反対したたかおう!

(以下、見出し)
書状区分機のフル活用と経費削減・品質向上を叫ぶ経営陣

 1 区分機の徹底した活用

  (1)「差し立て」の集中化

  (2)「2パス」処理の徹底

 2 昨年比一割の人件費削減の追求

 3 労務管理の徹底による「品質の確保・向上」の追求

 4 営業ノルマの強制

労働強度増進の非合理的な強制

  (1)内務労働者には深夜労働における労働強化

  (2)年賀戸別組立作業における労働強化

  (3)集配労働者に強度の高い長時間労働を強制

本部の裏切り妥結を弾劾し闘おう!
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国会・東電本店に巨万のデモ 10・13
 「原発ゼロ統一行動
 十月十三日、日比谷公園や国会議事堂前において「原発ゼロ」をめざす諸団体の統一行動として「福島を忘れるな!! 再稼働を許すな!! 原発ゼロ統一行動」が開催された。「再稼働反対!」――国会議事堂・経済産業省(霞が関)・東京電力本店の周辺にのべ四万人の怒りの声が轟き渡った。
国会前を埋めた労働者・人民を学生たちのボードやのぼりが鼓舞した
(10・13)
東電本店(右側のビル)に怒りの声を叩きつける学生たち
(10・13)
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「集団的自衛権行使の合憲化反対!」
 全学連が国会前闘争に決起 10・15
 臨時国会召集日の十月十五日、全学連のたたかう学生は、「『集団的自衛権行使』の合憲化阻止! 日本版NSC設置法制定阻止! 秘密保護法制定阻止!」を掲げ、国会前闘争に決起した。
雨をついて国会前で闘う全学連。一切の反動諸攻撃粉砕の闘争宣言発す
(10月15日)
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関西共闘 饗庭野・日米共同演習に抗議 10・10
 米日両権力者は労働者・学生の反対の声を踏みにじり、十月八日から滋賀県・饗庭野演習場において日米共同軍事演習「フォレスト・ライト」を開始した。全学連関西共闘会議の学生たちは、中国軍を仮想敵≠ニしたヘリボーン訓練が強行されようとしていた十月十日、断固として抗議闘争に決起した。
「日本版海兵隊づくり阻止!」饗庭野に怒りの声轟
く(10・10、滋賀県高島市)
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外相・防衛相の来沖を弾劾 10・8 沖縄
 十月八日、那覇市で「岸田外務大臣・小野寺防衛大臣の辺野古新基地押し付け来県に抗議する緊急行動」が「基地の県内移設に反対する県民会議」の主催でおこなわれた。琉球大と沖縄国際大のたたかう学生たちは、辺野古への新海兵隊基地建設をゴリ押しする米・日両権力者にたいする怒りに燃えて一四〇人の労働者・市民とともに起ちあがった。
いざ外相・防衛相を迎え撃たん′ァ民広場で抗議集会
(10月8日)
外相・岸田の車列にシュプレヒコール
(10・8、ハーバービューホテル前)
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「オスプレイ撤去」沖縄県民集会 10・1 那覇
 十月一日、琉球大学学生会と沖縄国際大学学生自治会のたたかう学生たちは、「県民無視の強行配備を許さない! 日米両政府糾弾!オスプレイを撤去させよう! 10・1県民集会」(主催・基地の県内移設に反対する県民会議)に起ちあがった。

オスプレイ配備・飛行訓練強行に怒り沸騰
(10・1、那覇市・県民広場)
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