第2276号(2013年7月8日)の内容

<1面>
安倍反動政権打倒!の火柱
6・30 東京
 全学連・反戦が国会・首相官邸へ
 改憲阻止・アベノミクス粉砕の拳
<4面>
安倍政権・自民党の「大東亜戦争」美化を断じて許すな!
<7面>
「道徳の教科化」=今日版修身教育の導入を許すな
<2面>
札幌市街に「改憲阻止!」の声 6・20
国際短信 ブラジル人民が大デモ
<5面>
「原発再稼働」を公然と謳う電機連合労働貴族を許すな
パナソニックの大リストラ策
<6面>
Topics 自民党の参院選公約の表と裏
独占体の「コスト削減」策=労働者に犠牲
アベクロ・バブルのカラクリ
うた 6・2原発反対闘争に参加して
<8面>
国際反戦集会海外アピール

 米―中露の核軍事力増強競争に反対する闘いを推進しよう
<3面>
万華鏡2013――情勢の断層を読む
◆財界オトモダチ作戦
◆多喜二没後80年
◆アベの皮算用
◇侵略をなしたる民の
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号



































  


安倍反動政権打倒!の火柱

6・30 東京

全学連・反戦が国会・首相官邸へ

改憲阻止・アベノミクス粉砕の拳

労学の白ヘル部隊が<反安保>の旗高く永田町・霞が関へ向け進撃
(6月30日)
首相官邸に向け怒りを叩きつける全学連の学生たち
(6月30日)
 「安倍ネオ・ファシスト政権を打倒するぞ!」――六月三十日、首相官邸に肉迫した労働者・学生のデモ隊の嵐のような怒号が、首相官邸を揺るがした。この日、わが同盟の指導のもとにたたかう革命的・戦闘的労働者と全学連のたたかう学生は、首都中枢を席巻する戦闘的デモンストレーションに総決起した。<軍国日本>再興のための憲法大改悪阻止! 日米新軍事同盟強化反対! アベノミクス粉砕! の闘いの炎を集結し、極反動・安倍政権を打ち倒す闘いの鬨(とき)の声をあげたのである。同時に、北海道、関西、沖縄の各地においても、たたかう労学の白ヘル部隊が「安倍政権打倒!」の火柱をあげた(東海の労学は六月二十三日に決起)。
 七月二十一日投票の参議院選挙を前にして、安倍政権は、自民党をはじめとする改憲派の勢力が衆議院につづいて参議院においても三分の二以上の議席を獲得することに血道をあげている。現行憲法第九十六条に定められた「改憲発議要件」を緩和し、もって政府・支配階級の悲願である憲法改悪=「国防軍の保持」を定めた新憲法の制定へと道を拓こうと狂奔しているのだ。この安倍政権は同時に、株価大暴落・乱高下、長期国債の利回り上昇に直撃され、大いに揺さぶられている。わが同盟がことのはじめから予見し暴露してきた通りに、「異次元の金融緩和」政策は破綻し、アベノミクスの化けの皮がはがれたのだ。
 この決定的局面において、わが同盟は、全労働者階級・人民・学生にたいして、「憲法改悪と日米新軍事同盟強化・日本の軍事強国化推進に狂奔し、アベノミクス諸政策の実施強行によって労働者・人民を貧窮地獄に突き落とす安倍ネオ・ファシスト政権を打倒せよ!」という呼びかけを断固として発した(本紙第二二七四号一面)。まさにこのわが同盟の呼びかけに応えて起ちあがった闘う労働者・学生は、憲法改悪をはじめとするネオ・ファシズム反動総攻撃をふりおろす安倍政権の土手っ腹に、大衆的反撃の巨弾を断固として撃ちこんだのである。
 ネオ・ファシスト政権が憲法改悪という画歴史的攻撃をふりおろしている決定的な局面において、日共の不破=志位指導部は、いっさいの大衆運動を、「本格的な景気回復」とか「九条を生かした平和外交」とかの参院選にむけての自党の代案の宣伝へと解消している。こうした票あつめに大衆運動を従属させる既成指導部による議会主義的な闘争歪曲をのりこえ、たたかう労働者・学生の部隊は、憲法改悪、日米新軍事同盟の強化、原発再稼働、アベノミクスに反対し、「安倍政権打倒!」を掲げて、闘いの戦闘的高揚をかちとったのである。

以下見出し
戦闘的デモで首都中枢を席巻

「安倍政権打倒へ攻めのぼれ!」――怒りの総決起集会

6・30闘争の地平にふまえ安倍政権打倒へ前進せよ!
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安倍政権・自民党の「大東亜戦争」美化を断じて許すな!

 「侵略の定義は、学界的にも国際的にも定まっていない。国と国との関係でどちらから見るかで違う」――四月二十三日の衆院予算委員会において、ネオ・ファシスト安倍は、天皇制ボナパルティズム権力が強行した中国・アジア侵略戦争について、侵略戦争ではない、と真っ向から主張した。二〇〇〇万人ものアジア民衆を殺戮した「大東亜戦争」を美化する安倍政権を、われわれは怒りを込めて弾劾する!
 安倍は、「従軍慰安婦」徴集の強制性とそれへの日本軍・官憲の関与を認めた「河野談話」、および「侵略と植民地支配」にたいする「反省」を述べた「村山談話」(一九九五年)を破棄する意志をたびたび表明してきた。彼を筆頭にしていま、自民党政調会長・高市、さらに日本維新の会の共同代表・橋下らのファシストどもが、「(大東亜戦争は)自存自衛」の戦争であった(高市)とか、「従軍慰安婦が必要だったのは誰だってわかる」(橋下)とかと、侵略戦争を美化する犯罪的な発言をくりかえしている。
 安倍ネオ・ファシスト政権は、尖閣諸島「領有」にむけた攻勢を強めている習近平の中国に対抗すべく、アメリカ帝国主義とともに戦争をやれる一流の軍事強国へと日本国家を飛躍させるために、「自分の国を守るために戦わない国民」をつくったとみなした現行憲法を破棄し、「国防軍の保持」を明記した「自主憲法」を制定することに、全体重をかけて突進している。この悲願≠フ実現のために安倍らネオ・ファシストどもは、日本軍国主義の侵略戦争にたいする労働者・人民の否定感と、「侵略戦争の否定のうえに制定された平和憲法」という憲法観≠払拭することを企んでいるのだ。「大戦においての総括は日本人自身の手ではなく、東京裁判といういわば連合国の勝者の判断によって断罪がなされた」などと叫びたてながら。
 こうした安倍政権による「大東亜戦争」美化論の鼓吹にたいして、代々木共産党の不破=志位指導部は、「侵略戦争の肯定・美化は、戦後の国際政治の土台を覆」し、「国際政治に参加する資格を失う」などという実に弱々しい対応に終始している。「日本人自身の手」による「大戦の総括」と称して現在的に軍国主義日本の十五年戦争を全面的に美化することに踏みだしているネオ・ファシストどもの攻勢になんら太刀打ちできない代々木共産党の腐敗を暴きだし弾劾しつつ、われわれは、安倍自民党政権の侵略戦争美化の策動を、木っ端微塵に粉砕するのでなければならない。
 そのために、本稿においては、安倍や高市らが鼓吹する「大東亜戦争」美化論の反動性を暴露する。

以下、見出し
T 「従軍慰安婦」=日本軍国主義の犯罪を隠蔽するための詐術

U 荒唐無稽!――「自存自衛の戦争」論

V 「戦後の国際政治の土台」なるものを基準とする日共中央の腐敗
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第51回国際反戦集会海外アピール

第51回国際反戦集会実行委員会(全学連/反戦青年委/革共同革マル派)

米―中露の核軍事力増強競争に反対する闘いを推進しよう

 <戦争と貧困>の強制を打ち砕く国際連帯を強化しよう

  ◆日米新軍事同盟の強化反対! 憲法改悪阻止

  ◆シリア・アサド政権による人民虐殺弾劾! 米・露の介入を許すな!


 全世界の仲間たちに呼びかける。アメリカ帝国主義によって広島・長崎に原子爆弾が投下されてから六十八年目の今夏、来る八月四日に、われわれは日本全国七ヵ所で、第五十一回国際反戦集会を開催する。<戦争と貧困>の強制を打ち砕く闘いをともに推進しよう!
 現在日本では、「大東亜戦争」聖化論を鼓吹する首相・安倍が、「従軍慰安婦は必要だった」とのたまう「維新の会」の橋下を別働隊として従えて、「戦争放棄」をうたう現行憲法を葬りさろうとしている。安倍のねらいは、アメリカとともに「戦争をやれる軍事強国」にふさわしい憲法を制定することにあるのだ。
 しかも、安倍政権は「潜在的核保有能力の保持」という国家戦略にもとづいて、なんとしても原発・核開発を推進しようとしている。いまも放射性物質をまき散らしている東京電力福島第一原発の惨状などはおかまいなしに、放射能汚染と経済的困窮にあえぐ一五万四〇〇〇人もの避難民をまったく顧みることもなく、原発を再稼働し日本製の原発を世界に売りこもうと狂奔している。
 全世界の仲間たち! われわれはこの日本の地において、改憲阻止、日米新軍事同盟の強化反対、沖縄をはじめとする在日米軍基地の強化反対の闘いを、そして原発の再稼働・輸出反対の闘いを推進している。「安倍ネオ・ファシスト政権打倒!」をかかげ、日本人民の最先頭でたたかっている。いまこそ全世界で反戦の闘いの炎をともに燃えあがらせよう!
(1)
 没落帝国主義アメリカの大統領オバマと、新たに中国の国家主席となった習近平との初めての首脳会談が開催された(六月七〜八日)。太平洋をのぞむアメリカ西海岸で非公式におこなわれ、八時間にもおよんだこの会談は、アジア太平洋の覇権をかけて激突する米中の新たな角逐の幕開きとなった。
 記者会見でオバマは、「中国が世界の大国として平和的に台頭することを歓迎」すると言った。だが同時にオバマ政権は、会談直後の六月十一日から会談会場の鼻先であるカリフォルニア州の沿岸で、「尖閣有事」を想定した米日両軍合同の島嶼奪還演習「ドーン・ブリッツ(暁の電撃作戦)13」を準備していた。中国からの中止要請を蹴飛ばしてアメリカの圧倒的に優位な軍事力を見せつけんとしていたのだ。これにたいして習近平は、「広々とした太平洋には中国とアメリカという二つの大国を受け入れるに十分な空間がある」と応酬。「東方にそびえたつ大国」を自任する習近平は、中国が世界の大国としてアメリカに対抗し太平洋を二分する覇者となることを宣言したのだ。
 太平洋をまたいでにらみ合う帝国主義国家アメリカと中国国家との角逐が、いまや東アジアにおける軍事的緊張を一挙に高めている。
 「二十一世紀の超大国」をめざす中国を抑えこむために、オバマ政権はいま、対中国の軍事包囲網を構築することに躍起となっている。日米新軍事同盟を基軸とするアジア太平洋諸国との多国間軍事同盟の形成、わけても米日韓三角軍事同盟構築が、この追求の核心をなす。
 アフガニスタン・イラク侵略戦争に惨めな敗北を喫し、中東地域からの遁走を余儀なくされている没落帝国主義アメリカ。この敗北をも要因として膨大な政府債務を抱えこみ、国防予算削減(むこう十年間で五〇〇〇億ドル以上)を義務づけられている。そうであるがゆえにオバマ政権は、「アジア太平洋地域へのリバランス(均衡の再構築)」の名のもとに、米軍兵力のアジア太平洋地域への集中配備・再編をすすめているのだ。さらにこの米軍に、アメリカの属国軍・日本の自衛隊をはじめとした同盟諸国軍(韓国、オーストラリア、フィリピンなど)を連結させ、総動員することをも企てている。このような対中国包囲網の最前線基地が、日本の労働者・学生の反対を踏みにじってオスプレイを強行配備した沖縄の在日米軍基地だ。米軍は、極東最大の基地を置くこの沖縄から北海道まで、まるで中国をにらむように日本全国百数十ヵ所に米軍基地を有している。いまや日本列島全体が、対中国包囲網の最前線と化している。
 しかも、莫大な財政赤字を抱えながらも、ハイテクノロジーを駆使した兵器開発には莫大な費用を投じているのがオバマ政権だ。すでに中東などで実戦配備している無人爆撃機や偵察兵器にとどまらない。この戦争放火者は、人間に代わって戦場にでる殺人ロボット&コ器開発をもおしすすめている。
 他方、アメリカ帝国主義によるこの軍事的包囲をうち破るために、「海洋強国建設」という軍事戦略をかかげているのが、習近平の中国だ。中国初の空母「遼寧」を導入するなど、海軍力を軸にした核軍事力の強化にひた走っている。中国海軍は、南・東シナ海、さらには西太平洋の制海権をアメリカ帝国主義から奪取することをめざして、恒常的に演習をくりかえしている。そしていまや、衛星攻撃兵器(ASAT)の開発に力を入れ、対米対抗的軍拡を宇宙空間へもひろげている。
 それだけではない。中国政府は尖閣諸島、南沙・西沙諸島の領有を中国の「核心的利益」であると宣明した。ベトナムやフィリピンの漁船を暴力的に排除するなどの横暴をくりかえし、これらの諸国との対立をさらに深めている。中国の官僚どもは、東アジア海洋資源の奪取をも企んでいるのだ。
 ロシアはなお八五〇〇発もの核弾頭を保有し、対米対抗的軍事力強化に拍車をかけている。「大国ロシアの復権」を願望するプーチンは、海軍を北太平洋に進出させている。
 東アジアにおける米(日)―中・露の政治的・軍事的角逐は、資源争奪戦ともからみあい、戦争勃発の火種となっている。
 こうした角逐が激化するなかで帝国主義日本の安倍政権は、日米新軍事同盟にもとづいて、自衛隊のアメリカ属国軍としての強化を一挙におしすすめている。米軍基地建設費用の負担といった、オバマ政権からの要求にも全面的に応えている。しかし同時に、この機に一流の軍事大国へと飛躍し「強い国・日本」を実現するという野望をたぎらせているのが安倍なのだ。だからこそ、「戦力不保持」をうたう現行憲法を、「国防軍の保持」と人権の「制限」を明記する憲法につくりかえることに全体重をかけているのだ。ここぞとばかりに「侵略については定義が定まっていない」などとほざいて「大東亜戦争」聖化論を鼓吹してもいる。
 安倍政権は、中国・韓国をはじめとするアジア諸国人民の怒りをかい、これら諸国の権力者たちとの軋轢をも生みだしている。こうして東アジアにおける緊張をいよいよ高めているのだ。
 日米新軍事同盟の対中攻守同盟としての強化反対! 沖縄を対中国軍事包囲網の最前線基地とするための辺野古新米軍基地建設阻止! オスプレイ撤去! 中国・ロシア権力者の対米対抗的核軍拡に反対せよ!
(2)
 中東においては、反米反シオニズムの闘いに包囲され孤立を深めるネタニヤフのイスラエルが、狂乱的な戦争放火に走っている。イスラエル権力者は、核開発をすすめるイランにたいして直接的・軍事的攻撃の必要性を声高に叫んでいる。アメリカの庇護のもとで八十発もの核弾頭を保有しているイスラエルの蛮行を許すな! シリアに、パレスチナに、空爆をくりかえすこのならず者を弾劾せよ!
 アサド政権が反政府勢力への武力弾圧を強めるシリアでは、一〇万人以上の人民が虐殺された。イスラム教シーア派とスンナ派との宗派間対立ともからみあい、内戦が泥沼化している。ロシアがアサド政権を支持し、アメリカ、イギリス、フランスなどの帝国主義権力者どもは、反政府勢力を支持している。これらの権力者どもは、武器援助をおこない、それぞれの国の利害をエゴイスチックに貫徹しようとしている。シリア人民を見殺しにしているのは奴らだ!
 アサドによる人民虐殺弾劾! イスラエルによるシリア爆撃弾劾! シリア人民は宗派対立を超克しアサド政権打倒をめざして団結せよ!
 アメリカ帝国主義のオバマ政権は、アフガニスタンやパキスタンの人民の頭上に無人機爆撃をくりかえしている。中東・中洋は、アメリカ帝国主義により地獄にたたき込まれたのだ。アメリカ帝国主義によって、白リン弾やデイジーカッターといったハイテク最新兵器の実験場≠ニされたアフガニスタンとイラク。米軍が劣化ウラン弾など準核兵器で攻撃した地域では、今日、多くの子供の奇形が生みだされている。広島・長崎に原爆を落とすという歴史的大罪を犯したアメリカ帝国主義は、今度は中東人民を放射能禍にたたき込んだのだ。
 全世界の労働者・人民はたたかう中東・北アフリカ人民と固く連帯してたたかおう!
(3)
 世界各国・各地でかつてないほどに多くの労働者が職を奪われ貧窮にあえいでいる。各国政府および資本家どもはさらにわれわれ勤労者に攻撃をかけてきている。
 日本において首相・安倍は、「日本経済再生」策と銘うって、超金融緩和(マネタリーベースの拡大)、国債大増発を財源にした公共投資、労働法制改悪などの諸政策の実施にのりだしている。このアベノミクス≠ネるものは、勤労人民にいっそうの貧困と苛酷な低賃金労働を強いる以外のなにものでもない。演出された円安・株高は、一部の独占資本やヘッジファンドの利殖に資すれこそすれ、勤労人民には物価上昇ゆえの生活苦をもたらしているだけだ。天文学的額にいたっている財政赤字を埋めるために、消費税大増税が策されている。法人税は逆に引き下げだ。そして、「失業者や労働者が過度に保護されていることに、日本経済低迷の根拠がある」という許しがたいデマ宣伝を弄しつつ、この政権は、社会保障を大幅に削減すると同時に、「労働分野の規制緩和」を強行しようとしている。労働者を低賃金で好きなだけ酷使し、いつでも解雇できる資本家の天国≠、すなわち労働者にとっての地獄≠つくりだすこと、これが安倍政権のめざす日本だ。
 このような政府・支配階級の攻撃を、日本の労働者は絶対に許さない!
 うちつづく経済的危機にあえぐ帝国主義諸国政府は、自国の独占資本を救済し、危機のツケをすべて労働者・人民に負わせようとしている。ヨーロッパでEU指導部が債務危機に陥った国々に押しつけてきた緊縮財政政策は未曽有の失業者を生みだした。アメリカではこの五年間で労働者の賃金は大幅に引き下げられた。今やアメリカ製造業の労働者の賃金は「中国並み」とさえ言われている。オバマ政権による金融の量的緩和政策のゆえに増刷・放出された大量のドルは、投機資金となって新興諸国・途上諸国に流れこみインフレを昂進させてきただけだ。
 金融緩和による景気回復≠ネどはありえない。現代資本主義はすでに生命力を失い末期症状を呈している。それゆえに、帝国主義諸国政府・独占資本家どもや、これと結んだ新興諸国・途上諸国政府・民族資本は、さらには、経済減速にみまわれている中国の官僚政府もまた、経済的危機からの脱出の方途を、唯一、勤労人民にいっそうの貧窮化と低賃金労働を強いることにもとめているのである。
 それだけではない。経済的危機からの脱出を策して帝国主義諸国権力者たちは、自国資本の海外進出を全面的に尻押しし支援している。帝国主義者どもは、商品市場をもとめ・資源をもとめ・より安い労働力をもとめて、アジア・アフリカ・ラテンアメリカなどの諸国への新植民地主義的侵略に血道をあげている。
 今や世界第二位の経済大国になりあがった中国のネオ・スターリン主義官僚政府は、外国資本を国内に招き入れる他方で、中国企業の海外進出を尻押ししている。また中国主導の経済圏創出を策している。こうして、アジア太平洋地域では、アメリカを排除した経済圏(RCEPなど)をめざす中国と、これをつき崩しアメリカ主導の自由貿易圏(TPP)づくりをおしすすめるアメリカとの角逐がいよいよ高まっている。こうした経済的角逐が政治的・軍事的角逐と密接にからみあい、世界各地で軍事的緊張をいっそう高めている。
 世界の仲間たち! 世界各地で、労働者たちは怒りに燃えて闘いに起ちあがっている。ブラジルで、トルコで、ギリシャで……。わが仲間たちは今この時もたたかっている。いまこそ団結して、経済危機にあえぐ独占資本家階級とその政府の大攻撃にたいする反撃の闘いを強化しよう。勤労人民への貧困強制を許すな! 新植民地主義的侵略を許すな!
(4)
 われわれの生きる現代世界は、戦争の暗雲に覆われている。太平洋地域に軍事基地をはりめぐらせている核大国のアメリカ帝国主義と、「社会主義」を自称しながらも帝国主義権力者と同様に「権力政治の論理」にのっとって対抗的軍拡にひた走る中国。この両大国の権力者どもによる核軍事力増強競争はいやましに激化している。
 独占資本は、より安い労働力をもとめて他国に進出している。資源争奪と強搾取に血道をあげる者どもにたいする怨嗟の声が、世界中のいたるところで響いている。
 腐朽を極めるこの現代世界を、われわれは根底から覆さなければならない。
 かつて日本天皇制国家が中国・アジアにしかけた戦争を、「アジア解放の聖戦」として正当化する安倍政権をわれわれは絶対に許さない。二〇〇〇万人ものアジア民衆を日本軍は虐殺した。中国本土を蹂躙し朝鮮などアジア各地を植民地支配下にくみしいた。血にまみれた侵略戦争として、それは歴史に刻まれなければならない。
 われわれは、侵略戦争を美化する安倍政権にたいして徹底的にたたかう。そして日本天皇制国家の侵略戦争を阻止できなかったことについて、プロレタリアの立場において中国・アジアの労働者・人民に自己批判する。
 中国の労働者・人民にわれわれは訴える! 中国人民は、米・日帝国主義による軍事的包囲網の構築・強化や安倍政権による過去の侵略戦争の聖化を弾劾するとともに、尖閣諸島の「領有」を狙い反日排外主義を煽りたてる自国政府との闘いに起ちあがれ! 中国政府によるあらゆる戦争挑発・核軍事力の増強に反対する反戦闘争を推進せよ! 中国政府が煽りたてる中華ナショナリズムは、腐敗した中央・地方政府の官僚や、労働者を低賃金でこき使う国有・民間・外資の企業経営者どもに抗議して決起している労働者の目を、「外敵」にそらすための民族排外主義イデオロギーにほかならない。
 想起せよ! かつて抗日戦争をたたかった中国人民は、戦争に動員された日本の労働者・人民と日本政府・軍部とを同一視することはなかった。諸君が弾劾の拳を突きつけるべき相手は、日本の労働者・人民ではない。「社会主義国」を自称しながらこの国の政治経済構造を国家資本主義に転換させ、労働者・農民を塗炭の苦しみに陥れている中国の党=国家官僚をこそ弾劾せよ!
 自国政府がふりまく民族排外主義イデオロギーをはねかえそう。日中労働者・人民の国境を越えた団結をつくりだそう!
 日本においては、最大の労組ナショナルセンターである「連合」指導部が、改憲容認の方針を大会で決定しようとしている。「労使運命共同体」論にもとづいて、労働者の闘いを抑圧しているのが彼ら労働貴族だ。
 日本共産党は、安倍政権が尖閣諸島の「領有」を主張して国益ナショナリズムを鼓吹している今この時に、これに抗するどころか棹さしている。「尖閣諸島が日本固有の領土であることを日本政府は中国政府にたいして主張せよ」と、安倍政権を尻押ししているのだ。政府が煽りたてる国益ナショナリズムに呼応し、日中の労働者・人民を分断しているのが日本共産党指導部だ。それは「階級国家」という把捉を投げ捨て、「資本主義の枠内での改良」路線にひたってきたなれの果てである。
 彼らには、腐敗しきった現代世界を覆すことは決してできない。われわれは彼ら既成指導部をのりこえ、労働者・勤労人民の階級的団結を強化したたかう。
 現代資本主義は死の苦悶にあえいでいる。世界中で労働者・人民が、政府の戦争政策に反対して、また経済危機のツケの押しつけに反対して起ちあがっている。だが許しがたいことに、各国政府・支配階級が民族排外主義イデオロギーをたれながしているだけではなく、既成労働運動指導部もまた、これに棹さしている。これに抗して、労働者・人民は自国においてのみならず国境を越えて団結しなければならない。
 ソ連邦が崩壊しマルクス主義は死滅した、などと帝国主義権力者どもは言う。これはまったくのデマゴギーだ! このデマに屈服しているのが各国共産党をはじめとする既成指導部だ。崩壊したのはマルクス主義ではなく、虚偽のマルクス主義としてのスターリン主義である。スターリン主義こそがソ連邦を崩壊させ、現代中国を極限的なまでの腐朽にたたき込んでいるのだ。現代における戦争や貧窮地獄、放射能汚染、環境破壊そして勤労人民の物質的・精神的疎外の深まりを、真に突破しうる道をきりひらきうるのは、腐敗した既成指導部をのりこえたたかう労働者階級の国際的団結のみである。「万国の労働者よ、団結せよ!」の叫びを、いまこそ世界中にとどろかせようではないか!
(二〇一三年七月一日)
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すべてのたたかう仲間に
夏季一時金の三割カンパを訴える


日本革命的共産主義者同盟(革マル派)

 同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん!
 ネオ・ファシスト安倍政権はいま、日米新軍事同盟の強化を基礎にして日本をアメリカとともに戦争をできる軍事強国≠ノ飛躍させるために、集団的自衛権行使の合憲化をはかるとともに第九条改定を中心とする憲法改悪に突き進んでいる。この政権はまた、こうした野望を実現するためにも「アベノミクス」と称する金融・財政政策や「成長戦略」を次々とうちだし、労働者・人民の犠牲のうえに日本経済のデフレ脱却の動き≠つくりだすことに躍起となっている。円安・株高誘導とインフレ促進をもくろむ「次元の異なる金融緩和」、大手ゼネコン・大企業を潤すための大型公共投資、「成長戦略」の名による原発の再稼働・輸出や諸独占体の大リストラ策をささえるための「解雇の自由化」などの策動に突進しているのだ。
 そして、このかんの円安・株高によって利益を膨らませた独占体諸企業は、グローバル競争にうちかて≠ニ叫びたて、安倍政権の「トップセールス」をもテコに原発・インフラ輸出や海外進出を加速し、国内では大規模リストラによる大量首切り・賃金切り下げにますます狂奔しているのである。
 安倍政権と独占資本家どもによるかかる一大反動攻撃を打ち砕くために、いまこそ日本労働者階級の総力を結集してたたかうのでなければならない。
 だが「連合」労働貴族は、安倍政権が改憲攻撃を振りおろしているこのときに憲法論議の「凍結」を解除し、「改憲容認」方針の決定をもくろみ、またアベノミクスによる景気回復に期待をよせ、みずからの「政策・制度要求」をとりいれてもらうために安倍政権に「政労会見」を懇願している始末である。日本共産党の不破=志位指導部は、「憲法九条を生かした平和外交」や「本格的な景気回復」という代案を掲げ、七月の参議院選挙に向けて票集めにうつつを抜かしているにすぎない。既成指導部のかかる腐敗を弾劾し、安倍ネオ・ファシスト政権と独占資本家階級による前古未曽有の<戦争と貧困>の強制を打ち砕くために、全力で奮闘しようではないか!
 同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん!
 現代世界が米中激突のもとで戦争的危機を深め通貨・通商戦争≠激化させているなかにおいて、<戦争と失業・貧困>の奈落に突き落とされ呻吟している労働者・人民がいま世界各地で起ちあがっている。けれどもこれらの闘いは、ソ連邦の自己崩壊がもたらした脱イデオロギー状況というスターリン主義の大犯罪のゆえに、変革の展望を見いだしえずにいる。この現実を突破するために、スターリン主義の反マルクス主義的本質をあばきだし、マルクス共産主義思想を甦らせる思想的=組織的闘いをさらに強化するのでなければならない。わが日本反スターリン主義運動の全世界への波及・拡大を全力でおしすすめよう!
 こうした闘いを財政的にささえるために、すべてのみなさんが夏季一時金の三割カンパを寄せられんことを心から訴えます。
 二〇一三年六月

<送り先>
東京都新宿区早稲田鶴巻町五二五―三   解放社
(振替・〇〇一九〇―六―七四二八三六)
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札幌市街に「改憲阻止!」の声 6・20

6・20「改憲阻止! TPP参加阻止!」札幌市街に北大生の声轟く
戦争と貧困を強制する安倍政権への怒りに燃えデモ
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