第2221号(2012年6月4日)の内容

<1面>
6・17労学統一行動に決起せよ
 日本反対運動の低迷を突き破り<安保破棄>めざす闘いの爆発を!
<4〜5面>
発足・即難破の北朝鮮金正恩新体制
<2面>
「日本のTPP参加阻止!」
 全道総決起大会に戦闘的檄 4・27札幌
「原発再稼働阻止・反安保・増税反対」
 新入生を結集し鹿大生集会 4・27
全原発停止の日に熱き訴え 5・5札幌
<3面>
大飯原発再稼働を阻止せよ
 大事故の危険迫るボロボロ原発
 ベント装置がない加圧水型原子炉
  ――格納容器破裂の危険性
 再稼働容認の儀式を美化する日共県議
<6面>
NTT
「65歳までの継続雇用」を口実とした賃下げ攻撃を粉砕せよ

<7面>
橋下市当局による現業全廃・公的サービス大削減を許すな
Topics 65歳までの雇用延長に毒づく新自由主義者・八代尚宏
<8面>
万華鏡2012――情勢の断層を読む
◆出口なしの出口戦略
◆「反イスラム授業」
◆歌舞伎町よりキケン
『新世紀』最新号(第259号)紹介
週間日誌は3面に掲載
  「解放」最新号


































  


6・17労学統一行動に決起せよ

 日本反対運動の低迷を突き破り<安保破棄>めざす闘いの爆発を!

 「日米共同声明」において「動的防衛協力」を謳いあげた米・日両権力者は、いま、中国ならびにロシアを封じこめるための軍事包囲網の構築・強化をたくらみ、米・日両軍の統合・再編=強化をおしすすめている。「動的防衛協力」の名のもとにオバマ政権は、野田政権を従えつつ、日本国軍を――司令部だけではなく戦闘部隊にいたるまで――米軍と一体の米日統合軍≠ニして編成し、アジア・太平洋全域にわたる広大な地域を機動的に展開する実働部隊として対中・対露(および対北朝鮮)の軍事作戦に活用することにのりだしているのだ。在沖米軍基地をはじめとする日本全土の米軍・自衛隊基地を対中国最前線の最大最重要の基地として強化し、自衛隊をアメリカの植民地≠スるグアムやテニアンに常駐させ、米軍と一体で軍事行動を展開させようとしている。
 まさにこの米・日両軍統合≠フ策動こそは、「日米同盟の抑止力を強化する」(4・27日米安全保障協議委員会「共同発表」)という名のもとに開始された日米新軍事同盟の新たな次元での強化を浮き彫りにする画歴史的事態にほかならない。
 かの戦争狂<uッシュ政権に盲従した小泉自民党政権をもしのぐ対米隷従≠ヤりを露わにしている野田政権は、オバマ政権の強圧的な要求に応じ、また日本の独占ブルジョアどもの意を体して、TPP(環太平洋パートナーシップ)への日本の参加のための交渉をおしすすめている。そしてまた、五月五日の北海道電力・泊原発の定期点検入りをもって「稼働中ゼロ」となった原子力発電所の再稼働につきすすみ、「社会保障と税の一体改革」の名のもとに消費税大増税攻撃にうってでている。
 このような前古未曽有の一大攻撃がしかけられているにもかかわらず、これにたいする労働者・人民の反撃は、既成反対運動指導部の度し難い腐敗のゆえに、低迷・沈滞を強いられている。「連合」労働貴族は、反人民性をむきだしにする野田民主党政権を全面的に翼賛し、「日米安保条約堅持」「原発推進」の姿勢をとりつづけるとともに、「社会保障と税の一体改革」を尻押しするという、「救国」産報運動をくりひろげている。日共の不破=志位指導部は、「安保条約廃棄」を掲げはしても、その実は、次期総選挙での「保守層」からの集票めあてに「あるべき外交ビジョン」と称する代案(「安保廃棄後の日本の展望」という絵空事でしかないそれ)の宣伝に明け暮れ、かつ「反安保」を抜きにした米軍基地の「縮小・撤去」要求運動を細ぼそと組織化しているにすぎないのだ。
 すべての労働者・学生諸君! 日・米両権力者による<戦争と貧困・生活破壊>の一大攻撃を打ち砕くために、いまこそ一切の既成指導部の腐敗を弾劾し、<反安保>の旗高く反戦・反基地の闘いに起ちあがろうではないか。<安保条約破棄・一切の基地撤去>をめざして、全力をあげて奮闘しよう。われわれは、この反戦・反安保の闘いとともに原発再稼働阻止・消費税大増税反対の闘いをも同時的・一体的に創造し、その一大爆発をかちとるのでなければならない。対米隷従℃p勢を露わにし独占資本救済に奔走する反動野田政権を労働者・人民の実力で打倒せよ! すべてのたたかう労働者・学生は、首都東京をはじめ全国五ヵ所でおこなわれる6・17労学統一行動に総決起せよ!

以下見出し
「動的防衛協力」の名による日米新軍事同盟の新たな強化

米日中軸の対中・対露軍事包囲網の構築への突進

中・露の対抗策強化と巻き返しに焦る落日の米・日両帝国主義

対米隷従の野田反動政権を打倒せよ
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足・即難破の北朝鮮金正恩新体制

 北朝鮮の金正恩政権は、五月二十二日に、「核実験のような軍事的措置は予定したことがない」と表明し、着々と準備を進めてきた第三回の核実験を中止する意向を示した。
 党と国家の最高指導者に就任した金正恩とその新支配体制を権威づけることを狙って四月十三日に強行した「人工衛星光明星3号」という名の弾道ミサイルの発射があえなく失敗に終わって以降、金正恩政権は失墜した権威のとりもどしのために核実験を強行する策を模索してきた。北朝鮮権力者は、アメリカ帝国主義オバマ政権の主導でミサイル発射を非難する国連安保理事会の議長声明が採択されたことへの反発をあらわにしつつ、核実験とウラン濃縮作業の停止とひきかえにアメリカから食料援助を受けるという二月の米朝合意を破棄すると宣言した。そのうえで「必要な対応措置」をとると、核実験に踏みだすことを示唆し準備をすすめてきたのだ。アメリカ帝国主義から北朝鮮国家の「体制保証」の約束を取りつけるために核ミサイル開発を取り引き手段としてアメリカ政府を政治交渉の場に引きずり出し譲歩を迫るという、金正日式の戦争瀬戸際政策=\―これをみずからも継承する意志を誇示していたのである。
 この金正恩政権が、さしあたりは核実験を取りやめる意向を示した。オバマ政権が現状では妥協に応じないと見てとっただけではなく、逆に制裁措置がこれ以上強化されるならば、発足したばかりでなお権力基盤を打ち固めきれてはいないみずからの政治支配体制じたいの崩壊につながりかねないという恐れを抱いたからにほかならない。
 こうした後退戦術≠当面はとらざるをえないほどに、金正恩政権の基盤は脆弱であり、それというのも北朝鮮の経済危機がいっそう深刻化しているからなのである。だが、核実験の強行という術策を当面はさしひかえたとはいえ、この政権は、ヤンキー帝国主義のオバマ政権が大統領選挙での再選のために北朝鮮からの譲歩≠ノドから手がでるほど欲している窮状を見てとっているがゆえに、戦争瀬戸際政策≠フ次の一手を講じる機会をうかがっているにちがいない。アメリカ帝国主義による北の体制崩壊≠策す攻撃から自国と金一族の専制支配体制を守る不可欠の方途として、「堂々たる核保有国」として登場する策略を練っているのだ。まさにそれゆえにこの軍事ボナパルチスト政権は「社会主義強盛国家」を自称しながら、自国の労働者・人民にますます圧政をしき貧窮を強制しているのである。

以下見出し
T 戦争瀬戸際政策≠フ限界露呈

U 「先軍体制の継続」を看板とした新体制の発足

V 破局的経済危機からの脱却不能

W 「首領制」という名の一族支配
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NTT

「65歳までの継続雇用」を口実とした賃下げ攻撃を粉砕せよ

 NTT労働貴族の全面受け入れを許すな

 四月五日にNTT経営陣は、「今後の事業運営等を踏まえた処遇体系の再構築」と題する人事・賃金制度の抜本的再編案を労働組合に提示した。
 この提案の核心は、「六十五歳までの継続雇用スキーム〔仕組み〕の創設」を名分にして、NTTグループの労働者の賃金を大幅に削減することにこそある。この賃金制度改悪=賃金切り下げ攻撃は、かの二〇〇二年の「五十歳退職・再雇用」制度導入=一一万人リストラ攻撃(註1)に匹敵する超弩級の階級的攻撃にほかならない。情報通信サービス市場の激変のもとで、「グローバルICT企業」として世界へ雄飛するという野望をたぎらせているNTT経営陣は、「経営基盤の強化」を呼号して「人件費コスト削減」の大鉈(おおなた)を、いまグループ労働者の頭上に振り下ろそうとしているのだ。
 だが許し難いことに、NTT労組指導部は、会社提案はみずからが求めてきた「採用から六十五歳までの雇用制度確立」要求に「おおむね沿ったものである」とうそぶいて、悪らつ極まりないこの提案を賛美し、それを丸飲みしようとしているのだ。
 われわれは、全グループ労働者の大幅な賃金切り下げを狙う「処遇体系の再構築」提案を絶対に認めることはできない。経営陣の先兵として、「提案受け入れ」を組合員に強要するNTT労組本部の労働貴族を弾劾せよ。新たな人事・賃金制度の導入を阻止するために、革命的・戦闘的労働者は、今こそ全国の職場から総決起せよ!

以下、見出し
A 「処遇体系の再構築」の名による賃金制度の大改悪

B 新人事・賃金制度導入の悪らつな狙い

C 「提案」丸飲み=大会決定を策す労働貴族

D 賃金切り下げ大攻撃を打ち砕け!
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橋下市当局による現業全廃・公的サービス大削減を許すな

 大阪市職員の賃金大幅カット弾劾!

 橋下大阪市当局は、「市財政危機の解消・大阪の再生」をかかげて市の公務労働者の頭上にすさまじい賃金カットと大リストラの攻撃を矢継ぎ早に振り下ろしている。橋下は、「府・市職員の給与を同水準にする」と称して、府知事時代に大幅に給与を引き下げた府職員の水準に合わせるかたちで、今年度から三年間にわたる給与の大幅カットを全職員に強制しただけではない。現業職の労働者にたいしては賃金を「同業種の民間並みに見直す」として八月からさらに大幅な切り下げを強行しようとしているのだ。
 しかも橋下市当局は、市職員の約半数を占める市の現業部門を将来は全廃し経営形態を民営化するなどして、今後四年間で市の職員数を半減させるという大リストラ計画をうちだした(三月七日)。そして、「大阪市民はぜいたく三昧の住民サービスをうけてきた」などと称して、福祉、介護、文化・スポーツ活動援助など、市がおこなってきた公的サービスの施策・事業を今後三年間で五四八億円削減するという「試案」を発表したのだ(四月五日)。このように「大阪維新の会」・松井、橋下府市当局は、三年後の二〇一五年に府市統合=大阪都への移行を達成するという到達目標≠ノむけて、大阪の労働者人民にありとあらゆる犠牲を強制する極反動攻撃にのりだしているのである。

(以下、見出し)
市職員給与の平均七・二%カット 現業労働者への大幅賃下げ攻撃

府市公務労働者を三割削減 直営事業を解体=売り渡し

橋下・「維新の会」による極反動攻撃を公務労働者と民間労働者の固い連帯で打ち破れ
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新世紀 The Communist

第259号 2012年7月

最新号紹介

労・学両戦線から 野田政権打倒の炎を

 ◆四月末の日米首脳会談において、アメリカ権力者オバマに媚びへつらい日本をアメリカの属国≠ニする道を突き進むことを、首相・野田は誓約した。日米新軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての飛躍的強化、消費税大増税、原発再稼働に狂奔する野田対米隷従$ュ権を、労働者・学生の実力で打倒するために、今こそ総力をあげてたたかいぬこう。わが闘いの前進をきりひらく理論的武器として、本号をすべての仲間におくる。
 ◆「反動野田政権を労働者の怒りの爆発で打倒せよ」(中央労働者組織委員会)と「危機突破に喘ぐ反動野田政権を打倒せよ」(中央学生組織委員会)の二論文は、現段階の労・学両戦線におけるわが同盟の闘いの基本的指針を鮮明に提起している。「国難突破」の大合唱に唱和し労使政協議路線を徹底化する「連合」労働貴族によって仕組まれた春闘の最後的埋葬の策動、かかる屈辱的事態を覆すために奮闘したのは、唯一わが同盟とそのもとでたたかう革命的・戦闘的労働者のみであった。この春期の闘いの意義と教訓をうち固め、さらに闘いの前進をきりひらくための指針を、中央労働者組織委員会論文は明らかにしている。
 「超大国」へとのしあがりつつある胡錦濤・中国への危機感を燃やすオバマ政権につき従いつつ、野田政権は、「動的防衛協力」の名のもとに、米軍指揮下で日本国軍をアジア・太平洋地域全域に実質上の日米統合軍≠ニして展開することをたくらんでいる。この攻撃をはじめとして野田政権は、対米隷従・独占資本の利害最優先をむきだしにした反動諸攻撃をいっせいにしかけている。まさにこの時に、「安保廃棄」を表向きには叫びながら実は<反安保>を完全に蒸発させているのが、日共の不破=志位指導部なのだ。今こそ反戦反安保闘争と消費税増税阻止の政治経済闘争、原発・核開発反対の闘いとを同時的・一体的に推進し、もって野田政権を打倒する闘いの爆発をかちとろう。――この闘いの方向性を鮮明にし力強く訴えているのが、中央学生組織委員会論文である。
 金正恩の新体制を発足させた北朝鮮の「弾道ミサイル発射」。これの「迎撃」をタテにして日米合同のMDシステムの実戦運用・日本国軍PAC3部隊の沖縄・先島諸島派遣を強行した野田政権の策動を怒りをこめて弾劾している、「『北朝鮮の核兵器開発阻止』を口実とする日米新軍事同盟の飛躍的強化を許すな」(無署名)。日本階級闘争の沈滞を突き破り<反安保>の火柱を噴き上げる闘いを推進するために、この論文を、先の二つの論文とともに本号に掲載した。
 「福島第一原発『冷温停止状態達成』宣言のペテン」(栗本誠也)は、停止中原発を再稼働させるために、福島原発の核惨事の「収束」宣言をうちあげた野田政権のペテン的手口=「確率論的アプローチ」なるもののインチキ性と反人民性を徹底的に暴きだしている。

激動するシリア情勢とEUソブリン危機を鋭く抉る

 ◆「米・露角逐下で人民虐殺に狂奔するシリア・アサド政権」(嶋達雄)は、アサド政権の暴虐にさらされているシリア人民の悲劇は中東における覇権確保をめぐって相争うオバマ政権とロシア・プーチン政権との角逐を背景とし根拠としてうみだされていることを抉りだしている。さらに、不屈にたたかうシリア人民にたいして、宗派間の対立を超克して<反アサド、反米・反シオニズム>の強固な統一戦線を結成してたたかうべきことを、熱烈に訴える。
 四月いこう再び深刻化しているスペイン、イタリア、ポルトガルのソブリン危機と、この危機への対応策をめぐって露呈したEU諸国権力者間の対立・分裂。――こうした事態の分析をつうじて、「再燃するPIIGSソブリン危機と国際金融不安の深まり」(河原田久)は、PIIGSソブリン危機はユーロ通貨圏の経済システムの構造的諸矛盾を根拠にしているとともに、EU内南北対立≠ェ激化しユーロ通貨圏そのものが崩壊しかねない危機が高まっていることを抉りだしている。
 激動し激変する現代世界の危機、その根拠をつかみとるために、両論文を是非とも活用されたい。
 ◆日共式労働運動と対決する武器が、「『内需拡大』要求春闘に歪曲する『全労連』指導部の犯罪性」(宮原高男)である。「『反原発決戦』を叫び延命を策す走狗残党・中野一派を粉砕せよ」(朝日奈将司)は、末期の走狗集団の惨状を暴きだすイデオロギー的弾丸である。
 ◆本号では、学習ノートとして執筆された二論文を掲載した。
 「クレムリン官僚の『世界革命過程』戦略について」(石垣次郎)は、一九八〇年代半ばに同志・黒田寛一を先頭にした先輩同志たちがクレムリン官僚左派=ゴルバチョフ派による「世界革命」戦略の転換の策動といかに対決したのか、また転換の構造をどのように理論的に解明したのかを現在的に学び教訓化している。筆者は、黒田の追求に学びフェドセーエフらの「世界革命過程論」の構造を反スターリン主義の革命理論を適用してみずから積極的に整理するとともに、黒田がゴルバチョフ派の戦略を構造的に解明し把握することができた根拠にまでほりさげ考察している。「『Y面的アプローチ』とは何か」(池上菊三郎)は、学生戦線でたたかう同志が、「Y面」(同盟組織づくりにおける運動面)についての自己の誤った理解を反省し、その克服のために組織現実論の諸著作を追体験的に学習することをつうじてつかみとった成果を記した論考である。
 わが闘いの前進のために、本号を武器として大いに活用しよう!
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