第2219号(2012年5月21日)の内容

<1面>
いまこそ<反安保>の炎を!
 「動的防衛協力」の名による日米新軍事同盟の飛躍的強化反対!
<4〜5面>
「反資本主義」の反逆
 ウォール街「占拠」運動のイデオロギーとその錯誤
◎「反資本主義」新党に衣替えしたマンデル派の惨状
<2面>
「原発再稼働反対」5500が結集
 5・5原発ゼロの日 さようなら原発集会 芝公園
闘う学生が北電本社にデモ 4・29 札幌
<3面>
各地のメーデーに戦闘的息吹き
 5・1「連合大阪」労働貴族に怒り
 5・1「全労連」大阪メーデー
 4・27「連合沖縄」反戦反安保の声
 4・28「連合福岡」ダラ幹を弾劾
<6面>
「競争力強化」策に全面協力するトヨタ労働貴族
震災失業者―深刻化する就職難
Topics 消費税増税・公務員首切りのお先棒を担ぐ「連合」古賀
<7面>
郵政大リストラを打ち砕け
 区分機の集中化と郵便内務作業の大再編
◎週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
<8面>
万華鏡2012――情勢の断層を読む
◆末路の「対テロ戦争」
◆大統領令夫人のつぶやき
◆米諜報機関新設の裏面
◆「紅三代・富二代」
    「解放」最新号



































  


いまこそ<反安保>の炎を!

 「動的防衛協力」の名による日米新軍事同盟の飛躍的強化反対!

「日米新軍事同盟の飛躍的強化反対!」
5・15沖縄県民大会で闘う労・学が奮闘
(5月13日、宜野湾市海浜公園)
 民主党政権の首相としては初めて公式に訪米した野田とアメリカ大統領オバマとの首脳会談(四月三十日)において、両権力者は、「未来に向けた共通のビジョン」と題する日米共同声明を発表した。この共同声明およびその付属文書において、両権力者は、「日本と米国は、アジア太平洋地域と世界の平和、繁栄、安全保障を推進するためにあらゆる能力を駆使することにより、われわれの役割と責任を果たすことを誓う」と謳いあげ、「二国間の動的防衛協力」の推進を表明した。この日米共同声明の発表は、両国権力者が、中国を封じこめるために、日米新軍事同盟を新たな次元でさらに強化することの宣言にほかならない。
 東シナ海・南シナ海の制海権をアメリカ帝国主義から奪取することをたくらみ・さらに西太平洋一帯へと海軍艦隊を遊よくさせようとしている中国への対抗策として、アメリカ帝国主義は、海兵隊を沖縄、グアム、ハワイ、オーストラリア、フィリピンにローテーション配備する計画をうちだしている。この米軍に日本国軍を一体化させ、米日両軍が中国軍を威圧しつつアジア・太平洋地域に展開してゆくことを、日米両権力者は「動的防衛協力」の名において合意したのだ。
 オバマが「われわれの特別な同盟を生き返らせてくれてありがとう」とうそぶき、これに野田が「日米関係の新たな百年のスタート」などと応えたことに示されたように、今回の日米首脳会談は、日本が再びアメリカ帝国主義の属国として運命を共にする道を進むことを誓約する儀式にほかならない。
 現代世界は、落日のアメリカ帝国主義と「二十一世紀の超大国」へとのしあがった中国とが、アジアを主舞台として本格的に激突する時代へと突入している。台頭する中国への巻き返しに懸命のアメリカ帝国主義に忠誠を誓った日本帝国主義の野田政権は今、かつて天皇制ボナパルチズム権力の率いる日本国軍が蹂躙したアジア・太平洋全域に、今度は米軍の指揮下で日本国軍を差し向けようとしているのだ。「集団的自衛権の行使」を禁じた日本国憲法を傲然と踏みにじって、こうした画歴史的な反動攻撃を労働者・人民の頭上に振りおろしている野田反動政権を、われわれは断じて許してはならない。
 すべての労働者・学生諸君! 「動的防衛協力の強化」の名のもとに日米両権力者がうちおろす日米新軍事同盟のさらなる飛躍的強化の攻撃にたいして、われわれはただちに反撃の闘いを巻き起こすのでなければならない。沖縄返還四十年の今日、核基地の島・オキナワをアジア・太平洋に展開する米日両軍のクロスロード(十字路)に位置する対中国(およびロシア)の軍事拠点としてさらに強化する策動を、われわれは絶対に打ち砕くのでなければならない。「反安保」を放棄した既成平和運動をのりこえ、反戦反安保の炎を、日本全国で燃えあがらせよ! この闘いを原発再稼働阻止の原発・核開発阻止闘争、消費税増税阻止の政治経済闘争と同時的・一体的に推進しよう。この闘いの爆発をもって、対米隷従≠フ野田反動政権を打倒しようではないか!

(以下、見出し)
中国主敵≠フ日米同盟の新たな強化――日米首脳会談

属国化を深める日本帝国主義の野田政権

アジア太平洋地域における米・中の角逐の激化

「反安保」を放棄した既成反対運動をのりこえ闘おう

野田対米隷従$ュ権を打倒せよ!
Top

  


「反資本主義」の反逆

 ウォール街「占拠」運動のイデオロギーとその錯誤

 昨年の九月十七日から十一月中旬に警察権力によって強制排除されるまで、ニューヨークの中心部ウォール街近くのズコッティ公園において、「オキュパイ・ウォール・ストリート」「99%」を掲げる運動がくりひろげられた。〔これを以下「占拠」運動と記す。なお、ズコッティ公園から強制排除されたアメリカの労働者・学生らは、その後も各地で空き住宅や港湾施設などを占拠する「オキュパイ」闘争を続けている。〕
 多くの労組員をふくむ労働者・学生・市民が、反戦運動や環境保護などにとりくむ諸団体が、アメリカ資本主義の中枢部≠スるウォール街の「占拠」に起ちあがった。彼らは「大企業権力の支配反対」「ウォールストリートから税金を取り戻せ」「アフガニスタンから即時撤兵せよ」などの様々な要求を掲げて結集していた。
 運動に参加した多くの労働者・学生・人民は、リーマンショックの後に解雇されたり、家を失ったり、学資ローンの返済に追われたりと、まさに食えない・生きていけない≠ケっぱ詰まった状況においこまれていた。そうした境遇に突き落とされたことへの怒りをバネに決起した彼らは、躊躇なく「反資本主義」というスローガンを叫んでいた。自分たちの困窮の原因が「資本主義」であり強欲ブルジョアどもが敵であることを、彼らは即自的・直感的に看取していたのだからである。
 だがしかし、この運動は、「大企業権力との闘い」の名のもとに、総じて対政府・対国家の政治闘争には向かわない方向に収れんされ、さらには大企業=資本主義の価値観を拒絶した人々≠ェ集まって「多様性と直接民主主義の空間」を創造することを自己目的化するという方向に収れんされてしまった。今も「オキュパイ」闘争に多くの青年労働者や学生が決起している。そして、体制内化を深める既成労働運動指導部や転向スターリニストの腐敗に反発し絶望している全世界の青年労働者や学生が、この運動に注目してもいる。だが、この運動がプロレタリア階級闘争の蘇生へと結びつき発展する道はいまだなお閉ざされている、とわれわれは断じなければならないのである。
 スターリン主義・ソ連邦の自己崩壊から二十年。「多様性と民主主義」の開花こそが「ソ連型社会主義=スターリン主義」の克服であるとみなす、「協同組合社会主義」などの様ざまな小ブルジョア社会主義の思想・運動が、既成労働運動の外縁に跋扈してもいる。プロレタリア階級闘争の全世界的な蘇生をかちとるためには、こうした思想状況を一刻も早く突破しなければならない。
 ここでは、その一助として「ウォール街占拠」運動について若干の考察を加えることにする。

以下見出し
「指導者のいない運動」

 民主党左派からトロツキストまで

 オキュパイ派の「勝利」

「多様性と直接民主主義の空間」?――オキュパイ派の戦略

 二十一世紀のプルードン主義

 <多様性>の金科玉条化

 民主主義国家への幻想

「資本主義を超える社会性」?
Top
 


  
「原発再稼働反対」5500が結集 
5・5原発ゼロの日 さようなら原発集会 芝公園
 北海道電力・泊3号機が定期点検に入り、ついに日本で稼働中の原発が「ゼロ」になった五月五日。東京・芝公園二十三号地には、五五〇〇名の労働者・学生・市民が結集して「原発ゼロの日 さようなら原発集会」が開催された。
 「連合」古賀指導部の闘争抑圧に抗して、平和フォーラム傘下の労組内外でたたかう労働者たちの地道な闘いを基礎にしてこの日の集会に多くの労働者が結集したのだ。
 こうした「連合」古賀指導部による原発再稼働反対の闘いの抑圧に抗してたたかう労働者そして市民と連帯して、首都圏学生ネットに結集する早稲田大学・国学院大学などのたたかう学生は奮闘した。集会左側に陣取った闘う学生たちの部隊は、「大飯原発の再稼働阻止」「日米新軍事同盟の強化反対」「消費税大増税阻止」「野田政権を打倒しよう」と書かれたカラフルな幟を林立させた。
 集会が終わってデモ出発の時間には、たたかう学生たちは、労働者・市民にたいして「すべての原発・核施設を廃棄せよ! 反動野田政権を労・学の力で打倒しよう!」と熱烈に訴えた。
「大飯原発の再稼働阻止!」「野田政権打倒!」首都圏学生ネットに結集する学生の力強いデモ行進
(5月5日)
Top

  
闘う学生が北電本社にデモ 4・29 札幌
 四月二十九日、北海道大学農学部自治会、帯広畜産大学自治会、北海道教育大学旭川校自治会の学生たちは、野田政権による大飯原発再稼働阻止の決意に燃え札幌中心街を席巻するデモ行進にうってでた。同時に、首相・野田が日米安保同盟のより一層の強化のために訪米しようとしていたまさにその日、首都圏の学生と固く連帯しつつ「野田訪米・日米首脳会談反対!」の声をあげたのだ。
「泊原発を停止せよ」北電ビルに向けて進撃
(4月29日)
Top

  
各地のメーデーに戦闘的息吹き 
5・1「連合大阪」労働貴族に怒り
 五月一日、第八十三回「大阪地方メーデー」が大阪城公園で開催された。「連合大阪」労働貴族の抑圧に抗して奮闘する革命的・戦闘的労働者と連帯して、わが同盟の情宣隊は、メーデーの戦闘的高揚をきりひらくためにたたかいぬいた。同日、「全労連」主催の大阪メーデーが扇町公園で開催された。わが同盟の情宣隊はここでも「闘うメーデー」の実現を訴える一大情宣をくりひろげた。
わが同盟情宣隊の〈闘うメーデー〉の呼びかけに多くの労働者が共感を寄せた
(5・1、大阪城公園)

4・27「連合沖縄」反戦反安保の声
 「連合沖縄」は四月二十七日に、「第八十三回沖縄県メーデー中央式典」を那覇市の県民広場で開催した。結集した革命的・戦闘的労働者たちは、この日のとりくみを日米権力者の日米安保同盟強化の策動に反対する<闘うメーデー>として、戦闘的につくりかえるために奮闘した。
 わが同盟の情宣隊は、集会開始前から組合員たちに反戦・反安保闘争の強化を訴えるビラを配布した。
式典ムードに抗し戦闘的にかちとられた「連合沖縄」メーデー
(4・27、那覇・県民広場)

4・28「連合福岡」ダラ幹を弾劾
 四月二十八日、第八十三回「連合福岡」メーデーが福岡市中央区の舞鶴公園(西広場)で開催された。
 わが同盟はこの革命的・戦闘的労働者と連帯し、独占資本家どもと一体となって労働者に放射能惨禍と窮乏を強いる「連合」指導部を弾劾し奮闘した。
 わが同盟の情宣隊は午前九時に会場に登場し、舞鶴公園入口に横断幕を高だかと掲げ、「万国の労働者団結せよ」と赤地に白く染め抜かれた幟をたて、大情宣を展開した。
「野田政権打倒!」結集する労働者に檄
(4・28、福岡・舞鶴公園)
Top