第2213号(2012年4月9日)の内容

<1面>
消費税大増税を断固阻止せよ
野田反動政権を打倒せよ!
大増税に唱和する「連合」指導部と「所得税増税」の代案を提唱する日共中央を弾劾して闘おう!

<4面>
「反原発決戦」を掲げての走狗残党・中野一派の延命策動を粉砕せよ
<5面>
福島第一原発事故による放射能汚染の実態
<6面>
Topics 4月から年金給付減、介護保険・健保・住民税などは負担増
・「連合北海道」春闘集会 3・8 札幌
・「連合沖縄」春闘集会 3・21 那覇
<7面>
・「連合石川」春闘集会 3・12 金沢
「日本の自動車市場の開放」をゴリ押しするオバマ政権
<2〜3面>
「北朝鮮ミサイル迎撃」をタテとしたMD実戦運用反対!
原発再稼働阻止! 各地で労学が奮闘
 日比谷集会に6千が決起 3・24
 関西1万人行動 3・11 大阪
 福井県民集会inつるが 3・11
 名古屋で連日集会 3・10―11
<8面>
万華鏡2012――情勢の断層を読む
◆無残な最期
◆空爆のタイミング
◆何でも隠せる
■『新世紀』最新号(第258号)紹介
週間日誌は6面に掲載
  「解放」最新号

































  


消費税大増税を断固阻止せよ

野田反動政権を打倒せよ!

 大増税に唱和する「連合」指導部と「所得税増税」の代案を提唱する日共中央を弾劾して闘おう!

消費税法案閣議決定弾劾! 全学連が国会前闘争に決起
(3月30日)
 野田政権は三月三十日に、「消費税増税関連法案」の閣議決定を強行し、ただちに国会に上程した。民主党内に渦巻く小沢系議員らの反対の声をねじ伏せ、国民新党党首・亀井の「連立離脱」を叫んでの抵抗をも押しつぶして。首相・野田は「政治生命をかける」と言い放ち、同法案を六月二十一日までの今国会会期中に成立させることを至上命題として遮二無二突進している。「増税反対」を叫ぶ小沢グループが国会採決時の造反≠ほのめかしているのにたいしても、「大連立」または「話しあい解散」をちらつかせて、野党・自民党との連携を模索し強行突破しようとしているのだ。
 野田政権は「二〇一四年四月に八%、一五年十月には一〇%」にまで消費税税率を引き上げるだけでなく、さらにそれ以後も息つく間もなく税率を上げつづける野望をむきだしにしている。労働者・人民に犠牲を強いるこの反動的攻撃を絶対に許してはならない。
 だがこの時に、日本労働者階級に君臨する「連合」指導部は、「概ね評価できる。法案を成立させることを強く求める」(当日の事務局長・南雲の談話)と言い放ち、野田民主党政権をどこまでも支えていくことを宣言している。日共の不破=志位指導部は、「大増税反対の一点での国民的共同」を語りながら、社会保障「拡充」のための財源確保の方策として、「消費税増税ではない別の道」の名のもとに「所得税の累進強化」というもうひとつの増税″を提言している。これこそ、野田政権を尻おしする援軍≠ニしての役割を果たすものでなくして何なのか!
 すべての労働者・学生諸君! いまこそわれわれは、消費税大増税攻撃を打ち砕く闘いを、「連合」指導部や日共中央の腐敗した対応を弾劾しのりこえ、日本労働者階級・人民の総力を結集してたたかいぬくのでなければならない。野田政権が四月中にも強行しようとしている関西電力大飯原発3、4号機を突破口とする停止中原発の再稼働を阻止する闘いや、普天間基地即時撤去・辺野古新基地建設阻止やホルムズ海峡への日本国軍派兵阻止ならびに「北朝鮮の弾道ミサイル迎撃」をタテとしたMDシステムの実戦運用反対などの反戦反安保闘争を同時的・一体的におしすすめ、もって反動野田政権を打倒せよ!

以下見出し
今国会での成立強行に突進する野田政権

「社会保障・税の一体改革」の名による大衆収奪の一挙的強化

世界的激動下で危機突破に狂奔する日本帝国主義

大増税に呼応・屈服する「連合」指導部、日共中央を弾劾せよ
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「反原発決戦」を掲げての走狗残党・中野一派の延命策動を粉砕せよ

 破産した「階級的労働運動路線」の新たな化粧直し <上>

 国家権力の走狗集団残党・中野一派は、「二〇一二年決戦」と称して、「国鉄決戦と反原発・反失業闘争の大爆発を二大基軸とした新自由主義攻撃と全面対決する闘い」をつうじて「プロレタリア革命を切り開け」などと叫んでいる(スパイ通信『前進』二〇一二年一月一日付「新年特別号」に掲載した「政治局1・1アピール」)。わが同盟の謀略粉砕・走狗集団解体闘争に追いつめられどんづまりの組織存亡の危機にあえいでいる中野一派は、これをのりきるために、昨二〇一一年、3・11東日本大震災とフクシマ大核惨事にたいして巻き起こっている労働者・人民の原発反対闘争の盛りあがりにのっかり組織拡大に結びつけることを願望している。この延命策をシンボル的に明示するために、これまで掲げてきた「国鉄決戦」なるものを軸とした「階級的労働運動路線」と称する基本路線をば補修し化粧直ししたもの、それが「国鉄決戦と反原発決戦を二大基軸とした」「新自由主義攻撃との闘い」にほかならない。
 日本帝国主義国家の野田民主党政権は今、EU発の国際金融危機・世界的大不況のもとでの日本経済の未曽有の危機にあえいでいる独占ブルジョアどもの意を体して、消費税大増税や社会保障切り捨て、原発再稼働などの反動大攻撃を労働者階級・勤労人民にたいしてうちおろしている。東日本大震災・原発大事故からの「復興」は少しも進んでおらず、被災人民は生活苦・失業などの苦境に叩きこまれている。のみならず、いわゆる「六重苦」「八重苦」を口実とした独占資本家どもによる海外生産の拡大、国内生産・事業拠点の閉鎖・統廃合、労働者の大量首切り、賃下げの強行と、これを支援する野田政権の諸施策とによって、全国の労働者・人民、わけても非正規雇用労働者や失業に突き落とされている若者などの困窮はいや増すばかりである。彼らのこうした苦境につけこんで、彼らの即自的な資本家どもへの怒りを煽りつつ「新自由主義攻撃との闘い」の意義を吹きこみ、もって「動労千葉」=駄馬を中心とする労働運動活動家集団≠ノ囲いこむ――このかん弄してきたこうした延命策の格好のネタとして「反原発闘争」を位置づけているのが、今日の中野一派なのだ。これこそ、労働者・人民の原発反対闘争の盛りあがりを己れの生き残りのために政治的に利用するという薄汚い術策いがいのなにものでもない。
 革命的・戦闘的な労働者・学生の血に汚れた国家権力の走狗集団残党が、延命のために、その血塗られた正体を隠して日本階級闘争を攪乱することなど、われわれは断じて許さない。中野一派の策動を断固として粉砕するために、ここでは、彼らが「階級的労働運動路線」の看板を粉飾し直すために掲げている「反原発決戦」=「新自由主義攻撃との闘い」なるものの反階級性を暴きだしてやろう。

以下見出し
T 延命のための、原発反対闘争への乗っかり

U 「新自由主義攻撃粉砕」をシンボルとした「反原発決戦」のまやかし

 (1)「3・11反革命」なる珍説

 (2)「原発は新自由主義の最大の土台」というデタラメな粉飾

 (3)「復興特区」設置=「大資本による独裁」という戯画

(つづく)
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「北朝鮮弾道ミサイル迎撃」をタテとした日米合同のMDシステム実戦運用反対!

日米新軍事同盟の飛躍的強化を許すな! 北朝鮮・金正恩政権のミサイル発射実験強行反対!

(1)
 北朝鮮の金正恩政権は、金日成生誕百周年(四月十五日)に合わせて「人工衛星・銀河3号打ち上げ」という名のもとに弾道ミサイル発射実験を強行しようとしている(四月十二〜十六日に発射予定)。この北朝鮮のミサイル発射予告にたいして日本の野田政権は今、「沖縄を含む南西諸島への(破片)飛来の危険」なるものをことさらに煽りたてながら、弾道ミサイル迎撃のための臨戦態勢に突入している。
 すべての労働者・学生諸君!
 われわれは、「北朝鮮のミサイル迎撃」をタテとして、ヤンキー帝国主義の全面的バックアップのもとにMD(ミサイル防衛)システムの実戦的運用・強化を策す野田反動政権の策動を断じて許してはならない! 三月三十日、沖縄のたたかう労働者・学生は、自衛隊PAC3(地対空誘導ミサイル・パトリオット)部隊の南西諸島配備を阻止する闘いにただちに決起した。これにつづいて、米軍の統制下におかれた日本国軍のMDミサイル実射・迎撃態勢の飛躍的強化を阻止する闘いの火柱を全国各地で燃えあがらせようではないか!
 同時にわれわれは、金王朝≠フネポチズム支配を護持するために、金正恩政権が国威発揚≠狙って画策している反人民的な戦争瀬戸際政策=弾道ミサイル発射実験に断固として反対しようではないか!
 三月三十日午前八時十七分、防衛相・田中は、自衛隊航空総隊司令部(三月二十六日に米軍横田基地に移転完了)にたいして落下破片≠フ「破壊措置命令」を発した。これをうけて航空自衛隊のBMD(弾道ミサイル防衛)統合部隊が、宮古・石垣両島や沖縄本島の那覇市・南城市の計四ヵ所、および首都圏三ヵ所(朝霞、市ヶ谷、習志野)に出動し迎撃作戦遂行の準備にとりかかっている。米軍横田基地を中枢拠点とし在日米軍司令部の強力な統制のもとに全国七ヵ所に展開しているこれらの地上部隊と連動して、海上自衛隊は艦対空誘導ミサイルSM3を搭載したイージス艦三隻が空自戦闘機F15の航空支援部隊を擁して日本海・東シナ海にむけて出撃した。三月三十一日に横須賀を出港した「きりしま」につづいて、舞鶴から「みょうこう」が、佐世保から「ちょうかい」が次々と作戦海域に急派されつつあるのだ。
 しかも野田政権は、国内にむけては、ミサイル飛来を市町村防災無線をつうじて自動通知するJアラート(全国瞬時警報システム)やエムネット(緊急情報ネットワーク)を活用して地方自治体や人民を国家の下に統制し、国家総動員体制の一挙的構築・強化を策しているのだ。

(2)
 現在直下、日本国軍が在日米軍と密接に連携して対北朝鮮臨戦態勢をとっていることにたいして、北朝鮮政府は「朝鮮半島情勢を爆発の局面へと導く危険な妄動だ」と非難するとともに、あくまでもミサイル発射を強行する構えをとっている。まさにそれは、金正日死去から百日目(三月二十五日)を迎えたこんにち、父から権力を世襲した金正恩を、「わが祖国を堂々たる核保有国の地位に引きあげた」金正日の遺訓=i中央追慕大会での首相・崔永林の発言)を忠実に守り「強盛大国の大扉を開く」後継者として権威づけるためにほかならない。
 ますます深刻化している食料不足と苛烈な国家統制・弾圧のもとで、困窮と抑圧に呻吟している北朝鮮人民は、正恩を戴く党=軍専制体制にたいして不満・反発をいよいよ昂じさせている。これに加えて、昨二〇一一年一月いこうに一挙に高揚したエジプトのムバラク政権打倒闘争をはじめとしたアラブの春≠目のあたりにした北朝鮮の権力者は、明日はわが身≠ニ危機感を募らせてきた。
 こうした強権的=軍事的支配体制の危機をのりきるために、一方で金正恩政権は、ウラン濃縮やミサイル発射実験の一時停止とひきかえに、オバマ政権から食料支援の言質をひきだすための対米交渉をくりひろげてきた(二月二十九日、米朝合意)。その他方では、党・軍内部における政治的基盤を打ち固めるために、その節目をなす最高人民会議(四月十三日)、朝鮮労働党代表者会(四月十一日)にむけて、金一族≠フ正統なる後継者として正恩体制≠箔づけする必要性に迫られている。それゆえに、この政権は今このときにこそ、「無尽かつ強大な威容を内外に示す」と呼号しつつ弾道ミサイル発射実験という政治的デモンストレーションを強行することに固執しているのだ。
 それだけではない。オバマ政権は、全世界の政府・企業にイラン産石油の輸入停止を強要することを狙って金融制裁の脅しをかけているにもかかわらず、またペルシャ湾に原子力空母リンカーンを進入させイランを軍事的に威圧しているにもかかわらず、イランの核開発をおしとどめることができないでいる。この没落ヤンキー帝国主義の足元を見透かしている金正恩政権は、このスキにつけこんで「核保有国」としての国際的地位を掌中にすることを企んでいるのだ。

(3)
 二月の米朝会談においてオバマ政権は、食料援助と六ヵ国協議の開催をエサとしてなんとか金正恩政権を懐柔し核関連活動の停止を合意させることに腐心してきた。だが、それからわずか半月後に、金正恩政権がミサイル発射実験の強行を発表したのだ。これによって政治的メンツを丸つぶれにされたヤンキー帝国主義権力者は、「米朝合意と国連安保理決議に違反する」「挑発に見返りはない」と苛だちも露わに北朝鮮への恫喝をかけている。三月二十六日から開催された核安保サミットにおいて、この政権は中国の胡錦濤やロシアのメドベージェフにたいして「意図的な挑発から目を背けるべきではない」と声高に迫り、北朝鮮にたいする包囲網を形成することに躍起となっている。
 同時にオバマ政権は、軍事的にはもっぱら隷属国・日本の自衛隊を前面に押したて、在日米軍統制下での対北朝鮮臨戦態勢を強化するという策をとっている。それは、イラン制裁問題で手詰りに逢着しているオバマ政権が、米軍を東アジアに重点配置する余力がないからだけではない。権力を継承した金正恩体制内の政治力学の変動を見定め、その帰すうによっては、政治的懐柔策をとる余地を残しておくという政治的打算を働かせているがゆえなのだ。
 まさにこのヤンキー帝国主義の下僕たる日本帝国主義の野田政権は、オバマ政権とともに日米新軍事同盟の飛躍的強化に狂奔している。米軍横田基地にすでに設置されている日米共同統合運用調整所を、今回のミサイル迎撃作戦遂行においてはじめて運用し、そこにおいて空自航空総隊司令部が在日米軍司令部の統制下で作戦指揮をとっていることに、右のことはまざまざとしめされているではないか。
 同時に野田政権は、米軍基地の沖縄への永久固定化と自衛隊部隊の南西諸島への恒常的配備を企んで、それを正当化するためにこそ今回の北朝鮮のミサイル発射問題を最大限に活用しているのだ。これこそは、東・南シナ海の制海権を米軍から奪取しつつある中国軍を威嚇するために、すでにつくりだしてきた日米共同作戦体制を基礎としてミサイル迎撃能力を高度化し実戦的に強化する策謀にほかならない。

(4)
 すべての労働者・学生・人民にわれわれは声を大にして訴える!
 ヤンキー帝国主義にバックアップされた野田政権は、海上に舞い降りるかもしれないミサイルの破片を「国民の生命を脅かす落下物」などと誇大に描き、もってMDミサイル実射・迎撃戦闘態勢を一段と強化しようとしている。これを許してはならない。
 それと同時に、北朝鮮人民を抑圧し窮乏を強制している金正恩政権が、体制瓦解の危機を排外主義的にのりきるために強行しようとしているミサイル発射実験に断固として反対しよう。
 東アジア情勢はいよいよ緊迫の度を高めている。このただなかで、日共の不破=志位指導部は、国連安保理決議(二〇〇九年六月)をタテとして北朝鮮にたいして「『ロケット』発射計画を中止すること」を要求している(三月二十一日、志位声明)。その他方で野田政権が「北朝鮮の脅威からの防衛」を大義名分にして臨戦態勢を一挙に強化していることにたいしては、ただわずかに「過剰な軍事的対応」だと非難し「発射計画を断念させる外交努力」をするべきことを代案として対置しているのだ。現に強行されようとしているミサイル迎撃作戦は、まさに日米新軍事同盟の飛躍的強化にとっての決定的な跳躍台をなす。このことをいっさい不問に付して「国家の自衛」という政府と同一土俵にたって代案を対置し尻押しするのは犯罪的ではないか!
 われわれは、日共中央の腐敗した対応を弾劾し<自衛隊の迎撃ミサイル発射・実戦運用阻止! 北朝鮮のミサイル発射実験反対!>の闘いを職場・学園からただちに組織化するのでなくてはならない。この闘いを<アメリカ帝国主義のイラン制裁・軍事恫喝反対! 日本国軍のホルムズ海峡への派遣阻止!>の闘いと一体的に推進しようではないか!
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新世紀
 The Communist 第258号 2012年5月

最新号紹介

3・11一周年――激闘の成果を打ち固め一層の前進を
 春闘埋葬≠フ策動を打ち砕く理論的武器

 3・11東日本大震災・福島原発事故から一年。<福島原発事故弾劾! 原発・核開発反対!>の激闘をたたかいぬいてきた労働者・人民に、そして、一二春闘の戦闘的高揚をかちとり、被災民見殺しの棄民政策≠とる野田政権の反動諸攻撃を打ち砕くために日夜奮闘している仲間に、『新世紀』第二五八号を贈る。
 巻頭論文「被災人民切り捨ての野田政権を打倒せよ」(無署名)は、3・11一周年にさいしてのわが同盟の檄だ。「国難の突破」を叫びたて、原発再稼働・消費税大増税・日米新軍事同盟強化の大攻撃をふりおろす野田政権。この野田政権を、「国難突破」の大合唱に唱和する「連合」労働貴族や日共指導部の闘争抑圧・闘争歪曲を弾劾しのりこえ、労働者・学生・人民の実力で打倒せよ。――論文はこのように力強く呼びかけている。
 ◆「連合」労働貴族どもは、大震災一周年を口実にして、例年の春闘決起集会を「犠牲者追悼・震災復興の『絆』集会」にすりかえた。これこそは<春闘埋葬の儀式>いがいの何ものでもない。日本階級闘争のかつてない危機を突破するために、本号では、「春闘終焉の危機を突き破れ」と題して特集を組んだ。
 「消費税大増税阻止・二〇一二春闘の爆発を」(中央労働者組織委員会)は、春闘終焉の危機を突破する闘いを断固として推進すると同時に、「社会保障と税の一体改革」を掲げる野田政権の消費税税率大幅引き上げの攻撃を打ち砕くことをも任務としてたたかうべきことを提起している基本論文である。大増税阻止、賃下げ・首切り攻撃粉砕、原発再稼働阻止、日米新軍事同盟の強化反対、これらの諸闘争を一体的に推進せよ、と。
 「『国難突破』の名による春闘埋葬の企み」(白嶺聖)は、「日本経済の八重苦」を身勝手にもあげつらう独占資本家どもと一体化して、「国難突破」のために労働組合として挺身することを誓う「連合」労働貴族を、怒りをこめて批判している。『連合白書』の表紙に「『人財』育成で産業力・企業力強化を」のスローガンを掲げる彼らは、これまでまがりなりにも掲げてきた「労働者の賃金・労働条件改善」さえも公然と引きおろし春闘そのものを葬りさろうとしている。この企みを断じて許すな、と。
 「日本経済の急凋落への悲鳴」(仙堂隆司)は、経団連『経労委報告』に盛られた日本の独占資本家どもの主張――賃下げ・定昇見直しの宣言と法人税減税をはじめとする大企業支援策の対政府要求、これらを完膚なきまでに批判している。「二〇一二年は企業にとって生き残りをかけた正念場」というほどにグローバル競争での敗退の悪夢に怯える彼らの、労働者への犠牲転嫁を正当化する盗人猛々しい屁理屈の数々をも、論文は粉砕しつくしている。

中東における戦乱の危機を突き破れ

 「激動する現代世界とわが革命的左翼の責務」(西條武夫)は春期闘争をたたかうすべての労働者・学生がとらえておくべき、激動する現代世界の構造的特質をうきぼりにした論文である。
 「米・イラン激突――急迫する中東戦乱の危機」(無署名)は、アメリカ帝国主義のイラン制裁弾劾・イスラエルのイラン空爆阻止・日本国軍のホルムズ海峡への派兵阻止の国際的反戦闘争を日本の地から巻き起こすべきことを訴えている。
 ◆この五月はじめに日本の原発全五十四基がすべて停止してしまうことに焦る野田政権がおしすすめている「ストレステスト」のデタラメ性や「冷温停止宣言」のインチキ性を完膚なきまでに暴露しているのが、「原発再稼働・プラント輸出の強行を許すな」(浦上深作)だ。「日本の真の国益」を守れと野田政権に要求する日共中央の「TPP参加反対」方針、その国家主権尊重主義のまやかしを理論的に批判した、「『亡国政治反対』を売り文句としての『保守層』への媚態」(黒伏洋道)を、日本のTPP参加が対米隷従を深めるものでしかないことを農業・医療・郵政の三分野に即して分析した三論文と併せ掲載した。
 ◆「イスラム国家樹立・アラブの統一≠ノ向けての『漸進』」(嶋達雄)は、アラブ諸国における反政府闘争を実質上牽引しているエジプトのムスリム同胞団、彼らのイスラームにもとづく社会変革の理念および政治戦略・戦術それ自身について、マルクス主義的に分析した力作である。
 本号を春期の労・学両戦線での闘いの武器としておおいに活用されたい。
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原発再稼働阻止! 各地で労学が奮闘 
  
日比谷集会に6千が決起 3・24
 三月二十四日、東京・日比谷野音に六〇〇〇名の労働者・学生・市民が結集して、「さようなら原発一〇〇〇万人アクション」集会が開催された。福島原発事故から一年、民主党・野田政権がまさに今、大飯原発3・4号機を突破口にして全国の原発再稼働にむけて突進しているこの時に、結集した労働者・学生・市民は再稼働を絶対に許すな!≠フ怒りの声を首都中枢に轟かせた。たたかう労働者・学生たちは、この日の集会とデモを戦闘的に高揚させるために奮闘したのである。
「再稼働阻止!」の決意固く日比谷野音に結集した労・学・市民
(3月24日)
   
関西1万人行動 3・11 大阪
 三月十一日、関西電力大飯原発3・4号機の再稼働を阻止する決意に燃えた労働者・学生・市民は、大阪市中央区の中之島において開催された「さよなら原発 3・11関西一万人行動」と銘打った集会とデモに決起した。神戸大や奈良女子大のたたかう学生たちは、たたかう労働者と連帯して既成指導部による「自然エネルギーへの転換」要求運動への歪曲をのりこえ、この日の集会とデモを戦闘的に高揚させるために断固奮闘した。
労働者と連帯しデモ行進する関西の闘う学生
(3・11、大阪)
   
福井県民集会inつるが 3・11
 三月十一日、福井県敦賀市において、日共系の弁護士や大学教授を中心として、さらに宗教家や作家も加わった「呼びかけ人」が主催するかたちで「さよなら原発 福井県集会inつるが」が開催された。集会は「大飯原発再稼働阻止」のスローガンを掲げることもなく、「高速増殖炉『もんじゅ』」と「四十年を超える老朽原発」の廃炉を求め、政府に「エネルギー政策の転換」を要請するものとしてもたれようとしていた。この闘いの危機的な現状をくつがえし大飯原発再稼働阻止の闘いを高揚させるために、わが同盟は縦横無尽に情宣をくりひろげた。
『解放』号外を手に集会場に向かう参加者たち
(3・11、敦賀市)
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