第2210号(2012年3月19日)の内容

<1面>
<3・11>東日本大震災・福島原発事故一周年

原発再稼働・大増税・安保強化に突進する野田反動政権を打倒せよ

<4面>
2012春闘の戦闘的高揚を!

「復興」を口実に賃闘を放棄したNTT労組本部を弾劾せよ

<5面>
2012春闘の戦闘的高揚を
電機労働貴族による「救国」春闘への歪曲を突き破れ

<2面>
闘う労学が野田来沖を弾劾 2・27那覇
「原発再稼働NO!」 全九州総決起集会に2100名結集 2・26佐賀
<6面>
春闘埋葬≠フ「連合」中央集会 3・6
生活保護受給者が急増
全都立高で「宿泊訓練」実施を決定
Topics 消費税増税を尻押しする「連合」
<7面>
3・11一年 地獄のフクシマ原発

「ステップ2完了・冷温停止状態達成」のマヤカシ

<8面>
国際短信
 アメリカ各地で「対イラン戦争反対」のデモ
 「財政緊縮」策に反対し闘いつづけるギリシャ労働者
ウクライナからの手紙(ウラジーミル・プローニン)
<3面>
万華鏡2012――情勢の断層を読む
◆最悪のシナリオ
◆皇帝の涙
◆首のすげかえ
◆「核テロ」対策
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」最新号




































  


<3・11>東日本大震災・福島原発事故一周年

 原発再稼働・大増税・安保強化に突進する野田反動政権を打倒せよ

3・11福島大集会 
1万6000労・学・市民の最先頭で奮闘
(福島県郡山市開成山野球場)

 東日本大震災・福島第一原発事故一周年にあたる三月十一日、「原発いらない! 3・11福島県民大集会」が福島県郡山市の開成山野球場で開催された。この集会に決起したわがたたかう労働者・学生は、一万六〇〇〇人余の労働者・人民とともに声高らかに「原発再稼働阻止!」の雄叫びを轟かせた。
 すべての労働者・学生諸君! われわれは、「国難突破」の大合唱に唱和する「連合」古賀指導部をはじめとする既成指導部翼下の日本階級闘争の危機を突き破り、野田政権による原発再稼働・消費税大増税・日米新軍事同盟強化の一大攻撃を断固として打ち砕くのでなければならない。この一年間にわたる<福島原発事故弾劾! 原発・核開発反対!>の激闘をつうじてわれわれが切り開きかちとってきた全成果を打ち固め、さらに前進しようではないか。

被災民を見捨て見殺しにする野田反動政権

 一年前の三月十一日、M9・0の巨大地震と大津波が東日本を襲った。しかも、この地震動と津波に直撃され全電源喪失に陥った東京電力福島第一原発において炉心溶融・爆発事故が勃発し、福島県そして日本全土に高濃度の放射性物質がふりそそいだ。それから一年、今なお、福島第一原発からは放射性物質が大気・海・土中に漏れ放出されつづけている。東日本大震災・原発事故による犠牲者は一万五八五四人、行方不明者はなお三一六七人におよび(三月九日現在)、三四万人以上が仮設住宅などでの避難生活を強いられている。
 春遠き冬の被災地では、今なにが起きているのか。われわれはまずもって、現在直下進行している野田政権による実質上の避難民切り捨ての策動にたいして怒りを抑えることができない。巨大地震・大津波に襲われた岩手・宮城・福島の人民は、「がんばろう石巻」「負げねえど飯舘」などの合言葉のもとに、全国の労働者・人民の連帯・支援をも支えとして、ガレキ撤去や生活再建に歯をくいしばってとりくんでいる。全国有数のカキ養殖やワカメ漁なども一部再開されている。
 ところが、「東北の復興」「福島の再生なくして日本再生なし」とおしだし首相の座についた野田、この輩の率いる民主党政権の「復興」策は、独占資本支援一辺倒のそれであるだけでなく、この政権は「震災=国難突破」のために痛みを分かちあえ、犠牲を甘んじて受け入れよとばかりに、空前の大増税を強行しようとしているのだ。被災人民の生活再建などはそっちのけにして。
 現に、東北三県で生じたガレキ約二二〇〇万dのうち最終処理されたものはわずか六%にすぎず、被災地には今なおガレキがうず高く積みあげられている。原発事故に襲われた福島県の避難民は、津波で行方不明になった家族・隣人の捜索もままならない。町・村はゴーストタウンと化したままである。
 「早く帰宅したい」と願う避難民の心情をおもんぱかるかのように、政府は「除染、除染」と言いつのり、「避難指示解除準備地域」などでの「除染モデル事業」をはじめている。けれども、その内実は、各地方自治体まかせであり、汚染土の中間処理施設建設にかんしても地元双葉郡の首長との協議を開始したというだけにすぎない。そもそも、「事故収束=冷温停止」が宣言されたにもかかわらず福島第一原発は、今なお放射性物質を放出しつづけている。四基もの原発で発生した炉心溶融・水素爆発事故によって溶け落ちた燃料棒が今どのような状態にあるのかさえも、政府・東電は掌握できないでいる。
 1〜3号機の原子炉建屋には亀裂が生じ地下水が流入している。高濃度汚染水は増えつづけている。いわんや溶け落ちた燃料棒を処理する作業などは数十年先になるといわれているほどなのだ。それにもかかわらず政府は、停止中原発の再稼働を急ぎ・かつ世界各国への原発輸出を国家的事業として推進するために、「事故収束」なる安全宣言≠強引に発表した。そのうえ、形ばかりの「除染」をほどこし、住民たちの帰還を促進している。そのために放射能モニタリング・ポストの周りだけ「除染」し数値を下げるという犯罪行為さえなされているのだ(飯舘村)。チェルノブイリ原発事故十年後くらいに住民から白血病や甲状腺ガンなどの放射線障害が次々と発見されたように、放射能禍は数十年いや末代にまでおよぶ災厄であって、このことをおし隠しての帰還促進事業は犯罪以外のなにものでもない。
 東北三県の人民はまた、「震災失業」というべき災難を被っている。震災・原発事故による失職者は一〇〜一四万人にのぼる。これへの対策でも野田政権は無為無策をさらけだしている。多くの人民が二年間という限定つきの仮設住宅に入ったけれども、生計を立てようにも職がない。中小企業・零細企業の経営者・自営業者(その多くが水産業者)は新しく事業をおこすならば二重ローンに苦しめられる。
 こうした事態は、われわれがつとに暴きだしてきたように、被災民を見捨てた政府権力者の棄民政策≠フゆえにもたらされているのだ。政府はむこう五年間で一九兆円(十年間で二三兆円)の復興予算を計上している。その財源にあてる復興債の償還のために所得税と住民税の税率を引き上げることをも決定した。けれども、この「復興」策の内実は、漁業の集約化(大手企業の参入による大規模化)や「復興特区」を設置しての大企業の誘致などに集約的にしめされるように、独占資本支援を第一義としたものにほかならない。日本経済が直面している「六重苦」「八重苦」の打開を政府に求める独占資本家どもの意を体して、野田政権は「復興税」を新設しながらも法人税は引き下げている。しかも、発足したばかりの復興庁たるや、その実、各地方自治体から出された復興計画の予算を査定する(削りこむ)査定庁≠フ役割しか果たしてはいないのである。
 アメリカ帝国主義が主導して形成しようとしている環太平洋自由貿易圏(TPP)への参加を決めているこの政権は、大震災による港湾などのインフラ崩壊や農・漁業従事者の失職につけこんで、「国際競争力のある農業・漁業の育成」の名のもとに従来の日本の農畜産業・水産業を一気に再編することをも策している。地震・津波と原発事故に加えてのTPPへの日本の参加こそは、アメリカ帝国主義の要求を丸呑みし、もって福島人民をはじめとする東北・北海道の被災民および全農畜産・漁業従事者を奈落の底につき落とす暴挙にほかならない。
 それだけではない。この三月の国会会期中にも、野田政権は、「社会保障と税の一体改革」法案=消費税大増税法案をなにがなんでも成立させようと躍起になっている。民主党内の小沢・鳩山グループ九十名が消費税増税法案採決を強行するならば党を割る≠ニいう脅しをかけている。これに対抗し・小沢その人をきりすてることをも企んで、野田は自民党総裁・谷垣との秘密トップ会談≠もった。まさに対米自立≠志向する小沢・鳩山グループを排除し対米隷従§A合の形成をも策しているのが野田政権なのである。
 三月十一日の政府主催の被災者「追悼式」後の記者会見において野田は、停止中原発の再稼働にかんして「IAEAによる評価も受けており政府主導で進める」と言明した。福島人民が放射能禍に呻吟しているその最中に、この政府は関西電力の大飯原発3、4号機を手はじめとして原発の再稼働を強行せんとしている。すでに泊3号機と柏崎刈羽6号機をのぞく原発五十二基が停止していることに加えて、ペルシャ湾危機による石油(および天然ガス)の国際価格が高騰している(一バレル=一一〇ドル程度)。このことへの危機感にかりたてられて政府・独占資本家どもは、「エネルギーの安定的供給」を名分としておしたてながら、原発再稼働に突進しているのである。首都直下型大地震や東海・南海大地震など、宮城県沖のプレート移動による大地震につづく大地震の切迫を地震学者が訴えている。にもかかわらず野田政権は、いったん事故が起きたならば巨大な災厄をもたらしかねない原発の運転を再開しあくまでも原発・核開発をおしすすめようとしている。これは世紀の犯罪ではないのか。
 あまつさえ野田政権は、対米隷従≠フ安保=外交政策をとり、沖縄の労働者・人民の反対の声をもふみにじって、米海兵隊の新基地建設や普天間基地の整備など日米新軍事同盟の現実的強化策の遂行に突進している。中国主敵の「新国防戦略」にもとづくオバマ政権の軍事的・経済的の対日要求を、イラン制裁(イラン産石油輸入禁止)への協調をも含めて、ことごとく受け入れているのである。

労働者・人民への犠牲転嫁による危機の強行突破

 口を開けば「福島の再生なくして日本再生なし」などと言いながらも、その実、野田政権は被災民の生活再建など二の次三の次にして、原発再稼働、大増税・社会保障切り捨て、TPP参加、日米新軍事同盟の強化に突進している。これらこそは、未曽有の経済危機にのたうつ日本帝国主義、その政府・支配階級による危機の強行突破策にほかならない。
 巨大地震と大津波そしてチェルノブイリ原発事故と同レベルの「レベル7」の原発事故の勃発。これらは日本諸独占体のサプライチェーンの崩壊をもたらした。さらには、PIIGS諸国のソブリン危機のEU金融危機への連鎖によって、EU発国際金融恐慌勃発の危機が切迫し世界的大不況が深刻化しつつある。そのもとでのドル安・ユーロ安の進行のあおりを受けて円高が一気に昂進した。日本帝国主義に襲いかかるこうした危機のもとで、日本帝国主義が支えにしてきた<技術立国・貿易立国>の金看板が音をたてて崩れ落ちてしまった。
 薄型テレビ事業での国際市場争奪戦における韓国諸企業(および中国諸企業)への敗勢のゆえに日本の電機諸独占体は、軒なみ三月期決算において大幅赤字を計上する見込みを発表している。DRAM生産で世界第三位の「日の丸半導体」企業エルピーダメモリは、韓国サムスン電子らとの市場争奪戦に敗北し、巨額の負債を抱えて経営破綻に追いこまれた。
 こうした日本帝国主義の没落を尻目に「二十一世紀の超大国」にのしあがりつつある胡錦濤の中国は、東・東南アジア地域に中国主導の経済圏(人民元決済による経済圏)の構築を着々とおしすすめている。中国政府は、この<人民元経済圏>構築の策動を「人民元の国際化」――ドル・ユーロ・円に並ぶ国際貿易・決済の通貨に人民元を押しあげる――の策略と結びつけておしすすめている。まさに、アメリカ帝国主義の<ドル支配体制>の切り崩しをも策しているのが胡錦濤政権にほかならない。
 三月五日に開幕した全人代(国会にあたる)において中国政府は、世界的大不況下での輸出減少を見込んで、二〇一二年の経済成長率目標をここ数年の八%から七・五%に引き下げた。しかも、富の四四%を一%の富裕層(特権を享受する官僚層と資本家ども)が支配するといわれているほどに、貧富の格差は年々拡大の一途をたどっている。このことにたいする中国労働者・農民の怒りは高まるばかりなのである。この人民の不満・反発を封じこめるために、北京官僚は、「雷鋒精神に学べ」と称して「愛国・人民奉仕」のキャンペーンに狂奔している。
 こうした経済的・社会的諸矛盾の激発におびえながらも、胡錦濤政権は、外に向かっては、アメリカ帝国主義の中国封じこめの策略を打ち破り東・南両シナ海の制海権(制空権)をアメリカ帝国主義から奪取するために、海軍強化や宇宙軍拡を要とする核軍事力の増強に狂奔している(二〇一二年の国防予算に前年比一一・二%増を計上)。
 この中国の「超大国」への突進にたいして、日本帝国主義の政府・支配階級はことのほか危機意識を募らせている。「アジア内需のとりこみ」を主眼とする新経済成長戦略をうちだし、ASEAN・インド(中国)を含めての日本帝国主義主導下の経済圏を再構築することを、政府・独占ブルジョアジーは企んでいる。中国の台頭によってこの新戦略じたいが吹き飛びかねないという危機感を彼らは昂じさせているのである。
 まさにこのゆえにこそ、野田政権は、台頭する中国に対抗するために、「日米同盟の深化」の名のもとに没落盟主<Aメリカ帝国主義のオバマ政権に隷従する道を選びとっているのだ。ブッシュ政権に媚びへつらった、かの小泉政権ですら二の足を踏んだアメリカ帝国主義の対イラン経済制裁への協調(石油輸入の削減)。中国主敵の「新国防戦略」にもとづく米軍再編の見直しへの全面協力(在沖米海兵隊司令部および主力戦闘部隊の残留や辺野古新基地建設、普天間基地の大規模補修、グアム移転費負担の追加)。そして米軍と協力しての南スーダンPKOへの自衛隊派遣。しかも、イランにたいする軍事的恫喝を強めているオバマ政権の要請に応えて日本国軍のホルムズ海峡への派兵をすら野田政権は企んでいるのだ。
 それだけではない。「国難突破」の大合唱に唱和する「連合」労働貴族どもを援軍として活用しながら、野田政権は、独占資本家どもへの手厚い支援に力を注いでいる。独占資本家どもがいま、「六重苦」(超円高、「高い法人税率」、FTA締結の立ち遅れ、原発休止にともなう安定電力不足など)に欧州債務危機やタイ洪水による生産拠点・サプライチェーンの損傷を加えて、日本経済にのしかかる「八重苦」をあげつらい、これらが企業の国際競争力喪失や国内の産業空洞化の原因であるかのように叫んでいる。だがこれは、政府・支配階級の手前勝手な主張にほかならない。
 いま、欧州諸国のソブリン危機・金融危機の反作用を受けて深刻化している欧州諸国の不況が、対EU輸出の落ちこみをつうじて米・日のみならず中国をはじめとする経済新興諸国をもまきこみ、世界大的不況へと突入している。このもとでドル安・ユーロ安・円高が、一ドル=七五円台の超円高から最近は一ドル=八二円にまで緩和されているものの、依然として続くすう勢にある。ユーロ安・ドル安のもとで日本が世界一の純債権国≠ナあることから円が投機的に買われ円高がもたらされているからである。けれども、この純債権国≠ニいう地位じたいが、対米・対欧州輸出による貿易黒字の積み増しを支えとして形成されてきたのだ。このことは、日本帝国主義が<技術立国・貿易立国>を金看板とし輸出特化型の産業構造を、農林水産業を衰退・荒廃に追いこみながら形成してきたことを基礎としているのだ。この奇形的な産業構造の形成の帰結、いや農林水産業を犠牲にしてきたことの報い≠ェ、いま独占資本家どもが「立地競争力」の劣化の要因などと騒ぎたてている円高なのである。
 また、独占資本家どもは「法人税率が米・欧・新興国に比して高い」と喚き、その引き下げを野田政府に迫っている。けれども、これも、実に身勝手な主張なのだ。企業側の社会保障負担が欧州諸国よりもはるかに低く抑えられているというだけではない。すでに多国籍企業化した日本の諸独占体とりわけ製造業諸独占体は、収益の六〜七割を海外生産に頼っている。彼らはこの海外生産での収益をタックス・ヘイブンの国・地域(ケイマン諸島や香港など)や法人税税率の低いオランダに設立した関連会社に移し、日本国内での法人税支払いを抑えこんできた。しかも、小泉政権いらい独占諸資本は法人税減税などのさまざまな税制上の優遇措置という恩恵を受けてきている。このことに口をつぐんで「高い法人税率」などとほざくのは盗人猛々しいにもほどがあるではないか。
 しかも今日、石油・天然ガスの国際価格の高騰と原発停止とによって「電力供給が不足している」などと毒づくのは犯罪以外のなにものでもないではないか。そもそも政府・独占資本家どもは、資源小国%本の「エネルギー安全保障」のためと称して原発(核開発)を国策として推進してきた。その場合に、地震・津波対策(安全対策)にかんして「巨大地震・大津波は想定外」と称しておざなりにしただけでなく、老朽化した原発を運転しつづけてきた。このことの大破綻が福島第一原発事故において露わとなったにもかかわらず、「安定電力」と称して原発の再稼働を求めるのは、まさに盗人の居直りなのだ。
 このように、みずからに都合の悪い事態には知らんぷりを決めこんで「六重苦・八重苦を打開せよ」などと叫びたてるのは、独占資本家どもの階級的エゴの発揮以外のなにものでもない。そしてこの独占資本家どもの意と利害を体して、「国難突破」の名のもとに独占資本支援の法人税引き下げや「復興」策をおしすすめているのが野田政権なのである。彼らはしかも、「少子高齢化」の進行ゆえの国家財政の赤字の拡大をも「国難」とみなし、「社会保障と税の一体改革」の名のもとに消費税大増税に突進している。
 けれども、この「国家財政の赤字」とか「欧州以上のソブリン危機切迫」とかという言辞じたいが労働者・人民に犠牲を転嫁するための方便ではないのか。歴代政権とりわけ小泉・自民党政権のもとで社会保障支出が――公的部門への政府・地方自治体の支出とともに――抑えこまれ、かつ公的部門(病院など)の独立行政法人化が進められてきた。にもかかわらず、財政赤字は急膨張してきた。この事実ひとつをとってみても、社会保障費の拡大が財政赤字の原因ではなんらないのは明らかである。現時点の財政赤字の主要因は、バブル経済破綻後の金融危機と長期大不況をのりきるために、政府が経営難におちいった金融諸機関および諸独占体に莫大な公的資金を注ぎ・かつ大企業優先・富裕層優遇の「税制改革」をおしすすめてきたことにある。エルピーダメモリに注ぎこんだ三〇〇億円が同社の経営破綻によって負債となり、これはいずれ労働者・人民に税金徴収としてはね返ってくる。まさに「六重苦」「八重苦」を叫びたてる独占資本への支援が、逆に財政赤字を拡大してさえいるのだ。
 およそ政府・支配階級が「六重苦」だの「財政赤字」だのを「国難」と言いなし、その打開を叫びたてるのは、いままさに急迫する日本帝国主義の危機を労働者・人民にたいするこれまで以上の犠牲転嫁によってのりきることを策しているからにほかならない。アメリカ帝国主義との新軍事同盟の強化を大前提としつつ、日本帝国主義・野田政権は、原発再稼働・大増税・TPP参加・辺野古新基地建設の一大攻撃を労働者・人民の頭上にかけている。まさにそれは、日本の労働者・人民を<戦争と貧困と放射能禍>にひきずりこむ道以外のなにものでもないのである。

「国難突破」の大合唱にのみこまれた既成指導部を弾劾し闘おう

 3・11一周年を期して、首相・野田は「原発再稼働の先頭に立つ」などと傲然と言い放った。野田率いる政府は、いよいよこの三〜四月にも関西電力大飯原発3、4号機を手はじめとして原発再稼働を強行せんとしているのだ。しかも、家族・住居・職場そして故郷をなくした被災人民の心情と彼らへの労働者・人民の思いにつけこみ、「日本はひとつ・絆」などというキャンペーンをもくりひろげている。まさにそれは、呻吟する被災人民に現下の生活苦を耐え忍ぶことを強制するためのおためごかしでしかない。それだけではなく、原発再稼働を強行し「復興」事業をも独占諸資本の新たな利殖の機会たらしめることを正当化するための欺瞞にほかならない。
 われわれは、資本の鉄鎖以外に失うべきものを何ももたないプロレタリアートの前衛部隊としての矜持にかけて被災人民と連帯しつつ、野田反動政権による原発再稼働・大増税・日米新軍事同盟強化の一大攻撃を、そしてまた独占資本家どもの首切り・賃下げ攻撃を木端微塵に打ち砕くのでなければならない。その戦列・階級的力を今こそ創造するために奮闘しなければならない。
 ところが、「連合」労働貴族どもは、政府・支配階級が鼓吹する「国難突破」「絆」キャンペーンに唱和し、政府権力者の一大攻撃を下から支える姿勢を鮮明にしているのだ。福島人民が放射能禍に呻吟しているその時に、彼ら労働貴族どもは、「再稼働反対、原発なくせ」を叫ぶ労働者の声と闘いを抑圧している。三月十一日に福島県郡山市で開催された福島県民大集会に際しても、「原発なくせ」の声が広がるのを恐れ敵対しているのが労働貴族どもなのだ。
 春闘集中回答日が近づいている今この時に、「連合」労働貴族どもは、独占資本家どもと「国難突破」を相唱和し、「賃上げ」要求など一言も語っていない。例年ならば、一応は「賃金改善・労働条件改善・社会保障拡充」の要求を掲げ傘下労組員を動員してとりくんできた「連合」中央集会をとりやめ、労組の代表動員による屋内での「震災復興・絆」集会へとすりかえた。彼らは、政府・独占資本家どもと一体となって「国難突破」に挺身することを基本路線としている。この労使政協議路線の徹底化の今日的シンボルが彼らのいう「絆」なのである。かくして「連合」労働貴族どもは、労働者の生活を守ることを大義≠ニしてきた春闘そのものを今年をもって最後的に葬りさろうとしているのである。
 他方、日共の不破=志位指導部は、衆院の消費税解散°゚しの風に脅え、なんとしても党のサバイバルをはかることに血眼になっている。彼らは「原発再稼働」に反対し、「原発ゼロでの一点共闘」の拡大を主張している。けれども実際には、日共の票田開拓に役立つとみなしたとりくみにしか力を入れていない。いやそもそも、「原発ゼロの社会」をめざすなどとはいっても、彼らはいまなお「原子力の平和利用」論を否定せず、かつまた「今すぐ全原発を止めろ」とは決して言わないのだ。わが同盟の批判に共感する党員たちが「平和利用」論を唱えてきた党中央に反旗をひるがえしている。このゆえに日共官僚どもは、これ以上の党崩壊を防ぐために、原発反対運動での種々の集会にさいして、わが革命的左翼の部隊との接触≠避けることに汲々としているのだ。そして、「国民的大運動」へのとりくみにおいて、消費税増税反対に重点を移しかえているのだ。
 ところが、彼らの「消費税増税反対」の方針(代案)たるや、「建設的代案」の提唱も必要とうそぶいて、政府権力者と同じ土俵の上でよりましな=u財源確保」策をあれこれと案出するものにすぎない。二月七日に彼らは、政府の「社会保障と税の一体改革」案にたいする代案=政策をうちだした。その政策において彼らは、「財政危機打開」という政府と同じ土俵の上で「富裕層と大企業への課税強化」――「応分負担」として所得税の最高税率を一九九八年水準に戻すこと(第一段階)、それだけではなく「社会保障拡充」の財源として「国民負担」を課すことや法人税税率を「国際協調ができれば将来的には引き上げる」こと(第二段階)、をも提示している。「財源問題に一歩踏みこむ」と称して、日共官僚は「国民負担」の強化(所得税引き上げ)を公然と言い放っているのみならず法人税引き上げを将来の目標≠ノおいやっているほどなのだ。この日共版「社会保障と税の一体改革」案なるものは、文字通り開明的<uルジョアジーに媚びへつらい、自党の政権担当能力を売りこむためのものにほかならない。この方針(代案)は、不破=志位指導部が「資本主義の枠内での民主的改革」のための「保守層との共同」を基本路線としていることにもとづいている。
 そもそも政府の「財政危機」キャンペーンをうのみにし、その枠内において「保守層」に支持してもらえる代案の案出に汲々とすることじたいが、日本資本主義の「バランスある発展」の名のもとに「健全な資本主義」を夢想する修正資本主義の党、その腐敗を象徴しているではないか。今や、「連合」労働貴族どもと同様に、独占資本家どもに色目を使う日共官僚は、人民の闘いの彼岸にずり落ちた労働者階級の裏切り者にほかならない。
 すべての労働者・学生諸君! いまや「国難突破」に唱和する「連合」労働貴族のみならず日共指導部も、現下の経済危機の泥沼にのたうつ日本帝国主義の危機のりきり=労働者・人民への犠牲転嫁に加担し、日本国家の支配秩序(ネオ・ファシズム支配体制)を維持するための安全弁≠フ役割を果たすにいたっている。
 われわれは、いまこそ、この既成指導部翼下の日本階級闘争の危機を根底から突き破るために奮闘するのでなければならない。わが革命的左翼は、東日本大震災・福島核惨事のもとで苦悩する被災人民と連帯しながら原発・核開発反対の闘いをはじめとして政治経済闘争や反戦反安保闘争を断固としておしすすめ、そのただなかで転向スターリニスト日共の腐敗を暴きだしつつ・その解体をも促進することをつうじて、まさに日本階級闘争の危機を突破する橋頭堡を築いてきた。この地平に立って、さらに闘いの飛躍的前進をかちとろうではないか。
 「震災失業」と大増税・社会保障切り捨てによる生活苦と貧困の強制のみならず、海外への生産拠点の移転にともなう大リストラや賃下げ攻撃、働く者すべてに襲いかかるカローシや精神的疾患(うつ病など)、そして放射能禍の拡大。この<暗黒>をわれわれは唯一の前衛にふさわしく全力をあげて粉砕するのでなければならない。それこそが、<3・11一周年>に際してのわが革命的左翼の決意と責務にほかならない。<反米・反シオニズム>の闘いに起ちあがっている中洋イスラム圏の人民や大量首切り・賃下げ・大増税に反対してストライキに決起しているギリシャをはじめとするヨーロッパ人民。そして反資本主義≠フ反逆の炎を噴きあげているアメリカ人民。そして北京官僚の圧制と抑圧と格差拡大に怒る中国労働者・人民。これらの全世界の労働者・人民と連帯し、われわれは、この日本の地において<大増税・原発再稼働・安保強化>に反撃する一大闘争の高揚を、今こそかちとるのでなければならない。
 既成指導部の「エネルギー政策転換」要求運動をのりこえ、原発再稼働阻止・核燃料サイクルをふくむ全原発施設の廃棄を中心課題とする原発・核開発反対闘争を推進せよ。
 「国難突破」に唱和する「連合」労働貴族の「救国」産報運動を打ち破り、「財政危機打開」の代案提示にあけくれる日共中央を許さず、消費税大増税を阻止せよ。賃下げ・大リストラの強行を許すな。一二春闘の勝利をかちとれ。
 「反安保」を放棄した既成平和運動指導部を弾劾し、辺野古新基地建設阻止・普天間基地撤去・日米新軍事同盟の対中対露攻守同盟としての強化反対の闘いを推進せよ。アメリカ帝国主義のイラン制裁・軍事的恫喝に反対せよ。極右シオニスト=イスラエル・ネタニヤフ政権によるイラン核施設への攻撃を許すな。日本国軍のペルシャ湾派兵を阻止せよ。
 すべての諸君! われわれはこれらの闘いの高揚をかちとり、野田反動政権を労働者・学生の総力をあげて打倒するのでなければならない。わが同盟は、現下の日本階級闘争の危機を根底から突き破るために、今こそ底力を発揮してたたかいぬく。ともにがんばろう。
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二〇一二春闘の戦闘的高揚を!

「復興」を口実に賃闘を放棄したNTT労組本部を弾劾せよ

 二〇一二春闘にさいして、NTT労組本部は、「今春闘は大震災からの復興・再生こそが最優先課題だ」と叫んで、またしても月例賃金引き上げ要求を完全に放棄した。彼らはただ、「特別手当」(一時金)についてのみ昨年妥結水準の要求を掲げたにすぎない。本部労働貴族どもは、十数年も賃上げゼロを強いられ今また大増税攻撃に晒されて生活苦にあえぐ労働者にたいして、「被災地に寄り添う」とか「絆」とかを叫びたてつつ、「国難突破」のためにいまこそ政労使が一体となって日本経済再生にとりくめと号令し、もって賃上げ要求放棄を開き直っているのだ。しかも彼らは、野田政権による大増税・社会保障制度の大改悪をはじめとする諸攻撃にたいして、「国難を乗り切る政策だ」「政局化すべきではない」とほざいて、いち早く支持を表明した。東京電力福島第一原発の爆発事故と放射能惨禍にはひたすら沈黙を決めこむことによって、野田政権・電力諸資本による原発再稼働への道を掃き清めている。
 情報通信産業でたたかうわれわれは、二〇一二春闘を「国難突破」の「救国」産報運動へと歪曲する情報労連・NTT労組本部に抗して、正規・非正規すべての労働者の大幅一律賃上げをかちとるために総力を結集しよう。そして野田政権の消費税増税はじめとする反動諸攻撃を打ち砕くために奮闘しようではないか。

以下見出し
1 「新たな情報サービス創造」を呼号するNTT経営陣

情報通信市場の激変下での企業生き残り策

事業構造転換の下で犠牲を強いられる労働者


2 「国難突破」春闘への歪曲

収益日本一♀驪ニに十数年間賃上げ要求を自粛

非正規労働者の「処遇改善」の放棄

「六十五歳まで働き続けられる制度の確立」要求の欺瞞性

野田政権の反動諸政策を翼賛


3 NTT春闘の爆発にむけ奮闘しよう
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賃下げ・大量解雇反対! 大増税阻止!

電機労働貴族による「救国」春闘への歪曲を突き破れ

 電機大手の集中回答日を前にして、電機の独占資本家どもは、徹底した賃金抑制の姿勢を示すとともに「企業存亡の危機からの脱却」を叫びたてながら、大規模な企業統合や国内事業所の閉鎖・海外移転などの諸施策を強行している。彼らはありとあらゆる手をつかって労働者に犠牲を強制しようとしている。
 電機連合指導部がおずおずと掲げた「賃金体系維持」という要求ならざる要求にたいしてさえ資本家どもは、「自動的に賃金があがるという認識であればきわめて問題、定昇をやるかやらないかも含めて議論すべき」(日立製作所常務・御手洗)だと居丈高に恫喝し、さらには賃金支払い形態の改変にも着手するという意志をもブチあげたのだ。
 電機連合中央とその傘下の単組指導部は、パナソニックやNECをはじめとする大企業資本家どもが春闘目前に次々とうちだした何万人という規模の首切り策≠黙認しているだけでなく、「電機産業の持続的成長をはかる」ことを謳い、資本家どもと一体になって「電機産業・企業の国際競争力強化のため」の諸方策を徹底論議する場へと今春闘をネジ曲げようとしている。電機連合委員長・有野は「利益を出せなくなっている日本のビジネスモデルをどうするのか」という難題を解決することが今春闘の「労使論議の一番の課題」とまで言い放っているのだ。
 そればかりではない。彼らは「社会保障と税の一体改革実現のために、国民のコンセンサスを得る」、そのために電機連合として尽力すると公言してもいる。彼ら労働貴族は「国難克服」を叫び、消費税大増税のための法案を早く成立させよと野田政権を公然と尻押ししているのだ。われわれはこのような電機連合指導部による「救国」春闘への歪曲を許さず、電機一二春闘を戦闘的に高揚させていかなければならない。

以下見出し
一、「国難突破」を掲げ労働者に犠牲を強いる政府・独占資本家

A 危機のりきりに狂奔する電機資本家ども

B 大衆収奪の強化に突進する野田政権

C 「救国」産報運動に抗する革命的労働者の闘い

二、電機連合指導部による抑圧と歪曲を突き破り闘おう

A 首切り・賃下げ容認の一二春闘方針

1 「電機産業の持続的成長」を呼号
2 「賃金体系維持」要求のインチキ
3 大リストラ攻撃の是認
4 消費税大増税攻撃に全面協力
5 「雇用延長制度」見直し方針の欺瞞性
6 原発再稼働・原発プラント輸出の尻押し


B 電機戦線から<政経・春闘>の爆発を!

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3・11一年 地獄のフクシマ原発

 「ステップ2完了・冷温停止状態達成」のマヤカシ

 3・11東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故発生から一年。フクシマ原発事故≠ヘ鎮まっていない。放射能を今も原子炉から噴出し、再臨界の危機をも孕(はら)む姿は、まさにこの世の地獄≠ナある。
 ところが昨年十二月十六日に首相・野田は、「事故収束宣言」を国家内外に大々的に打ちあげた。原子力災害対策本部名で発表した「ステップ2完了報告書」と「廃炉にむけた工程表」では、なんと「冷温停止状態」が「達成」され「ステップ2目標達成」が実現した。今後は「廃炉に向けた中長期計画への移行」だ、などとほざいている。そして、停止中原発の再稼働に向けて遮二無二突進しているのだ。
 ふざけるな! 塗炭の苦しみを強いられている労働者人民を欺瞞するのもいいかげんにしろ!

以下見出し
A 野田政権の12・16「事故収束」宣言の大ウソ

恣意的な「安定冷却達成」

「達成目標」そのものの欺瞞

地震による2号機格納容器破損の隠蔽

地震動が招いた4号機核燃料プールの恐怖

水素爆発と再臨界の危機は今なお続いている


B 「確率論的安全評価」の欺瞞

「五千年に一回」と確率を修正

確率計算の観念遊戯

安全性理論≠フブルジョア階級性


C 老朽化原発をはじめとする全原発の再稼働反対!
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2・27那覇 「普天間基地撤去! 辺野古新基地建設阻止!」
 闘う労学が野田来沖を弾劾
 二月二十七日、那覇市の県民ひろば・沖縄県庁入口で、首相・野田の来県に抗議する緊急行動(沖縄平和運動センターなど三団体の共催)がおこなわれた。
 「米軍普天間基地の『辺野古移設』ときりはなして、在沖米海兵隊のグアム移転と嘉手納以南の五施設の返還を先行実施する。」――この日米協議の内容を説明すると称して来沖した野田は、これらがあたかも「沖縄の負担軽減」のためでもあるかのようにおしだして、米海兵隊の当面の普天間居座りを押しつけるために、そしてなおも辺野古への新基地建設をおしすすめるために、県知事・仲井真との会談に臨んだ。
 この対米隷従*田政権の横暴を打ち砕くために、沖縄のたたかう労働者・学生・市民は勇躍決起した。
早朝から結集し野田来沖弾劾の怒りを燃やす
(2・27、那覇市・県民ひろば)
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2・26 佐賀 「原発再稼働NO」の声轟く
 全九州総決起集会に二一〇〇名が結集
 二月二十六日に佐賀市内において、「原発再稼働にNO! いのちが大事! さようなら原発九州総決起集会」が開催された。「原水禁九州ブロック」「原発はもういらない九州連絡会議」「さようなら原発一〇〇〇万人アクション佐賀県実行委」「川内原発増設反対鹿児島県共闘会議」の四団体が主催したこの集会は、東京・代々木公園をはじめ全国でとりくまれた2・11集会の九州版としておこなわれた。会場の「どんどんどんの森広場」には、佐賀県を中心に全九州から労組員・市民二一〇〇名が結集した。全学連九州地方共闘会議と反戦青年委員会の仲間たちは、闘いにたちあがった労働者・市民たちと連帯して、この日の集会・デモを戦闘的に高揚させるために奮闘した。
玄海・川内原発の再稼働策動に怒り
(2・26、佐賀市)
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