第2209号(2012年3月12日)の内容

<1面>
12春闘の戦闘的爆発をかちとれ
「連合」古賀指導部による春闘の最後的埋葬を許すな!

<4〜5面>
労働者への犠牲転嫁の居直り

経団連『12年版経営労働政策委員会報告』批判

労働者への犠牲転嫁の居直り
経団連『12年版経労委報告』批判
<6面>
私鉄春闘の大爆発をかちとれ
<7面>
日共版「社会保障と税の一体改革」
「トヨタ総行動」に戦闘的息吹 2・11
Topics エルピーダメモリが経営破綻
<2面>
原発再稼働反対の声轟く

さようなら原発集会IN北海道 2・18
さよなら! 志賀原発集会 2・25 金沢
<3面>
教育基本条例・職員基本条例の大阪府議会での制定阻止!
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
<8面>
アジア・太平洋地域における米軍の新たな再編・強化策
  「解放」最新号



























  


12春闘の戦闘的爆発をかちとれ

「連合」古賀指導部による春闘の最後的埋葬を許すな!

 東日本大震災・東電福島第一原発大事故から一年のこんにち、被災人民は今なお生活苦と失業と放射線被曝の三重苦を強制されている。この事態は、ひとえに野田政権が、呻吟する被災人民を見捨てて独占資本第一の「復興」策をとるのみならず原発再稼働を強行しようとしているからではないのか! ハイエナのごとくに「ビジネスチャンス」を求めて嗅ぎまわる独占資本家どもと彼らを全面支援する野田政権こそが、被災人民に苦難を強いているのだ。
 今、長期大不況と製造業諸独占体の国際競争力の衰退に直面している独占資本家どもは、独占体の「生き残り」をかけて労働者の大量解雇と賃金切り下げの攻撃をうち下ろしている。「連合」古賀指導部の月例賃金の引き上げ要求ですらない「一%配分要求」さえも一蹴し、「定昇の延期・凍結」を居丈高に宣言するばかりか、「定昇制度の見直し」さえも傲然とブチあげているのだ。この独占資本家どもの意をも体して野田政権は、「社会保障と税の一体改革」の名のもとに消費税大増税と法人税の引き下げ、社会保障制度の改悪に突進している。
 今まさに労働者人民は耐え難い<貧困と失業>を強制されているのだ。ところが、この一大攻撃を前にして、「連合」古賀指導部は消費税大増税を積極的に尻押ししている始末ではないか! いや彼らは、例年は傘下の一般労組員を動員して一応はとりくんできた春闘中央決起集会さえも、今年は小規模の屋内集会にきりちぢめ、「東日本大震災一周年『絆』集会」と銘打ち<政・労・使>が一体となって「絆」を深め「日本復興」を誓い合うセレモニーにすりかえた(三月六日)。かくして「国難突破」の名のもとに春闘の最後的埋葬を企んでいるのが「連合」古賀指導部なのだ!
 すべての革命的・戦闘的労働者諸君! 今こそ「連合」労働貴族どもによる「救国」産報運動への歪曲を突き破り、「全労連」の日共系指導部による「大企業の内部留保のほんの一部の還元」を請願するにすぎない運動をのりこえ、一二春闘の戦闘的爆発をめざして全力で奮闘しようではないか!
 独占資本家による大量首切り・賃金切り下げ攻撃を打ち砕け! 野田政権の消費税大増税攻撃を粉砕せよ! われわれは、一二春闘と消費税大増税阻止・社会保障制度改悪反対を焦眉の課題とする政治経済闘争を、停止中原発の再稼働阻止を喫緊の課題とする原発・核開発反対の闘争や「アメリカ帝国主義のイラン制裁・軍事恫喝反対! イスラエルによるイラン核施設攻撃を許すな! 日本国軍のホルムズ海峡派兵阻止! 辺野古新基地建設阻止!」の反戦反安保闘争と同時的・一体的に推進し、これらの闘いの爆発をもって反動野田政権を打倒しようではないか!

以下、見出し
企業生き残りのために労働者に犠牲を強いる独占資本家

消費税大増税に突進する野田政権

「救国」産報運動に抗して闘おう!
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労働者への犠牲転嫁の居直り

「企業存亡の危機突破」を呼号する独占資本家ども

経団連『12年版経営労働政策委員会報告』批判

 今二〇一二春闘において独占資本家どもは、「連合」古賀指導部がおずおずと掲げた「賃金水準復元のため一%を目安とした成果配分を」という実に弱々しい懇願さえ歯牙にもかけず、「ベースアップなど論外」「定昇の延期・凍結もありうる」と居丈高に言い放っている。東日本大震災・福島原発事故から一年を経た今春闘において、被災人民の生活基盤再建など二の次三の次にしてひたすら大企業支援第一の「復興」策に力を注ぐのみならず被災人民からも容しゃなくむしりとる消費税大増税に突進している野田政権――この反動野田政権から数々の大企業優遇策をひきだしながら、独占資本家どもは、「いまや労使が解決すべき最大の課題は、いかに企業を存続させるかだ」、と叫び立てている。彼らは、労働者を徹底的に搾り取ってためこんだ二六六兆円にものぼる内部留保(大手企業約五〇〇〇社)についてはいっさい口をとざして、これまで以上に強硬に総額人件費の極限的削減を貫徹しようとしている。EU発の国際金融恐慌勃発の危機の切迫に脅え、日本のものづくり産業の国際競争における全面的敗退の悪夢≠ノうなされながらも、激化するグローバル競争になんとか勝ち抜き生き残ろうと、いっさいの犠牲を労働者に強いているのが独占資本家どもなのだ。「危機を乗り越え、労使で成長の道を切り拓く」という副題をつけた日本経団連の『二〇一二年版経営労働政策委員会報告』(以下『報告』と略す)こそは、日本労働者階級にさらなる貧困と労働苦を強制する彼ら独占資本家どもの階級的本性を、まさに赤裸々に示すものにほかならない。

(以下、見出し)
T 「競争力強化のための労使協力」を絶叫

U 徹底した賃金抑制と大企業支援策の要求

V 労働貴族を従えた「労使パートナーシップ対話の深化」
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教育基本条例・職員基本条例の大阪府議会での制定阻止!

関西地方委員会

2・21府労連闘争が組合員の怒りで高揚

 二月二十三日開会の府議会への教育基本条例案と職員基本条例案の上程を前に、大阪府労連(「連合」系)および大阪府労組連(「全労連」系)が二月二十一日に集会を開催した。二条例案のなかの労働条件の変更にかんする事項をめぐる労使交渉に圧力をかけるために設定されたこの日の集会に、府労連傘下の組合員二五〇〇人が結集した。府労連民同系執行部は、あらかじめ「この日が(二条例にかんしては)最後の府労連集会だ」とつぶやきながら、「連合大阪」、日教組本部、自治労本部などの代表を招いてアリバイ的にとりくんだにすぎず、「一方的実施反対」「十分な労使協議」を弱々しく主張しただけであった。府教委や府総務部の「維新の会」条例案への反発に依拠して、二条例案の違法性≠あげつらうことしかできない民同系指導部の弱腰を弾劾しつつ、下部組合員たちは二条例制定に絶対反対する意志を込めて、職場から横断幕、ゼッケン、寄せ書きを持って結集した。だが、府労連の民同系本部は、この日の交渉を形式上は「決裂」としただけで、府議会における二条例制定を阻止する大衆闘争を何ひとつ提起することなく、たたかう組合員を裏切ったのである。
 日共系の府労組連執行部にいたっては、午後四時半からの集会に役員のみ二百数十人集めただけで、総選挙をにらんで票田を固めるために開催した翌二十二日の「府民集会」にすべてを解消してしまったのだ。

首長専制の教育行政システムへの再編を企む橋下

 「維新の会」橋下・松井は、一月三十日と二月八日に開催した府市統合本部の会議において、「民意を得た首長が方向性を決める」と称して、府教育委員や総務部長らの抵抗をねじ伏せ、府教委作成の原案(教育基本条例―教育行政基本条例と府立学校条例とからなる)と府総務部作成の原案(職員基本条例)に彼らの意向を押しこんで、「維新条例案」の核心的内容を二つの条例案に貫徹した。
 橋下・松井らが府教委メンバーと協議して最終的に確定した教育行政基本条例案は、「知事は、府教委と協議して、教育振興基本計画案を作成する」とされている。橋下らが、教育委員に妥協するポーズをとりながらも、<首長が「教育目標」を設定し、それを忠実に実施する行政機関として府教委を位置づける>という当初案を貫いたということなのだ。――(教育基本法で地方自治体が定めるとされている)教育振興基本計画をもちだし、そのなかに「教育目標」を入れ、議会で決定する。「府教委と協議」するが、もしも対立したら「知事が教育委員の意見を付して議会に提出」するとされた。府議会は大阪維新の会が過半数を占めているのだから、現状では「府教委との協議」は無意味に近い。
 また、<知事は、「教育目標」の実施を怠った教育委員を罷免する権限をもつ>という点は、教育委員による目標達成状況についての自己評価を見て、知事が「罷免事由」(地教行法に規定された)に該当するかどうかを判断する、というかたちで貫徹されたのだ。
 府教委は、条例の文言に教基法や地教行法の規定を使用したことをもって、「現行教育法規」にもとづいているから歯止めをかけたなどとおしだしているが、府教委が橋下らに取りこまれただけであることは明らかではないか。橋下らは、教育委員会が労組と癒着しているがゆえに「教育改革」の実施が阻害されているとみなしている。そして、その根拠こそは「教育の政治的中立性」を謳う教育理念≠ノあると決めつけ、これを悪の元凶として否定しているのである。そのうえで橋下らは、教育行政システムをば首長がうちだす教育目標を忠実に実行しうるそれに再編するという反動的教育再編の意志を貫こうとしているのだ。激しい国際競争にさらされ、これになんとか勝ちぬくためにあがいている日本独占資本の教育要求に応えるために、大阪維新の会がうちだしている<「愛国心」をもち「世界標準で競争力の高い人材」を育成する>という教育理念。これを実現することを策して、橋下らが強行しようとしている教育行政システムの反動的再編を決して許してはならない。
 そして、「府立学校条例」案においては、学校経営体の長として校長への全権付与が規定された。「学校経営計画」を定め、必要経費を府教委に要求し、教員の人事・評価をおこない、学校協議会の委員を任命する権限を校長にもたせる。この校長を、すべて公募による任期付き採用とする当初案は、「すぐに全校長を公募にきりかえられるほど人材は見つからない」と抵抗する府教委の意見をとりいれて、定年退職の校長ポストから順次公募にすることに変更された。学校間競争を煽りつつ、「学校経営計画」の達成状況について校長の評定をおこない、ダメな校長≠ヘ任期満了で交代させる――これは、英サッチャー型の新自由主義的教育改革を模倣した学校経営へのきりかえにほかならない。
 労務管理強化のための教職員評価と分限処分は、行政職の職員と一括して職員基本条例の方で扱われている。五段階完全相対評価と二年連続Dランクの者を分限免職の対象とする規定は、行政職のみに適用され(二〇一二年度を試行期間)、教職員の方は従来どおり絶対評価のままとされた。そのかわり、校長による教員評価は、「生徒・保護者による評価を含む授業に関する評価を斟酌して行う」とされた。生徒・保護者や学校協議会(地域住民)が「ダメ教師」と評価すれば、指導研修をおこなっても見込みがないとみなした教員については免職にするということだ。校長が、教職員評価を勤勉手当に反映させる権限をもち、それをも手段として、教員を校長の「計画」達成のための忠実な担い手にする、――このような上意下達の強権的な労務管理体制をつくることを企んでいるのだ。
 さらに、職員基本条例では、「君が代」起立斉唱義務化条例を前提にして、起立・斉唱を命じる職務命令に三回(別々の職命には五回)違反したら分限免職とする規定が、当初案通りに入れられた。

大阪都実現をにらんでの府職員の大量解雇・公共サービスの大削減

 しかも、職員基本条例案には、「公務員を身分ではなく、民間並みの職業に変える」と称して、「廃職・過員」となった職員を分限免職にすることを盛りこんだ。橋下らは、府市統合によって水道・病院などを統合して独立法人化したり、地下鉄・バスを民営化したりして大量の「過員」を生みだし民間並みに「整理解雇」することを企んで、この条例の制定を強行しようとしているのだ。「公務員リストラ条例」というべきこの職員基本条例は、「大阪都構想」にもとづく行政機構再編のために不可欠のものとして位置づけられている。
 広域自治体としての「大阪都」は、都市間競争にうちかつための「成長戦略」の実施を担い、「住民の安心・安全」にかかわる介護・福祉・医療・(初等)教育などはすべて基礎自治体の役割とされる。橋下らは、大阪都に一本化した財政の大半を、関経連などの資本家が望む国際競争力をもつ産業の育成、広域インフラの整備(湾岸ベイエリア、新大阪―関空を結ぶ「なにわ筋線」新設など)への投資に振り向けることを狙っているのだ。「二重行政の弊害」を克服すると称して、福祉・医療サービス部門をも統廃合(民営化、一部事務組合化)して、公共サービスの大削減をおこなうと同時に、大量の「過員」を解雇して人件費を削減し、もってそれらによって捻出した財源を独占資本家のために注ぎこむことを狙っているのが、橋下ら大阪維新の会なのだ。「公」のスリム化によって浮いた財源を「民」に回す≠ニいう、橋下の言うことは、「大阪都」に一本化した財政を民間労働者にではなく民間の大資本家のために使うということにほかならない。

府労連本部の労使協議路線にもとづく裏切りを許すな

 大阪維新の会の議員が提案した教育基本条例案に「違法性がある」という観点から反対し、「この条例案採決を強行するなら全員辞職する」と息巻いていた府教委は、態度を変えて交渉のテーブルにつき、現行法規と矛盾しないかたちで「大阪の教育」なるものを護持するようなモメントを入れた「教育行政基本条例」案と「府立学校条例」案をいったんは「対案」として提出した。だがこの「対案」は、橋下・松井や堺屋太一、上山信一らに寄ってたかって批判され、前述したように核心部分をことごとく押し切られてしまったのだ。府教委が大阪維新の会に「満額回答」(橋下)を与えてしまったのと同様に、府総務部もまた、職員評価のしかたを絶対評価を維持することを中心とする職員基本条例の「対案」を出したものの、一年間の試行期間をおくという何の妥協にもならない「おみやげ」をもらっただけで、橋下らにすべて押し切られた。ここにおいて、「維新案」に抵抗していた府教委と府総務部に全面依拠して二条例案に対応してきた大阪教組・府労連本部の裏切りと破産が、誰の目にも明らかとなったのだ。
 だが、あくまでも府労連幹部は、二条例案が、教育基本法、地教行法、地公法などと形式上「すりあわせ」がなされている(府教委の出した案が土台=jことをもって、「確定二条例はたたずまいが変わった」と強弁し、あたかも橋下「改革」に歯止めをかけることができたかのような言辞を弄している。それは、彼らが長年にわたって府教委とのアベック協議≠ノうつつを抜かしてきたがゆえに、教育行政基本条例案の「知事が府教委と協議して」という文言を見て、「教育振興基本計画」のなかに府教委をつうじて「底辺の子どもへの学力保障」というみずからの運動路線への考慮を盛りこませる余地があるかのように思いこむ、「協議」ボケした頭脳のせいなのだ。このかんの新学習指導要領にもとづく教育再編の攻撃をすべて容認したうえで、府教委との労使協議≠つうじて現場における底辺層の「学力保障」のための教育実践の余地を残してもらうことに腐心してきた大阪教組民同系指導部の犯罪性が今ほどあらわになったときはない。
 また彼らは、行政職の完全相対評価へのきりかえにたいしては、現行の評価制度の目的とされている「職員の資質、能力および勤労意欲の向上」を持ち出し、これに反しているから反対だというにすぎない。だが、「……勤労意欲の向上」を美化するかぎり橋下らの土俵にとりこまれるだけではないか。大阪維新の会は、国際都市間競争にかちぬく大阪をつくりあげるための行政施策の案出に創意工夫し能力を発揮する人材を育成するためにこそ、職員間競争を煽りたてようとしているのだからだ。職員としての能力や勤労意欲の向上を尺度にしてランクをつけ、勤勉手当に反映させることを肯定するならば、自治体(公的資本)に雇用された賃労働者として階級的に団結すべき公務労働者が、職員としての意識を濃化し競い合うことによってバラバラになってしまうではないか。それは、労組を敵視し破壊せんとしている橋下の思うつぼではないか。
 能力主義教育と「愛国心」教育の徹底化の策動に何一つ反対することなく、「大阪の教育を守れ」を掲げて、学校現場における「底辺の子どもへの学力保障」を追求するという大阪教組本部の運動路線は、現実的に破産を宣告されている。首長が設定する「教育目標」を達成できなければ「罷免」をつきつけられる府教育委員会、「教育目標」に沿った「学校経営計画」を策定しその達成のために教員を評価し、生徒・保護者による「不適格教員」の申し出をうけて免職処分をしないと任期更新されない校長、――彼らのマネジメントのもとで、「学力保障」のための教育実践の余地などありえなくなるのだからである。
 革命的・戦闘的労働者は、府労連本部の裏切りを弾劾し彼らの運動路線の破産を暴露しながら、職場を基礎に二条例制定を阻止する力をつくりあげるために奮闘するのでなければならない。現行法の規定を援用しているだけで維新案の核心がすべて貫徹されているにもかかわらず、「歯止め」がかかったかのように言いくるめる府労連本部を許すな!

府労組連本部の「全体の奉仕者」論の反労働者性を暴露し闘おう

 府労組連の日共系本部は、二条例の制定攻撃は「職員・教職員が『全体の奉仕者』として府民の暮らしや権利を守り、子どもたちの健やかな成長を願い仕事をすることを否定し、教育への政治介入につながる」ものだから反対だと主張し、「十分な労使協議」を求めるとともに「広範な府民の共同のたたかい」を発展させる、という方針をうちだしている。そしてこの方針にもとづいて府労組連集会を設定した。
 だが、二条例案が「職員・教職員の解雇」「命令にのみ忠実な職員・教職員づくりを狙うもの」と言いながらも、今まさに橋下・「維新の会」がそのような攻撃をかけてきているのは、一体何のためであるかを暴きだそうともしないのはどういうわけか。橋下らは、関西の独占資本家どもの生き残りを賭けたベイエリア開発などへの巨額の投資を支える財源を確保するためにこそ、「府・市一体化」という行政機構の再編統合にともなう府市職員の大量首切りをおこなおうとしているのであり、これを合法化≠キるために「公務員の身分保障」を強権的に剥奪することを核心とする職員基本条例を制定しようとしているのではないのか。そして独占資本家どもの求める「愛国心に燃えたトップエリート」の育成を成し遂げるためにこそ、教育基本条例の制定=教育行政システムの大改悪を強行しようとしているのではないのか。そして、これらの攻撃は、「東京一極集中」による地盤沈下を強いられている関西独占資本の生き残り=「成長」をはかることを核心とする行政諸機構の再編=「大阪都」の実現の突破口として位置づけられているのだ。
 ところが、独占資本救済・支援のための「大阪都構想」に反対することも、公務労働者の大量首切りを正当化するために橋下らが垂れ流している悪辣な公務員バッシング≠フマヤカシを鮮明にすることもできない無様な姿をあらわにしているのが府労組連本部なのだ。それは、彼らが、地方自治体をブルジョア国家権力の末端機構としてとらえることを放棄して、「住民の暮らしと福祉」を守る自治組織であるかのようにみなす没階級的な見方にはまりこんでいるからである。それゆえに彼らは、〔府県からの大都市の独立の要求にたいする妥協≠フ産物として形成された政令指定都市制度の実施のゆえにもたらされたところの〕「二重行政の弊害」をあげつらう橋下に対決できないからなのだ。
 また、府労組連指導部が日本共産党中央に追随して、職員・教職員を「府民のくらしと権利を守り子供たちの成長を促す」「全体の奉仕者」とか「教育の専門家」(=「聖職」)とかととらえる伝統的誤謬を護持していることにももとづいているのだ。府の職員を、地方自治体当局(公的資本)に雇用された賃労働者としてとらえることを実質上否定し、もっぱら「全体の奉仕者」としてとらえるがゆえに、「公務員は民に奉仕せよ」という橋下が垂れ流すデマゴギーに抗することができなくなるのだ。公務員を住民に奉仕するべき存在≠ニみなすならば、公務員労働者(労働組合)を民間労働者の上前をはねている「利益集団」ででもあるかのように描きだす橋下らの欺瞞的なイデオロギーの反労働者性をえぐりだすことは決してできない。「公」なるものの階級的構成実体――自治体当局とそれに雇用され行政サービス商品の生産(=販売)過程をつうじて剰余価値を搾取されている自治体労働者――を明らかにし、「民」の構成もまた独占資本家とそれに雇用された賃労働者、および独占体によって「納入単価」切り下げをつうじて収奪されている中小下請企業群とそれに雇用された賃労働者(膨大な数にのぼる非正規雇用労働者を含む)にわかれることを鮮明にしなければならない。そうすることによって、橋下がやろうとしていることが、「公」による「税金の無駄づかい」の一掃の名のもとに、ハコモノ行政の失敗による赤字公債の問題を隠蔽したうえで公務労働者の人員・賃金を削減し、浮いた財源を「民」のなかの独占資本の救済のために投資しようと企んでいることを、それゆえに民間労働者に恩恵がもたらされるわけでは決してないことを暴露していくことこそが必要なのだ。
 だが、彼ら日共系指導部は、橋下が振りまく「公 対 民」図式にもとづく労働者分断のイデオロギーのマヤカシを暴露することができず、したがって公務労働者と民間労働者との階級的連帯にもとづく団結を創造することができないのだ。そればかりではない。労組破壊にのりだしている橋下・松井らの当局者にたいして「法の精神」にのっとった「十分な労使協議」をお願いすることしかできないボケぶりをさらけだしている。それは、彼らが保守層を含む「府民共同の発展」という方針にもとづいて、来るべき総選挙に向けた票田開拓を第一義としていることに決定されているのである。
 自治労連・大教組傘下の革命的・戦闘的労働者は、府労組連本部の無力な対応をのりこえ、橋下らによる労働組合破壊を許さず、教育基本条例・職員基本条例制定を阻止するためにたたかうのでなければならない。
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原発再稼働反対の声轟く
さようなら原発集会IN北海道 2・18
 二月十八日、札幌において北海道平和運動フォーラムや安保破棄北海道実行委員会などによる実行委員会が主催して「全国一斉 さようなら原発一〇〇〇万人アクションIN北海道」と銘打って、集会とデモが開催された。全道から集まった一〇〇〇名の労働者・学生・市民は、札幌中心部をデモ行進し「原発再稼働反対!」の声を轟きわたらせた。全道のたたかう労働者・学生は既成指導部による「自然エネルギーへの転換」請願運動をのりこえ、職場・学園から闘いを広範に組織し、この集会とデモを戦闘的に高揚させるために、奮闘したのだ。
「全原発即時停止!」闘う学生の若々しい声が響き渡る
(2月18日、札幌)
行進する参加者にわが同盟が熱い訴え
厳寒の中をデモ行進する労働者・市民
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