第2188号(2011年10月10日)の内容

<1面>
大増税・原発再稼働を阻止せよ
超円高・大震災を口実とした独占資本家どもによる新たな首切り・賃下げ攻撃を粉砕せよ
<4〜5面>
リビア人民蜂起の成果を簒奪する国民評議会指導部
<2面>
9・19
「原発とめろ」愛知で大集会
「さようなら原発」福岡県集会

<3面>
伊方3号機の再稼働阻止!
 全原発をただちに停止し廃炉にせよ

<6面>
JP労組中央委議案の反労働者性
北海道電力総連が泊3号機営業運転の旗振り
Topics おざなりな被災地失業対策
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
<7面>
大阪府知事・橋下による教育基本条例制定を阻止せよ
<8面>
夢のまた夢オバマの新雇用政策
「うつすぞ」辞任の裏
『新世紀』最新号(第255号)紹介
 「解放」最新号



























  


大増税・原発再稼働を阻止せよ


超円高・大震災を口実とした独占資本家どもによる新たな首切り・賃下げ攻撃を粉砕せよ

 野田政権は九月三十日、「原子炉が安定的に冷却できるようになった」などと称して、福島第一原発から半径二〇〜三〇`b圏に設けた緊急時避難準備区域の指定解除を決定した。放射性物質の除染がまったく進んでいないにもかかわらず、区域外に避難している二万八〇〇〇人の帰宅を促そうとしているのだ。こうして野田政権は、「原発事故は着実に収束に向かっている」と内外にアピールし、もって、停止中原発の再稼働と原発プラント輸出の道を掃き清めようと目論んでいるのだ。
 しかも、同日の記者会見において首相・野田は、「復興対策」に充てる第三次補正予算に一二兆円を計上するとともに、「その財源についても責任ある対応をしていきたい」と称して十年にわたる所得税の定率増税を中心とする総額一一・二兆円の「復興増税」をおこなうことを表明した。だが、この第三次補正予算の内実は、独占資本支援第一の「復興」策のみならず、「円高への緊急対策」を口実として大企業の国内立地補助金の拡充や日本企業による海外企業のM&A(買収・合併)の支援策を盛りこんだものなのだ。
 野田政権の支援をも受けて日本独占資本家どもは、米・欧ソブリン危機のもとでの超円高の持続や韓国・中国諸企業との国際競争での敗退・劣勢をのりきるために、海外生産拠点を拡充するとともに国内生産拠点の縮小・再編をおしすすめ、労働者に従来にもまして過酷な首切り・賃下げを強要しようとしているのだ。
 すべての労働者・学生諸君! こうして労働者への攻撃がかけられているさなかにおいて、「連合」労働貴族は、独占資本家どもによる首切り・賃下げ攻撃を容認するだけでなく、「社会保障制度の充実」を名分として消費税の段階的引き上げをみずから提言している。われわれは、この「連合」労働貴族の犯罪的対応を許さず、「円高対応」を口実としての独占資本家どもによる新たな首切り・賃金切り下げを阻止するとともに、野田政権による「復興財源の確保」を名分とする増税・消費税増税を打ち砕くのでなければならない。それと同時に、野田政権に呼応して「原発再稼働」を叫びたてる「連合」労働貴族どもを弾劾し、<停止中原発の再稼働阻止・全原発の即時停止・廃棄>を焦眉の課題とする原発・核開発反対闘争のさらなる高揚をかちとるために奮闘するのでなければならない!

以下、見出し
国際金融破綻・世界同時不況再燃の危機

円高に襲われる独占資本家どもの危機突破策

独占資本支援策を次々に打ちだす野田政権

野田政権を下支えする「連合」指導部を弾劾せよ!
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リビア人民蜂起の成果を簒奪する国民評議会指導部


米・英・仏帝国主義のリビア空爆・新植民地主義的侵略を許すな!

A 親米・親西欧≠フ買弁政権樹立の画策

 リビア国民評議会(Transitional National Council「移行国民評議会」)ナンバー2のマフムード・ジブリルは、九月二十九日に首都トリポリで記者会見をおこなった。この会見において彼は、暫定政府の設立を、現在カダフィ派残党が立て籠もり抗戦している北中部都市シルト、西部都市バニワリードの完全制圧後まで延期するとともに、暫定政府首相にみずからは就任しない、と発表した。まさしくこの事態は、米・欧諸国権力者どもの手厚い支援を後ろ楯にしてみずからのヘゲモニー下で暫定政府を樹立するというムスタファ・アブドルジャリル、ジブリルらの国民評議会指導部の策謀が、カダフィ政権打倒の闘いを先頭で担ってきたムスリム人民ならびに諸部族(幹部)の猛然たる抗議によって、当面は挫折させられたことを意味する。
 九月十八日、リビア東部(キレナイカ地方)のベンガジで開催された国民評議会の会合において、議長アブドルジャリルや首相格(外交担当)の執行委員長ジブリルは、暫定政権を正式に発足させることを追求したのであった。しかしながら、この彼らの画策は、ジブリルの首相就任や旧カダフィ政権幹部を暫定政権の閣僚に横滑りさせるというジブリルその人の提案にたいする反発が猛然と噴きあがったがゆえに延期を余儀なくされてきた。

B NATO軍の全面支援下でのトリポリ「解放」

C リビア人民は米・欧庇護下の国民評議会権力の打倒に突き進め


 これまで明らかにしてきたように、アブドルジャリル=ジブリルの国民評議会指導部が、ムスリム人民の反対の声にもかかわらず、なお樹立をめざしている「暫定政権」なるものは、「民主国家」のマントをまといながらも、本質上、米・英・仏帝国主義に庇護され買弁的$ォ格をもつ軍事ボナパルチズム権力にほかならない。まさしく彼らは、カダフィ政権を打倒するためにたたかったムスリム人民の血の犠牲と献身とを簒奪した輩なのだ。現にいま、国民評議会指導部は、石油・天然ガス資源を米・欧の帝国主義諸国や中国・ロシアに売り渡そうとしている。しかも、みずからの政権樹立=統治のために部族制を利用しているのであって、それは、積年の部族対立を温存し、内戦の火種を拡大することをしか意味しないのである。
 そうであるがゆえに、われわれはリビアのたたかうムスリム人民に呼びかける。いまこそ腐敗をきわめる米・欧買弁≠フ国民評議会指導部を打倒せよ! 米・仏・英の空爆と、帝国主義諸国の新植民地主義的侵略に反対する闘いを創造しようではないか。そして同時に、なおも反攻の機会をうかがっているカダフィ派残党を粉砕せよ!この闘いを、リビア人民は、チュニジア・エジプトのムスリム民衆の闘いに続き、彼らと連帯してイスラミック・インター‐ナショナリズムにもとづき、民族・部族のちがいをのりこえて推進せよ!
 日本の地でたたかうわれわれは、リビアのムスリム人民と連帯して、米・欧のリビア空爆と新植民地主義的侵略に反対する闘いを、米・欧諸国の労働者階級・人民に呼びかけ国際的に創造するのでなければならない。
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9・19 「原発とめろ」愛知で大集会 戦闘的労・学が最先頭で奮闘

 九月十九日、名古屋市内の白川公園において、「さよなら原発一〇〇〇万人アクションinあいち」集会とデモが、二〇〇〇人の労働者・学生・市民の結集のもとに実現された。
 わが東海地方のたたかう労働者・学生は、この集会の戦闘的な高揚をかちとるために奮闘した。そしてわが同盟情宣隊は、「野田政権による原発再稼働を許すな! 全原発・核燃料施設を停止・廃棄せよ!」と赤く大書した『解放』号外を参加者にくまなく配布し、闘いの真の方向性を鮮明に示していったのである


九州電力本社に怒りの拳 9・19 「さようなら原発」福岡県集会


9・19「さようなら原発」福岡県集会
全学連九州共闘と反戦青年委が市民と共に九電本社へ向け福岡市内をデモ
(9・19)
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伊方3号機の再稼働阻止!


全原発をただちに停止し廃炉にせよ

 四国電力経営陣は、今年四月から定期点検のために停止してきた伊方原発3号機を年内にも再稼働させることを画策している。彼らは、「電力の安定供給」のための「停止中原発の再稼働」をとなえて登場した野田政権にテコ入れされ、全国の原発に先駆けて八月から開始していたストレステストを九月中にも終了し、一次評価報告書を政府・経済産業省に提出しようとしているのだ。
 福島第一原発事故から半年、いまなお事故の収束のメドはたっておらず、日本中の労働者・人民が放射能禍に苦しんでいる。このようななかで強行されようとしている伊方原発3号機の再稼働を絶対に許してはならない。
 野田政権・四国電力による伊方原発3号機の再稼働を阻止せよ! すべての原発をただちに停止し廃炉にせよ!

以下、見出し
3号機の年内再稼働を策す四国電力経営陣

次々と高く書き直された耐震性

核暴走事故勃発の危険性

日共の「原発からの撤退」請願運動をのりこえ闘おう!
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大阪府知事・橋下による教育基本条例制定を阻止せよ


知事専制の地方教育行政システムへの再編を許すな!

 今、大阪府知事・橋下徹を代表とする議員集団「大阪維新の会」(以下「維新の会」と略)は、「君が代」起立斉唱義務化条例の制定(六月)にふまえ、九月の府議会ならびに大阪市議会(および十一月の堺市議会)に教育基本条例案を職員基本条例案とともに提出し、これを来春までに成立させることを目論んでいる。
 この教育基本条例案は、「規範意識」と「愛国心」をもち「グローバル競争に対応できる世界標準で競争力の高い人材」を育成することを大阪府の教育理念≠ニして掲げ、教育委員会を知事が定めた「教育目標」を実行する行政機関として位置づけている。橋下は、「愛国心」教育と能力主義教育を徹底化するために、この条例制定をもって知事を頂点とする<教育委員会―校長・副校長―首席―教職員>という上意下達の管理・統制体制――知事専制の地方教育行政システム――をつくりだすことを狙っているのだ。「維新の会」が府議会の過半数(大阪市議会は過半数にいたらないが第一党)を占めていることを笠に着た橋下による、全国にも例を見ないこの反動攻撃を、われわれは断じて許してはならない。
 だが、橋下によるこの居丈高な攻撃にたいして日教組系大阪教組本部や全教系大教組本部は、「教育への政治介入反対」とか「教育の自主性・中立性を守れ」とかと弱々しくつぶやくのみで、大衆的な集会ひとつさえも設定しようとしていない。彼らは闘いの一切を十一月の大阪府知事・大阪市長ダブル選挙へ向けての政治宣伝に解消しているのだ。われわれは、こうした既成指導部の闘争歪曲をのりこえ、教育基本条例および職員基本条例の制定を阻止する闘いを職場から推進しよう!

以下、見出し
知事を頂点とする管理・統制システムづくり

「愛国心」を持つエリート育成教育の強権的推進

府教委頼みの大阪教組本部の闘争放棄を弾劾せよ

大教組日共系指導部による政策宣伝への闘いの解消を許すな
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最新号紹介
  新世紀

The Communist 第255号  2011年11月

野田新政権の反動諸攻撃を打ち砕く理論的武器!

大震災・原発事故を「天罰」と説く佐伯啓思の反動思想を粉砕


 今号は、労働者・学生・人民の原発反対の闘いが高揚しているただなかで、<原発再稼働・増税・安保強化を許すな>と題する総力特集を組んだ。野田新政権のもとでのわが闘いの武器として、十全に活用されたい。
 巻頭に「『国難突破』の名のもとに人民への犠牲転嫁を策す野田新政権」(無署名)を掲載した。野田新政権は、発足するやいなや、原発の再稼働推進や「復興財源」の名による増税をぶちあげ、また「日米同盟の深化・発展」を謳うオバマ政権に付き従い、日米新軍事同盟の強化に突進する姿勢を鮮明にしめした。菅流の政治手法から転換し「融和の政治」を掲げて登場したこの政権は、日本帝国主義が直面している内憂外患、この「国難」をのりきることを己れの使命としているのだ。日本経済の「六重苦」を叫びたてている独占資本家どもの要求に応えて。このことを、本論文はいち早く鮮明に暴きだしている。
 「<日米新軍事同盟の強化反対! 全原発の即時停止・廃棄!>の炎を噴きあげよ」(今野祐輝)は、今夏の第四十九回国際反戦集会の基調報告である。原発推進勢力の巻き返しと戦争的危機の深まりのもとで、原発・核開発反対の闘いを反戦・反安保の闘いと同時的一体的にすすめるべきことを、筆者は力強く訴えている。とりわけ、日共の「原発からの撤退」請願運動にたいする批判を深めている。「安定したエネルギーの供給」という政府・独占資本と同じ土俵のうえで「原発ゼロ・プログラム」の策定を政府に要求するという、日共の方針の反労働者性をくまなく暴きだし、路線的根拠にまで掘りさげて批判している。チェルノブイリ原発事故弾劾闘争の教訓を生き生きと蘇らせ、学びとることをも訴えている。
 本特集では、泊原発3号機の営業運転再開を弾劾するマル学同北海道地方委員会の論文と、「大間原発建設―フルMOX燃料運転計画を許すな」(幌内高志)をも掲載した。
 「原発・核開発阻止闘争の教訓」(中央学生組織委員会)は、今春期の激烈な闘いを総括し、被災人民支援のとりくみ、福島原発事故の分析、日共の原発政策批判、原発反対闘争方針の解明上の問題などについて、重要な教訓を提起している論文である。わが全学連が革命的学生運動の基本路線を確立した二十七中委から五十年目の本年。これを飛躍の年たらしめよ、と熱烈な檄を発している。
 「『震災復興』を口実とした公務員賃金の切り下げ・大増税を許すな」(自治体労働者委員会)、自動車や電機などの独占体が大震災によって「供給網寸断」=生産停止という大打撃を受けた、この根拠とのりきり策を分析した「サプライチェーンの寸断―その実態と意味するもの」(三河健二)、の二論文も併せて検討されたい。
 「『忍従』の日本ナショナリズム」(久住文雄)は、大震災・原発事故を「天罰」だと主張し、被災人民を足蹴にしている佐伯啓思を、怒りをこめて弾劾している。「脱原発」を唱えつつも原発反対運動を敵視しているこの男は、大震災・原発事故を「奇貨」として西洋技術文明を否定すべきとし、絶対随順を美徳とする「日本ナショナリズム」を鼓吹しているのだ。筆者は、この反動思想を、そのありとあらゆる道具立てとともに壊滅的に批判している。

緊迫するパレスチナ情勢に切りこむ

 九月二十三日、パレスチナ自治政府議長アッバスが国連に加盟申請書を提出し、これにたいしてオバマ政権は「拒否権行使」を叫びたてている。アメリカ帝国主義の中東支配の最後的破綻が露わになり、孤立化し国家存亡の危機にあえぐイスラエル・ネタニヤフ政権は、戦争放火の衝動を募らせている。「中東地殻変動♂コのパレスチナ」(桜木晴彦)は、この新たな戦争・戦乱の危機を胚胎しているパレスチナ情勢を、自国権力打倒の闘いに決起している中東アラブ諸国人民の闘いの意義をも浮き彫りにするかたちで、ダイナミックに分析している。
 「中国高速鉄道事故を弾劾せよ」(高崎澄夫)は、事故車両を地中に埋めて証拠隠滅をはかり、一日半後には運転再開を強行した鉄道省当局・中国政府、このスターリニスト官僚然とした北京官僚の事故対応の反人民性を、断固として抉りだしている。
 最後に、第四十九回国際反戦集会にさいしての海外アピールと、英レボリューショナリー・マルクシスツやFLTIなど世界各地の団体・個人から寄せられたメッセージを欧文で収録した。
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