第2185号2011年9月19日)の内容

<1面>
今こそ原発・核開発反対の炎を
 野田新政権の原発再稼働強行・大増税・安保強化攻撃を打ち砕け!
 「連合」労働貴族の抑圧をはねのけ、日共の「原発からの撤退」請願運動をのりこえ闘おう

<4〜5面>
独占資本のための「労働市場改革」論
 新自由主義者・八代尚宏の妄論

全労働者の四割に迫る非正規雇用労働者
<2面>
沖国大米軍ヘリ墜落7年
 怒り新たに労・学が抗議 8・13

高江ヘリパッド建設阻止 住民集会 7・31
原水禁沖縄大会に戦闘的檄 8・11
<6面>
Topics ・独占資本家が野田新政権を大歓迎/・「連合」古賀が野田と固い握手
福岡県で労災死が急増
石川県当局の新たな人員削減を許すな
<7面>
原発事故の原因を隠蔽したIAEA
■ 原発用語集
<8面>
世紀の核惨事
 チェルノブイリ原発の爆発・炎上事故
うた 飯舘の春
<3面>
万華鏡2011――情勢の断層を読む
◆富裕税
◆日本の原子力の父?
◆バイカルのほとりで
◆泥鰌汚染
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号   



































  


今こそ原発・核開発反対の炎を

野田新政権の原発再稼働強行・大増税・安保強化攻撃を打ち砕け!

「連合」労働貴族の抑圧をはねのけ、日共の「原発からの撤退」請願運動をのりこえ闘おう

 東日本大震災と福島第一原発の炉心溶融・爆発事故から半年が経過した。いまなお一〇万人を超える労働者・人民が過酷な避難生活を強いられ、日本中の人民大衆が放射能禍にさいなまれている。
 「どじょうのような泥臭い政治」を売り物に誕生した野田新政権は、「国難突破」を掲げ、とりわけ「震災復興と福島原発事故対策が最大の使命」とおしだしている。だが野田政権は、発足早々に、定期検査で停止中の原発の再稼働ならびに原発輸出の継続の意志を表明し、「復興」を名分とする臨時増税と消費税税率の大幅引き上げを宣言した。独占資本家どもの利益を体現するこれらの諸政策を貫徹するとともに、アメリカ帝国主義・オバマ政権の対日要求に応えて辺野古新基地建設をはじめとする日米新軍事同盟の現実的強化に突進しようとしているのが、この政権なのだ。
 野田新内閣の発足からわずか九日目に、福島第一原発と周辺地域視察後の「不適切発言」を追及された経済産業相・鉢呂が引責辞任に追いこまれた(九月十日)。「放射能をつけちゃうぞ」とか「原発周辺の市街地は死の町」とかの鉢呂の発言は、「事故収束と避難住民の帰還が内閣の最大のテーマ」とおしだしているこの政権が、じつのところは放射能禍に叩きこまれている人民の苦しみからおよそ浮きあがっていることを自己暴露しているではないか。
 すべての労働者・学生諸君! 停止中原発の再稼働につきすすむ野田新政権の策動を断じて許してはならない。これを阻止できるか否かは、一(いつ)に労働者・人民の団結した反対運動の創造にかかっている。「連合」指導部の闘争抑圧に抗し、日共系の「原発からの撤退」請願運動をのりこえ、<原発再稼働阻止><全原発の即時停止・廃棄>の闘いの一大高揚をきりひらくために全力で奮闘しよう。この闘いと一体的に、日米新軍事同盟強化に反対する反戦・反安保闘争と「復興」に名を借りた大増税=大衆収奪強化に反対する政治経済闘争をさらに強力に推進せよ!

原発再稼働を宣言した野田新政権

消費税大増税・復興増税への突進

日米新軍事同盟の現実的強化の策動

原発・核開発反対闘争の大爆発をかちとれ!

 今、マスコミがこぞって低姿勢のどじょう宰相≠ニ野田を持ちあげ、期待を煽りたてている。だが、この政権が宣言している「停止中原発の再稼働」にたいしては、労働者・人民から怒りと不信が噴出し、「原発とめろ」の声は日に日に高まっている。
 ところが、「連合」古賀指導部は、野田民主党政権への「支持」をいちはやく表明すると同時に、「原発再稼働容認」の方針をうちだすために蠢いている。
 原発再稼働に死活をかける電機独占資本家どもの意を体して、電機連合労働貴族は、「原発再稼働、原発の新増設も進めよ」(委員長・有野)と噴きあげた。JEC連合指導部は「現在計画中原発の新増設については地域住民の理解と合意を得つつ着実に進める」(「安全政策ガイド」)などと公言している。これらの労働貴族どもは、一刻も早く再稼働を進めることを企む独占ブルジョアジーの先兵として狂奔しているのだ。また私鉄総連のダラ幹は、「現在ある原発のさらなる安全性を追求する」という文言のもとに、内部から噴きあがる反対を押しきって「脱原発」の旗をおろし、現存原発を容認する方針をうちだした。
 これにたいして、日教組・自治労などの平和フォーラム加盟の諸労組は、その内部における革命的・戦闘的労働者たちや良心的組合員たちの「原発反対」の声に突き動かされて、これまで後景におしやっていた「脱原発」のスローガンを前面に掲げはじめた。
 こうした状況のもとで、野田政権の原発再稼働の策動に反対して、九人の文化人の呼びかけのもとに「9・19さようなら原発 五万人集会」(東京・明治公園)が開催されようとしている。この集会に、全国各地から「原発反対」を掲げて労働者・市民が結集しようとしている。日教組や自治労などの諸労組はこの集会への組織的参加を決定している。
 この流動にのりおくれまいとして、日本共産党・不破=志位指導部と「全労連」指導部は、「9・19集会」への参加を決定した。だが、「全労連」指導部は「原発反対」の取り組みにまったく腰が入っていない。過去二十年間、「全労連」として政府・独占資本の原発建設に反対する運動を何ひとつとりくんだこともない彼らは、そもそも、原子力発電になぜ・いかに反対するかの指針を解明することができない、という惨状を自己暴露しているのである。
 日本共産党は、不破=志位指導部が唱える「五〜十年以内に原発をゼロに」という方針にたいするわが革命的左翼の批判に直撃されて大混乱に陥っている。日共指導部は、「今すぐ原発を止めろと言うのは無責任」(志位、『朝日新聞』四月二日付)とほざいてきたことについてはけっして自己批判しようとはしない。それどころか厚顔にも「一貫して原発に反対してきた」などとウソ八百を並べたてて、良心的な労働者や市民から猛反発を喰らっているのだ。
 不破=志位指導部は、野田新政権を「民自公翼賛体制をすすめる内閣」と非難し、「大増税の野田体制に正面から反対する」とか、既存原発の再稼働にも「反対」するとかと唱えてはいる。けれども、「原発からのすみやかな撤退」を政府に請願する彼らの代案は、「電力の安定供給」という独占ブルジョアジーの要求に応えることは大前提とし、原発を代替する再生可能エネルギーの開発・普及を政府に求めるものにすぎない。こうした代案の採用を政府に請願する「国民運動」を広げるという方針は、原発に反対する労働者・学生・市民の闘いを、「脱原発・再生可能エネルギーへの転換」を主張する一部の独占資本家(ソフトバンクの孫正義など)や保守系政治エリート(原発立地現地の自治体首長など)への期待を煽り尻押しするものへとねじ曲げるものでしかない。
 われわれは、「連合」労働貴族による闘いの抑圧をはねのけるとともに、日本共産党中央の「原発からの撤退」=「エネルギー政策の転換」の請願運動をのりこえ、原発・核開発反対闘争の戦闘的高揚をつくりだすために奮闘しなければならない。停止中原発の再稼働を絶対に阻止せよ! 原発プラントの経済新興諸国への輸出を許すな! すべての原発と核燃料サイクル施設をただちに停止し廃棄せよ!――これらのスローガンを掲げて、「日本帝国主義の原発・核開発阻止」の闘いを燎原の火のごとく燃えあがらせようではないか。
 さらにわれわれは、この闘いを、日米新軍事同盟の強化反対の反戦・反安保闘争や被災人民切り捨ての「復興」策や大増税に反対する政治経済闘争と同時的・一体的に推進するのでなければならない。「復興」と「社会保障」を大義名分とする大増税=大衆収奪強化を打ち砕け! 独占資本の利益のための「復興」策反対! TPPへの日本の参加・零細農漁民の切り捨てに反対しよう! 辺野古新基地建設を絶対に阻止せよ!
 われわれは、既成の「脱原発への政策転換」要求運動をのりこえ、断固としてたたかうのでなければならない。<停止中原発の再稼働阻止! 全原発をただちに停止し廃棄せよ!>のスローガンを高々と掲げて、たたかう労働者・学生は9・19集会に総結集せよ。もって、今こそ原発・核開発反対闘争の戦闘的高揚をかちとれ!
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独占資本のための「労働市場改革」論

新自由主義者・八代尚宏の妄論

 「国民生活が第一」とか「コンクリートから人へ」とかのシンボルスローガンをかかげて、小泉式「構造改革」によって強いられた国民への「行き過ぎた痛み」を是正する、また拡大した社会的格差を是正する、と訴えて登場したのが民主党政権であった。この政権は、その発足直後には、小泉式「構造改革」のひとつの中心をなした「労働市場の規制緩和」政策によって、非正規雇用労働者が急増し、年越し派遣村のような事態が生みだされたととらえ、それを「解決」するためと称して、労働者派遣や有期雇用にたいする一定程度の「規制」にとりくもうとしてきた。
 菅政権の発足以降、とりわけ東日本大震災以降に決定的に失速≠オ、途絶してしまったとはいえ、民主党政権のこうした動きを「労働市場改革」という歴史的事業への「逆行」とみなして、危機感を募らせているのが、安倍・福田政権のもとで経済財政諮問会議議員(〇六年〜〇八年)として「労働市場改革」をおしすすめる提言をうちだしてきた八代尚宏(現在、国際基督教大学客員教授)である。
 八代は『労働市場改革の経済学』(東洋経済新報社、二〇〇九年十二月刊)において、社会的格差の拡大は、構造改革に原因があったのではない、それが中途半端であったからだ≠ニ居直り、民主党主力政権によるわずかばかりの諸施策を「規制強化」だとみなして猛反発している。八代は、「国際競争力の強化」を錦の御旗にして、「解雇規制」の限りなき緩和と「労働市場の流動化」の促進を要求する独占資本家どもの意を体して、右のような「規制強化」の動きをなんとしても覆すために執念をもやしているのだ。
 八代のこの駄本は、全編、「労働市場改革」を正当化するための居直りと詭弁とデマと御為倒(おためごか)しにつらぬかれている。だが言いたいことはすこぶる単純である。労働市場の新自由主義的な「構造改革」によってこそ日本の経済成長は可能となるのだ、小泉「構造改革」は、日本の「失われた十年」という長期の経済停滞を克服する唯一の方策であったのであり、これを徹底させることこそが重要だ、これを逆回しすることは絶対に許さない――これに尽きるといってよい。以下、この駄本を検討しよう。

以下、見出し

A「規制強化」論への猛反発

B非正規労働者急増についての恣意的分析

C「整理解雇の四要件」撤廃の試み

D「効率的な労働市場」のための「同一労働同一賃金」論

E派遣会社の繁栄のための「派遣労働者保護法」

F「流動性の高い労働市場形成」論の新自由主義的本質
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沖国大米軍ヘリ墜落7年 怒り新たに労・学が抗議 8・13
 八月十三日、「動かせ普天間!許すな県内移設! 8・13抗議集会」(沖縄平和運動センターなどの主催)が宜野湾市でおこなわれた。沖縄国際大キャンパスに米軍輸送ヘリCH53Dが墜落・炎上(二〇〇四年)した大事故からちょうど七年となるこの日、沖縄国際大・琉球大のたたかう学生たちは、労働者と連帯して、普天間基地撤去・辺野古新基地建設反対の声をあげたのだ。
労働者・学生が米軍普天間基地に向けて怒りのシュプレヒコール
(8月13日、宜野湾市)
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高江ヘリパッド建設阻止 住民集会 7・31
 七月三十一日に沖縄県東村高江区公民館で、「高江ヘリパッド(オスプレイ離発着訓練場)建設反対7・31集会」(主催 ヘリパッドいらない住民の会)がおこなわれた。琉球大・沖縄国際大のたたかう学生たちは、「住民の会」に結集する住民やたたかう労働者・市民と連帯し、<反安保>の息吹を吹きこむためにこの日の集会に決起した。
「オスプレイの訓練基地建設を許さないぞ!」
(7月31日、東村高江)
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