第2184号(2011年9月12日)の内容

<1面>
野田新政権の反動攻撃を打ち砕け
原発再稼働・日米新軍事同盟の強化・大増税を許すな!

<4〜5面>
東日本大震災と現代地震学
 福島第一原発事故を招いた政府・原子力安全委員会の責任

<2面>
全学連第131回中央委に結集せよ
<3面>
泊原発3号機の営業運転再開弾劾!
全原発を即刻停止・廃炉にせよ

◆闇に葬られてきた内部被曝
<6面>
職務命令違反3回でクビ!
 大阪府知事・橋下が反動的な「条例案」
橋下の「脱原発」パフォーマンス
日共系大阪府民集会で奮闘 7・30
Topics 大企業優遇の法案修正を成果と誇る「連合」指導部――再生エネルギー法
<7面>
「つくる会」系歴史・公民教科書の採択弾劾!
「おらたちの漁村がなくなる」
 「水産業復興特区」構想に怒る漁民
<8面>
万華鏡2011――情勢の断層を読む
◆ミズホの独り言
◆カズオの繰り言
◆領土監視船#h遣
◆一罰百戒
◆にわか仕込み
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 解放」最新号

































  


野田新政権の反動攻撃を打ち砕け

原発再稼働・日米新軍事同盟の強化・大増税を許すな!

 九月二日に、新首相・野田佳彦は、「『怨念の政治』からの脱却」を掲げ、小沢グループを含めた民主党内各グループのバランスをとった組閣をもって新内閣を発足させた。前菅政権が小沢グループを党・政府の要職から排除したことが政策遂行の停滞をもたらした要因とみなし・これを教訓≠ニしておしだしつつ、新首相・野田は、内閣および党人事において挙党態勢≠つくりあげることに腐心したのである。
 党および政府の人事=体制をうち固めた野田は、新政権への「全面支援」を表明している独占ブルジョアジーに応える諸施策を策定し実施することを、至上命題としている。東日本大震災による大打撃が癒えぬまに未曽有の円高に直撃されているだけではなく、昇竜£国の跳梁に直面させられているという日本帝国主義国家の危機=「国難」を突破することに全体重をかけようとしているのだ。
 野田新政権は、「震災復興と福島原発事故対策が最大の使命」とおしだしながら、「復興支援」を口実として増税(所得税の定率増税)を遂行するのみならず、「社会保障費確保」を大義名分としての消費税増税をおこなう意志を明らかにしている。さらに、「電力の安定供給」を名分として定期検査で停止中の各原発を再稼働させることを宣言している。それだけではなく、「日米同盟の深化」を謳いつつ、アメリカ・オバマ政権の対日要求に積極的に応えて辺野古新基地建設をはじめとする日米新軍事同盟の現実的強化の諸策動を早急に遂行する意志を表明しているのだ。震災と原発事故による避難生活を強いられ塗炭の苦しみを味わわされている東北地方の労働者・農漁民、そして日本の労働者・人民に、一切の犠牲を転嫁しようとしているのが野田新政権なのである。
 ところが「連合」労働貴族どもは、野田新政権の誕生を日本経団連とともに高く評価し、「リーダーシップを発揮して国難をのりきってほしい」(「連合」会長・古賀)などとエールを送っている始末なのだ。これにたいして日共中央は、野田政権を「財界直結・民自公翼賛体制進める内閣」と非難しつつ、これへの対抗軸として「消費税増税反対」「原発ゼロ」「TPP反対」を焦点として「財界・アメリカいいなりの日本政治の『二つの異常』をただす」「たたかい」を強調している。野田の企む「大連立」の策動のもとに民主党と自民党・公明党の連携がすすむならば日共が議会政党としての「値打ち」を完全に喪失しかねないという危機感にかられつつ、自党への支持=票田獲得に狂奔しているのが不破=志位指導部なのである。
 すべてのたたかう労働者・学生諸君! われわれは、日共中央の闘争歪曲をのりこえ、この野田新政権による原発再稼働と日米新軍事同盟強化と大増税の一大攻撃を打ち砕くのでなければならない。今こそ奮闘しようではないか。

以下、見出し
「国難突破」のための態勢づくりへの奔走

独占資本の意を体し人民に犠牲を強いる野田新政権

野田新政権のまえに立ちはだかる難関

収束不能の原発事故・放射能汚染の深刻化

超円高に直面して悲鳴をあげる日本の諸独占体

東アジアにおける米中の角逐

原発・核開発反対、反戦・反安保、政治経済闘争を一体的に推進せよ
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東日本大震災と現代地震学

福島第一原発事故を招いた政府・原子力安全委員会の責任

 最大四〇b超の大津波を引き起こし、東北地方太平洋沿岸部の住居を一挙に破壊し、数万の人びとの生命を奪い去った東北地方太平洋沖地震。この超巨大地震と津波によって福島第一原発は決定的な打撃を受け、炉心が溶融・貫通することによって大量の放射性物質を放出している。今も水蒸気爆発による全放射性物質の飛散・放出の危機がつづいており、それをくい止めるために冷却水が注入されている。本来近づくことができない地帯で、被曝覚悟の原発労働者たちが――原発推進政策護持のための政府・東電の指示にもとづいて――命がけで作業をつづけている。
 世界の地震の約九割が発生している環太平洋地震帯に属し、四つのプレートがぶつかりあい重なりあう地点に存在している日本列島。それが「地震の巣」と呼ばれるのは、排他的経済水域まで含めても世界の〇・三%の面積をしめるにすぎない島国に、全地震の一〇%が集中しているからである。この日本列島の海岸線に五十四基もの原発を乱立させているがゆえに、プレート型地震が発生すれば原発事故によって大量の放射能漏れを起こし、震災救助活動が不可能となり、原発事故処理も放射能からの住民避難も極度に困難となる。――地震活動期に入った日本において、こういう「地震と地震による原発事故とが複合する破局的災害」がいつ起きても不思議ではないと、警鐘乱打してきた良心的地震学者の言が、不幸にも的中したのだ。
 責任回避のために、東電と政府は、「想定外」「想定外」をくりかえし、あたかも不可抗力の自然災害であるかのようにみせかけようとした。けれども、すべては想定されていたのだ。阪神淡路大震災を契機に、日本のすべての原発が危機一髪の状態にあることがあらわとなってきたにもかかわらず、これを無視しのりきってきた政府および電力資本の責任が徹底的に追及されねばならない。

以下、見出し
1 現実化した原発震災

2 超巨大地震による揺れは耐震基準地震動を超えていた!

3 耐震基準の二〇〇六年「改訂」の欺瞞性

4 地震学から見た東北沖地震

5 「地球の気持ち」に耳を傾けて
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泊原発3号機の営業運転再開弾劾! プルサーマル運転阻止! 1号機の再稼働阻止!

全原発を即刻停止・廃炉にせよ

 八月十七日に北海道電力経営陣は、経済産業省(原子力安全・保安院)の「検査終了証」の交付=認可をうけて、三月七日いらい五ヵ月間の長期にわたって「調整運転」を継続してきた泊原発3号機の営業運転開始についにふみきった。
 福島第一原発事故が勃発して以降、北海道において澎湃とわきおこった「泊原発とめろ」という労働者・学生・人民の怒りの声を傲然とふみにじって、北電経営陣は、全国で初めて営業運転再開を強行したのだ。
 泊原発3号機でのプルサーマル運転をめぐる政府主催のシンポジウムに際して、北電経営陣が社員に参加動員をかけ賛成発言をさせるやらせメール≠送っていたことが、八月三十一日に明らかとなった。労働者・人民を欺瞞しつつプルサーマル運転強行を企む北電経営陣を、われわれは、怒りを込めて弾劾する!
 北電経営陣の尻をたたいてきた政府・経産省は、この泊原発3号機の営業運転再開を突破口として、全国の停止中原発を再稼働させる道を突き進もうとしている。われわれは、こうした政府・北電経営陣の暴挙を弾劾し、すべての原発を即刻停止・廃棄させるために断固としてたたかおう!
 すべての学生・労働者は、「9・18さようなら原発一〇〇〇万人アクションin北海道」および「9・19全国集会」に総決起せよ!

マル学同北海道地方委員会
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