第2169号(2011年5月23日)の内容

<1面>
原発・核開発阻止闘争の爆発を
すべての原発の即時停止をかちとれ!
独占資本の利殖のための「復興」策を許すな!
被災人民を見殺しにする菅政権を打倒せよ!

<4面>
福島第一原発事故
史上最悪の核惨事はいかにして発生したか

<5面>
大事故の予告
 中越沖地震に直撃された東電柏崎刈羽原発
原子力安全委の「耐震指針」の欺瞞
<2面>
「すべての原発をとめろ!」
闘う学生が全国で決起
 4・29神戸4・30札幌4・29金沢
<3面>
「全原発を廃炉に!」わが同盟が檄
――第82回メーデー――
 4・28沖縄4・29福岡5・1金沢
<6面>
オペラ歌手などの「労働者性・団交権」を最高裁が認定
石川県教委の「ふるさと教育」
Topics 被災民の職と生活を保障せよ
<8面>
被災者と寝食を共にして
幼児と小・中学生を放射能にさらす菅政権を許すな!
◎俳句 大震災/原発にたちむかう
原発用語集1 ベクレル、シーベルト他
日共中央に浅井基文が激怒
<7面>
万華鏡2011――情勢の断層を読む
◆秘 密 計 画
◆モスクワの夜はふけて
◆危険×危険
◆臭いものは「削除」
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  解放」最新号









































  


原発・核開発阻止闘争の爆発を


すべての原発の即時停止をかちとれ!

独占資本の利殖のための「復興」策を許すな!

被災人民を見殺しにする菅政権を打倒せよ!


 五月十三日に、中部電力の経営陣は、菅政権の「停止要請」を受けいれて、稼働中であった浜岡原発4号機の原子炉を停止した。これに続いて、十四日には5号機の原子炉を停止した。
 われわれは、「日本で最も危険な原発」の一つである浜岡原発をついに運転停止に追いこんだのだ。これにふまえて、柏崎刈羽原発をはじめとする日本のすべての原発の運転を、さらに六ヶ所村再処理工場などの核燃料サイクル施設の運転を即時に停止させ、これら一切の廃棄をかちとるために、われわれは原発・核開発阻止の闘いの革命的高揚をきりひらこうではないか!
 原発反対運動のさらなる高揚を何よりも恐れている菅政権は、浜岡原発の「停止」を中電経営陣に要請した(五月六日)。そして、原子力エネルギーを五二・六%に高めることを謳った「エネルギー基本計画」(昨年六月改定)を「白紙に戻して議論する」と、うちあげた(同十日)。けれども、この政権は浜岡原発を二〜三年の間「停止」することとひきかえに、あくまでも全国の稼働中の原発の運転継続と現在停止中の原発の運転再開を強行することをたくらんでいる。あまつさえ、菅政権は、表向きには「自然エネルギーを基幹エネルギーの一つに加える」とおしだしながらも、五月二十六日からフランスのドービルで開催されるG8サミットにおいては、「原発推進」政策をとりつづけている米・仏・英・露の諸国政権の声援≠受けて、日本の原発の「安全」と「原発の継続利用」を宣言しようとしているのである。
 日本の原発のどこが「安全」だというのか! 大事故を起こした福島第一原発の1号機・2号機・3号機のすべてが、深刻なメルトダウン(炉心溶融)にいたっているではないか。今ごろになって、政府・東電さえもが1号機のメルトダウンを認めたのであるが、四月に発表した事故収束のための「工程表」に明記された「冠水方式」も早々にパンクしてしまっているのである。3号機の立て坑からは、高濃度の放射能汚染水が海中に垂れ流しとなっている。さらに大気を、大地を放射能は汚染しつづけ、八万人を超える勤労人民とその子供たちが帰郷≠キるあてもなく生まれ故郷から追われ原発避難民≠ノなっている。
 にもかかわらず、この破廉恥・菅は、あくまでも原発・核開発の推進政策を護持するために、「日本原発の安全」と「原発の継続利用」を宣言しようとしているのである。ここにこそ、菅民主党政権の反人民性がむきだしになっているではないか。
 しかも、菅政権は、大地震・大津波から二ヵ月以上たった今でもなお仮設住宅に移ることもできずに避難所暮らしを強いられている被災人民を見捨てたうえで、「復興特需」と称して利殖の機会を求めている独占諸資本への支援策をうちだし、まさに独占資本の「復興」に血道をあげている。その「復興財源」を確保するために、「復興税」の名を冠した消費税増税に突進している。これに加えて、福島原発事故の補償費用を、電源開発促進税(電気料金と一緒に強制的に徴収されている)に上乗せするかたちで労働者・勤労人民に負担させようとしているのだ。
 すべてのたたかう労働者・学生諸君!「原発反対」の闘いを圧殺する「連合」労働貴族の策動を許さず、そしてまた日共の「原子力政策転換」要求運動をのりこえ、原発・核開発反対の闘いの全国的な高揚をかちとろうではないか!
 政府・権力者が鼓吹し醸成している「頑張れ! 日本」のナショナリズムをうち砕き、独占資本のための「復興」策と一切の増税に反対する政治経済闘争と日米新軍事同盟を対中・対露攻守同盟として強化するための策動に反対する反戦反安保闘争を同時的・一体的に推進しよう! 被災人民・原発避難民を見殺しにする菅政権を労働者・学生の総力で打ち倒せ! いざ、すべての労働者・学生は、決意も固く総決起せよ!

以下、見出し
メルトダウンによる「死の灰」大量放出の危機の深刻化

代々木官僚の原発政策転換のなし崩し性=欺瞞性を暴きだせ

全原発の即時停止・廃棄をかちとれ!
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福島第一原発事故―史上最悪の核惨事はいかにして発生したか

 五月十二日、東京電力は福島第一原発1号機の燃料棒が完全に崩れ落ち、圧力容器の底にたまっている「可能性」があると発表した。圧力容器の水位計を復旧して水位を測ったところ、本来の燃料棒の上端にあたる位置から下に五bのところまでしか水がたまっていないことが判明した。燃料棒の長さは四・五bであるから、正常な位置に燃料棒があるとするならば完全に露出している状態である。しかし、現在の圧力容器の温度が一〇〇〜一二〇度Cと低いことからして、燃料棒は崩れ落ちて下部の水の中にあると推測できる、というのだ。まさしく、1号機の核燃料がメルトダウン状態にあることを、初めて東電が認めたのである。
 1号機の燃料棒が完全にメルトダウンしているとするならば、格納容器の圧力抑制室付近で爆発がおこり、現在でも高濃度の放射能汚染水が炉心から流出している2号機や、数百bもの噴煙を噴き上げる大爆発をひきおこした3号機でも、メルトダウン状態になっていることは、もはや疑う余地がない。
 この1〜3号機、さらに4号機の使用済み核燃料プール付近での爆発・炎上という福島第一原発の事故は、今なお収拾のメドが立たず、毎日数テラベクレルもの放射性物質が大気や海や地中に漏出しつづけている。放射性物質の放出量が「チェルノブイリに匹敵する、あるいは超えるかもしれない」と、東電原子力・立地本部長代理の松本が思わず本音を吐いた(四月十二日)その事態が、まさしく現実となりつつあるのだ。
 政府や東電経営陣が、事故を小さくみせかけたり、放射性物質による汚染の実態を隠蔽したりすることによって、事故の収束は遅れに遅れ原発労働者や周辺住民は大量被曝を強制されている。これをわれわれは断じて許してはならない。政府・東電に情報の開示を強く迫り、あらゆる分野の人びとの英知を結集して事故被害の拡大を防ぎとめるのでなければならない。そして、日本のすべての原発の運転停止・廃炉をかちとるのでなければならない。
 この闘いをさらに強力におしすすめていくために、ここでは、今回の事故の発生時点における原子炉の状況と、その直後の政府・東電の後手後手の対処がいかにして事故の深刻化を招いたかを明らかにしていくことにしよう。〔東電経営陣や政府は、肝腎な三月十一日の原子炉のデータをなお隠蔽している。それゆえに発表されているデータを基礎にして、これに推論を加えつつ事故の状況を明らかにした。――追記。五月十六日に東電はようやく三月十一日のデータの一部を公表した。〕
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「すべての原発をとめろ!」 
闘う学生が全国で決起
4・29神戸
 神戸大学と奈良女子大学のたたかう学生は、必死で生きぬいている東日本の被災人民や、政府の原発・核開発に反対する闘いに起ちあがっている全国の労働者・学生・市民と固く連帯し、「とめろ原発! 支えよう被災者を! 4・29関西学生アクション」に敢然とたちあがった。
三宮のアーケード街に「原発とめろ!」の声轟く
(4・29、神戸)

4・30札幌
 四月三十日、北海道大学農学部自治会、帯広畜産大学自治会、北海道教育大学旭川校自治会の学生たちは、菅政府による被災人民の見殺しを許さず、東京電力・政府が引きおこした福島原発事故を弾劾する闘いにたちあがった。同時に、全道の学生たちは、北海道においておざなりな「安全対策」のままに泊原発の運転継続・再稼働を強行しようとしている北海道電力にたいして怒りの声を叩きつけた。
北海道電力本社に怒りの拳
「泊原発とめろ・東北支援」掲げ学生デモ 
(4・30札幌)

4・29金沢
 四月二十九日、金沢大学共通教育学生自治会の学生は、全国のたたかう学生と連帯し、金沢の繁華街・香林坊において「福島原発大事故弾劾! 被災者支援!」を呼びかける街頭募金活動とデモ行進に決起した。
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「全原発を廃炉に!」わが同盟が檄
――第82回メーデー――
 4・28沖縄
 「連合沖縄」主催の「第八十二回沖縄県メーデー中央集会」が、四月二十八日に沖縄県庁前「県民広場」において開催され、八〇〇余名の組合員が結集した。「連合沖縄」傘下の単産・単組でたたかう革命的・戦闘的労働者たちは、「連合」中央による菅・民主党政権への批判封じこめに抗して、この日のメーデーを福島原発事故弾劾のとりくみとともに反戦・反基地の闘いとして戦闘的にかちとるために奮闘した。
 わが同盟沖縄県委員会は、菅政権による被災人民見殺しを弾劾し、福島原発事故弾劾の闘いへの決起と被災人民支援を呼びかけるビラを、参加した全労働者にくまなく配布する大情宣をくりひろげた。
原発事故問題に箝口令を敷いた「連合」労働貴族にたいして怒りの声があがる
(4月28日、那覇・県庁前「県民広場」)

4・29福岡
 四月二十九日、第八十二回「連合福岡」メーデーが福岡市東区の香椎花園で開催された。
 東日本大震災と福島原発事故の発生から一ヵ月半経たこんにち、菅政権の無為無策のゆえに被災人民は今なお苦難を強いられ、数多の人が放射能禍に見まわれている。こうしたただなかで今メーデーは開催された。
 「連合」古賀指導部は菅政権を擁護し、「原発推進」に固執するがゆえに傘下諸労組・組合員に「原発問題に触れるな」と抑圧しメーデーも縮小させようとした。
 革命的・戦闘的労働者はこのような「連合」指導部の反労働者性を暴き、被災人民支援の取り組みを各職場でつくりだし、これを基礎にして今メーデーを戦闘的に塗りかえるためにたたかった。
 わが同盟はこの革命的・戦闘的労働者と連帯し、福島原発事故への労働者の怒りをおさえこもうとする「連合」指導部のもくろみを打ち破るために奮闘した。
「『復興』を名分にした首切り・賃下げを許すな!」 わが同盟の情宣に圧倒的な共感
(4・29、福岡・香椎花園前)

5・1金沢
 「志賀原発運転再開阻止!」
 職場での闘いを基礎に決起
 5・1 「連合石川」金沢中央大会
「働く労働者の連帯で被災人民を救援するぞ!」 決意こめてガンバロー
(5・1、金沢)
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