第2138号(2010年10月4日)の内容
<1面>
高まる米日―中対峙下の戦争の危機
米・日の対中対抗の軍事演習反対!
尖閣「領有」企む中国の対日制裁弾劾!
<4〜5面>
円高昂進=大不況加圧に苦悶する日本帝国主義 下
<2面>
全学連第129回中央委かちとる 9・16〜17
<6面>
菅政権の「行財政改革」への全面協力を誓う自治労労働貴族
9・8公務労協中央行動
海外駐在労働者 「メンタルヘルス」悪化の一途
Topics 法人税引き下げを叫ぶJC議長西原
<7面>
「参加型社会保障」を謳う菅政権版『厚生労働白書』
「自治体クラウド」導入に着手した総務省・道当局
<8面>
国際短信 労組指導部の裏切りに抗して闘う南ア労働者
「鉱物資源利用税」導入を策す豪ギラード政権
◎『新世紀』最新号(第249号)紹介
<3面>
万華鏡2010――情勢の断層を読む
◆尖閣の囮
◆「草の根市民運動」?
◆ブミプトラ
◆伯日夢
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」 最新号
高まる米日―中対峙下の戦争の危機 米・日の対中対抗の軍事演習反対! 尖閣「領有」企む中国の対日制裁弾劾! 九月二十四日午後、那覇地検は、尖閣諸島(釣魚島)近海で海上保安庁が拘束し勾留中であった中国人船長を、「処分保留」として釈放すると発表した。翌二十五日未明に同船長は釈放され、中国政府のチャーター機で帰国した。 「わが国国民への影響や今後の日中関係も考慮した」という釈放発表の会見における次席検事の言辞からしても、この船長の釈放が菅民主党政権の政治判断にもとづくのは明らかである。海上保安庁による中国漁船拿捕の強行いらい、「東シナ海に領土問題は存在しない」「国内法にもとづいて粛々と対応する」と主要閣僚が口裏をあわせて中国にたいして強硬姿勢をとってきたにもかかわらず菅政権は、「閣僚級交流の停止」にとどまらず「レアアースの輸出停止」や「フジタ社員四人の拘束」と、中国政府が対抗措置を矢継ぎ早に振りおろしてきたことに動転し、勾留期限を待たずして事実上の無条件釈放≠ノ応じざるをえなかったのだ。 勝ち誇った胡錦濤政権はカサにかかって、「謝罪と賠償を要求する権利」を振りかざして菅政権に傲然たる恫喝を加え、なおも対抗措置を持続する構えをとっている。菅政権の胡錦濤政権への屈服にたいしては、野党・自民党のみならず民主党内からも「弱腰外交」とか「検察にドロをかぶせた」とかの非難が噴きあがっている。対米自立≠志向し・中国との国家的友好関係も重視すべきことを改めて主張している鳩山・小沢らは、菅が中国政府との外交的パイプをこじあける術策なきままに強硬姿勢をとりつづけてきたことをこそ槍玉にあげている。――このような状況のもとで菅政権はいま、対応に苦慮しながら混迷をさらけだしている。 中国への対応・対抗策をめぐる菅政権の混迷と支配階級内の対立の露呈。これこそ、<米―中本格対決>の狭間におかれ苦悶する日本帝国主義のジレンマのいっそうの深まりを浮き彫りにするものにほかならない。 アメリカ帝国主義のオバマ政権は中国人船長釈放を「適切な決定」と評価してはみせた。だが、この政権は、菅政権の稚拙な¢ホ応へのイラだちを内心募らせながら、対中対応・対抗策にかんしても菅ヨタヨタ政権をみずからの統制・管理のもとにおくことをこそ画策しているのである。 オバマ政権は九月二十七日に、翌二十八日に開催される北朝鮮労働党代表者会に照準を合わせて、韓国・李明博政権をつき従えつつ米韓合同の対潜水艦訓練を黄海上において開始した。これにたいして胡錦濤政権は、またしても対抗的軍事演習を強行するにちがいない。そして菅政権は、十月から実施予定の米・韓両軍を中心とするPSI(大量破壊兵器拡散防止構想)海上封鎖訓練に、海上自衛隊を参加させようとしている。十一月から十二月には、大分県の日出生台演習場や南西諸島を舞台として、日米共同の離島防衛訓練が強行されようとしている。まさにいま東アジアにおいて、米・日・韓と中(・露)とが相互対抗的に軍事演習をくりひろげ臨戦態勢を継続的・恒常的にとっているのであって、戦争勃発の危機がいよいよ高まっているのである。 すべての労働者・学生諸君!民主党政権を支える≠アとを第一義として傘下諸労働組合の反戦平和のとりくみを抑圧する「連合」指導部を弾劾せよ。また、日・中両国家が尖閣諸島の領有をめぐって激突し戦争的危機がますます高まっているまっただなかで、ただただ「平和的・外交的解決」をつぶやいているにすぎない日共の不破=志位指導部の犯罪性を暴きだし、米・日・韓と中・露との相互対抗的軍事演習に反対する闘いを断固として創造しよう。円高の昂進に直撃され日本経済没落の危機にあえいでいる独占ブルジョアどもの意を受けての菅政権による法人税減税と消費税増税の策動を阻止するために奮闘しよう。これらの闘いを一体的に推進し、菅反動政権の打倒をめざしてたたかおうではないか。 以下、見出し 尖閣諸島「領有」をめぐる日・中の国家的激突 危機突破をかけて反動攻勢にうってでる菅政権 激烈化する米・中の軍事的・政治的・経済的角逐 「連合」指導部・日共中央の腐敗を弾劾し反戦反安保闘争の高揚をかちとれ |
Top |
円高昂進=大不況加圧に苦悶する日本帝国主義<下> 目 次 T 円高への対応不能―世界経済の最弱者≠ヨの転落 U 国際競争力の劣化に苛まれる日本帝国主義 A 円高昂進下の死の苦悶 B 危機突破をかけての地産地消&式への転回 (第二一三七号) C 経済新興諸国企業のキャッチアップに苦戦する日本の製造業諸独占体 ―自動車/電機/鉄鋼 V 日本経済の落日 A 画餅の菅政権流「新成長戦略」 B 中国の<人民元経済圏>構築への巻き返し不能 (本 号) |
Top |
最新号紹介 新世紀 The Communist 第249号 2010年11月 わが革命的反戦闘争の国際的うねりを! 胡錦濤の中国の世界経済制覇策動を的確に分析 東アジア、中東で高まる戦争・戦乱勃発の危機、この危機の高まりのもとで、わが革命的反戦闘争にたいして国際的な支持と共感が広がり、今や大きなうねりとなっている。本号では、「世界に広がるわが反戦のうねり」と題する一大特集を組んだ。 本特集の巻頭論文(遠山登志朗)は、米―中・露臨戦的対峙♂コでの戦争的危機を根源から突破することのできる革命的力を創造するためにたたかうべきことを力強く呼びかけている。黄海を白熱点にし東・南両シナ海全域において米・中両軍が相互対抗的な軍事演習をくりひろげ、一触即発の戦争勃発の危機が一挙に高まっている。米・中両国の臨戦的対峙のもとでの戦争勃発の危機の切迫は、「二十一世紀現代世界の制覇をかけて激突している米と中・露との国家的対立、とりわけ核軍事力増強競争として火を噴いているそれを根源としている」ことを、巻頭論文は的確に分析しほりさげている。 この<米・中本格対決>の狭間での生き残り策をめぐってジレンマにあえいでいるのが日本帝国主義なのだ。民主党代表選における菅と小沢の政治的激突は、生き残り戦略の策定と選択をめぐるジレンマのあらわれにほかならない。民主党政権を支えることをおのれの任とする「連合」労働貴族はいうにおよばず、日共指導部も米・中の対抗的軍事演習に反対の声すらあげないほどの腐敗をあらわにしている。「対等・平等な日米軍事同盟」への改良を実質上自己目的化するにいたった日共指導部を弾劾せよ! 反戦反安保闘争の前進をかちとれ!――遠山は、力を込めてこう訴えている。 そして、この巻頭論文とともに今年の国際反戦集会にかけつけたイギリスの同志の連帯の挨拶と集会に寄せられたメッセージの一部を掲載した。イギリスからかけつけた革命的マルクシスツの二人の同志は熱く訴えている。労働者階級の新しい指導部を創造するために、同志黒田の追求に学びながらともにたたかおう、と(英文とその和訳を掲載)。また、ガザ封鎖・アフガニスタン侵略を打ち破る国際的共同闘争の推進とともに、走狗集団ブクロ=中核派を追撃する国際的陣形の構築をよびかけるFLTI(国際レーニン・トロツキー主義派)の長文のメッセージ(スペイン語とその和訳を掲載)。そして、米―中・露の核軍事力増強競争反対のわれわれの呼びかけにはっきりと支持すると表明してこなかったこれまでの態度を今や唾棄したロシア共産主義労働者党からのメッセージ。その他、多彩なメッセージを掲載した。これらは、「世界に広がるわが革命的反戦闘争のうねり」(無署名)で明らかにしているように、われわれがくりひろげてきた思想闘争や国際的交流をつうじてかちとられたのだ。 ◆「世界経済制覇の野望をたぎらす胡錦濤の中国」(星尾一平)は、「一超」世界制覇の全破産の泥沼に沈んでいるアメリカ帝国主義をおしのけ、二十一世紀世界の覇権大国≠フ座を奪取するために驀進している現代中国の世界制覇の策動について分析した力作である。とりわけ本論文では、中国政府・諸企業による途上諸国への経済進出・直接投資の中国版新植民地主義≠ニしての性格とその意味を明らかにし、自称「社会主義国家」中国の反人民性を暴きだしている。 米・日・仏の原発諸独占体の三大企業連合をおしのける勢いで、ロシア、韓国、さらに中国が原発輸出攻勢をかけている。この新たな次元で開始されている原発輸出合戦とこれと結びつき激化するウラン資源争奪戦の現段階を分析しているのが「国際的原発大商戦≠フ新展開」(浦上深作)である。 日本経団連の「賃金制度改革」を批判 ◆「反動の民主党版『地域主権改革』」(伊良波渉)は、菅政権が「絆の再生」「共助の精神」「市民自治」のイデオロギー的粉飾のもとにうちだしている「地域主権改革」の反動性を徹底的に批判している。「『仕事・役割・貢献度賃金』とは何か?」(宇津宮研)は、日本経団連が提唱している「賃金制度改革」とは、「職務給」を基本としこれに「役割給」や「業績給」などの様々な賃金支払い諸形態を組み合わせたものであり、このような今日の賃金制度を、賃金支払い形態の現実形態論的把握という方法的視座のもとに理論的に解明することをめざしている。 <米・中本格対決の時代>のもとでいっそう激烈化している<三極>間の争闘戦、このまっただなかで政治的・軍事的にも経済的にも八方塞がりの危機に陥っている菅政権。この極反動政権による<戦争と貧困>の強制を打ち砕くために本号を活用されんことを! |
Top |