第2126号(2010年7月5日)の内容
<1面>
首都中枢に反安保・増税阻止の火柱
6・20「米日韓の対北朝鮮臨戦態勢反対!」
労学が国会・米大使館に進撃
すべてのたたかう仲間に夏季一時金の三割カンパを訴える
<4〜5面>
オバマ協賛党≠ヨの変節
詐術と犯罪を重ねる代々木官僚
<2面>
全国で労学統一行動が高揚
米領事館・民主党県連にデモ 名古屋 6・13
札幌に〈反安保〉の雄叫び 6・20
<6面>
道教委が密告制度≠実施――北教組弾圧
ストの抑圧に狂奔する中国官製労組
新興諸国労働者の闘争に敵対するJC労働貴族
Topics 連合総研の「給付つき税額控除」提言の欺瞞
<7面>
レーニンの「客観的実在の網の目の結節」について
<8面>
第48回国際反戦集会海外アピール
<3面>
万華鏡2010――情勢の断層を読む
◆「帝国とウソ」
◆周小川でございます
◆「歴史の転換点」
◆三日間戦争
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」 最新号
首都中枢に反安保・増税阻止の火柱 6・20「米日韓の対北朝鮮臨戦態勢反対!」 労学が国会・米大使館に進撃
菅民主党政権は、「韓国哨戒艦撃沈」の大謀略をしくんだ米韓両権力者とともに、北朝鮮を非難しながら、海自艦隊を中心とする自衛隊を動員し対北朝鮮(対中国)の臨戦態勢に突入している。そして、鳩山前政権がオバマ政権と交わした5・28日米共同声明を「私の政権の約束だ」と称して全面的にひきつぐ意志を示し、あくまでも辺野古に米海兵隊新基地を建設することを公然と謳っている。さらに、首相・菅は、「消費税の議論をタブー視しない」などとうそぶいて、消費税の税率を当面一〇%に引き上げる意志を公然と表明している。 労働者・人民に<戦争と貧窮>を強制する極反動攻撃をうちおろしているこの菅民主党政権にたいして、「連合」の古賀指導部は、「全面支持」を表明し、傘下労組の組合員を参院選に向けての集票活動にかりたてている。他方、日共の不破=志位指導部は、米日韓の対北朝鮮臨戦態勢突入を意図的に不問に付している。そればかりか、彼ら代々木官僚どもは、辺野古新基地建設を菅政権にゴリ押ししているオバマ政権を「聞く耳を持っている」などと賛美し、このオバマ政権を「冷静に、道理をもって」説得すれば、普天間基地が撤去できるかのような幻想をふりまいているほどなのだ。 このような既成指導部の腐敗を弾劾し、たたかう労働者・学生は、「米日韓の対北朝鮮臨戦態勢反対! 辺野古新基地建設阻止!」の反戦反安保闘争と、消費税増税阻止の政治経済闘争の高揚を断固としてきりひらき、菅政権を打倒しうる階級的戦列を形成・強化する決意に燃えて、本6・20労学統一行動を戦闘的にたたかいぬいたのだ。 以下、見出し 「辺野古新基地建設阻止!」の声高く戦闘的デモ 闘志みなぎる総決起集会 参院選に埋没する既成指導部を弾劾し闘いの前進を! 菅新政権による<戦争と貧窮>の強制を打ち砕け |
||||
Top |
すべてのたたかう仲間に夏季一時金の三割カンパを訴える 日本革命的共産主義者同盟(革マル派) 同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん! 鳩山辞任を受けて新たに首相に就任した菅直人は、「現実主義外交」の名のもとに、さしあたりは対米協調≠基調とする安保=外交政策をおしだしている。菅政権は、オバマ政権の対日要求に屈服した鳩山を継いで、米軍の辺野古新基地建設を強行しようとしている。しかも、韓国哨戒艦沈没事件を仕組み・これを口実として米日韓三角軍事同盟の再構築・強化にのりだしているオバマ政権に全面協力している。この政権はまた、「強い経済・強い財政・強い社会保障の一体的実現」の名のもとに、独占諸資本への手厚い支援策(法人税減税など)をうちだすとともに、労働者・人民には「子ども手当」減額や消費税増税をおしつけようとしているのだ。 独占資本家どもは、政府のテコ入れ策に支えられ、生産拠点のアジア諸国への移転に拍車をかけると同時に、労働者に首切りと賃下げ、労働条件の改悪などの犠牲を強制しているのだ。 日共指導部は沖縄を中心に燃えあがっている「海兵隊新基地建設反対」の闘いを、「反安保」なき「米軍基地の縮小」請願運動に歪めている。許しがたいことに、「連合」古賀指導部は、基地建設に反対する闘いをば民主党政権を窮地に追いこむものとみなして徹底的に抑圧しているのだ。 独占資本家どもの生き残りを賭した熾烈な首切り・賃下げ攻撃にたいしても、「連合」労働貴族どもは階級協調主義と<労資政運命共同体>思想を全面開花させ、労働者たちに総屈服を強いている。「全労連」の日共系ダラ幹もまた菅政権への「税・社会保障による富の再分配」要求運動へと闘いを歪曲して労働者を裏切りつづけているのだ。 同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん! 既成指導部のこの腐敗を弾劾し、菅政権による<新たな戦争と貧困>の強制を断固粉砕しよう。そして、戦争勃発の危機をもはらんでいる現代世界を根底的にくつがえす組織的拠点をインターナショナルに創りだすために、今こそ全力で奮闘しよう! 自己崩壊したスターリン主義の反マルクス主義的本質を徹底的にあばきだし、マルクス共産主義思想を真に甦らせ、わが反スターリン主義運動の飛躍と拡大をいまこそかちとろう! かかる闘いを財政的に支えるために、すべてのみなさんが夏季一時金の三割カンパを寄せられんことを心から訴えます。 二〇一〇年六月 <送り先> 東京都新宿区早稲田鶴巻町五二五―三 解放社 (振替・〇〇一九〇―六―七四二八三六) |
Top |
オバマ協賛党≠ヨの変節 詐術と犯罪を重ねる代々木官僚 「今こそアメリカにモノが言える政党の出番です」――日共委員長・志位和夫を先頭にして、代々木官僚はこの標語を念仏のごとくにくりかえし、下部党員を参議院選挙に向けての票田開拓にかりたてている。 「政治とカネの問題」「普天間基地移設問題」の両者に「ケジメをつけた」と言い放つ菅直人の新政権にたいして、代々木官僚は、「国民の期待と公約に背く裏切りの政治を反省もなく引き継」いでいると、未練がましく非難しつつ、鳩山政権の「失敗の教訓」なるものを垂れる。「アメリカにモノを言えない政治が行き詰まった」のだ、と。そして、この鳩山政権・民主党とは異なりアメリカにモノを言うことができた日共≠参院選向け票田開拓のセールス・ポイントとしておしだすために、志位を団長とした訪米団の「アメリカとの野党外交」なるものを誇大宣伝するのだ。「普天間基地の無条件撤去」は現行安保条約の枠内でも可能だとする提案を米国務省にたいして「堂々と」おこない、「論議の継続」を約束しました、と。 しかも彼らは、みずからの「野党外交」の有効性≠証明するためにオバマ政権を、「聞く耳をもっている政権」として描きだす。「率直なディベートをやれば、こちらの考えは伝わる。民主主義の伝統の深さを感じました」(『毎日新聞』のインタビューでの志位の言辞)と。いやはや、なんたる寝言。なんたる茶番劇。 鳩山が普天間基地の辺野古への移設を最後的に受け入れたのは、「アメリカにモノを言えなかった」からなどではない。オバマ政権が日・韓両政府を動員して対北朝鮮(対中国)の臨戦態勢をとるためにこそ、かの韓国哨戒艦「天安」沈没事件を「北朝鮮潜水艇の魚雷発射」によるものという一大キャンペーンをはりつつ、この北朝鮮およびその後ろ楯≠スる中国にたいする米・日・韓の共同対処≠鳩山政権に強力に迫ったことに、促迫されたからなのである。ことここにおいて、そもそも東シナ海の制海権奪取を企む中国の軍事行動にたいする危機感を募らせていた鳩山=小沢の民主党主力政権は、日米新軍事同盟をタテに辺野古新基地建設をゴリ押ししてきたオバマ政権の強圧に最後的に屈したのだ。 そもそも、かの「天安」撃沈事件それじたいが、対北朝鮮(対中国)の臨戦態勢をとるかたちで米日韓三角軍事同盟を再構築=強化するために、対米自立≠志向する鳩山前政権を屈服させることをも狙って、オバマ政権が仕組んだ一大謀略と推断しうる。ところが、だ。代々木官僚は、この一大謀略の一片をすら看て取ることなく、「天安」撃沈事件を「北朝鮮の攻撃」とみなして「無法で乱暴な軍事行為」と非難しているのだ。米・日・韓の権力者どもの反北朝鮮キャンペーンに唱和し、彼らがとっている臨戦態勢については口を閉ざすのだ。いままさに朝鮮半島において生起している一触即発の戦争的危機をまえにして、この危機を謀略をも駆使してつくりだしている張本人たるオバマ政権を免罪するとは、いやそれどころか平和の使徒≠ニ礼賛するとは、これ以上の犯罪行為がまたとあるか! まさに白を黒と言いくるめるような代々木官僚のオバマ政権への礼賛。そして「野党外交」なるものの自画自賛。これこそは、「普天間基地無条件撤去」などの日共の代案があたかも実現可能なものででもあるかのように描きだすためにする、きわめつけの詐術いがいのなにものでもないのである。 以下、見出し 1 「建設的野党としての閣外協力」の破産の隠蔽 2 アメリカ中毒≠フ昂進 3 現代世界の激動から昇天した極楽トンボの「複眼」 4 俗説的「帝国主義」規定すらの放棄 |
Top |
第48回国際反戦集会 海外アピール 米―中・露本格対決下の新たな核軍事力増強競争に反対しよう! <戦争と貧困>の強制を打ち砕く国際的連帯の強化を! 第48回国際反戦集会実行委員会 (全学連・反戦青年委・革共同革マル派) われわれ日本反スターリン主義革命的左翼は、八月一日に、首都東京をはじめとして日本各地七ヵ所で国際反戦集会を開催する。これらの集会の成功的実現を期して、われわれは、全世界のたたかう反戦団体、同志・仲間たちに、ともにたたかい熱き連帯の絆を打ち固め拡げていくことを訴える。<米・中本格対決>の時代への推転のもとで、いまや朝鮮半島ならびに中東において火を噴きつつある戦争勃発の危機を阻止するために、転向スターリン主義者・社会民主主義者・社民化したトロツキストなどの既成反対運動指導部の腐敗を根底からのりこえ、革命的反戦闘争をおしすすめる国際的大奔流をつくりだそうではないか! (一) 朝鮮半島はいま、一触即発で戦争が勃発しかねない危機に包まれている。 韓国哨戒艦「天安」の沈没事件(三月二十六日)にかんして、韓国政府は、その原因を「北朝鮮の魚雷攻撃」と断定し(五月二十日)、北朝鮮の金正日政権にたいして「責任者の処罰」を要求した。そして米・日両政府は直ちに、これを「全面支持」した。韓・米・日の権力者どもは、それぞれ「外交的解決をめざす」と語りながらも、陸・海・空軍を大挙動員し対北朝鮮の臨戦態勢を敷いている。これにたいして金正日政権は、「ソウルを火の海にすることまで見越した無慈悲な軍事的措置をとる」と声高に宣言し、全軍を動員して戦闘態勢に突入しているのだ。 アメリカ帝国主義のオバマ政権は、日本の菅政権、オーストラリアのラッド政権(六月二十四日にギラード政権に交代)とともに、六月二十一日から沖縄近海において、米原子力空母G・ワシントンなど十九隻の艦艇を動員して、米・日・豪の合同軍事演習をくりひろげている。そして七月初旬からは、オバマ政権は李明博政権とともに、中国の北海艦隊の基地・青島と目と鼻の先の黄海上において、米・韓両軍の対潜水艦合同演習を強行しようとしているのだ。 このようにオバマ政権は、いまや在日・在韓米軍の指揮の下に日・韓・豪の軍隊を動員しつつ、朝鮮半島ならびに東シナ海において、合同軍事演習を連続的に強行し常態化させている。これらの対北朝鮮の軍事行動は、同時に、北朝鮮の後ろ盾≠ニなっている中国・ロシアにたいする示威行動としても展開されている。東シナ海・南シナ海の制海権をアメリカ帝国主義から奪取するという目標を公然と掲げて海軍の大増強に突進している胡錦濤の中国――この中国にたいする軍事的包囲網≠確立=強化するためにこそ、オバマ政権は、米韓・米日・米豪の軍事同盟を日米新軍事同盟を中軸にしてリンクする策動を急ピッチでおしすすめているのである。 これにたいして胡錦濤の中国政府とプーチン=メドべージェフのロシア政府は、「〔韓国哨戒艦沈没事件について〕冷静・自制を保ち言動を慎む」ことを要求するとともに、米・日・韓の対北朝鮮臨戦態勢への軍事的対抗策にうってでている。とりわけロシア権力者は、韓国哨戒艦沈没事件について「北朝鮮による魚雷攻撃」という米・韓両軍当局の断定にたいして疑義を公然と表明し、現地調査団を派遣している。そして、「朝鮮半島有事における米軍の展開に対応する」という作戦計画にもとづいて、六月末から、黒海艦隊をも動員しての海軍の大規模な軍事演習を極東海域において実施しようとしているほどなのだ。 米・韓両権力者が、対北朝鮮臨戦態勢(=対中国準臨戦態勢)の口実としている韓国哨戒艦「撃沈」事件――この事件は、そもそも「北朝鮮の戦争挑発」という虚構を捏造するために、アメリカ帝国主義が仕組んだ一大謀略と推断しうる。ロシアとの同盟的結束を基礎に、いまや世界の覇権大国≠ニしての地位を着々と築き、対米対抗的な核軍事力(核戦力を中核とした総合的軍事力)の飛躍的強化に邁進している胡錦濤の中国。この昇竜£国を封じこめるためにこそ、オバマ政権は、米日韓の三角軍事同盟を再構築し強化する格好の口実をつくりだすことを狙って、韓国哨戒艦「撃沈」事件という謀略を仕組んだにちがいないのだ。 戦争はつねに謀略事件を導火線として始まるのであって、この朝鮮戦争勃発の危機は、<米・中本格対決>という現情勢のもとで、ついに戦火が噴き出しはじめたことを示している。 しかも、風雲急を告げるこの朝鮮半島での戦争勃発の危機と同時に、中東においても新たな戦争勃発の火種が膨らんでいる。イスラエルの狂信派シオニスト・ネタニヤフ政権が、トルコのエルドアン政権の肝煎りで組織されたガザ支援の人権団体「フリー・ガザ・ムーブメント」の支援船団に軍をさし向け急襲し、十数名を虐殺する事件を惹き起こした(五月三十一日)。このシオニスト政権の残虐非道な蛮行は、二〇〇八年末以来ガザ封鎖を強行しつづけている同政権にたいして、エルドアン政権が断固として抗議しガザのパレスチナ人民支援強化にのりだしていることへの憎悪に駆られたからだけではない。このエルドアン政権が今やイスラムの核♀J発をおしすすめているイランのアフマディネジャド政権と公然と結託し、イランの核物質輸送を仲介する意志を表明したこと――これへの憎悪と焦りにシオニスト政権が駆られたからにほかならない。 中東における<反米・反シオニズム>の共同戦線構築をおしすすめているイラン、その核開発を何よりも恐れている狂信派シオニスト政権は、いまやイランの核施設にたいする空爆強行の機会を虎視眈々とうかがっているのだ。二〇〇七年にシリアの小型核施設(ウラン濃縮実験用施設)を空爆し破壊したのと同様に。このシオニスト政権は、まさにハルマゲドン=i最終戦争)の引き金を引こうとしてさえいるのである。 まさしく戦争・戦乱の危機がさし迫る現代世界のただなかで、われわれはこの日本の地において、米・日・韓の対北朝鮮臨戦態勢に「反対」の声ひとつあげていない「連合」古賀指導部や日本共産党・不破=志位指導部などの既成反対運動指導部の腐敗を弾劾し、<米・中本格対決>下の朝鮮戦争勃発の危機を阻止するためにたたかっている。そしてまた、アメリカ帝国主義のアフガニスタン侵略戦争を弾劾し・かつ新たな中東戦争勃発の危機を阻止するためにたたかっている。 全世界の労働者・人民は、われわれとともに、そして反戦闘争に起ちあがっている韓国の労働者・人民や<反米・反シオニズム>の闘いに陸続と決起している中洋ムスリム人民と連帯しながら、ともに決起せよ! (二) アメリカ帝国主義のオバマ政権は、韓国哨戒艦「撃沈」の一大謀略を仕組み、これをもって、北朝鮮の「脅威」にたいしては米・日・韓が共同して対抗すべきことを日本帝国主義の鳩山政権に強要した。そうすることによってオバマ政権は、対米自立≠掲げ沖縄県普天間の海兵隊基地の「海外・県外への移設」を唱えてきたこの政権を完全に屈服させ、ついに倒壊に追いこんだのである。 五月二十八日に発表された「日米共同声明」(「2+2」合意)――それは、沖縄県名護市の辺野古沖に海兵隊新基地を建設することを、鳩山政権が対米公約しただけにはとどまらない。それは同時に、日本帝国主義の軍事戦略をアメリカ帝国主義の世界制覇戦略――「日米共同声明」の前日の五月二十七日に発表されたオバマ版「国家安全保障戦略」に示されているそれ――に従属させることを、日本の民主党主導政権が受諾したという意味をもつ。 実際、鳩山に代わって登場した菅直人を首班とする民主党主力政権もまた、「日米同盟の強化」を謳いあげた「日米共同声明」にもとづいて、「米日韓の連携強化」を叫び対北朝鮮臨戦態勢をとる米・韓両権力者に全面的に加担している。 われわれは、米日韓三角軍事同盟の再構築・強化とその中軸をなす日米新軍事同盟の対中・対露の攻守同盟としての飛躍的強化を絶対に許さない。 われわれはこのかん、普天間基地即時撤去・辺野古新基地建設阻止の闘いを、一切の既成指導部の犯罪的指導を弾劾しつつ、その最先頭で牽引してきた。民主党政権と一体化した「連合」労働貴族どもは、鳩山政権を窮地に追いこまないために、ひたすらこの運動の火を消すことに狂奔した。とりわけ醜悪な姿をさらけだしたのが、日本共産党の不破=志位指導部であった。彼らは、鳩山政権の「進歩的側面」なるものに期待をかけ、「普天間基地の代替施設の海外・県外への移設」という「公約」を守るように鳩山政権にお願いする運動へと、反基地運動を歪曲してきた。しかも彼らは、「安保反対」を完全に放棄して、「日米安保条約を日本防衛という建て前通りに運用せよ」とか「日米軍事同盟の異常性を正し対等・平等な日米同盟へと改革せよ」とかと主張し、反基地闘争の反安保闘争としての発展の道を阻む役割を果たしてきたのだ。 それだけではない。五月のNPT再検討会議への参加にかこつけてアメリカをはじめて訪問した日本共産党の委員長・志位は、「アメリカは民主主義の伝統の国だ」とか「オバマ政権は聞く耳を持った政権だ」とかと、歯の浮くようなオバマ礼賛を述べたてている。七月十一日投票の参議院選挙を前にして、民主党とは異なって「アメリカに率直にモノを言える党」を集票目あてにアピールするというのが、彼らのさもしい魂胆なのである。辺野古新基地建設をごり押しし現にいま対北朝鮮臨戦態勢をとっているこのオバマ政権にたいして、このような讃辞を贈ることによって、わが日本の転向スターリニスト党はみずから命脈を絶ったのだ。 まさにこのような既成指導部の底知れぬ腐敗を弾劾し、われわれは、日本における反基地の闘争を、日米新軍事同盟の強化に反対し「一切の基地撤去・安保条約破棄」をもめざしていく闘いへと戦闘的につくりかえるために奮闘してきた。こうして今、日本全国に「反安保」のうねりが高まっている。そしてわれわれは、「日米共同声明」を橋頭堡とする米日韓三角軍事同盟の再構築・強化を粉砕するために前進せんとしているのである。 (三) 現代世界は今、<米・日連合><独=仏枢軸のEU連合><中・露主導の経済新興諸国・開発途上諸国連合>というこの三極の角逐を基本構造としながらも、中国の急激な台頭=覇権大国化≠台風の眼として新たな転回をみせている。とりわけ米・中の本格的対決の様相がますます顕著になりつつある。 米・露両権力者の「核軍縮」合意という相互瞞着の裏面において、米―中・露の核軍事力増強競争がいよいよ熾烈化している。核軍事力の質的強化を特質とする現時点におけるこの新たな軍事力増強競争は、全世界的な資源争奪戦、アメリカの<ドル支配体制>を突き崩すことを企む中・露主導のBRICs連合の「IMF改革」の画策をインパクトとしての通貨=金融戦争、そして環境=経済戦争などと結びつきながら、日々、戦争勃発の危機を深めているのである。 その最大の焦点が東アジアであって、いまや東アジアにおいて米・中の軍事的角逐がいよいよ激化しつつある。 いわゆる「第一列島線」を突破≠オ「第二列島線」近くにまで遊弋するかたちで海軍の軍事演習を挑戦的にくりひろげている中国。この中国の海軍大増強と展開にたいして、オバマ政権は、「(中国の)接近拒否戦略は、米軍の戦力の展開を阻止し地域の不安定化を許すことになる」(QDR=「四年ごとの国防計画の見直し」)などと危機感をあらわにしている。それゆえにオバマ政権は、グアムを極東米軍の「ハブ」とするかたちで米軍を再編するという従来の構想を軌道修正し、「第一列島線」上のキー・ストーンたる沖縄(そして在日米軍基地全体)を対中国の最前線拠点として強化することを策しているのだ。しかも、NPR(「核戦略体制の見直し」)においては、「同盟国を支持するために戦術核を前方配備する能力を維持する」ことを力説し、次世代戦闘機F35に戦術核兵器を搭載することを公然と謳っているのが、「核廃絶の旗手」の仮面を付けたオバマなのである。 これにたいして胡錦濤の中国は、たとえ公海上であっても中国の「国益」を脅かすような敵国軍隊(米海軍)の軍事行動を許さずこれを阻止すること(「接近阻止」戦略)、また中国の「防衛線」内においては敵国に自由な行動を許さないこと(「領域拒否」戦略)、を公表している。これにもとづいて中国権力者は、東アジアの海を「アクセス・ディナイアル・ゾーン(侵入拒否領域)」に設定し、米軍や日本国軍の同海域への侵入を阻止する態勢を強化しつつ、その制海権をアメリカ帝国主義から奪取せんと企んでいるのである。こうした胡錦濤中国の軍事戦略は、アフリカ―中東―インド洋―南シナ海―東シナ海を結ぶシーレーンを石油・鉱物資源の輸送路として確保するとともに、東・南両シナ海の大陸棚資源を占有支配する、という目論みにもとづく。 こうした「積極的防御の軍事戦略」なるものにもとづいて、胡錦濤の中国はいま、「核と通常戦力の二重作戦手段を備えた海上戦力」の名のもとに、国産空母二隻の建造や新型の攻撃型潜水艦の開発・配備などに血道をあげている。また「海洋、宇宙、電磁空間の安全維持能力の向上」の名のもとに、中国独自のMD(ミサイル防衛)システムの開発や(ロシア権力者との協力による)宇宙軍拡および核戦力の強化に狂奔しているのだ。 たしかにオバマ政権とロシアのメドベージェフ政権は、第一次戦略兵器削減条約(START1)に代わる新たな核軍縮条約に調印した(四月八日)。だがこの新STARTの調印は、核軍縮・核管理の問題にかんしては「二大核大国」たる米・露がリーダーシップをとる、という両者の利害の結果的一致にもとづくものにすぎない。国際政治における覇権を握っている胡錦濤の中国にたいして巻き返しを図るために、「核軍縮」「世界の平和と安全保障」のリーダーとしてのアメリカ国家の威信の回復を図らんとするオバマ。他方、中国と結託して反米国際包囲網の形成をおしすすめているとはいえ、BRICsのなかで唯一経済成長が停滞しロシアの「大国としての復権」の夢破れて、内心の焦りを募らせているプーチン=メドべージェフ。この両者が「核大国」としての地歩を利用してそれぞれの威信の高揚のために瞞着したことを、それは示すものにほかならない。このようなものとしてこれもまた、<米・中本格対決>という巨大な地殻変動が生みだした一つの現象≠ネのである。 米・露両権力者が、戦略核兵器の削減を謳った「核軍縮」条約に調印したのは、それぞれが未曽有の経済危機に直面し財政赤字の増大にさいなまれていることを現実的基礎としているのであって、彼らはあくまでも自国に有利な内実での「核軍縮」をめざしているにすぎない。オバマ政権は、みずからの核軍事力の圧倒的優位を不動のものとするために――新たな条約によって相手の軍拡の手を縛りながら――削減の対象とはなっていない戦術核兵器の維持・更新や、この戦術核兵器と統一的に運用するMDシステムの世界的配備(韓国やルーマニアなどへの新規配備)をおしすすめているのだ。これにたいしてロシア権力者もまた、新条約に「MDと戦略核兵器の連関」と「MDが脅威となる場合には条約からの脱退」とを盛りこみ、みずからはMDシステムをかいくぐることのできる新型ミサイルの開発に血道をあげているのである。そして胡錦濤の中国は、この米・露の「核軍縮」にほくそ笑みながら、みずからはアメリカの核軍事力にキャッチアップすることをめざして、ロシア権力者と結託しつつ、独自のミサイル防衛システム(アメリカの軍事衛星を爆破する技術の開発と一体のそれ)や海軍の増強に狂奔しているのである。 ところで、このロシアとの「核軍縮」交渉の進展をおしだしながら、四月中旬の「核安全保障サミット」において、「核軍縮」を拒否している中国政府をば「核軍縮・核管理(=核不拡散)の国際的枠組みづくり」に引きずりこむことを画策するとともに、ウランの高濃縮の開始を宣言しているアフマディネジャドのイランに核開発を放棄させるための国際的包囲の陣形を構築せんとしたのが、オバマであった。 〔こうしたオバマの策動は、このかん中国が、「ブッシュの戦争」の間隙を縫って形成してきた反米国際包囲網と・世界同時不況のなかで経済の高度成長をかちとっていることとを背景として、国際政治の舞台でも一人勝ち≠収めていること(それを劇的に示したのが昨年末のCOP15であった)――この現状を打破し、いわば米・中のコンドミニアムとでもいうべき国際的な枠組み(G2体制)を構築することを狙ったものといえる。だが、このオバマの誘い≠ノたいして胡錦濤は「『G2』論にはくみしない。中国は途上国である」という姿勢を貫いている。この政権は、あくまでもアメリカ帝国主義を「一超」の座から最後的に追い落とし中国を「二十一世紀の覇権大国」として確立することを狙っているのである。〕 五月におこなわれたNPT(核不拡散条約)再検討会議において、オバマ政権は、「イランの核開発阻止」決議を採択せんとした。だが、ブラジルのルラ政権とトルコのエルドアン政権とが、この決議の採択に反対する論陣を張った。こうして、オバマ政権の抵抗と反撃にもかかわらず「最終合意文書」から「イラン核開発問題」が削除され、またエジプト政府が提案した全中東諸国の参加による「中東非核化にかんする国際会議の二〇一二年開催」が明記された。とりわけエルドアン政権は、みずからイラン政府の「核の平和利用」に寄与する核物質の輸送を仲介するという提案を提示し、数多の経済新興諸国・開発途上諸国政府の支持を取りつけ、ついにアメリカ帝国主義の策略を挫折に追いこんだのだ。 これらの事態は、胡錦濤の中国ならびにプーチン=メドベージェフのロシアの、水面下における反米≠フ策動の奏功を意味するのである。 すでに核兵器を保有しているイスラエル国家と、これを庇護しながらイランの核開発を阻止せんとするダブルスタンダード政策をとるアメリカ帝国主義国家とにたいして、いまや中洋イスラム圏諸国家の総反攻の気運が高まっている。 イスラムの核≠手にせんと躍起となっているアフマディネジャドのイランとも結託しながら、この<反米・反シオニズム>のうねりを最先頭で牽引する意志を明示しているのが、トルコのエルドアン政権にほかならない。かつてはイスラエルとも軍事協力協定を結ぶ親米国家≠ナありながら、二〇〇二年にイスラム政党単独政権として登場したギュル=エルドアン政権のもとで、イスラエルのガザ侵略(〇八年十二月)を契機に<反シオニズム>の旗幟を鮮明にしているトルコ。まさしくこのゆえに、中東における唯一の友好国≠失ったイスラエルの狂信派シオニスト政権は、このトルコ政権にたいする憎悪をむきだしにしてガザ支援船団を強襲しトルコ人支援員を虐殺したのである。 われわれは、血に飢えたイスラエルのネタニヤフ政権によるこのガザ支援船攻撃・虐殺を怒りを込めて弾劾する! イスラエルによるガザ封鎖を容認するオバマ政権を許すな! 同時に、追いつめられたイスラエル権力者どもが、イランへの軍事攻撃の挙に出る危険が高まっている。<反米・反シオニズム>の闘いに決起しているムスリム人民と連帯し、イスラエルの狂信的シオニストの政権による暴挙を断固として阻止せよ! そして、敗走に次ぐ敗走を重ねながらも、今なおアフガニスタン人民を血の海に沈めている「オバマの戦争」を最後的に打ち砕け! <米・中本格対決>のもとで、いまやアジアの東と西の両方で火を噴こうとしている戦争勃発の危機――その根源はいうまでもなく、アメリカ帝国主義と中国・ロシアによる新たな次元での核軍事力増強競争にある。われわれは、米―中・露の新たな核軍事力増強競争に反対する革命的反戦闘争を、プロレタリア・インターナショナリズムの立場にたって断固として創造しなければならない。 世界で唯一の被爆国である日本の労働者・勤労人民は、諸国家の権力者どもの間の「核軍縮」交渉によって「核兵器廃絶」が実現するかのように期待するのは、幻想以外のなにものでもないことを知っている。こうした幻想は、核兵器をば、それを作りだし核武装して相互に対抗している米―中・露の国家的諸対立(これこそが戦争的危機の根源なのだ!)からきりはなして、あたかも核兵器それじたいが「人類社会」「平和」を脅かす脅威の根源であるかのようにとらえてしまう錯誤に、起因するのである。まさしくこのゆえにわれわれの闘いの旗印は、「核廃絶」ではなく「核軍事力増強競争反対」でなければならない。「真の恒久平和」を創造しうる唯一の力は、米―中・露の核軍事力増強競争を打ち砕く全世界の労働者階級・人民の国境を越えて団結した闘いの前進以外にはありえないのだ。 全世界の労働者・人民よ! 権力者どもによる一切の「核軍縮」や「核管理」の欺瞞を暴露し、今こそ<米―中・露の新たな核軍事力増強競争反対!>の旗のもとに決起せよ! (四) 米(日・韓)や中・露(北朝鮮)による<戦争>の強制は、同時に全世界各国人民への<貧困>の強制と一体のものにほかならない。 日本帝国主義の菅直人政権は、いま、アメリカ帝国主義のオバマ政権および韓国の李明博政権とともに、対北朝鮮(対中国)の臨戦態勢に突入している。この菅の民主党新政権は、「責任ある安保外交政策」の名のもとに、沖縄の米海兵隊・普天間基地の名護市辺野古沖への移設および「沖縄の負担軽減」を名分としての在沖米軍演習地の全国各地への移転・拡大を公然と謳っている。しかもこの政権は、巨額の米軍再編費用を小泉・安倍の両自民党政権時代の日米合意通りに支払うことをオバマ政権に誓約し、また、巨額の防衛予算を事実上の聖域≠ニしている。そして、莫大な軍事費を確保するために、かつ諸独占体庇護の法人税減税を強行するためにも、消費税大増税(税率一〇%への引き上げ)を強行しようと企んでいるのだ。 このように鳩山に代わって登場した菅の民主党政権が、「過度な対米依存からの脱却」および「国民の生活が第一」という鳩山=小沢式の宣伝文句さえも投げ捨てて、これまで以上に日本労働者階級・勤労人民に<戦争と貧困>を強制する極反動攻撃をしかけている。にもかかわらず、「連合」の古賀指導部は「全面支持」を掲げ、もって傘下労組の組合員を参院選に向けての集票活動にかりたてている。また、日本共産党の不破=志位指導部は、米・日・韓三国の対北朝鮮臨戦態勢突入に反対しないどころか、むしろ北朝鮮脅威論の鼓吹に唱和しているありさまなのだ。しかも、辺野古新基地建設を鳩山政権にごり押しした張本人たるオバマ政権を「聞く耳を持った政権」などと賛美しているのが、彼らなのだ。 われわれは、こうした犯罪に手を染めている既成反対運動指導部を弾劾し、今こそ「対北朝鮮臨戦態勢反対! 辺野古新基地建設阻止! 普天間基地即時撤去!」の反戦反安保闘争および大衆収奪の強化に反対する政治経済闘争の大爆発をかちとり、もって菅政権を打倒しうる階級的戦列を形成・強化するために奮闘している。 全世界の人民よ! いま世界は、<米・中本格対決>という時代的特質をあらわにし、そのもとで世界の人民がますます深く戦争と貧困に覆われつつある。現代帝国主義の死の苦悶と、「社会主義」を僭称し自滅したスターリン主義の末裔どもによる国家資本主義への転態とによって現出しているこの暗黒の二十一世紀世界の危機を根底から超克することをめざして、全世界の労働者・人民は、プロレタリア国際主義に立脚し、<戦争と貧窮化>に反対する闘いにともに国境を越えて起ちあがろう! (二〇一〇年六月二十五日) |
Top |
全国で労学統一行動が高揚 | |
「米日韓の対北朝鮮臨戦態勢反対!」 6・13 労学が名古屋市街を席巻 六月十三日、名古屋地区反戦の労働者と全学連東海地方共闘会議の学生たちは、名古屋市において、「米日韓の対北朝鮮臨戦態勢反対! 辺野古新基地建設阻止!」を掲げて全東海労学統一行動に断固として決起した。 |
|
「新基地建設をゴリ押しするオバマ政権を許さないぞ!」アメリカ領事館に怒りのシュプレヒコール | |
「〈戦争と貧困〉を強制する菅政権を許すな!」民主党愛知県連にむけ進撃 (6・13、名古屋) |
|
6・20 札幌に〈反安保〉の雄叫び 北海道の闘う労学が戦闘的デモ 六月二十日、全学連道共闘の学生と反戦青年委員会の労働者は、札幌において全道労学統一行動に勇躍決起した。 |
|
「〈安保破棄〉めざしてたたかおう!」労学の固いスクラムが札幌市街をゆるがして進撃する (6月20日、札幌) |
|
北大キャンパスに反戦の声轟く (クラーク会館前) |
|
Top |