第2124号(2010年6月21日)の内容

<1面>
米軍新基地建設と増税を阻止せよ
 参院選に埋没する既成指導部を弾劾し6・20労学統一行動の高揚を!
夏季一時金の三割カンパを訴える
日本革命的共産主義者同盟(革マル派)
<4〜5面>
「排除しない社会」という妄想
 宮本太郎『生活保障』の批判
<2面>
F22嘉手納緊急配備に怒り 5・28
奄美群島民大会に反安保の檄 5・29
関西学生の集い 5・22
<6面>
府知事・橋下の「大阪都」構想
「連合福岡 政策・制度実現集会」 5・30
Topics 介護職員の交付金支給基準に「キャリアパス要件」を義務づけ
<7面>
世界各地で労働者が決起
ホンダ中国工場で長期スト
◆中国全土に燃え広がるストライキ
「緊縮財政政策」に抗する欧州各国労働者の闘い
<8面>
グーグル・ブック検索をめぐる騒動の深層
<3面>
万華鏡2010――情勢の断層を読む
◆核の商人
◆「言語戦争」
◆文化財ナショナリズム
◆毒ギョーザで乾杯

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号




































  


米軍新基地建設と増税を阻止せよ

 参院選に埋没する既成指導部を弾劾し6・20労学統一行動の高揚を!

 六月十一日の所信表明演説において新首相・菅直人は、「強い経済・強い財政・強い社会保障の一体的実現」を金看板とする新たな経済・財政政策をうちだし、これを「日本経済の閉塞状況」を打ち破る「新しい設計図」などとおしだした。あたかも社会保障の「充実」(新成長分野とみなす介護・福祉部門への投資拡大)が雇用を創出し経済成長をもたらすかのように、菅はおしだしている。けれども、この「強い社会保障」なるものは、菅にとっても第二義的政策であって、「強い経済」の名のもとに新成長戦略にもとづく法人税減税などの大企業支援策をとることや、「強い財政」の名のもとに社会保障の財源として消費税を大増税することが政策上の重点にほかならない。
 しかも、首相・菅は、韓国哨戒艦沈没事件について北朝鮮を「許し難い」と非難し、「国際社会としてしっかり対処する」とおしだしている。この政権はいま、米・韓両権力者とともに対北朝鮮(対中国)の臨戦態勢をとっている。しかもオバマ政権が、これを橋頭堡として、中国を封じこめるための軍事的包囲網≠フ中心と位置づける米日韓三角軍事同盟の再構築・強化に突進している。このオバマ政権に全面協力を誓い、5・28日米共同声明にもとづいて辺野古に米海兵隊新基地を建設することを「責任感に立脚した外交」の名のもとに明示しているのが、菅政権なのだ。
 菅政権と民主党執行部は、内閣と民主党の支持率が急回復≠オた今が参議院での単独過半数を確保するチャンスとみてとり、「郵政改革法」成立を先送りにし、国会の会期を延長せずに参議院選挙(七月十一日)を実施することを決定した。日米新軍事同盟強化と消費税増税などの諸政策を貫徹するためにも、菅政権・民主党は、参院選で勝利することに必死になっているのだ。
 すべての諸君! われわれは、こうした菅新政権による<新たな戦争と貧困>の強制を絶対に許してはならない。いまこそ、たたかう労働者・学生は、既成指導部の「反安保」なき「米軍基地の縮小・撤去」請願運動をのりこえ、<米日韓の対北朝鮮臨戦態勢反対! 普天間基地撤去・辺野古新基地建設阻止!>を焦眉の課題とする反戦・反安保闘争を強力に推進せよ! <反安保>のうねりを全国から巻き起こせ! 同時に、菅政権による大企業支援策や消費税増税など大衆課税の強化に反対する政治経済闘争を一体的に推進せよ!「政治の強いリーダーシップ」の名のもとに<戦争と貧困>を労働者・人民に強制する菅政権を、反戦・政治経済闘争の大高揚をもって打倒せよ!
 すべてのたたかう労働者・学生は決意も新たに6・20労学統一行動に総決起せよ!

以下、見出し

米日韓三角軍事同盟の再構築・強化への全面協力

「第三の道」の名による独占資本支援・消費税増税の策動

菅政権による〈新たな戦争と貧困〉の強制を打ち砕け!
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すべてのたたかう仲間に
夏季一時金の三割カンパを訴える

日本革命的共産主義者同盟(革マル派)

 同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん!
 鳩山辞任を受けて新たに首相に就任した菅直人は、「現実主義外交」の名のもとに、さしあたりは対米協調≠基調とする安保=外交政策をおしだしている。菅政権は、オバマ政権の対日要求に屈服した鳩山を継いで、米軍の辺野古新基地建設を強行しようとしている。しかも、韓国哨戒艦沈没事件を仕組み・これを口実として米日韓三角軍事同盟の再構築・強化にのりだしているオバマ政権に全面協力している。この政権はまた、「強い経済・強い財政・強い社会保障の一体的実現」の名のもとに、独占諸資本への手厚い支援策(法人税減税など)をうちだすとともに、労働者・人民には「子ども手当」減額や消費税増税をおしつけようとしているのだ。
 独占資本家どもは、政府のテコ入れ策に支えられ、生産拠点のアジア諸国への移転に拍車をかけると同時に、労働者に首切りと賃下げ、労働条件の改悪などの犠牲を強制しているのだ。
 日共指導部は沖縄を中心に燃えあがっている「海兵隊新基地建設反対」の闘いを、「反安保」なき「米軍基地の縮小」請願運動に歪めている。許しがたいことに、「連合」古賀指導部は、基地建設に反対する闘いをば民主党政権を窮地に追いこむものとみなして徹底的に抑圧しているのだ。
 独占資本家どもの生き残りを賭した熾烈な首切り・賃下げ攻撃にたいしても、「連合」労働貴族どもは階級協調主義と<労資政運命共同体>思想を全面開花させ、労働者たちに総屈服を強いている。「全労連」の日共系ダラ幹もまた菅政権への「税・社会保障による富の再分配」要求運動へと闘いを歪曲して労働者を裏切りつづけているのだ。
 同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん!
 既成指導部のこの腐敗を弾劾し、菅政権による<新たな戦争と貧困>の強制を断固粉砕しよう。そして、戦争勃発の危機をもはらんでいる現代世界を根底的にくつがえす組織的拠点をインターナショナルに創りだすために、今こそ全力で奮闘しよう!
 自己崩壊したスターリン主義の反マルクス主義的本質を徹底的にあばきだし、マルクス共産主義思想を真に甦らせ、わが反スターリン主義運動の飛躍と拡大をいまこそかちとろう!
 かかる闘いを財政的に支えるために、すべてのみなさんが夏季一時金の三割カンパを寄せられんことを心から訴えます。

 二〇一〇年六月
 <送り先>
  東京都新宿区早稲田鶴巻町五二五―三    解放社
  (振替・〇〇一九〇―六―七四二八三六)
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「排除しない社会」という妄想

宮本太郎の「アクティベーション型生活保障」なるもの

 今一〇春闘を大惨敗に導いただけでなく、独占資本家どもによる新たなリストラ諸施策に全面的に協力・加担している「連合」労働貴族どもは、同時に今、諸独占体の生き残り策を支える「新成長戦略」の具体的策定を急ぐ民主党政権を全力で後押ししている。日本の諸独占体の「国際競争力」の急激な低下と、アメリカ帝国主義の属国≠ニしてふるまってきたことのゆえに、アジア諸国の権力者たちの政治的信頼を失い、これら諸国が中国とのあいだで次々とFTAを締結していることとは対照的に、FTA・EPA交渉において大きくたち後れるというように、日本国家は国際政治において地位を低下させてきた。これらの事態をかつてない国難≠ニとらえ、この危機からの脱却をはかるべく政・労・使が一丸となって力を尽くす、という姿勢をいよいよ鮮明にしているのが、JC労働貴族が主導する「連合」古賀指導部なのだ。そして彼らが、「経済成長の達成と新たな雇用の創出」を前面に掲げたみずからの政策・制度要求を基礎づけるために活用しているのが、「雇用を軸とした生活保障の充実によってこそ、持続的経済成長を達成しうる」と力説している宮本太郎などの学者たちなのである。
 独占資本家どもと民主党政権による労働者階級・勤労人民への新たな貧困の強制に手を貸している「連合」労働貴族ども――彼らが掲げている政策・制度要求と「社会ビジョン」なるものの反労働者的本質を暴き出すために、本稿では、宮本太郎の新著『生活保障――排除しない社会へ』(岩波新書)を中心に、彼が唱えている「アクティベーション型生活保障」とこれにもとづく「排除しない社会」なる「ビジョン」について検討する。

(以下見出し)
「アクティベーション型生活保障」の提唱

独占資本家どもの免罪

出入り自由の労働市場≠ニいう画餅

解雇・転職のくりかえしを迫る「生活保障」なるもの

「排除しない社会」というユートピア
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情報覇権♀m立をかけた企業間・国家間対立の激化

 グーグル・ブック検索をめぐる騒動の深層

以下、見出し
1 グーグル訴訟とは何だったのか

2 コンテンツ生産業者とプラットフォーム業者との対立

3 対米情報従属≠フ拒絶と受容
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F22嘉手納緊急配備に怒り 5・28
 五月二十八日、沖縄県学連のたたかう学生たちは、「F22飛来・駐留に対する5・28緊急抗議集会」(沖縄平和運動センター、中部地区労、新嘉手納爆音訴訟団の主催)に、一〇〇名の労働者・住民とともに決起し最先頭で奮闘した。
嘉手納基地に向け怒りのシュプレヒコール
(「安保の見える丘」)
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奄美群島民大会に反安保の檄 5・29
 五月二十九日、奄美大島で「徳之島への米軍基地移設に反対する奄美郡民会議」主催による「徳之島への米軍基地移設反対 奄美群島民大会」が一五〇〇名を結集して開催された。わが情宣隊は、会場となった奄美市の名瀬小学校体育館前に登場した。ゼッケン、ハチマキ、腕章を身につけたわが情宣隊は、「アメリカ・オバマ政権に屈服した反動鳩山政権を打倒しよう!」「徳之島への訓練地移転を阻止しよう!」「安保破棄めざしてたたかおう!」と声を大にして参加者にビラを手渡す。 
わが同盟の訴えに共感の輪広がる
(5・29)
奄美諸島から1500名が結集し基地移設反対の拳
(5・29、奄美市)
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関西学生の集い 5・22
 五月二十二日、関西のたたかう学生たちは、奈良女子大学において、全学連の奥野委員長を招いて「とめよう! 米軍新基地建設 まきおこそう! 反安保のうねりを5・22関西学生の集い」を開催した。
講師を交じえ熱気にあふれる活発な討論を実現
(5月22日、奈良女子大学)
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