第2122号(2010年6月7日)の内容

<1〜3面>
米日韓の対北朝鮮臨戦態勢反対!
6・20労学統一行動に起て!

中央学生組織委員会
政府決定弾劾! 首相官邸に緊急抗議 5・28
すべてのたたかう仲間に夏季一時金の三割カンパを訴える
日本革命的共産主義者同盟(革マル派)
<7面>
再来沖の鳩山を労学が糾弾 5・23 那覇・名護
首都圏の学生が<反安保>掲げデモ 5・22
鹿大生が川内原発の増設策動に反撃 5・18
<4〜5面>
ユーロ通貨圏の大崩落(下)
「連合」御用学者の「労働法改革」の反動性
<6面>
Topics 鳩山政府の「産業構造ビジョン案」
「医療観光」を政府が推奨
国民負担増での医療危機突破≠唱える日共系学者
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
<8面>
万華鏡2010――情勢の断層を読む
モウ、許せん/ターゲテッド・キリング/発想の転換
『新世紀』最新号(第247号)紹介
 「解放」 最新号



























  


米日韓の対北朝鮮臨戦態勢反対!

<戦争と貧困>を強制する鳩山政権を労学の総力で打倒せよ

6・20労学統一行動に起て!

辺野古新基地建設阻止!

普天間基地即時撤去!

日米新軍事同盟の強化反対


中央学生組織委員会

5・28「辺野古移設の政府決定阻止!」全学連が緊急決起
(国会前)


「日米合意糾弾!」沖縄全土で怒り沸騰 5・28県民集会に1500名結集
(那覇)
 いま朝鮮半島において戦争勃発の危機が急激に高まっている。
 韓国海軍哨戒艦「天安」の沈没事件について、韓国大統領・李明博は五月二十四日、「哨戒艦は北朝鮮の魚雷による奇襲攻撃によって沈没した」と断定し、「断固たる措置をとる」と宣言した。アメリカ大統領オバマは、李明博政権への全面的な支持を表明し、ただちに米軍各司令官にたいして韓国軍と緊密に連携し即応態勢をとるように号令した。李明博とオバマの両政権は、米韓両軍を動員し対北朝鮮の臨戦態勢に突入しているのだ。これにたいして北朝鮮の金正日政権は、「全面戦争には全面戦争で対応する」と警告を発し、全軍の臨戦態勢を敷いている。
 五月二十七日には、韓国海軍が黄海において、韓国側水域に侵入した北朝鮮の潜水艦・警備艇を攻撃するという作戦計画にもとづく大規模な対潜水艦軍事演習を挑発的に強行した。そしてオバマ政権は、黄海において六月に米韓合同の対潜水艦軍事演習を実施すると発表し、これにむけて米原子力空母G・ワシントンを中核とする空母機動部隊を送りこもうとしている。こうして朝鮮半島はいま、一触即発の危機におおわれているのだ。
 この風雲急を告げる情勢のまっただなかで、日本国首相・鳩山は五月二十八日に、「北東アジアにおける安全保障情勢の最近の展開により、日米同盟の意義が再確認された」などとおしだしながら、普天間基地の代替施設を「辺野古」に設置することを明記した日米共同声明を発表した。その翌日に韓国を訪問した鳩山は、李明博との首脳会談において、「韓国を支持する。朝鮮半島すぐそばで北朝鮮が船舶を沈めるという大変な事態だからこそ、(辺野古移設を)決断した」などと表明したのだ。今や米・日・韓の三国権力者は、韓国哨戒艦沈没事件を絶好の口実として、米日韓三角軍事同盟の再構築・強化にのりだしているのである。
 アメリカ帝国主義権力者の強圧に屈服した首相・鳩山は、朝鮮半島情勢の緊迫を口実としながら、普天間基地を「最低でも県外」に移設するという公約を最後的に投げ捨て、二〇〇六年の「日米ロードマップ」にもとづく現行案をほぼ丸呑みする内実の海兵隊新基地建設計画を沖縄の労働者・人民に押しつけようとしている。まさにそのゆえに鳩山は、「沖縄を裏切ることはできない」と主張し閣議決定に抵抗していた社民党党首・福島(消費者・少子化担当相)を切って捨てたのだ。これにたいして福島は、「私をきりすてることは沖縄をきりすてること」と反発し、連立政権からの離脱にふみきった。民主党主導の連立政権は成立八ヵ月余にして瓦解の危機にたちいたっているのだ。
 われわれは今こそ、決意も新たに「米日韓の臨戦態勢反対」「辺野古新基地建設阻止・普天間基地即時撤去」「日米新軍事同盟の強化反対」「米―中・露の新たな核軍事力増強競争反対」の反戦闘争を断固として推進するのでなければならない。この闘いの一挙的爆発をもって、<戦争と貧窮化>を労働者・人民に強要する鳩山反動政権を打倒せよ。そのためにこそ、既成指導部の破産した「公約実現」請願運動をのりこえ、反戦反基地・反安保闘争の一大高揚をかちとれ! さし迫る朝鮮半島の戦争勃発の危機を労働者・人民・学生の国際的に団結した力で打ち砕け! すべての労働者・学生は、決意も固く6・20労学統一行動に決起せよ!

(以下、見出し)
T朝鮮半島の危機と米日韓三角軍事同盟の再構築・強化

U「反安保」を投げ捨てオバマ政権を礼賛する代々木官僚を弾劾せよ

V反動鳩山政権打倒!<反安保>の旗高く前進せよ!
  


衆院議員会館前で弾劾の拳(5月28日)

 五月二十八日、許しがたいことに米日両権力者は、「日米同盟が日本の防衛のみならず、アジア太平洋地域の平和、安全および繁栄にとっても引き続き不可欠である」と謳い、辺野古に米海兵隊新基地を建設することを明記した「共同声明」を発表した。
 労働者・人民の辺野古新基地建設阻止の闘いを踏みにじって強行されたこの日米合意・政府方針の決定を許さず、全学連のたたかう学生たちは、首相官邸にたいする緊急抗議行動に断固として起ちあがった。
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すべてのたたかう仲間に夏季一時金の三割カンパを訴える

日本革命的共産主義者同盟(革マル派)

 同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん!
 鳩山政権は、アメリカ・オバマ政権のごり押しに屈服し、いまやなりふりかまわず米海兵隊新基地を沖縄・辺野古に建設しようとしている。<米―中の本格的対決の時代>への突入のもとで、対米自立≠志向しながらも、抬頭する中国に対抗するために日米新軍事同盟の強化に積極的に応じようとしているのがこの政権なのだ。
 ギリシャ危機を引き金にした国際金融危機・世界的大不況のさらなる深まりのもとで、鳩山政権は「国民の生活が第一」の金看板を投げ捨てて独占体諸企業への手厚い支援策を次々とうちだし、そのツケを「子ども手当」減額や保険料の引き上げや消費税増税などとして労働者・人民に押しつけようとしている。そして独占資本家どもは、政府のテコ入れ策に支えられ、アジア内需≠追い求めて生産拠点のアジア諸国への移転に拍車をかけると同時に、労働者に首切りと賃下げ、雇用・労働条件の改悪などのいっそうの犠牲を強制しているのだ。
 だが、沖縄を中心に燃えあがっている「海兵隊新基地建設反対」の闘いを、日共指導部ら既成指導部は「反安保」なき「米軍基地の縮小」請願運動に歪めている。許しがたいことに、「連合」古賀指導部は、この闘いをば鳩山政権を窮地に追いこむものとみなして徹底的に抑圧してまわっているほどなのだ。
 独占資本家どもの生き残りを賭した熾烈な首切り・賃下げ攻撃にたいしても、「連合」労働貴族どもは階級協調主義と<労資政運命共同体>思想を全面開花させ、労働者たちに総屈服を強いている。「全労連」の日共系ダラ幹もまた鳩山政権への「税・社会保障による富の再分配」要求運動へと闘いを歪曲して労働者を裏切りつづけているのだ。
 同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん!
 鳩山政権と独占資本家どもは、日本帝国主義の危機のりきりのために、いよいよ<戦争と貧困>を労働者・人民に強いてきている。こうした事態がもたらされているのは、ひとえに既成指導部の腐敗と大裏切りのゆえにほかならない。既成指導部のこの腐敗を弾劾し、日本階級闘争の戦闘的創造を実現するために、そしてどん詰まりの危機のもとで三極間の相互角逐の激化のゆえに戦争勃発の危機をもはらんでいる現代世界を根底的にくつがえす組織的拠点をインターナショナルに創りだすために、今こそ全力で奮闘しようではないか!
 この闘いは、自己崩壊したスターリン主義の反マルクス主義的本質を徹底的にあばきだし、マルクス共産主義思想を真に甦らせることによってのみなしとげられるであろう。わが反スターリン主義運動の飛躍と拡大をいまこそおしすすめよう!
 かかる闘いを財政的に支えるために、すべてのみなさんが夏季一時金の三割カンパを寄せられんことを心から訴えます。

 二〇一〇年六月
 <送り先>
  東京都新宿区早稲田鶴巻町五二五―三    解放社
  (振替・〇〇一九〇―六―七四二八三六)
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ユーロ通貨圏の大崩落


<三極>抗争での敗退の悪夢に苛まれるEU連合 

目次
T PIIGS総破綻の危機の切迫
   当座しのぎの救命策
   危機の打開不能の露呈

U ユーロ通貨圏・EU経済圏の危機の一挙的深まり
   PIIGS危機の深層
   中・東欧経済破綻の加重
   EU主要国への危機の連鎖
   独・仏両帝国主義間の軋轢

   (第二一二一号)

V ロシアとの政治的結託=瞞着の強化
   EU連合の国際的地位・威信の失墜
   「欧州安定」を名分とするロシアとの結託
   EU圏の排他的経済ブロックとしての強化

   (第二一二二号)
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最新号紹介

新世紀
The Communist

第247号
2010年7月


鳩山政権打倒の指針を提起

<三極>間角逐の新転回を剔る

マル学同創成50周年記念大会を特集

 「今こそ鳩山反動政権打倒に決起せよ」――わが同盟は断固たる決意のもとに全労働者・人民に訴える。この論文を本号の巻頭に掲載した。
 中国の海軍大増強に危機感をむきだしにしている鳩山政権は、韓国哨戒艦沈没事件をも口実にして沖縄を対中国最前線基地として強化せんとするオバマ政権の強圧に屈し、「普天間基地の辺野古への移設」受け入れを表明した。しかもこの政権は、デフレ・スパイラル昂進のもとで苦悶する日本の独占諸資本を救済するために、「家計支援」と称する諸政策も次々に投げ捨てている。ネオ・ファシズムの本性をむきだしにし<戦争と貧窮化>を強制するこの政権をなおも必死に支えているのが既成反対運動指導部だ。「連合」労働貴族は「米軍新基地建設反対」の闘いが足元から高揚するのを恐れてこれを抑圧し、日共指導部は鳩山政権に対米交渉の「仲介」を申し出て、日米両政府への幻想を煽りたてている始末だ。これら既成指導部の抑圧と闘争歪曲に抗して、いかにたたかうべきか。わが同盟は呼びかける。「鳩山政権を打倒するために、全国から<反安保>のうねりを巻き起こし、同時に増税反対などの政治経済闘争を組織化し、もってこれらの闘いの一体的爆発をかちとれ」と。
◆本二〇一〇年、日本マルクス主義学生同盟・革マル派は結成五十周年を迎えた。この節目の年にかちとられた記念すべき第三十回大会の基調報告、植田琢磨革共同全国委員会議長からの提起(「現情勢の特質とわれわれの任務」)をともに掲載した。植田議長は若い同志たちに語りかけている。「そこ存在する学生大衆は、彼ら自身だけでは決してみずからの疎外に目覚め、階級闘争に決起できるわけではない。それは、われわれの思想的=組織的な働きかけによってのみ、はじめて可能となるのだからである」と。この発言は会場のすべての同志を鼓舞してやまなかった。
 「革命的学生運動推進上の理論的・実践的諸教訓」(無署名)と「マル学同組織建設の前進のために」(同)。この二つの大会報告の前者は、情勢分析と方針解明における内容上・方法上の諸教訓、および自治会運動づくりとサークル活動推進上の諸教訓を明らかにしている。後者は、マル学同組織をいかに強化してきたかの教訓を、二点明らかにしている。組織実践において陥った誤謬を、思考法の欠陥の反省をつうじて根本的に打開してきたこと、また、大衆運動へのマル学同の組織的とりくみにおいて組織上の目的について意志一致をはかることの弱さを同盟組織建設論とりわけ「Y面的アプローチ」等についての諸理論を適用して反省してきたこと、である。同志黒田を先頭にして、内部理論=思想闘争が組織現実論や国家=革命理論そしてこれらに貫かれている実践的唯物論を適用しつつなしとげられてきた。このマル学同創設いらいの伝統の脈うつ二つの報告は、すべての同志が組織建設の前進の糧とするべきものなのである。
◆「一〇春闘の大敗北をのりこえる不抜の陣地を!」(中央労働者組織委員会)は、民主党政権下で初めてたたかわれた春闘が、またしても実質上の賃下げを強いられる大惨敗を喫したこと、その根拠を剔りだしている。経済新興諸国への参入のために国内事業を縮小し、首切り・賃下げに狂奔する日本の独占資本家ども。生き残りのためには労働者階級に重犠牲を強要する以外にない彼らにたいして、「外需牽引・内需主導の成長」を掲げて全面協力を誓い、鳩山政権に「新たな成長戦略」策定をお願いしているのが「連合」指導部だ。今春闘が「救国」春闘にねじまげられた根拠は、まさに彼らの<労使政運命共同体>思想にある。そして日共中央盲従の「全労連」のダラ幹どもは、鳩山政権に「公約実現」を求めるものへと闘いを歪曲している。このことを暴きだし、中央労働者組織委員会は、「労働者階級の一大反撃の陣形をつくりだせ」と訴えている。

小沢「不正資金」疑惑暴露の真相剔る

◆「新たな転回を示す<三極>間角逐」と題して、中国を台風の目とする現代世界の劇変に光をあてる三つの論文を掲載した。「日米同盟の亀裂の補修」(水沢大悟朗)は、小沢「不正政治資金」疑惑暴露の真相と深層を鋭く剔りだしている。小沢「不正資金」問題の暴露・捜査は、明らかに、対米自立≠フ旗幟を鮮明にした鳩山政権に打撃を与えるためにアメリカ・オバマ政権が、小沢失脚を狙い東京地検特捜部内の親米分子を操ってしかけたものにほかならない。だがオバマ政権は、中国の軍事力大増強に直面し、他方では仏=独枢軸のEU連合によるNATO同盟の形骸化の画策にも規定されて、日米新軍事同盟の強化に血眼となっている。自力で戦争をやれる国≠ヨの飛躍をなお果たしていない鳩山政権も、当面は在日米軍を対中国の「抑止力」とみなし、それに頼らざるをえない。このゆえに日米両権力者が対立を棚上げにし手打ちをはかった。本稿はこのことをも浮き彫りにしている。
 「世界最大の環境破壊大国≠ヨの暴走」(高崎澄夫)は、いまやあらゆる国際会議を牽引し、世界大不況下でも経済成長を果たし一人勝ち≠フ勢いを示す昇龍中国=Aその実相を環境分野から照らしだしている。環境対策をうちださざるをえない中国の暗部=\―労働者・人民の生活破壊・健康破壊と国土破壊――をも暴きだす。
 「ロシア勢力圏にとりこまれたウクライナ」(石垣次郎)は、ヤヌコビッチ親露政権成立の背景を分析している。この政権をEU諸国が直ちに支持したことは何を意味するか。中国の覇権大国♂サに内心では警戒心をいだくロシア権力者。欧州の安定化のためにロシアとの「全欧安保条約」締結をめざす仏・独などのEU諸国権力者。両者の利害の結果的一致にもとづく新たな瞞着が浮き彫りにされる。
 「若き黒田の唯物論的主体性論(下)」(砂山雄二)を前号にひきつづき掲載した。黒田哲学をわがものとするための必読論文である。
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再来沖の鳩山を労学が糾弾 5・23 那覇・名護

 五月二十三日に、首相・鳩山は「普天間基地の辺野古への移設」という政府方針を地元の自治体首長らに通告するために再度沖縄を訪れた。「許さんぞ!」一〇〇〇名の労働者・学生・市民が鳩山を迎えうち、辺野古に米海兵隊新基地を絶対に建設させないという意志を突きつけ抗議行動にたちあがった。沖縄県学連のたたかう学生たちは、鳩山来沖阻止の闘いを、「反安保」を放棄した既成反対運動指導部を弾劾しつつ、怒れる労働者・人民の最先頭でたたかいぬいた。

鳩山(右奥の車列)に弾劾の拳
(5月23日、那覇)
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首都圏の学生が<反安保>掲げデモ 5・22

 五月二十二日、首都圏のたたかう学生たちは、早稲田大学・国学院大学・横浜国立大学などの各自治会委員長の呼びかけのもとに<米軍新基地建設阻止! 普天間基地即時撤去! 5・22学生マーチ>に起ちあがった。

沿道の労働者・市民に共感を呼びおこしながらデモする闘う学生
(5月22日、数寄屋橋)
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鹿大生が川内原発の増設策動に反撃 5・18

 五月十八日、鹿児島大学のたたかう学生たちは、政府・九州電力が薩摩川内市(鹿児島県)において、川内原発3号機増設のための「第一次公開ヒアリング」を開催しようとしていたことにたいして、これを断固として阻止するために起ちあがった。
鳩山政権の原発大増設を弾劾してたたかう鹿児島大生
(5月18日、川内市)
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