第2113号(2010年4月5日)の内容

<1面>
今こそ<反安保>のうねりを!
米海兵隊新基地建設阻止! 普天間基地即時撤去!
「反安保」を放棄した日共翼下の「米軍基地縮小・撤去」請願運動をのりこえて闘おう

<4〜5面>
世界最大の環境破壊大国≠ヨの暴走
「生態文明建設」を叫ぶ中国の虚構と実相
●東南アジアパイプライン建設に走る中国
「APEC警備」を名分とする危機管理体制の強化を許すな
<2面>
「もんじゅ」運転再開を阻止せよ
<3面>
労働者派遣法のインチキ「改正」を許すな
前代未聞の団体起訴=\―北教組破壊攻撃をうち砕け
北教組破壊に手を貸す日共中央
<6面>
賃金引き下げに屈服した電機労働貴族
私鉄大手独占体のベア・ゼロ回答弾劾
Topics イオンの年金制度大改悪
<7面>
「連合大阪」春闘総決起集会 3・5
「連合愛知」春闘総決起集会 3・7
急増する教育労働者の休職
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
<8面>
万華鏡2010――情勢の断層を読む
◆ドーハの逆転劇
◆ポチの遠吠え
◆えん罪逆利用
『新世紀』最新号(第246号)紹介
  「解放」 最新号



































  


今こそ<反安保>のうねりを!

米海兵隊新基地建設阻止! 普天間基地即時撤去!

 「反安保」を放棄した日共翼下の「米軍基地縮小・撤去」請願運動をのりこえて闘おう

 普天間基地の移設問題について「三月中に政府としての考え方をまとめる」と公言してきた鳩山政権は、三月末の現時点においてもなお、「米軍キャンプ・シュワブ陸上部」と「米軍ホワイトビーチ沖合の埋め立て」の二案を軸にしながらも「分散移転」とかを口にし、迷走ぶりをさらけだしている。「沖縄県民の負担を軽減する」という配慮≠おこなっているかのように見せかけるために、沖縄での米軍の訓練の五割以上を鹿児島県徳之島・長崎県大村基地・宮崎県新田原基地などに移すことをも政府案に盛りこむ意志を表明している。しかも、これらの日本政府案がオバマ政権によって拒絶されることをも想定して、「普天間基地の継続使用」をも公然と語りだしているのだ。
 オバマ政権は、二月二日のキャンベル・小沢会談を区切りにして従来の「辺野古沖合への移設が最善だ」と一方的に鳩山政権を恫喝する態度を軌道修正しており、三月二十三日の上院公聴会では、「日本政府が現実味のある代替案がないのか再検討中で、米国はそれを尊重し、代替案が示されるのを待っている」と表明した。だが同時にオバマ政権は、三月二十八・二十九日の外相・岡田との会談では、「日本政府案に耳を傾ける」かのようにおしだしながらも、しかしその案は「米軍の運用上受け入れ難い」ことを鳩山政権につきつける強圧的姿勢を誇示した。オバマ政権はあくまでも海兵隊基地の沖縄居坐りを日本政府に受け入れさせるために、「辺野古沖合の現行案の履行か、普天間の継続使用か、の二者択一を迫る」という居丈高な姿勢で日本政府との交渉に臨もうとしているのだ。
 米・日両権力者どもは、沖縄労働者・人民の声を踏みにじり、海兵隊基地の沖縄県内への居坐りとその強化をおしつけようとしているのだ。われわれは、米・日両権力者による海兵隊新基地建設・普天間基地継続使用の企みを断じて許してはならない。いま沖縄を先頭にして全国の労働者・人民は、この米・日両権力者の策動への怒りに燃えて続々と起ちあがりつつある。四月二十五日には沖縄の地で一〇万人規模の結集を謳う県民大会が開催されようとしている。
 だが、この決定的局面において、日共の不破=志位指導部はまたもや犯罪的な立ち回りをやらかしている。彼らは、「海兵隊は日本の平和と安全のための『抑止力』などではない」、だから「普天間基地の無条件撤去」は「安保条約の枠内」でも可能である、などと叫んでいる。あまつさえ、日米軍事同盟の「七つの異常」をただすと叫び立てつつNATO同盟のような「主権国家同士の関係」にふさわしい対等・平等な軍事同盟≠ヨの改良を日・米両政府に請願するにいたっているのだ。この日共中央の犯罪を弾劾せよ。
 われわれは「反安保」を完全に投げ棄てた日共中央翼下の「米軍基地縮小・撤去」請願運動を断固としてのりこえ、米海兵隊新基地建設阻止・普天間基地即時撤去をかちとる闘いを今こそ大爆発させるのでなければならない。この闘いを、<反安保>のうねりを巻き起こし安保条約の破棄をめざす方向性を示しつつ高揚させよう! 窮地に追いつめられたガタガタの鳩山=小沢ネオ・ファシズム政権の打倒をめざしてたたかいぬこうではないか。

以下、見出し

普天間基地移設・継続問題をめぐる米・日両権力者の確執

<米―中本格対決>下での日米新軍事同盟の現実的強化

日米新軍事同盟の強化反対! <反安保>の一大高揚をかちとれ
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高速増殖炉「もんじゅ」運転再開を阻止せよ

 「原発推進」を謳う「地球温暖化対策基本法」の制定を許すな!

 三月十八日、内閣府の原子力安全委員会は、高速増殖炉「もんじゅ」の運転を早期に再開させるために、日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」)の「耐震安全性評価」なるものを「妥当」であると発表した。これを受けて原子力機構は、福井県知事および敦賀市長の了承をとりつけしだい、ただちに「もんじゅ」の運転再開に踏みきろうとしている。
 首相・鳩山は「原子力はCO2を減らすには欠くことのできないエネルギーだ」などとうそぶいた。まさにそれは、「地球温暖化対策」を前面に掲げつつ、原発大増設とプルサーマルの推進、さらには高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開へと大きく舵をきることの宣言にほかならない。かてて加えて、鳩山=小沢の民主党政権は、国際的な原発商戦において劣勢にたっている現局面を打開するために官民一体≠ニなって経済新興諸国・開発途上諸国への原発セールスをおしすすめる態勢を整えつつある。
 すべての労働者・学生諸君! 事態は風雲急を告げている。鳩山政権が原発を大増設することを宣言した今、われわれは怒りも新たに鳩山政権の原発・核開発反対の闘いの爆発をかちとるために総決起しようではないか! 日共系の「安全対策」要求運動をのりこえ、「もんじゅ」運転再開阻止の闘いに決起せよ! プルサーマル運転を許すな!「原発推進」を謳う「地球温暖化対策基本法」の制定に反対せよ! 新興諸国・途上諸国への原発輸出を阻止せよ!「地球温暖化対策」の名による鳩山=小沢の民主党政権の原発・核開発を断じて許すな!
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派遣労働の温存・固定化を策す派遣法インチキ「改正」を許すな

 鳩山政権は、三月十九日に、今国会に提出する「労働者派遣法改正」案を閣議決定した。この法案は、「派遣労働者保護のための規制強化」とは名ばかりのザル法案であり、派遣労働を温存・固定化するインチキ「改正」案でしかない。
 労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の答申にもとづいてうちだされた厚労省「改正案要綱」(二月二十四日発表)にたいしては、たたかう労働者たちをはじめ、多くの派遣労働者たちや非正規雇用労働者を組織している労組や労働弁護団などが「これでは改悪だ!」「派遣労働の固定化だ!」と抗議をたたきつけた。鳩山民主党政権は、この抗議の声をかわすために、社民党・福島が「一点に絞って」求めてきたところの「事前面接解禁」条項のみを削るという小細工によって「閣内一致」をとりつけ、もって今国会での早期成立のために動きだしたのだ。
 だが、このわずかばかりの修正についてさえ、「派遣規制」の骨抜き化につとめてきた日本経団連の独占資本家と「連合」労働貴族は、口をそろえて「修正は遺憾だ」などとほざいている。「連合」労働貴族は、「公労使三者が厳しい論議を尽くした審議会の答申を尊重すべき」なのに「修正されたことは本意ではない」などと口をとがらせて抗議≠オている始末なのだ(三月十九日付・南雲事務局長談話)。
 「派遣規制強化反対」を傲然と叫びたて使い捨て自由≠ネ派遣労働の温存・固定化のために狂奔する独占資本家どもを弾劾せよ! 資本家どもと一体となって派遣規制≠フ骨抜き化に協力・加担している「連合」労働貴族を許すな! すべての労働者は、鳩山政権による「労働者派遣法」のインチキ「改正」を許さず、労働者派遣法の撤廃のためにたたかおう!
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前代未聞の団体起訴=\―北教組破壊攻撃をうち砕け

すべての労働者は北教組組合員と連帯してたたかおう!
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賃金大幅引き下げに屈服した電機労働貴族を弾劾せよ!

独占資本家どもの賃金引き下げ賃金カット攻撃を許すな

 一〇春闘JC集中回答日の三月十七日、電機大手の諸独占体資本家どもは、パイオニアを除いて、「現行の賃金体系を維持する」という回答をいっせいに各労組に示した。また、一時金については日立製作所が年間四・五五ヵ月、三菱電機は五・〇二ヵ月、シャープは四・五ヵ月というように、各労組が掲げた要求(「五ヵ月」前後のそれ)を大幅に下回る回答をうちだした。とりわけ明電舎(「三・二五ヵ月+α」)およびOKI(「三・五ヵ月+α」)の経営者は、電機連合の統一要求基準である「ミニマム四ヵ月」さえ受け入れないという態度を示した。
 パイオニアの経営者は、はやばやと「戦線離脱」を決定して白旗を掲げた労組の足もとを見透かして、またしても「定昇凍結九ヵ月」と「一年間賃金五%のカット」という大幅な賃金削減の「逆提案」をつきつけた。また、一時金についてもわずか三ヵ月という超低額回答をうちだした。「ホンダからの出資を受けて経営のたて直し中」だということを口実にして労組を屈服させ、これらをすべて呑ませたのである。
 こうして、電機大手独占体資本家どもは、総じて、「一〇〇年に一度の危機」と叫びたてていた昨春闘以上の賃金引き下げの回答をうちだし貫徹したのだ。
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私鉄大手独占体の「ベースアップ・ゼロ」回答弾劾!

中小私鉄・バス春闘の高揚をかちとれ

 大手私鉄の独占資本家どもは、回答指定日の三月十八日から十九日にかけて、各組合にたいして次々と「ベースアップ・ゼロ」の回答をつきつけた。さらに、関西を中心に大手企業の半数近くの資本家どもは、私鉄総連本部の掲げる「定昇相当分(賃金カーブ維持分)=五三〇〇円」にも満たない回答を次々にうちだし実質的な賃金引き下げを押しつけたのだ。
 私鉄大手の資本家どもは、総連本部が掲げたわずか二五〇〇円の「賃金改善原資」の要求をハナから一蹴した。関東では、東京地下鉄・東武・東急・京急・京成・京王の経営者が、また中部・関西では名鉄・阪急・近鉄・京阪の経営者が「ベースアップ・ゼロ」の回答をうちだした。南海・西鉄の経営者は「三十歳・(勤続)十二年」の「標準労働者」方式で昨年実績以下の回答をおこなった。
 彼らは、「業績が悪化している」とか「減収・減益の見込み」などと声高に叫びながら、軒並みに「ベースアップ・ゼロ」を強制し、「定昇相当分」を低額に押さえこんだ。またしても労働者にさらなる窮乏を強いたのだ。私鉄大手の回答指定日前日のJC集中回答日(三月十七日)に、自動車・電機などの資本家どもは、労組にたいして「賃金体系維持」の回答をおこなった。と同時に、ほとんどすべての企業で年間一時金を削減した。のみならず、「定昇制度の見直し」を軸とする賃金支払い形態の改変を課題とする協議に入ることを労組に受け入れさせた。この金属産業独占資本家どもの賃金引き下げの回答を横目に見ながら、私鉄大手の資本家どもは、またしても「ベースアップ・ゼロ」「定昇(相当分)切り下げ」の回答を傲然とつきつけたのだ。
 それだけではない。私鉄大手企業の半数近くの資本家どもはさらに臨時給の削減をうちだした。私鉄産業のコア事業(交通事業、不動産事業、リテール事業)のすべてが減収減益に転ずるという危機的事態に直面した資本家どもは、この危機をのりきるためにいっさいの犠牲を労働者に転嫁しようとしているのだ。
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新世紀 The Communist 第246号 2010年5月

最新号紹介

<米・中本格対決>の時代――われわれはいかに闘うべきか

「連合」「全労連」指導部の春闘裏切りの根拠を暴きだす

日共第25回大会決議批判
日米軍事同盟改良§_の犯罪性を抉る

 <米・中本格対決>時代の到来のもとで、ますます深まる<戦争と貧困と環境破壊>の危機。この現代世界の激変のもとで、わが革命的左翼はいかにたたかうべきか。現代危機の透徹した分析と反戦闘争・春闘の指針を明らかにした本号を、すべての労働者・学生に贈る!
▼巻頭は「<三極>新抗争下の危機を突き破り反戦反安保の革命的炎を噴き上げよ」(無署名)である。対米対抗の核軍事力増強と途上諸国連合の結束強化に、また<人民元経済圏>構築の策動に突進している胡錦濤の中国。これへの危機意識を募らせているアメリカ・オバマ政権は、胡錦濤政権に国際秩序の共同管理者=i=「G2体制」)としての責任を負わせるための揺さぶりをしかけている。対米自立≠フ旗幟を鮮明にしている鳩山政権との同盟関係の亀裂の修復をはかりつつ。そしてプーチン・ロシアと独=仏枢軸のEU連合の瞞着の強化。――こうした、中国の覇権大国化≠ヨの突進を旋回軸とした<三極>間角逐の新転回を巻頭論文はダイナミックに分析している。<米―中・露の核軍事力増強競争反対>の革命的方向性をさし示しながら。「中南米再制覇≠企むアメリカ帝国主義のハイチ軍事介入を許すな!」(無署名)をあわせて掲載した。
▼鳩山民主党主力政権成立いご初めての今二〇一〇春闘は、賃上げ要求をいっさい放棄した「連合」指導部と「連合との共同」を追い求める「全労連」指導部とによって、国難突破≠フための政・使・労の談合≠ヨとネジ曲げられている。この労働運動破滅の危機をいかに突破していくべきか。
 「<労使政運命共同体>思想の満開」(赤江平)は喝破している。古賀指導部の『連合白書』に貫かれているものは、「日本経済の危機突破=持続的成長のために、『内外需のバランスの歪み』を是正し『配分の歪み』・『雇用の歪み』をちょっぴり是正するための『春季生活闘争』=労・使・政の春討≠ノとりくむという構想」にほかならない、と。この「救国」春闘への歪曲の根拠は<労使政協議>の路線化にあり、「階級宥和思想の今日版としての<労使政運命共同体>思想」が労働貴族どものよってもって立つ思想である、と。
 「<反独占>放棄の『全労連』中央」(神長徹)は、「全労連」の日共系指導部による「賃上げ」要求の法定最低賃金引き上げなどの「制度改善要求」へのすり替えを、また大企業の「ためこみすぎの内部留保のはきだし」=「富の再分配」の仕組みをつくるという代案の反労働者性をえぐりだしている。彼らの春闘方針が「ルールある経済社会」の実現という修正資本主義的な日共式理念によって基礎づけられていることをも、本論文は明快に突きだしている。
 日本経団連の「産業構造再編」構想を批判した「製造業諸独占体の傲岸な生き残り策」(仙堂隆司)とともに、これらの諸論稿は、一〇春闘をたたかう労働者にとっての強力な理論的武器である。
▼日共第二十五回大会決議を全面的に批判した「代々木共産党の生き残り策=v(葉室真郷)は、「過渡的な情勢」のもとでの「三つの任務」を目玉商品として位置づけている日共中央の犯罪性を、あますところなく暴きだしている。「日本政治の二つの異常」の打破=「根本的改革」の名のもとにうちだされている「第二の任務の(1)」=「異常な対米従属の打破」。その内実は、日米軍事同盟のNATO並みの対等・平等なものへの改良≠求めるというものでしかない。これこそ、「新しい国民的共同」と称しての農協や医師会などの「保守層」への媚売りに腐心していることのゆえの、代々木官僚どものイデオロギー的変質の極致にほかならない。しかもこれらは、「平和の流れ」とか「民主的な国際経済秩序の形成」とかというような現代世界のバラ色≠フ認識=妄想によって正当化されてもいる。まさにこれらは、代々木官僚の新たな犯罪いがいの何ものでもない、と。
 すべてのたたかう仲間は、本論文を主体化し転向スターリニスト党追撃の闘いを一段と強化していこうではないか。
▼昨年のCOP15に示された胡錦濤中国の国際政治舞台での覇権♀m立、これは同時に、米・日とEU連合そして中・露主導の経済新興諸国連合、これら<三極>間の環境=経済戦争の新たな激化を告げ知らせている。「『環境立国』を金看板とする鳩山流危機突破策=v(浦上深作)と「破綻必至のオバマ式挽回策」(河原田久)の二論文は、日米両権力者の「地球温暖化」対策を大義名分としたそれぞれの生き残り″を分析し、その反人民性を暴きだしている。
 「若き黒田の唯物論的主体性論」(砂山雄二)は、『ヘーゲルとマルクス――技術論と史的唯物論・序説』の学習ノートである。みずからの客観主義を克服するために筆者は、若き黒田の哲学的探求を、とりわけ唯物論的目的論を主体的に把握することをめざしている。
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