第2111号(2010年3月22日)の内容

<1面>
日米新軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての強化反対!
「対等・平等」な日米軍事同盟≠ヨの改良を請願する代々木官僚を弾劾せよ!

<4面>
独占資本救済のための国家総動員≠フ身勝手な呼号
2010年版『経労委報告』の欺瞞

<5面>
産業新生のための春討≠ヨの歪曲に抗し出版春闘の爆発を
<2面>
3・6「連合」中央集会 労働貴族に怒り噴出
<6面>
経営危機突破策に全面協力を誓うトヨタ労働貴族
コマツが中国・新興諸国進出に狂奔
Topics 製造業諸資本が生産縮小
<7面>
「公益性の高い民間企業」への再編を提示
――郵政改革法案・素案骨子――
「原子力は地球環境を守る」!?
「軍命削除」撤回を拒否する文科相・川端を糾弾せよ!
<3面>
日教組第59次全国教研
新学習指導要領を是認する本部に抗して創造的に実現

<8面>
万華鏡2010――情勢の断層を読む
◆「抜本改正」案の舞台裏
◆衰退大国
◆EMF
◆原発推進法案

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号



































  


日米新軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての強化反対!

「対等・平等」な日米軍事同盟≠ヨの改良を請願する代々木官僚を弾劾せよ!

 アメリカ海兵隊の新基地建設を阻止し・普天間基地の撤去をかちとる労働者・学生・人民の闘いは、今まさに正念場を迎えている。「三月中に政府としての普天間基地移設先案を決定し、五月末までに決着させる」と宣言している鳩山政権は、沖縄・名護の米軍基地=キャンプ・シュワブ内の陸地に新たな滑走路を建設する案を軸として、オバマ政権との最終的な交渉に臨もうとしているのだ。鳩山じしんが昨夏の総選挙のただなかで公言してきた「できれば国外への移設、最低でも県外への移設」という「公約」を臆面もなくかなぐり捨てて、沖縄をはじめとする全国の労働者・人民の「米軍基地撤去」の声を傲然と踏みにじろうとしているのである。この悪らつきわまりない策動を、絶対に許してはならない!
 没落するアメリカにとってかわって覇権大国≠ノのしあがることをめざして驀進している中国の胡錦濤政権にたいして、アメリカ帝国主義のオバマ政権はますます焦燥感をつのらせている。鳩山=小沢の民主党主力政権もまた、胡錦濤政権の海軍力大増強=東シナ海の制海権奪取の策動を日本の「国益」にとっての脅威≠ニみなし危機感を昂じさせている。この両者は昇龍£国に対抗するという利害の結果的一致にもとづいて、米海兵隊の新基地建設やMDシステムの日本配備強化をはじめとする日米新軍事同盟の対中(・対露)攻守同盟としての現実的強化に突進しているのだ。対米自立≠フ旗幟を鮮明にしている小沢=鳩山の政権と、これにたいして小沢の政治資金問題を東京地検内の特定部分を衝き動かして追及させるというかたちで恫喝をしかけてきたオバマ政権とが、当面の相互妥協をはかり、日米同盟関係の亀裂を弥縫する策に大童でのりだしているのである。このゆえに、民主党政権の発足と同時に調査を開始してきた「核持ち込み」や「沖縄返還」をめぐる「日米密約」問題にかんしても、密約の現存在を認めたにもかかわらず、「新たな政府見解は表明しない」(外相・岡田)などという灰色決着≠強引につけたのが鳩山政権なのだ。
 今まさに普天間基地「移設」問題をめぐって決定的な局面を迎えているただなかで、代々木共産党の不破=志位指導部は、「鳩山内閣は『対等な日米関係』を築くということを『公約』にしてきたが、米国にモノ言えぬ政権だということが明瞭になった」(志位、三月十二日)という非難の声をあげながら、「普天間基地の無条件返還」を求める「一大国民運動」を呼びかけてはいる。だが、この「国民運動」なるものは、「米国と正面からの交渉をおこなうこと」を鳩山政権に請願するための圧力手段として位置づけられているにすぎない。しかも、「反安保」の放棄を暴露し弾劾するわが革命的左翼のイデオロギー闘争に共鳴し感化される下部党員が続出していることに動転し官僚的自己保身に駆られている不破=志位指導部が、たとえ「日米安保条約廃棄を国民の多数派にすることをめざす」ということを大慌てでおしだしているのだとしても、その内実たるや、「主権国家どうしの関係」にもとづく軍事同盟とみなしたNATOをお手本≠ニして、安保条約の枠内で日米軍事同盟を「対等・平等」な軍事同盟≠ヨと改良することを自己目的化するものにまで変質しきっているのだ。
 すべてのたたかう労働者・学生諸君! われわれは、代々木官僚翼下の既成平和運動をのりこえ、米海兵隊新基地建設阻止・普天間基地即時撤去を焦眉の課題とする反戦・反基地・反安保闘争の一大奔流を、今こそ全国津々浦々においてまきおこそうではないか!
 この闘争の大爆発をかちとるために、われわれは代々木官僚の「基地の撤去・縮小」要求運動方針の犯罪性を徹底的に暴きだすのでなければならない。

(以下、見出し)
「七つの異常をただす改革」の空叫び

「世界の平和の流れ」という麻薬≠フバラマキ

「異常な対米従属」打破という代案の犯罪性

新基地建設阻止! 普天間基地撤去! <反安保>の奔流を!
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独占資本救済のための国家総動員≠フ身勝手な呼号

二〇一〇年版『経労委報告』の欺瞞


 一〇春闘のヤマ場を目前にして、独占資本家どもはいよいよ賃金の大幅引き下げの攻撃を強めている。
 NECをはじめとした電機独占資本家どもは「賃金体系維持」の要求を受け入れない姿勢を示し、OKI(沖電気)の資本家はいったんは昨年に続いて「昇給実施の凍結」=賃金カットの「逆提案」を労組につきつけて賃金引き下げの姿勢をしめした。「定期昇給制度の見直し」をぶちあげた日立の経営者に続いて、東芝の経営者は「春闘とは別に賃金制度見直しを議論する」とうちだした。彼らは、成果主義賃金体系の導入によってすでに「定期昇降給制度」でしかなくなっている「定昇」制度、その一掃をも含む賃金支払い形態のさらなる改変をおしすすめようとしているのだ。
 自動車独占体・日産の資本家は、「一〇〇〇円分の賃金改善原資増」という労組の要求をはねつける姿勢を示し、トヨタをはじめとする多くの独占体の資本家どもは、一時金の大幅な引き下げを強行しようとしている。
 しかも、この春闘の過程においても、電機や自動車をはじめとする製造業諸独占体だけでなく流通・サービス業の諸独占体は、「新興国・後進国の経済成長の取り込み」を叫び、生産・販売拠点の海外移転を中軸とする事業再編を急ピッチでおしすすめている。そのためにも、国内では労働者の大量解雇を引き続き容赦なく強行しているのだ。
 にもかかわらず「連合」の古賀指導部は、「賃金体系維持の要求は節度ある控えめな要求だ」「企業の活力維持のために必要なものだ」とか細い声を上げ、独占資本家どもにすがりついているにすぎない。トヨタ労組の労働貴族どもは、「リコール問題」でバッシングされているトヨタ独占資本家を全面的に支えるために、毎年恒例の「一万人決起集会」さえ取りやめ、すでに「春闘」の旗を巻いてしまっているのだ。
 「連合」の労働貴族どもは、独占資本家どもの賃金引き下げ・大量首切り攻撃に早々に屈服したうえで、日本経済立て直しのための「新成長戦略の早期実施」を鳩山政権に要求することに、早くも軸を移しているのだ(三月四日の「連合」中央委員会で「重点施策要求」を決定)。「連合」労働貴族どもは、一〇春闘を「日本経済の危機突破」=「救国」のための春闘に歪曲しているのだ。
 この労働貴族どもを付き従えつつ、独占資本家どもは、一切を「日本経済危機打開・国難突破」の大合唱の場へとおとしめ封じ込めようとしているのだ。この策動を正当化するためにこそ、日本経団連は、二〇一〇年版『経営労働政策委員会報告』(以下『報告』と略記)をうちだしているのである。
 賃金引き下げ・大量解雇攻撃を正当化する独占資本家どもの言辞の欺瞞性をも暴きだしつつ、すべてのたたかう労働者は、一〇春闘の戦闘的爆発のためにたたかいぬこう!
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産業新生のための春討≠ヨの歪曲に抗し出版春闘の爆発を

 すべてのたたかう仲間たちは、一〇春闘を戦闘的に創造するただなかで・またそれをつうじて、出版労連および各単組の戦闘的強化をかちとるために奮闘するのでなければならない。正社員組合の一員であるたたかう仲間たちは、非正規雇用労働者とともにたたかうことをつうじて、既存の企業内組合へ・あるいは個人加盟制組合へと彼らを結集させようではないか。また非正規雇用を強いられている仲間たちは、同一職場の正社員労働者たちにも働きかけつつ、みずからの賃上げ・労働条件改善のためにたたかい、それをつうじてみずからを労働組合へと組織しようではないか。もって労働組合を戦闘的に強化・拡大せよ!
 すべてのたたかう出版労働者は、危機にあえぐ政府・独占ブルジョアジーによる一切の犠牲転嫁に反対してたたかっている全国・全戦線の労働者たちと固く連帯し、一〇春闘の爆発をかちとるために、さらに奮闘しよう!
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日教組第59次全国教研(山形)

新学習指導要領を是認する本部に抗して創造的に実現

 すべてのたたかう教育労働者諸君! あらゆる産別の労働者諸君!「民主党議員への違法献金」容疑なるものを口実とした検察権力による北教組にたいする不当弾圧を許すな! 委員長代行・書記長ら役員三名の逮捕という前代未聞の大弾圧を弾劾せよ! これに勢いづく自民党による、「日の丸・君が代」強制反対の闘いの圧殺と北教組・日教組にたいする組織破壊攻撃を断じて許すな!
 検察権力と自民党は、たたかう教育労働者の奮闘に支えられて戦闘的にたたかっている北教組とその運動を破壊することを狙っているのだ。日教組本部と多くの各県教組本部が「五項目合意」(一九九五年)を機に「日の丸・君が代」強制反対の闘いなどを放棄してきたことに抗して、北教組は、日教組本部に「五項目合意の破棄」を求めつづけてきた。北教組は、教育基本法改悪反対闘争(〇七年)を最先頭で牽引し、いまも「日の丸・君が代」強制や全国学力テスト実施に反対して組織的にたたかっている。〇八年には「賃下げ反対」の一時間ストライキ(1・30ストライキ)を貫徹し、その処分攻撃にも屈していない。
 北教組は、教研運動も「抵抗と創造の自主編成運動」を標榜しつつ学習指導要領を批判してとりくんでいる。全国教研の場でも多くの北教組組合員が論議を牽引しているのだ。
 北教組組合員とすべての労働者は、こうした北教組の運動と組織の破壊を狙う一切の攻撃を粉砕するためにたたかおう!

 一月二十三日〜二十五日に、山形市(上山市・天童市)で日教組第五十九回教育研究集会全国集会(全国教研)が開催された。
 民主党政権発足後はじめての今次全国教研の全体集会には、五十八年ぶりに文部科学省幹部の国会議員として政務官・高井美穂(民主党)が出席した。この高井を前にして、委員長・中村は「社会的パートナーとして(文科省に)認知された」と満面の笑みをもってブチあげたのだ。日教組本部は、今次全国教研を、民主党政権・文科省の「社会的パートナー」にふさわしく子どものためにがんばる教育専門家集団≠ニして日教組を内外にアピールするものとして実現しようとしたのである。記念講演では、タケカワユキヒデ(元ゴダイゴ)に六人の子育てについて語らせるという演出もおこないつつ。
 だからこそ日教組本部は、民主党政権・文科省と対立しそうな「日の丸・君が代」問題などをめぐる論議を封殺するために、各県教組代表のレポートを事前に検閲し削除・訂正を強要したのだ。
 だが、戦闘的・良心的組合員たちは、こうした日教組本部の思惑を超え、民主党政権の教育政策の欺瞞性を暴露し・その危険性への警鐘を乱打しつつ、新学習指導要領の問題をえぐりだす論議を各分科会で柔軟につくりだした。生起している社会的問題を洞察し、それらと対決する運動と統一して教研運動をすすめることなくして「子ども・教育」の問題は解決しえないこと、教職員みずからが政治的・社会的問題に関心をもち考えていくべきこと――こうした訴えは、真面目で良心的な組合員たちに広く・深く浸透し、共感が大きく広がったのである。
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