第2107号(2010年2月22日)の内容

<1面>
「救国」春闘への歪曲を突き破れ
 大量解雇・賃下げ攻撃粉砕!
 一〇春闘の高揚をかちとれ!

<4〜5面>
■2・7労働者怒りの総決起集会・基調報告
 「救国」春闘への歪曲を許さず10春闘の戦闘的高揚をかちとれ

<2面>
「辺野古新基地建設阻止!」 労学が那覇市街を席巻 1・31
辺野古新基地建設反対大阪集会 1・28
<3面>
「海兵隊実弾演習阻止!」 九共闘が日出生台―大分港連続闘争 1・24―26
国民総監視強化を企む警察権力
<6面>
派遣労働者の命が奪われた!
 民間委託清掃工場(東京)の実態
診療報酬アップにすがる医労連指導部
Topics 労使一体で「若年者雇用安定共同声明」
<8面>
中南米再制覇≠企む米帝国主義のハイチ軍事介入を許すな!
◇中国蘇州市の液晶パネル工場
 労働者2000名がストライキ
<7面>
万華鏡2010――情勢の断層を読む
◆火あぶりの刑
◆悲痛な教訓
◆自信喪失
◆モシュタラク

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号



































  


「救国」春闘への歪曲を突き破れ

大量解雇・賃下げ攻撃粉砕!

一〇春闘の高揚をかちとれ!

 「今春闘の労使交渉は、労働側に冷静に判断していただき、非常に静かで不気味な感じすらする」――日本経団連の経営労働政策委員長・大橋がこのようにほざいていることに、今春闘の危機的現実が、いや日本労働運動の破滅的危機が、如実に照らしだされている。労働者階級をなめきったこのような言辞を独占ブルジョアどもが口にできるのは、ひとえに「連合」労働貴族どもおよび「全労連」の日共系指導部の底知れぬ腐敗のゆえなのだ。
 労働者・勤労人民が貧窮の淵につきおとされているにもかかわらず、「連合」の労働貴族どもは、あらかじめ賃上げ要求を放棄しただけでなく、独占資本家どもの大量首切り・大幅賃下げ攻撃をことごとく容認している。彼らは、いまや鳩山政権と一体化し、独占資本家どもと手をたずさえて、日本帝国主義の生き残りに奉仕する「救国」春闘へと今一〇春闘をねじまげているのだ。「全労連」の日共系指導部もまた、鳩山政権の「子ども手当」などのよい政策≠「公約どおりに」実現するよう懇願することに今春闘のいっさいを解消してしまっている。
 しかも今、オバマ政権がトヨタ車(一般車)のアクセルペダルや「プリウス」のブレーキの欠陥をやり玉にあげている。このトヨタ叩き≠ノ直面したトヨタ経営陣は、同社製車の大規模リコール(回収・無償修理)に追いこまれている。「品質のトヨタ」なる金看板がはげ落ちたのだ。このことは、北米・欧州の工場での生産において部品を現地で調達する方式に切り換えてきただけでなく、安全検査・品質管理部門の労働者を徹底的に削減してきたこと、これらによってもたらされた「技術力の劣化」を象徴するものにほかならない。〔このオバマ政権のトヨタ叩き≠アそは、再建GMなどアメリカのメーカーが開発した「エコカー」が日本のエコカー基準をクリアできずエコカー補助金制度の対象からはずされたこと(その後八車種を認可)、このことに業を煮やしたオバマ政権の報復と推断できる。〕
 いまやトヨタ経営陣は「業績悪化」を口実として一切の犠牲を労働者に転嫁することを策しているのだ。この経営陣の苦境≠おもんぱかってトヨタ労組の労働貴族どもは、「連合」の「闘争開始宣言集会」の当日に「賃金改善分」要求の放棄を決定したのだ(二月十二日)。
 すべてのたたかう労働者諸君! トヨタ労組幹部を筆頭として、「連合」労働貴族どもは、あらかじめ白旗を掲げているのだ。われわれは、いまこそ既成指導部による「救国」春闘への歪曲を突き破り、一〇春闘の戦闘的高揚を切り拓くために総力をあげてたたかい抜くのでなければならない。独占資本家どもによる解雇・賃下げ攻撃を断固としてはねかえせ! これに手を貸す鳩山=小沢の民主党政権を許すな!「家計支援」策などの欺瞞性を暴きだし、鳩山政権による労働者・勤労人民への新たな犠牲の強制をうち砕け! そして今春闘のただなかで、「普天間基地撤去・辺野古新基地建設阻止・日米新軍事同盟の強化反対」の反戦・反基地・反安保の闘いを、「反安保」を放棄した既成指導部を弾劾し、断固として推進せよ!

以下、見出し
春闘開始早々から白旗を掲げる「連合」指導部

労働者に新たな犠牲を強いる独占資本家ども

独占資本の救済に狂奔する鳩山政権

国難突破≠ノ労働者を駆りたてる「連合」指導部を許すな

一〇春闘の戦闘的高揚へ全戦線から闘いの炎を!
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2・7労働者怒りの総決起集会・基調報告

 「救国」春闘への歪曲を許さず一〇春闘の戦闘的高揚をかちとれ

 <一〇春闘勝利――2・7労働者怒りの総決起集会>に全国から結集されたすべてのたたかう労働者のみなさん!
 かつてない大不況の深まりのもとで、そして、たたかう前から独占資本家どもに膝を屈している「連合」指導部の腐敗のゆえに、二〇一〇年春闘は、いま決定的な危機に直面している。この危機を根底から突破し、それをつうじて日本労働運動の戦闘的再生をかちとるために、今日われわれは、この集会に結集した。
 「連合」労働貴族どもは、独占資本家どもに総屈服していっさいの賃上げ要求を放棄している。それだけではなく、「民主党政権を支える」と称して、すべての労働者を日本経済の危機突破=国難突破のための「政・労・使一体の努力」なるものに駆りたてようとしている。そしてまた日本共産党中央につき従う「全労連」指導部は、この「連合」指導部に追随して今春闘を鳩山政権への「公約実現」請願運動にねじまげようとしている。われわれは、首切りと賃下げによってさらなる貧窮を強いられている労働者・勤労人民を踏みつけにするこうした既成労組指導部の底知れぬ腐敗を弾劾して、一〇春闘の戦闘的高揚をかちとるために全力で奮闘しようではないか。

以下、見出し

T 経済危機突破をかけて労働者に重犠牲を強いる政府・支配階級

U <貧困と戦争>の強制に抗して一〇春闘の爆発を

V 非正規雇用労働者・未組織労働者の闘いを切り拓くために
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中南米再制覇≠企むアメリカ帝国主義のハイチ軍事介入を許すな!

ハイチ・中南米人民と連帯して闘おう

 アメリカ帝国主義のオバマ政権は、巨大地震に襲われたカリブ海の島国ハイチに、「復興支援」だの「治安維持」だのを名分として一万七〇〇〇もの米軍大部隊を送りこんでいる。彼らは、中南米におけるアメリカ帝国主義の支配の再興=再制覇≠フ足がかりを築くことをこそ狙って、ハイチを軍事的統制・制圧下におこうとしているのだ。われわれは全世界の労働者・人民に訴える。ハイチ人民が被っている空前の大震災を利用してのアメリカ帝国主義権力者の悪逆な策動を断じて許すな! オバマ政権によるハイチの実質上の占領を弾劾せよ!

「震災救援」に名を借りた実質上の軍事占領に狂奔するオバマ政権

 「ハイチの救援はアメリカが主導する」――アメリカ帝国主義権力者オバマは、前アメリカ大統領ブッシュおよび前々大統領クリントンとともに、こう宣言した(一月十六日、大地震発生の四日後)。大地震発生の翌日に、アメリカの救援隊に先んじて一番乗りでハイチに到着したのが、なんと中国の救援部隊であったことに、オバマ政権は仰天した。ハイチは中国とではなく台湾と国交を結んでいる国家である。それにもかかわらず、いやむしろそれゆえに胡錦濤政権は、中南米における中国の政治的威信を一挙に高めることを狙って、「人道援助」をことさらにアピールする策にうってでたのである。この胡錦濤政権の狡猾かつ迅速な動きを見せつけられて、焦りに駆られたがゆえに、オバマ政権は米軍の大部隊を大急ぎでハイチに派遣したのだ。
 オバマ政権が真っ先にハイチに向かわせたのは、洋上の侵略戦争出撃基地′エ子力空母カールビンソンだ。そして、キューバの一角にある米軍グアンタナモ基地を中継地として、海兵隊および陸軍の大部隊を大型輸送機で一挙にハイチに送りこんだ。首都ポルトープランスをはじめとして空港や港湾を――ハイチ・プレバル政権の崩壊¥況に乗じて――米軍の支配下におき・管制権を握るや、これを国連PKO局にも追認させた。現に、米軍の兵士と物資の輸送を最優先させていることのゆえに、他国からの救援物資を積んだ航空機の着陸を拒否したり遅らせたりしているほどだ。「震災救援・治安維持」に名を借りてのこうしたオバマ政権の所業こそ、実質上のハイチ軍事占領というべきではないか!
 「アメリカの裏庭」と呼ばれてきた中南米地域において、いま、アメリカ帝国主義の権威は完全に失墜している。ラテンアメリカでは、チャベスのベネズエラを先頭とし・カストロのキューバやモラレスのボリビアをはじめとして、ほとんどの諸国政府が反米・嫌米の旗幟を鮮明にしている。これらの諸国の権力者どもを経済的のみならず政治的・軍事的にもバックアップしているのが、胡錦濤の中国なのだ。胡錦濤政権は、アメリカ帝国主義の「一超」世界支配を最後的に打ち破るために、反米の国際的包囲網をラテンアメリカにおいても着々と強化しているのである。しかも、原油や天然ガス、レアメタルなどの資源の権益を獲得する策動とも結びつけて。
 こうした事態に直面して危機意識を募らせているからこそ、オバマ政権は中南米の再制覇≠フ策動に狂奔しているのである。昨〇九年のホンジュラスにおける親米派クーデタ政権の承認やコロンビアにおける米軍基地の五ヵ所新設をはじめとする大増強。これらにつづいて、なりふりかまわず米軍大部隊をハイチに投入しているのだ。
 「ハイチ救援」の美名のもとにくりひろげられている米・中両国権力者のつばぜりあいこそ、「一超」世界支配再興策の破綻にあえいでいるオバマの没落アメリカ帝国主義と、このアメリカをおしのけて世界の覇権大国≠ノのしあがる野望をたぎらせている胡錦濤の中国との、<米・中本格的対決>の時代的位相を如実に示す事態にほかならないのである。

新自由主義のおしつけこそ悲劇の根本原因だ!

 ハイチ大地震による死者はすでに二三万人を超えたといわれている。おびただしい遺体が身元の確認もされることなく処理されつづけている。膨大な瓦礫の山の下には、今なお数多の死者が埋ったままだ。生き残った者は、食料・水や生活必需品を略奪したり奪いあったりする窮状に陥っている。援助物資は人々の手に行きわたらず、食うものがない。豪雨が襲う雨期が迫っているというのに住み処もない。なんという阿鼻叫喚の地獄絵図か。
 こうした悲劇的事態は、たんに天災によってもたらされているのでは断じてない。これは人災≠ネのである。
 なぜこれほどまでに食料がないのか。アメリカ帝国主義権力者が新自由主義的な経済政策をハイチ政府におしつけてきたことのゆえに、ハイチの産業基盤は荒廃してしまったからなのである。とりわけハイチ政府に「農産物の輸入自由化」を強制したことによって、唯一の産業であった農業、とりわけ米づくりの基盤は完全に破壊されたのだ。一九七〇年代には食糧自給率が九〇%であったにもかかわらず、アメリカ産穀物(小麦など)の輸入に頼らざるをえなくさせられただけではない。世界各国のうちでも最貧国≠ノつきおとされたハイチでは、震災以前から、食糧暴動が頻発するほどの飢餓状況に叩きこまれていた。「泥を焼いたパン」を食う人々さえもが続出していたほどなのである。
 いったいなぜ、地震によって一瞬にして雪崩のごとく崩れさるような家々が密集していたのか。アメリカ権力者に支えられた軍事政権のもとで、かつての農民たちは「労働力」として都市に強制的に移住させられた。彼らは首都の山腹の急斜面に、コンクリートブロックを積み上げただけの粗末な家を重なりあうように建てて住む以外にはなかったのだ。
 まさしくアメリカ帝国主義の新自由主義のおしつけ・新植民地主義的支配こそが、震災による被害をこれほどまでに甚大なものたらしめた最大の原因なのである。この元凶≠スるアメリカ帝国主義の権力者が、大震災をもっけの幸いとしてハイチを軍事占領≠キることほど犯罪的なことがあろうか!

ハイチPKO派遣にかけた鳩山政権のドス黒い野望

 日本帝国主義の鳩山政権は、民主党主力政権としては初の海外派兵=日本国軍のハイチPKO派遣に踏みきった(二月六日に第一陣が出発)。派遣部隊の任務は、直接的には「復興支援」とされている。だが、これは名目でしかない。鳩山政権が、「国連のオーソリティーにもとづく自衛隊の海外派遣」(民主党幹事長・小沢の主唱するそれ)に先鞭をつけるための実地訓練として、ハイチPKOへの自衛隊派遣を位置づけていることは明らかなのだ。
 鳩山政権は、「人道支援」を大義名分として、いわゆる「PKO五原則」(「武力紛争がない地域」に限る、など)に明らかに抵触するにもかかわらず、ハイチPKOへの大部隊の派遣を短期間のうちに決定し・実行した。しかも、派遣部隊三五〇名のうち一五〇名は海外派兵を主任務として結成された陸自中央即応連隊の部隊である。さらには、派遣部隊の輸送には空自の空中給油機KC767を初めて海外で使用した。鳩山政権は、「復興支援」を任務とする派遣部隊にあえて侵略突撃専門部隊≠送りこみ、かつ戦闘機の航続距離をのばすことを目的として導入した空中給油機を実戦使用≠オたのだ。ここに、日本国家を「自前で戦争をやれる国」として飛躍させていくという、日本帝国主義権力者のドス黒い野望が露出しているではないか。
 鳩山政権は、ハイチを事実上の占領下においているオバマ政権に協力する姿勢を示すためにも、ハイチPKOに陸自部隊を派遣しているのだ。鳩山=小沢の民主党主力政権が対米自立≠フ志向を鮮明にしていることのゆえに、米軍普天間基地「移設」=辺野古新基地建設問題をはじめとして、日・米両国家間の同盟関係は軋みを露わにしている。とはいえ、こと中国権力者の覇権大国化≠フ策動にたいしては、鳩山政権もまた危機感を募らせている。日米新軍事同盟を対中・対露の攻守同盟として強化するという点での根本的一致にもとづいて、米軍の補完部隊≠ニしても日本国軍をハイチPKOに送りこんだのが鳩山政権なのである。
 われわれは、ハイチPKO派遣にかけた鳩山政権の企みの反人民性をも暴きだしつつ、アメリカ帝国主義のハイチ軍事介入・中南米再制覇≠フ策動に断固として反対するのでなければならない。

 アルゼンチンなどの中南米の戦闘的トロツキストを中核とするFLTI(国際レーニン・トロツキー主義派)は、国際書記局の名においてハイチにかんする声明を発表した。彼らは、震災の犠牲者は「アメリカ帝国主義によって虐殺されたに等しい」と喝破している。同時に、「米軍によるハイチ占領の目論見」を怒りを込めて弾劾している。彼らをはじめとする全世界のたたかう労働者・人民と連帯して、中南米・カリブ海地域における覇権の再興を目論むアメリカ帝国主義・オバマ政権を徹底的に弾劾しよう! 同時に、中国・胡錦濤政権の覇権大国≠ノのしあがるための策動に反対しよう!
 <米・中本格的対決>下で新たなかたちで高まっている戦乱の危機を根底から突き破りうる主体的力を創造するために、われわれは奮闘するのでなければならない。
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「辺野古新基地建設阻止!」
 労学が那覇市街を席巻 1・31
 一月三十一日、沖縄県学連の学生と県反戦労働者委員会の労働者は、辺野古への新基地建設に反対する候補が当選した名護市長選挙の結果を「斟酌(しんしゃく)する理由はない」(官房長官・平野)などと言い放ち辺野古新基地建設を強行するハラのうちをあらわにした鳩山政権を弾劾し、労働者・人民へのいっそうの貧困強制にたいする怒りに燃えて、労学統一行動に勇躍決起した。 
那覇市街が戦闘的雰囲気に一変! 労学が力強いデモ
(1月31日)

「反安保」を放棄した日共指導部を弾劾し闘う労・学
(1・31、那覇)
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辺野古新基地建設反対大阪集会 1・28
 一月二十八日、大阪中之島公会堂において、「普天間基地はいらない! 新基地建設を許さない! 大阪集会」が開催された。この集会は一月三十日の東京における「一万人集会」の前段として、大阪平和人権センターと市民団体の共催で一五〇〇人の労働者・市民・学生の参加のもとに実現された。
辺野古新基地建設に反対する「大阪集会」に参加した労働者・学生・市民
(1月28日、中之島公会堂)
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「海兵隊実弾演習阻止!」
 
九共闘が日出生台―大分港連続闘争 1・24―26
 全学連九州地方共闘会議のたたかう学生たちは、米海兵隊による日出生台(大分)での実弾砲撃演習を阻止するために、一月二十四日に日出生台現地で、二十六日には大分港・大在埠頭で、連続的な現地闘争に勇躍決起した。 
大横断幕を掲げ5600の労働者に<反安保>を呼びかけて奮闘
(1月24日、玖珠町河川敷)

日出生台演習場ゲート前で闘う九共闘
(1月24日)

平和運動センター傘下の労働者と連帯し米軍物資陸揚げに抗議
(1月26日、大分港大在埠頭)
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