第2088号(2009年10月5日)の内容
<1面>
国連を舞台とした三極間新角逐の開始
現代世界の新たな危機を突き破る反戦・反新植民地主義の闘いを!
<4面>
中国・アジア諸国の内需′け生産拡大への転回 下
<5面>
破滅の際に追いつめられる日本のコメ作り農家
<2面>
戦車公道自走訓練に反撃 9・1 帯広
「浜岡原発4号機の運転再開阻止!」
中部電力本店に抗議 9・14 名古屋
<3面>
全学連127中委を実現 9・21〜22
◆鳩山新政権への協力を謳う代々木官僚
<6面>
過労死的水準≠フ長時間労働を強いられる医療労働者
「スクール・ニューディール」の名による巨額の血税投入
Topics 首切り攻撃を補完するUIゼンセン本部
<7面>
「郵政事業の抜本的見直し」策の法制化を企む鳩山政権
すかいらーく 「名ばかり管理職」の名ばかり是正
<8面>
万華鏡2009――情勢の断層を読む
◇米中逆転
◇恋は盲目
◇冥途の旅への三里塚
■『新世紀』最新号(第243号)紹介
週間日誌は3面に掲載
「解放」 最新号
国連を舞台とした三極間新角逐の開始 現代世界の新たな危機を突き破る反戦・反新植民地主義の闘いを!
鳩山は国連の演壇から全世界の権力者たちに向けて、歴代自民党政権が惰性的に続けてきた対米追従一辺倒≠フ諸政策をきっぱりと否定してみせた。<米・日連合―中・露主導の経済新興諸国・開発途上諸国連合―仏=独枢軸のEU連合>の一極をなしている<米・日連合>の内部に深刻な亀裂が走ったことが、誰の目にも露わになったのである。ホスト国アメリカの大統領オバマが、国連の諸会議を「核なき世界」の美辞麗句によって飾りたてたとしても、対米自立≠フ旗幟を鮮明にする民主党主力政権の成立による<米・日連合>の亀裂がアメリカ帝国主義の「一超」世界支配の再興に狂奔するオバマ政権を足下から揺るがす激震を呼び起こしつつあることをおし隠すことはできない。 こうした事態への焦りに駆られているからこそオバマは、国連総会などをアメリカ「一超」世界支配再興のための政治的攻勢の舞台として活用することに必死となった。イラン・北朝鮮両国の核開発問題やアフガニスタン問題、中東和平問題、国際金融危機・世界的大不況、地球温暖化などのあらゆる国際的諸問題について、オバマは、「アメリカだけでは解決できない」と中・露、EU諸国、そして日本の権力者たちに救いの手を求めた。そして「核なき世界をめざす」ことを謳った決議を、みずからが議長を務めた「安保理サミット」において全会一致で採択することにこぎつけた。 だが、この決議じたいが、イランと北朝鮮に核兵器開発放棄をせまるために国際的圧力をかけるというヤンキー帝国主義のたくらみにもとづくもの以外のなにものでもない。現に安保理決議の直後に米・英・仏の権力者どもがアフマディネジャドのイランにたいして制裁を強化する可能性を喧伝し、さらにオバマはイランにたいして「軍事力行使の可能性を排除しない」と公言しているほどなのである。 この国連総会の場において米・露両権力者が「核軍縮交渉の促進」をこと改めて確認しあったのだとしても、そもそも彼らそれぞれが旧式の戦略核兵器を廃棄するかわりに、性能を飛躍的に強化した使える核兵器≠フ開発(アメリカ)に、あるいは新型の戦略ミサイル開発(ロシア)に狂奔しているのだ。しかも、MDシステムの中欧配備計画中止を決定したオバマ政権は、代替措置としてSM3搭載イージス艦の地中海・黒海配備をうちだしている。プーチン=メドべージェフ政権はこれに対抗するための新たな軍事的措置をもうちだしている。まさに「核なき世界」の高唱の裏面において、米と露ならびに中国の三国の権力者どもは、新たな核軍事力増強競争の火花を激烈に飛ばしているのである。 そして、国連気候変動サミットの場において米・日・欧の帝国主義権力者どもは、それぞれ「地球温暖化防止」を大義名分とするCO2排出量削減目標を相互に競いつつ提示したが、これは経済新興諸国・開発途上諸国への新たな形態の新植民地主義的侵略に拍車をかける意志の表明を意味する以外のなにものでもない。直続して開催されたG20金融サミットにおいても、米・日・欧ならびに中・露の各国権力者どもは、「国際協調」を謳いながらも、利害対立を相互にむき出しにしたのだ。基本的に三極に分岐した諸国は、新たな次元における環境保全=技術開発をめぐる角逐を、また経済=金融戦争をいよいよ激化させているのである。 今こそわれわれは、「核なき世界」をシンボルとする米露「核軍縮」交渉の欺瞞性を暴きだしつつ、米―中・露の新たな核軍事力増強競争反対の反戦闘争を断固として推進するのでなければならない。同時に、「温室効果ガス二五%削減」と「東アジア共同体」構想を掲げて登場した鳩山新政権下の日本や米・欧の帝国主義諸国家がたくらむ新たな新植民地主義的侵略の強化にたいして、新興諸国・途上諸国人民と堅く連帯しつつ、断固として反対する闘いを創造するのでなければならない。 以下、見出し 鳩山新政権の国際デビュー≠ェ呼び起こした激震 「一超」世界支配再興に狂奔するオバマ政権の新たな巻き返し策 「核軍縮」交渉の裏面で対抗的核軍事力増強に奔走する中・露 <三極>間の新たな経済的争闘戦の激化 温室効果ガス「二五%削減」―鳩山提案の衝撃 通商戦争と金融=通貨戦争との一挙的激化 スローガン 米―中・露の新たな核軍事力増強競争反対! 「東アジア共同体」構築の名による日帝の新植民地主義的侵略強化を許すな! |
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中国・アジア諸国の内需′け生産拡大への転回 下 日本製造業諸独占体の焦りに駆られたサバイバル戦略 V「東アジア共同体」創出のまえに立ちはだかる障壁 A中国・韓国企業の台頭 B東アジア経済圏形成をめぐる角逐の激化 C鳩山新政権と独占ブルジョアどもとの軋轢の激化 今年十二月のCOP15において決定される予定となっている「ポスト京都議定書」の温暖化効果ガス削減の数値目標をめぐっては、EU諸国とアメリカと中国などの経済新興諸国との間の対立と駆け引きが激烈化している。この削減目標の決定は、太陽電池・原子力発電などの技術開発や国際市場拡大のインパクトとなるが、同時に諸独占体にとって省エネ投資に費(ついや)すコスト増の要因となり国際競争力向上の足かせにもなりかねない。他国企業に比して「省エネ・省資源」をすすめてきただけではなく国内需要を大きく上回る生産能力を保有している日本の製造業諸独占体にとって、「一九九〇年比二五%削減」という削減目標にもとづいて温暖化効果ガスの排出量の削減を強制されることは、米欧諸国の諸企業のみならず、削減目標設定じたいを拒否している中国やインドの諸企業との国際競争上で不利になる。こうした危機感を独占資本家どもは募らせているのだ。 鳩山政権じしんは、「内需主導経済への転換」とか「大企業中心・輸出中心の手法(経済対策)からの転換」(財務相・藤井)とかを標榜しており、対米輸出依存≠フ産業構造の「内需主導型」への転換を促すことをめざしている。それのみならず、対米輸出依存経済≠ゥらの脱却の決め手≠ニして、東アジア市場への日本諸企業の新たな形での進出を促すためにこそ「東アジア共同体」構想を提唱しているのである。〔なお、「内需拡大」策として、介護・医療・福祉・教育などのサービス産業の育成・拡大をはかろうとしている。〕さらに、「温暖化効果ガス排出量の一九九〇年比二五%削減」という高い$白l目標にしても、それをテコとして政・官・財・学が連携して環境・新エネルギー技術開発と新産業の育成をはかり、日本の諸独占体の国際競争力の強化を促すためにほかならない。――これらのサービス産業や新産業部門への労働力の移動を促すために、鳩山政権は雇用対策における「第二のセーフティネット」と称されている「求職支援制度」の導入をすすめようとしてもいる。 製造業諸独占体の資本家どもは、こうした鳩山政権の経済諸政策を総論としては賛成しながらも、温室効果ガス削減の高い$白l目標の設定にたいしては鉄鋼・電力などの資本家どもが、労働者派遣の「規制強化」にたいしては電機産業や派遣事業の資本家どもがそれぞれに自産業の発展を阻害するものだとして猛烈に反発しているのだ。だからこそ、この輩どもは、鳩山政権に経済政策・社会労働政策の修正を迫るために、民主党内の労組出身議員どもや「連合」の労働貴族どもを突き動かそうと画策しているのだ。こうした国内経済活動にたいする制約≠ェ強まるのでは「工場の海外移転は避けられない」などと鳩山政権を恫喝しつつ。 だが、製造業諸独占体の資本家どもは、こうした制約≠嫌っているからだけではなく、なによりも「ボリュームゾーン市場への参入」のためにこそ、東アジア市場への生産拠点の移転をさらに加速させようとしているのである。だが、それこそ、日本の製造業部門の空洞化を招来し、国内の労働者にたいしていっそうの解雇・賃下げを強いるものであり、東アジア諸国の労働者に低賃金での過酷な労働を強いるもの以外のなにものでもない。われわれは、日本独占資本家どもの新たな経営戦略にもとづく労働者へのいっそうの犠牲転嫁と、鳩山政権の「東アジア共同体」構想に示される日本帝国主義のアジア諸国にたいする新植民地主義的支配を断じて許してはならない。 目 次 T 環境技術開発と東アジア市場への新たな進出の策略 U <対米輸出依存>の限界露呈 第二〇八七号 V 「東アジア共同体」創出のまえに立ちはだかる障壁 本 号 |
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新世紀 The Communist 第243号 2009年11月 最新号紹介 「友愛」鳩山新政権の笑顔のネオ・ファシズム$ォを抉る 世界に拡がる反戦の炎を特集 長きにわたる自民党を中核とした政治支配体制が音をたてて崩れ、日本帝国主義国家の政治支配体制の地殻変動が惹き起こされた。「友愛社会の実現」を旗印にして第一党にのしあがり登場した民主党の鳩山新政権は、「官僚政治の打破」「国民の生活が第一」を掲げての諸政策を矢継ぎ早にうちだし、また「地球環境保全」「核軍縮」を高唱している。この民主党主力政権の笑顔≠フベールに隠された反動的本質をあますところなく暴きだし、日本階級闘争の新たな危機を突き破るためにいかにたたかうべきかの指針を明らかにした本号をおくる! 「新たなファシズムに抗する闘いを」(無署名)は、衆院選における自民党大惨敗・民主党大勝という画歴史的事態が、同時に日本階級闘争の新たな危機を意味することをえぐりだしている。対米隷従≠フ政策と独占資本の救済策をこととし、<戦争と貧困>を強制してきた自民党政権にたいする労働者・人民の怒りは、しかし「民主党主力政権樹立」への幻想を煽りたててきた既成反対運動指導部の腐敗のゆえに、民主党にたいする期待へと収斂されてしまった。見よ!「労使政協議」の定着化=制度化を願望している「連合」労働貴族と、「建設的野党」と称して民主党にすり寄っている日共中央の犯罪的な姿を。今回の「政権交代」は、綻びが生じたネオ・ファシズム支配体制を新たに柔構造≠ナ再編強化するための試行いがいの何ものでもないのだ。 民主党の「マニフェスト(政権政策)」を全面的に批判しているのが、「鳩山=小沢民主党の新国家戦略=v(伊狩真人)である。第一に、「家計支援」「セーフティネット拡充」政策の偽善と欺瞞、とりわけ「官僚主導政治の打破」の名による首相専決システムの強権的強化。第二に、小沢流の対米自立≠つらぬいた安保・外交政策と独占資本の意を体した「東アジア共同体」構想なるもの。第三に、階級宥和=協調≠説く「友愛」理念。――論文は、民主党の基本政策とイデオロギーの笑顔のネオ・ファシズム%I本質を明快に暴きだしている。 巻頭の二論文は、民主党政権への幻想を断ち切り階級闘争の危機を突破していくための強力な理論的武器だ。大いに活用しよう。 ◆本号では、<世界に拡げよ! 反戦の固き連帯>と題して特集を組んだ。「今こそ<米―中・露の新たな核軍事力増強競争反対>の炎を世界に!」(新井恒三)は、第四十七回国際反戦中央集会の基調報告である。論文は、米・露「核軍縮」交渉の欺瞞性を一点の曇りもなく明らかにし、わが革命的反戦闘争を国際的に波及させるべく檄を発している。現に、この反戦集会には国際レーニン・トロツキー主義派(FLTI)の代表が連帯挨拶に駆けつけ、国際連帯の固い絆を打ち固めたのだ。 FLTI代表は「日本の同志は国際的闘いを呼びかけてほしい!」と熱烈な連帯を集会で訴えた。「八年前の同志黒田の励ましは私たちにとって本当に貴重なものでした」と語るこのアルゼンチンの同志の発言の和訳を掲載。「国際反戦集会にアルゼンチンの闘う仲間を迎えて」(無署名)は、反戦インターナショナルの創造にむけて、FLTIとの理論闘争の課題を提起している。破産したスターリン主義といかに対決するのか、第四インターの歴史を総括しトロツキー・ドグマチズムをどのように克服していくのか、等々。 わが反戦闘争が全世界のたたかう人民を鼓舞していることは、わが同盟の国際アピール(英文)や海外から寄せられた多数のメッセージ(欧文)にも明らかではないか。 ◆建国六〇周年を迎えた中国において生起したウイグル族人民の決起、これへの武力弾圧を弾劾しているのが「ウイグル族人民大弾圧に狂奔する胡錦濤中国」(星尾一平)である。中国政府が謳う「調和社会」なるものは「中国版格差社会≠フ実態と本質をおし隠し、少数エスニック集団の民族分離=独立運動の専制権力による弾圧を正当化するためのイデオロギー的虚構」にほかならない。論文は、胡錦濤政権の資本主義化$ュ策と「民族同化」政策の反人民性を抉(えぐ)りだし、ウイグル族人民の真の解放の途をいかに切り開くべきかをも明らかにしている。 学生戦線においてわが全学連は、今春期闘争をつうじて闘いの隊列と自治会組織の強化という画期的地平を切り開いてきた。「反戦・政治経済闘争の教訓をうち固めさらに前進せよ」(中央学生組織委員会)と「革命的学生運動破壊の一大攻撃を打ち砕け」(マル学同・革マル派)は、この闘いを可能にした理論的組織的根拠へと掘り下げ教訓を提起している。 ◆「『戦後主体性論ノート』に学ぶ」(島村健康)は、若き黒田の唯物論的主体性論を確立するための思想的格闘に肉薄している労作である。「問題の確定」「主体的価値判断」「断絶と飛躍」という章構成に示されているように、筆者は、梅本主体性論と「正統派」唯物論者の梅本批判とを吟味しつつ「マルクス主義における空隙」を突きだした梅本の問題提起をいかに受けとめ・掘り下げてきたのか、この若き黒田の哲学的探求の過程を生き生きと再現している。「漠然と反スタ理論を主体化したいという思いのまま読み進めてしまう」のではなく、「黒田が、何を、いつ、いかに読み、書いたかに問題意識をもって」『戦後主体性論ノート』を読み返した筆者、彼の姿勢にわれわれもまた学んでいこうではないか。 |
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戦車公道自走訓練に反撃 9・1 帯広 | |
全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生たちは、九月一日未明、帯広市街において、九〇式戦車の公道自走訓練を阻止する現地闘争に断固として起ちあがった。午前二時、小雨降る西二十一条南五丁目交差点において、平和運動フォーラム傘下の組合員や市民団体と共に抗議行動をたたかった。 |
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戦車部隊に肉迫する労働者と全学連道共闘 (9月1日、帯広) |
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「浜岡原発4号機の運転再開阻止!」 中部電力本店に抗議 9・14 名古屋 |
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中部電力は、八月十一日の静岡地震に直撃されて、運転の停止を余儀なくされていた浜岡原発・その4号機について、おざなりな「点検作業」を九月十四日中にも打ち切り、翌十五日にも再稼働させようとしていた。たたかう学生たちは、この4号機の運転再開を阻止するために勇躍決起したのだ。 |
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「4号機運転再開を中止せよ!」中電前で抗議文を読みあげる学生 (9・14、名古屋) |
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全学連127中委を実現 9・21〜22 | |
わが同盟に導かれた全学連のたたかう学生は、九月二十一日から二十二日にかけて、首都・東京において全学連第一二七回中央委員会を開催した。 |
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笑顔のネオ・ファシズム≠ノ抗する拠点を築く (9・22 東京) |
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