第2087号(2009年9月28日)の内容

<1面>
新たなファシズム反動阻止の戦列を
 鳩山新政権を支える既成指導部を弾劾し反戦・政治経済闘争の爆発をかちとれ!

<4〜5面>
中国・アジア諸国の内需′け生産拡大への転回
 日本製造業諸独占体のサバイバル戦略

激化するインドへの原発輸出合戦
<2面>
環境先進国≠フベールをかぶる鳩山新政権
名古屋市街で民主党政権批判の情宣 9・5
<3面>
チッソ分社化による「公害の原点」=水俣病問題の幕引きを許すな!
<6面>
出版労連第112回大会
 無為無策をさらす日共系指導部
Topics 非正規労働者活用の抜け道
<7面>
自治労第81回定期大会
 民主党政権の全面的下支えを誓約した本部
「官製ワーキングプア」を生みだす政府・自治体当局を許すな
<8面>
万華鏡2009――情勢の断層を読む
 ◆60周年の暗影
 ◆東風・巨浪
 ◆「ターミネーター」
書評 『ルポ 資源大陸アフリカ』
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号































  


新たなファシズム反動阻止の戦列を

鳩山新政権を支える既成指導部を弾劾し反戦・政治経済闘争の爆発をかちとれ!

 九月十六日の鳩山新政権の成立を区切りに、五十年以上の長きにわたって続いてきた自民党を中心とする日本の政治支配体制の終焉が画された。対米自立≠フ志向を鮮明にしている鳩山=小沢の民主党を主力としたこの新政権の誕生は、全世界に大激震≠惹き起こしている。アメリカ帝国主義のオバマ政権は強い危惧・警戒を募らせ、日米両政府間のこのきしみを見てとった中国・ロシア両国権力者やEU諸国権力者たちは期待と歓迎を表明している。発足早々から鳩山新政権は、日本国家を日米新軍事同盟の鎖につなぎ止めようとしているオバマ政権からの強硬な圧力と日本経済の危機の深刻化という大難局に直面しているのであり、この危機ののりきりのために、労働者・人民にたいして新たな犠牲を強いてくるにちがいない。
 新首相・鳩山は、「官僚政治の打破」をシンボルとして柔構造≠とりつつも首相=内閣官房専決の強権的=軍事的の政治支配体制を確立し強化するために、「国家戦略局」および「行政刷新会議」の設置を目玉商品とする「統治機構改革」をおしすすめるとともに、社民党・国民新党の両党首を閣内に取りこむかたちで「民・社・国連立」の体制をつくりだした。さらに、この政権は、ネオ産業報国会と化している「連合」を深々と支配体制に編みこむことを狙って、「連合」出身議員を重要閣僚に取り立てるとともに、内閣発足直後に鳩山じしんと「連合」会長・高木との「政労会見」を持って「連携強化」を呼びかけたのである。
 新政権誕生に欣喜雀躍(きんきじゃくやく)している「連合」指導部(平和フォーラムに身を寄せる自治労・日教組指導部を含む)も、「建設的野党」を自任する日本共産党の不破=志位指導部も、いまや一切の既成反対運動指導部が、「国民生活が第一」などという鳩山政権の笑顔≠フベールに幻惑され、この政権を下支えするものへと日本階級闘争とりわけ労働運動を変質させようとしているのである。
 すべての労働者・学生諸君! いまこそこの既成反対運動の腐敗を突き破り、鳩山政権がうちおろす反動諸攻撃を粉砕する闘いを断固として創造しようではないか! この政権がたくらんでいる北朝鮮船舶の積荷検査を強行するための「臨検法」の制定や、ソマリア沖・ジブチ共和国への自衛隊派遣継続に反対しよう!
 「無駄遣い廃止」を口実にしての公務労働者の大量首切り・賃金切り下げを許すな! 新たな<戦争と貧困>の強制を打ち破る反戦反安保闘争・政治経済闘争の大爆発をかちとりつつ、新たな形のネオ・ファシズム反動攻勢を打ち破る戦列を創造し強化せよ。

以下見出し
笑顔のネオ・ファシズム$ュ権の誕生

日・米間の亀裂≠ェ呼び起こした国際的大激震

日本経済の危機の加速度的深まり

「環境技術立国」による生き残りの模索

反戦反安保・政治経済闘争の爆発を!
Top

   


中国・アジア諸国の内需′け生産拡大への転回

日本製造業諸独占体の焦りに駆られたサバイバル戦略 <上>

 九月十六日に発足した鳩山民主党主力政権は、「内需主導経済への転換」を標榜しながら、選挙公約たる「子ども手当支給」などの「家計支援」策を実施する姿勢をおしだしている。また、「二〇二〇年までに温暖化効果ガス排出量を一九九〇年比で二五%削減する」ことを華々(はなばな)しくぶちあげ、労働者派遣法の「抜本改正」=規制強化なども実施する意向を明示している。日本経団連が傲然と反対しているにもかかわらず、こうした諸施策をば「産業構造の転換」を旗印に鳩山政権があくまでも実施すると言明していることにたいして、世界的大不況下での収益悪化に苦悶している製造業の諸独占資本家どもは危機感を募らせているのだ。
 アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻から一年を経た現在も、日本の実質国内総生産(四―六月期)は――前期比〇・六%増(年率二・三%増)という若干のプラスになったとはいえ――ピーク(〇八年一―三月期)から七・五%も落ちこんでいる水準であり、輸出も設備稼働率も前年同月比で三割以上の大幅減が続いている。この日本のみならず米・欧諸国も「七割経済」と呼ばれているほどに国内(域内)需要が減退しており、失業率の急上昇によってさらに落ちこみかねない状況なのである。
 こうした状況のもとで日本の製造業独占資本家どもは、米・欧・日各国政府の「グリーン・ニューディール策」という名のテコ入れのもとに国際的な市場拡大が見こまれている環境・新エネルギー関連部門への投資に力をいれるとともに、急拡大している経済新興諸国市場、とりわけ中国・インドをはじめとする東アジア諸国の市場に参入するために、「地産地消」(シャープ社長・片山)などと称して現地開発・現地調達・現地生産・現地販売の体制を築くことに奔走しているのだ。

以下見出し
T環境技術開発と東アジア市場への新たな進出の策略

U<対米輸出依存>の限界露呈
Top
 

   

チッソ分社化による

「公害の原点」=水俣病問題の幕引きを許すな!

自公民野合による水俣病幕引き法≠フ制定
 衆院解散を直前にした七月二日、自民・公明・民主の三党は、与党(自民・公明)の上程していた「水俣病救済特措法案」の「修正」について合意した。そして翌三日には、水俣病患者たちの抗議の声をも無視しつつ、まったく審議もなしに衆院本会議において「特措法案」を可決し、さらに八日には参院本会議においてこれを可決し成立させた。「水俣病問題の第二の政治的解決」と喧伝されたこの「救済法」は、わずかばかりの「一時金」を被害者≠ノ給付することとひきかえに、公害タレ流し企業チッソの「分社化」=救済を強行し、もって水俣病問題の幕引きを策すものにほかならない。

以下見出し
分社化による公害企業=チッソの救済

負の遺産≠清算し「環境先進国」へ!?

分社化を事実上容認する代々木官僚
Top