第2057号(2009年2月23日)の内容

<1面>
臨死$。前の麻生政権を打倒せよ
 ソマリア沖への自衛隊派遣阻止! 大量解雇・賃下げ攻撃を打ち砕け

<4〜5面>
日本経団連の窮余の危機突破策――『経労委報告』批判――
<2面>
陸自中央即応集団・第1空挺団のパラシュート訓練阻止に決起 1・27 道共闘
米軍ヘリパッド建設に怒り 1・20 沖縄
鹿大生が「派遣切り反対」集会 1・22
<3面>
電機諸独占体の大量解雇・賃下げ攻撃を打ち砕け!
札幌市当局の寒冷地手当て大幅削減強行を許すな!
法律家8団体が「派遣法反対」シンポ 12・11 大阪
Topics 賃上げ要求をめぐるJAM中央委の論争
<6〜7面>
〈大幅一律賃上げ〉について
 黒田さんに教わったこと

雇用確保と賃金引き上げを掲げてフランス労働者がゼネスト
<8面>
万華鏡2009――情勢の断層を読む
やっぱり出羽の守
◆翔んだイスタンブール
◆鳩のフン害
◆新興超大国
◆前哨戦

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号
 






  


臨死$。前の麻生政権を打倒せよ

 ソマリア沖への自衛隊派遣阻止! 大量解雇・賃下げ攻撃を打ち砕け

 アメリカ帝国主義・オバマ政権の国務長官ヒラリー・クリントンが来日した(二月十六日)。「アジアに積極的かつ粘り強く関与する」という対アジア政策の新基軸≠ことさらにおしだしつつ、アジア諸国(日本、インドネシア、韓国、中国)を歴訪する手始めとして、初の訪問先に日本を設定したのだ。このクリントンが十七日の首相・麻生との会談において、「揺るぎなき日米安保同盟」を謳いあげたことに、オバマ新政権の国家意志が如実に示されている。しかも、ヒラリーは麻生との会談とともに、わざわざ民主党党首・小沢との会談をも設けたのだ。
 いまや自民党・麻生政権の命脈は尽き果てており、次期総選挙において小沢の率いる民主党主導政権が樹立される可能性がいよいよ高まっている。それゆえにこそ、「対等・平等の日米関係の構築」を安保=外交政策上の理念として主張している小沢にたいして、あくまでも日米新軍事同盟を基礎にアメリカ国家の統制下に日本国家を伏させる意志をつきつけるために、クリントンは、さしあたりオバマ政権の安保=外交政策への「理解と協力」を求めたのである。これにたいして小沢も、日米関係が第一と応じた。ただし、会談を前にして、「いくら米兵を派遣したって勝てっこない」とオバマ政権のアフガニスタン増派策の「チェンジ」を求めることを表明していたが、これについては口に出さなかった。まさにアメリカ政府と「対等」にわたりあう次期首相≠ニいう姿勢をことさらにおしだしているのが小沢なのである。
 いまや麻生政権は、臨死寸前の末期症状というべき危機の泥沼にあえいでいる。マスコミの世論調査では、内閣支持率は森政権や竹下政権の末期と並ぶ一ケタ台にまで一気に低落している。麻生政権の不況=景気対策における無為無策と麻生その人の郵政民営化問題での「不用意」発言。これにたいする元首相・小泉の反発を引き金として、自民党政治エリート内の権力抗争が、麻生に代わるタマ≠烽セせないがゆえに泥沼化している。かのG7財務相・中央銀行総裁会議に出席した中川(財務・金融相)が、酩酊(めいてい)状態で記者会見をおこなうという醜態をさらしたことは、まさにヨレヨレ麻生政権の臨死≠象徴する事態いがいのなにものでもないのである。
 だが、小沢民主党は、倒閣の決定的チャンスが訪れているにもかかわらず、野党優位の参院で「中川問責決議案」を出す程度の抵抗≠オかなしえず、ただただ、解散・総選挙を待ち望んでいるだけなのだ。そしてこの民主党に依存しているのが「連合」労働貴族どもや代々木官僚なのである。この既成反対運動指導部の腐敗のゆえにこそ、日本独占資本家どもは、未曽有の大不況下での収益悪化=赤字を大義名分として、大量解雇・賃金切り下げという強硬策に平然とうってでているのだ。
 いまこそわれわれは、「連合」労働貴族どもや転向スターリニスト=代々木官僚の率いる既成反対運動の腐蝕を突き破り、〇九春闘・反戦闘争の戦闘的高揚をかちとるのでなければならない。この闘いの爆発をもって、労働者・学生・人民の実力で麻生ガタガタ政権を打倒せよ。

以下見出し
発足即難破の危機に喘ぐオバマ政権

保護貿易主義に傾斜するアメリカ帝国主義への反発と対抗

オバマ政権に追従しソマリア派兵を策す麻生政権

〇九春闘・反戦闘争の爆発で麻生政権を打倒せよ
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日本経団連の窮余の危機突破策

未曽有の大量首切り・賃金切り下げを居直る『経労委報告』

 国際金融大破綻・世界同時不況の大津波に直撃され、対米・対欧の輸出が一挙に落ちこんでいることのゆえに、日本の製造業諸独占体は業績の急激な悪化に見舞われ、生産縮小に追いこまれている。この危機を突破するために日本独占ブルジョアジーは、期間工や派遣工などの非正規雇用労働者の雇い止め≠竅u派遣切り」に狂奔しているだけではなく、いまや正社員労働者の首切り・賃金切り下げにのりだしている。彼ら独占資本家どものこうした危機突破策を明示し・かつ正当化しているものが、日本経済団体連合会の『経営労働政策委員会報告』二〇〇九年版においてうちだされている経営・労務諸施策(「〇九年春季労使交渉」指針なるもの)にほかならない。
 だが、この『経労委報告』が意味するものは、労働者に大量解雇と賃金引き下げを強制するかたちで一切の犠牲を転嫁する以外には、現下の前古未曽有の危機をのりきる方策をもちえないでいる日本独占ブルジョアジーの死の苦悶であり、国家独占資本主義の新自由主義的再編成の破産というべき事態への対応不能にほかならない。(以下では『経労委報告』あるいは『報告』と略記する。)

以下見出し
T 世界経済大動乱下の日本独占諸資本のあがき

U 労働者・人民への仮借なき犠牲転嫁の策略
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<大幅一律賃上げ>について
――黒田さんに教わったこと――


「初めての出会い」

 私が黒田さんと初めて電話で話をしたとき(一九九三年十月)、私の「はじめまして……」という挨拶にこたえて、黒田さんはやさしい声色で次のように話してくれた。
 いやぁ、初めてのような気がしないけどなぁ。いろいろ読ませてもらっているから。まぁ、一番最初に読んだのが、こんにちでは「大幅」というやつになっているものだったな。これが、僕とアンタとの初めての出会いだと思うよ。活字になる前のものが基本ですからね。……
 黒田さんが「初めての出会い」と言ってくれた「大幅」とは、『解放』第一二五五号(一九九三年二月十五日)に掲載してもらった「大幅一律賃上げ要求について――その革命的意味とは何か?」という、私が学習ノートとして書いた論稿をさしている。黒田さんが一九九三年の初春に検討してくれた原稿が私に返却されたとき、私はびっくり仰天した。その原稿用紙には、一五〇個所を超える訂正が朱(あか)入(い)れされていたからである。しかもその直し方は、私の元の文章をばっさりと切りとって書き改めるのではなく、とても細かくていねいに、元の文章を極力生かす形でなされていた。
 さらに、このびっくり仰天の日から数日後には、私の原稿についての黒田さんの口頭での評注をある同志が書きとったメモをもらった。
 私は、このときには原稿の検討者も評注してくれた人もいずれも黒田さんだということを知らなかったのだが、私の書いた原稿を指導的同志の誰かがこれほど真剣に検討してくれたことを心の底からありがたいと思い、このていねいな朱入れと評注になんとしても応えていこうと決意した。さぁ、勉強のやり直しだ!≠ニ新鮮な気持ちで固く決意し、疎外労働なんてほっぽりだして学習したいという欲求に駆りたてられたことを、今でも鮮明に思いだせる。
 本稿では、「大幅一律賃上げ要求……」と題した私の学習ノートについて黒田さんからもらった評注と、直していただいたことがらについて、ふりかえってみようと思う。

以下、見出し
私の学んだこと

黒田さんの評注

杜学さんと黒田さんの論述

黒田さんの朱入れ

「アンタの考え方の特徴は」

学習のしかたを変えて
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やっぱり出羽の守

懺悔のネウチも無いほどに……

 ヤンキー帝国主義製新自由主義の壮絶な大破綻を眼前にして、「アメリカ出羽の守」どもは泥舟のネズミのごとき大パニック。まず、居直り組≠フ代表格は竹中平蔵で、「新自由主義が悪いのではなく、介入しなかった政府が悪い」「サブプライムローン関連の金融商品を買って損をした人は自己責任。システムは正しかった」と喚きちらす。この男はもう、死ぬまで居直り通すほかはない。
 ところが、同じ「出羽の守」にも転向組≠ェあらわれた。竹中が小泉内閣に入閣した二〇〇一年に先立つこと八年、すでに一九九三年に細川政権の経済諮問委員会の委員をつとめた構造改革のトップランナー£谷巌がその旗頭。
 「懺悔の書」とみずから宣伝する『資本主義はなぜ自壊したのか』(集英社)のなかで、彼は言う。「フランケンシュタインさながら、『グローバル資本主義』という怪物はその創造主である人類そのものを滅ぼしかねないほどに暴走してしまった。」「制御されない市場」は「悪魔のシステム」である、と。
 「この十数年に及ぶ夢のような経済発展」を牽引したのは、「うまくすると無限大の利益にもつながる夢のような産業」としての「金融業」「情報産業」であった。しかし、その実態は、「いかがわしい金融商品」を売り「貧困層を食いものにしてエリートだけが儲ける」「モラルなき経済活動」だった。「新自由主義思想」は、「格差拡大を正当化」するための「エリートたちの『支配のツール』にすぎな」かった、と。
 オイオイ、何をいまさら、と言いたくなるというものだ。一九九〇年代から、「規制緩和推進」のトップランナーとしてこの男は、人材派遣の原則自由化、持株会社の規制撤廃など一万項目の規制緩和策を策定してきた。このおかげで、いったい何人の労働者が過労死や自死においやられ、ワーキングプアーに突き落とされたのか。カジノ資本主義のパンクが露わになったあとになって、アレは間違ってました、スミマセンと一片の「懺悔」でコトが済むと思ったら大間違いヨ。
 平蔵のような極悪ハレンチの居直り漢がいまだにいるもんだから、これに較べりゃ自分は「誠実」と評価されるのではないかとの、小ずるい計算をはたらかせているのはミエミエ。
 それが証拠に、中谷の論法、言いぐさは、昔と今と、なんにも変わっちゃいない。ことあるごとに「アメリカでは……」と言っていた同じ口から今では、いわく、ブータンでは「人々の気持ちが荒(すさ)んでいない」。いわく、キューバでは「医療費も教育費も無料」。いわく、江戸時代の日本では「安心や安全が満ちあふれていた」。いわく、デンマークでは「解雇されても労働者は文句を言わない」。それは「スキルアップするいいチャンスになる」から……と。
 ヤンキー帝国主義製の新自由主義ではない、何か真似のできそうなものを、では、では、では、とやみくもに拾い歩くその姿、まさに「出羽の守」そのもの。
 では、結局のところ何をめざすのか。この「デンマーク」をあげているのが要注意。労働者の技術習得支援などのセーフティネットを完備すれば、労働者はクビになっても苦にしない、と。「トヨタのように誠実な物作りを」。「競争力の源泉」は「会社への忠誠」と「労使協調」。「敬老の精神」、のためには「福祉目的税」……。この男、小沢民主党主力政権が成立したあかつきには、またぞろ経済財政諮問会議の座長にでもすわろうという魂胆か。
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陸自中央即応集団・第1空挺団のパラシュート訓練阻止に決起 1・27 道共闘
全学連道共闘が労働者と共に奮闘(1・27)
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米軍ヘリパッド建設に怒り 1・20 沖縄
「座り込み闘争への強権的弾圧粉砕!」
ヘリパッド建設策動に反撃
(1・20 那覇市県民広場)
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鹿大生が「派遣切り反対」集会 1・22
「派遣切りを許さない!」鹿大生がアピール集会
(1・22、生協中央店前)
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