第2056号(2009年2月16日)の内容

<1面>
大量解雇・賃金カットを打ち砕け
既成労働運動指導部の「雇用の安全網」要求運動をのりこえ闘おう

<4〜5面>
「生活主導型経済へのパラダイムシフト」なるものの極反労働者性
 ――『2009連合白書』批判

<2面>
基地強化反対闘争に労学が決起 (1・17 嘉手納、1・15 那覇)
琉大・沖国大生が「怒りの大行進」(1・12)
<3面>
シリーズ とめろ!日本の原発・核開発 B
 危険きわまりないプルサーマル運転
ソマリア沖「海賊対策」をめぐる米・日―中の角逐
<6面>
郵政年末年始繁忙
 外務非常勤ゼロ・元旦二度配達を強制
Topics 電機・自動車……大量首切り攻撃
わが同盟の09春闘スローガン
<7面>
仏・独との瞞着にもとづくプーチンのガス恫喝
<8面>
万華鏡2009――情勢の断層を読む
◆温着せがましく
◆アドレナリン効果
◆議長国の憂鬱
◆新KY

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号
 






  


大量解雇・賃金カットを打ち砕け


既成労働運動指導部の「雇用の安全網」要求運動をのりこえ闘おう

 アメリカ帝国主義発の国際金融破綻と世界的大不況に直撃されて、日本帝国主義経済は、本格的な長期不況の様相を呈している。麻生政権の無為無策のゆえに、この不況はますます深刻化している。いまや、輸出依存産業の典型である自動車や電機のみならず、鉄鋼・非鉄金属や化学、流通サービス産業の各独占体がのきなみ大幅な減収減益に見舞われている。ほとんどの大企業が〇八年度末の最終損益見通しの幾度にもわたる下方修正を余儀なくされ、黒字から大幅な赤字見込みへと転落しているのだ。
 この加速度的に深まる業績悪化・経営危機をなんとしてもしのぎ、そこからはいあがるために、独占資本家どもは、派遣労働者をはじめ期間工などの非正規雇用労働者を大量に解雇するにとどまらず、いまや正規雇用労働者の大量首切りをも容赦なく開始しているのだ。諸独占体の下請・孫請の中小企業群の経営者たちも、親企業からの受注の大幅減や単価のさらなる切り下げなどを強制されているだけでなく金融諸機関の貸し渋り・貸しはがしによって資金難に陥り、より過酷な首切り攻撃を中小企業労働者の頭上にふりおろしている。こうして、大量の労働者たちが、独占資本家どもによって寒空のもとになげだされているのだ。
 このような資本家どもの大量首切り攻撃――歴代自民党政権による「労働市場の規制緩和」の一所産でもあるそれ――は、いうまでもなく、非正規雇用形態を「雇用の調整弁」とみなしている「連合」労働貴族どもの黙認と容認とによって公然と許されている。「連合」指導部は、みずからの犯罪性をおしかくすために御手洗の日本経団連と二人三脚で「雇用のセーフティネットの整備」なるものを政府に要請したこと(一月十五日の「雇用安定・創出に向けた労使共同宣言」)を成果としておしだしつつ、これを麻生政権に受け入れてもらうために腐心しているのだ。それだけではない。賃金のベースアップ要求を掲げながらも、「連合」指導部は、資本家どもの操業短縮とそれにともなう賃金カット攻撃のまえに完全に腰砕けとなっている。
 「全労連」の日共系指導部も、「ルールある資本主義」「健全な資本主義」の実現のために「企業の社会的責任(CSR)」を独占資本家どもに果たさせるという代案にもとづいて、「派遣切り反対」を運動の重点としておしだしている。それとともに、大企業が膨大な内部留保金を確保することを容認しながら・その枠内で内部留保金を内需拡大のために雇用と賃上げに回すべきことを独占資本家どもにお願いしているにすぎない。
 たたかう労働者諸君! いまこそ「連合」労働貴族どもの「救国」産報運動を突き破り、「社会的ルールづくり」をもっぱら掲げつつ「連合との共同」の名のもとに労働貴族どもにすりよる「全労連」ダラ幹どもの裏切りを弾劾し、吹き荒れる独占資本家どもによる大量解雇・賃金カット攻撃を打ち砕け! 麻生政権による労働者派遣法「改正」の欺瞞性を暴きだしつつ、労働者派遣法の撤廃のためにたたかおう! また、今春闘のただなかで、イスラエルによるガザ軍事侵略弾劾! 自衛隊のソマリア沖派兵阻止! 日本全土へのMDシステムの配備阻止! の反戦反安保闘争をおしすすめようではないか。
 「郵政民営化に私は反対だった」などという麻生の発言をも契機として、麻生政権は迷走・ガタガタの様相をますます露わにしている。けれども、総選挙にむけて小沢民主党を支えることに腐心している「連合」労働貴族の腐敗や代々木官僚どもの腐敗のゆえに、この政権は依然として延命している。いまこそわれわれは、春闘・反戦闘争の爆発をかちとり、もってガタガタ麻生政権を打倒しようではないか。
 すべての労働者は、2・15労働者怒りの総決起集会に結集せよ。

(以下、各章の見出し)
大不況下、労働者に犠牲を強要する独占資本家ども

諸独占体の救済に狂奔する麻生政権

労使一体の雇用対策要求運動への歪曲を許すな!

大量首切り・賃金カット攻撃粉砕! 〇九春闘の爆発を
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「生活主導型経済へのパラダイムシフト」なるものの極反労働者性
 犯罪の上塗りを重ねる「連合」指導部

 二〇〇九年二月初めの現在、アメリカ帝国主義発の国際金融大破綻と世界的大不況の大津波に直撃されて惹き起こされた日本経済の危機は、いよいよ深刻化している。このもとで日本独占資本家階級は、みずからの窮地をのりきるために一切の犠牲を労働者に転嫁すべく、大量解雇と賃金カットの大攻撃をうちおろしている。「百年に一度の経済危機下でベースアップなどは論外。雇用も厳しい選択を迫られる」と独占資本家どもは居丈高に言い放っている(日本経団連『経営労働政策委員会報告』など)。
 これにたいして「連合」労働貴族どもは、「賃上げも雇用も」と形ばかりは唱えているものの、「景気回復のために労働側にも適正な配分を」と弱よわしく懇願しているにすぎない。とりわけ自動車総連や電機連合などIMF・JC系の労働貴族どもは、各企業の経営危機を「労使一体となってのりきる」とうそぶきながら、派遣労働者や期間従業員の一斉解雇や減産にともなう賃金カットなどの独占資本家どもの諸攻撃を積極的に受け入れている。このような「連合」労働貴族どもの反労働者的な対応のゆえに、〇九春闘は早くも大敗北へのレールが敷かれつつあるのだ。
 いまこそわが革命的左翼は、独占資本家どもによる大量解雇・賃下げの大攻撃に屈服する「連合」労働貴族どもを弾劾し、すべてのたたかう労働者を牽引しつつ〇九春闘の戦闘的高揚を切り開くために総力をあげてたたかいぬくのでなければならない。
 そのためにここでは、「連合」指導部が『二〇〇九連合白書』においてみずからの〇九春闘方針を理論的≠ノ基礎づけるものとして強調している「生活主導型経済へのパラダイムシフト」と銘打った諸代案、「市場原理主義」にたいするオルタナティブとして彼らが掲げているこれらの代案の反労働者的本質を徹底的に暴きだすことにする。

以下見出し
T 空前の大量解雇・賃下げ攻撃への呼応

U 「パラダイム転換」の名による「公正社会」の虚飾
 
A 「ミクロの論理」から「マクロの論理」への転換(?)
 
B 「時代認識」なるものの皮相性
 
C 「株主主権主義からステークホルダー主義への転換」の懇願
 
D 「内需主導型の経済システムへの転換」の内実

V 現代帝国主義の延命に手を貸す「連合」労働貴族を弾劾せよ
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仏・独との瞞着にもとづくプーチンのガス恫喝

 厳冬の一月一日からロシアのプーチン政権がウクライナにたいして強行した天然ガス供給停止は、中・東欧人民を文字通り凍りつかせた。――このガス紛争≠ヘ、ウクライナ・ユーシェンコ政権の屈服によって収拾された。ロシアに呼びつけられた首相ティモシェンコとプーチンとの会談(一月十八日)においてロシア政府案を基調とする収拾策が合意された。
 プーチン=メドベージェフ政権は、アメリカ帝国主義のオバマ新政権にたいして「NATOの東方拡大」とMDシステムの中欧配備の策動を最後的に打ち砕くというロシア国家の意志を誇示するために、直接にはNATO加盟を策す親米≠フウクライナ大統領ユーシェンコを追い落とすことをたくらんで、仏=独枢軸のEU主要国権力者をもまきこみつつユーシェンコ政権にたいするガス恫喝≠仕掛けた。〇六年にロシアがウクライナ・ヨーロッパへの天然ガス輸送をストップしたときとは様相を異にして、仏・独両権力者は、ロシア政府を非難する言辞を吐くこともなく、むしろEUにとっての鬼っ子≠スるウクライナのユーシェンコ政権にたいしてロシア政府との早期妥結を迫ったのだ。このEUなかんずく仏・独両権力者の対応に、今回のガス紛争≠フ性格が如実にあらわれているのである。
 もちろん、ロシアじしんの経済危機の深刻化に促迫されてもいるプーチン政権は、資源大国≠ニしての利を活用しての危機のりきりをも賭けて、欧州への天然ガス供給システムそのものの再編・強化を、たくらんでいるのである。

以下見出し
中・東欧を凍りつかせたロシア―ウクライナガス紛争

親米<ーシェンコ政権へのトドメの一撃

天然ガス版OPECの現実的確立のための強硬策
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基地強化反対闘争に労学が決起 (1・17 嘉手納、1・15 那覇)
一月十七日、「嘉手納基地へのF22戦闘機配備抗議集会」(沖縄平和運動センター、中部地区労、新嘉手納爆音訴訟原告団の共催)が嘉手納町で開催された。米軍の最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプター十二機の米空軍嘉手納基地「暫定」配備(〇七年十二月に続いて二度目、一月十日から三ヵ月)に抗議して、一六〇名の労働者・学生が結集した。わが戦闘的労働者はこの集会の高揚のためにたたかうと同時に、これと連帯して琉球大と沖縄国際大の学生が集会の戦闘的実現のために奮闘した。「安保の見える丘」に轟く怒りのシュプレヒコール(1・17、嘉手納町)

一月十五日、那覇航空自衛隊へのF15戦闘機配備に反対して、「那覇空港への空自F15戦闘機配備の撤退・民間専用化を求める抗議集会」(沖縄平和運動センター主催)が航空自衛隊那覇基地ゲート前で開催された。戦闘的労働者・学生は、集会の戦闘的高揚のためにたたかいぬいた(1・15、那覇市)
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琉大・沖国大生が「怒りの大行進」(1・12)
一月十二日、琉球大学と沖縄国際大学のたたかう学生たちは、那覇市においてイスラエルのオルメルト=リブニ政権下のイスラエル国家によるガザ軍事侵略に反対する「怒りの学生マーチ」に起ちあがった。国際通りでのデモ行進(1・12、那覇)
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