第2041号(2008年10月27日)の内容

<1面>
麻生ガタガタ政権を打倒せよ
「連合」労働貴族の<救国>産報運動を打ち砕き反戦・政経闘争の高揚を!
全国で10・26闘争の大爆発をかちとれ

<4〜5面>
国際金融大恐慌勃発前夜の世界経済
<2面>
「太りすぎは非国民」!?――
 医療費削減を至上目的とするメタボ健診≠フ押しつけ
<6面>
都人事委の新級導入=賃下げ勧告弾劾!
 都当局・都教委の主任教諭職導入=賃金大削減を打ち砕け

<7面>
09春闘要求をめぐり「対立」するJC系とUIゼンセンの労働貴族
介護の職場から
 団結の力で昼休みを確保したぞ!
Topics 不況の奈落に沈む日本経済
<8面>
許すな! 今日版貧窮化 J
 <絶対的窮乏化>の共犯者=「連合」労働貴族の犯罪
<3面>
万華鏡2008――情勢の断層を読む
◆氷島の悲劇
◆怒りのちゃぶ台
◆重体瀬戸際政策
◆情報属国

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号
 





  


麻生ガタガタ政権を打倒せよ

「連合」労働貴族の<救国>産報運動を打ち砕き反戦・政経闘争の高揚を!

全国で10・26闘争の大爆発をかちとれ

 アメリカ発の国際金融システム不安・世界同時株価暴落の大津波がいま世界経済を襲っている。十月十五日には、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が今月九日の暴落に並ぶほどに暴落し、再び九〇〇〇ドルを割りこんだ(八五七七ドル)。これに連動して、日本や欧州諸国のみならずロシア・中国・ブラジルなどの新興諸国の株価も軒並みに暴落した。
 十月十日のG7財務相・中央銀行総裁会議において金融諸機関救済のための公的資金注入などの「行動計画」が決定された直後に株価は全世界でいったんは上昇したにもかかわらず、その効果≠ヘわずか三日で消え失せたのだ。シティバンクなどのアメリカ大手銀行の損失拡大が露わになっているだけではなく、GEやGM、フォードなどアメリカ製造業の諸独占体が次々と倒産寸前の経営危機を露呈させているのだ。この不況の深刻化こそが、今回の株価大暴落の根因にほかならない。まさに今、アメリカ帝国主義発の金融大破綻と世界同時不況とが相乗的に亢進(こうしん)し、国際金融恐慌勃発が日々刻々と迫っているのである。
 この危機切迫に直面し顔面蒼白になっているブッシュら帝国主義権力者どもは、絶体絶命の窮地をのりきるために、ありとあらゆる犠牲を労働者・人民におしつけようと死にもの狂いになっている。しかも今、この経済大動乱の真っただなかにおいて、グルジア・中東欧の覇権をかけた米・露の激突―新たな世界大戦勃発の危機が高まっている。この経済大波乱と政治的大激動の渦にもまれ完全な対応不能ぶりをさらけだしているのが日本帝国主義の麻生政権なのだ。この政権は、ブッシュ政権につき従い、ただひたすらにMDシステムの日本全土への配備を中軸とする日米新軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての現実的強化に突進しているのみならず、アメリカ金融諸機関救済のために公的資金(=血税)を提供しようとしているのだ。なおかつ、日本の独占資本家どもの要求(法人税減税など)にこたえつつ、金融諸機関救済のための公的資金の注入や、大不況にあえぐ独占体諸企業を救済するための「景気対策」という名の財政支出および大企業優遇税制の強化にのりだしている。そして、この大盤振る舞いのツケ回し=大衆収奪強化・社会保障切り捨てを強行しているのが麻生政権なのだ。
 すべてのたたかう労働者・学生諸君! 新自由主義的諸政策の完全な破綻にあえぐ帝国主義権力者・支配階級の延命をかけた悪あがきを断じて許すな! 労働者・勤労人民に<戦争と貧困>を強制してきた自民党政府にたいする怒りを爆発させ、今こそ敢然と起ちあがろうではないか。新テロ特措法の期限延長法案の衆院可決弾劾!「総選挙先延ばしの口実をなくす」という思惑にもとづいて法案の審議・採決に粛々と応じている小沢民主党の反労働者的本性を暴きだし、「民主党主軸政権樹立」のための集票運動にいっさいの闘いを解消する既成指導部を怒りを込めて弾劾せよ。政府権力者の金融危機突破策を下支えする「連合」労働貴族どもの<救国>産報運動をうち砕いてたたかおう。新テロ特措法の期限延長阻止・MDシステムの配備反対・対中対露の準臨戦態勢の強化反対の反戦反安保闘争と、大企業救済のための血税投入反対・諸物価引き上げ反対・社会保障の切り捨て反対の政治経済闘争とを一体的に推進し、この闘いの爆発をもってガタガタ麻生政権を打倒せよ! すべての労働者・学生は10・26労学統一行動に決起せよ!

見出し

世界同時株価暴落・国際金融恐慌の切迫

<グルジア・MDシステム配備>をめぐる米・露激突

米帝権力者に隷従する麻生政権の悪あがき

総選挙に埋没する既成指導部を弾劾して闘おう
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国際金融大恐慌勃発前夜の世界経済


 「百年に一度の危機だ!」――ミスター・ドル≠アとアメリカ連邦準備制度理事会・前議長グリーンスパンは、今年七月にこう金切り声をあげた。一九二九年大恐慌のごとき大恐慌の再来、と。
 アメリカ支配階級をいよいよ絶望に叩きこむかのように、二〇〇八年十月の今、ほかならぬアメリカ帝国主義発の国際金融危機が七月時点に比しても一段と深刻化している。「超格差社会」下で低所得者層の労働者・勤労人民をも食いものにしてきたアメリカ金融諸機関諸資本のサブプライムローン。その破綻に端を発したヤンキー帝国主義製金融錬金術の破産は、ありとあらゆる証券化商品・デリバティブに及びCDS破綻へと連鎖することによって、いまやアメリカや欧州諸国の最大手金融諸機関の劇的倒産をも招いている。CDS市場の完全な機能不全は、米・欧・日の金融諸機関間の国際的な信用崩壊を呼び起こし、アメリカ帝国主義を中枢とする国際金融システムそのものを機能麻痺に叩きこみつつある。
 しかも今、ヤンキー帝国主義製金融錬金術の大破産を震源とする国際金融危機の大津波は、この金融破綻の煽りを受け、かつこのかんの原油・金属資源・穀物の国際価格の暴騰とドル大暴落とによって加重されたアメリカ発の世界的不況と相乗し、金融危機と不況との国際的なスパイラル的亢進(こうしん)が惹き起こされている。まさに今、世界経済は<国際金融大恐慌勃発前夜>というべき重大な危機に叩きこまれているのである。
 国際金融大恐慌爆発の導火線にすでに火がつけられている現在の危機は、しかし、一九二九年大恐慌の再来≠ニいう事態ではありえない。それは、二九年大恐慌とは形態・性格と歴史的位相を異にするのであって、したがってその持つ意味も異なる。なによりもそれは、一九二九年大恐慌の手痛い「教訓」をつうじて全世界の帝国主義諸国がつくりだしてきた国家独占資本主義という政治経済形態、その新自由主義的改造をつうじて形成されたヤンキー帝国主義型の<カジノ資本主義>の内に醸成されてきた諸矛盾の爆発としての性格・位相をもつのだからである。しかもまた、スターリン主義の自己崩壊を奇貨として延命し、全世界に「一超」支配を貫徹しつつアメリカン・グローバライゼーションの荒波を巻き起こしてきた軍国主義帝国アメリカの、この「一超」世界支配の経済的基盤をなしてきた<ドル支配体制>の根幹からの崩壊を、今回の国際金融危機はもたらさずにはおかないのである。
 まさに今、<カジノ資本主義>の終焉を、いや<カジノ化>することによってしか延命してこれなかった資本主義そのものの終焉を告げる鐘が打ち鳴らされているのである。

見出し

一、国際金融大破綻と不況のスパイラル的亢進

二、<カジノ資本主義>の大破産
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都人事委の新級導入=賃下げ勧告弾劾!

都当局・都教委の主任教諭職導入=賃金大削減を打ち砕け


 十月十六日、東京都人事委員会は、都の公務労働者賃金の四年連続引き下げを勧告した(「公民格差是正分」マイナス〇・〇九%と地域手当の一四・五%から一六%への引き上げにともなう本給の引き下げ)。それと同時に、「小中学校教員の仕事の困難さが増し、高校教員との違いはない」などと称して小中学校教員と高校教員の賃金表を一本化し、教諭職を分化して新たに導入する主幹を補佐する上位の教諭職=℃蜚C教諭職(および主任養護教諭職、以下主任教諭職と一括)に対応する職級を新設した六段階の教員賃金表を勧告した(一級=実習助手、二級=教諭、三級=主任教諭、四級=主幹、五級=副校長、六級=校長・統括校長。大規模校や困難校の学校経営を担う¥繹ハの校長職である統括校長は校長と同じ六級に格付けされた)。この賃金表では、各職階とりわけ(一般)教諭の賃金カーブがフラット化され、上位職に上がらなければ賃金が頭打ちになる。現在教諭職であるほとんどの教育労働者は、主任教諭に昇任しなければ、高校で三十歳以降、小中学校で四十歳以降は大幅な賃下げを強いられることになるのだ(高校教員は最大で月約五万円〔教職調整額等も含む〕、退職金も約五〇〇万円以上減る)。
 この勧告を受けて石原都当局・都教委は、昨年六月に管理規則に設置を盛りこみながらも今年度の任用を先送りした主任教諭の任用を来年度から必ず開始するために、その任用計画や賃金制度を決定しようとしている。財政面では総人件費を大幅に削減すること、教育政策上では「愛国心」教育・能力主義教育を貫徹するための教員を育成し労務管理を強化すること、労務対策としては組合組織を破壊すること、これらを狙って、都当局・都教委は職階制度と賃金制度の大改悪に突進しているのだ。
 東京の公立学校でたたかうすべての教育労働者諸君!「経験豊かな教職員の待遇改善」の名のもとに「新職・新級」導入を文科省・各自治体当局にみずから要求している日教組本部に追随する都高教・東京教組の本部や、「(管理職を含む)教職員の協力・共同」を対置するにすぎない全教傘下の都教組本部を弾劾し、主任教諭任用=新級設定とこれをテコとした賃金大削減の攻撃を打ち砕く闘いを断固として推進しよう。大幅賃下げ攻撃を阻止するためにたたかっている都現業職労働者や不況による減収減益を口実とした資本家どもによる首切り・賃下げに抗してたたかう民間労働者と連帯して奮闘しよう!
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