第2030号(2008年8月4日)の内容

<1面>
反戦反安保・大増税阻止の炎を!

G・ワシントン配備阻止! 消費税増税反対!
<戦争と窮乏化>を人民に強いる極反動・福田政権を打倒せよ

<4〜5面>
<三極>間環境=経済戦争の幕開け
<米―中・露新対決>下の洞爺湖サミット

<2面>
「偽善のG8サミット反対!」鹿児島大生が怒りのデモ 7・5
原子力空母横須賀配備反対 平和フォーラム系集会で奮闘 7・19
◆自称「紛争屋」を賞賛する日共
<6面>
北海道当局・道教委による公立高16校の廃校を許すな
「請負労働者の味方」面する電機連合指導部
Topics 08年版『労働経済白書』の欺瞞
<7面>
経済大国≠ヨの雄飛に奔走するインド 下
<8面>
ロシア革命に悪罵を浴びせる転向トロツキスト
『新世紀』最新号(第236号)紹介
<3面>
万華鏡2008――情勢の断層を読む
◆マオイの怒り
◆属国が妨害物
◆奥林匹克無情
◆ナニワ詭弁道
◆「水際作戦」

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
  「解放」 最新号
 






  

反戦反安保・大増税阻止の炎を!

G・ワシントン配備阻止! 消費税増税反対!

<戦争と窮乏化>を人民に強いる極反動・福田政権を打倒せよ


米原子力空母ロナルド・レーガンの佐世保寄港阻止に起つ
(7月28日、野崎)
 洞爺湖サミット(七月七〜九日)は、主要議題とされた地球環境問題――とりわけ「地球温暖化ガス」の排出総量規制の数値目標の設定および排出権取り引きをめぐるそれ――および食糧問題をめぐって、米および日と独=仏枢軸のEU連合との、かつこの二者と中・露主導の経済新興諸国・開発途上諸国連合との、非和解的な対立を浮き彫りにした。まさしくこのサミットこそは、「地球環境破壊を促進する偽善のサミット」たるの姿を満天下にさらけだしたのである(本号の第四―五面参照)。
 かくして今、洞爺湖サミットを跳躍台にして、三極間のむごたらしい環境=経済戦争の新たな幕が開けられつつある。米・日―EU―新興諸国連合による地球環境破壊の相互転嫁が、米・日とEUと中・露とによる開発途上諸国の資源争奪をかけた争闘戦をも要因として進行し、かつ帝国主義諸国による経済新興諸国・開発途上諸国へのネオ新植民地主義的侵略が一段と熾烈化しつつある。こうした三極間の新たな角逐は、全世界各国の人民に日々貧困と飢餓を強制し拡大しているのである。
 それだけではない。こうした三極間の新たな環境=経済戦争は、米―中・露の核軍事力増強競争の激化と重なりあい、新たな戦乱が勃発する危機を高めつつある。
 まさに今われわれは、二十一世紀現代世界に現出したこの<戦争と貧困・飢餓と地球環境破壊>が重なりあった危機を突破していくことをめざして、反戦闘争、政治経済闘争、ならびに三極間の新たな環境=経済戦争に反対する闘いを、一体的に創造するのでなければならない。そして、<戦争と貧困・飢餓と環境破壊>に抗してたたかう全世界の労働者・人民の国境を超えた団結の創造をめざし、その先頭に立って奮闘するのでなければならない。

以下見出し
米―中・露の冷戦的熱戦≠フ激化

極反動攻勢に狂奔する福田脳死$ュ権

反戦反安保闘争、政治経済闘争の爆発で福田政権を打倒せよ!
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<三極>間環境=経済戦争の幕開け

<米―中・露新対決>下の洞爺湖サミット

 いま、地球温暖化の急激な進行のゆえに、北極海の氷は溶け、世界各地で干ばつ・砂漠化が惹き起こされ、台風(ハリケーン・サイクロン)がますます巨大化し、また同じ地域を熱波と寒波が交互に襲来する、という気象大変動が全世界各地を襲っている。この気象変動によって各国における農業生産が総じて減退しつつあり、それが世界的な食糧危機に拍車をかけているのであって、アフリカ・中南米・アジアの開発途上諸国における貧困層人民の飢餓の深刻化をより促進してさえいるのだ。「かけがえのない地球」の自然環境破壊が加速度的に進行する未曽有の危機のまっただなかで、「地球環境の保全」という美名を冠して「温室効果ガス」大量排出国の権力者どもが一堂に会するサミットが北海道・洞爺湖畔において開催された(七月七日から九日)。
 けれども、「地球温暖化の防止」を謳い文句としたにもかかわらず、この洞爺湖サミットにおいては、とりわけG8首脳会議に代わる中軸的な会議として設定された主要経済国会合(MEM――G8に加えて八ヵ国の経済新興国が参加)においては、ドイツ・フランス・イギリスなどのEU諸国と、アメリカおよび日本と、中国・ロシアをはじめとする経済新興諸国との各権力者どもが、「温暖化防止策」ばかりか世界的食糧危機の打開策をめぐっても、ことごとく非和解的な対立をあらわにした。EU式排出権取り引き制度(EU―ETS)の国際標準化≠フ企みにもとづいて、CO2排出量規制の「中・長期目標」の明示を主張したEU連合。先進諸国の削減義務を明確にすることを自身は拒否しながら、中国・インドに排出削減義務を強要しようとしたアメリカのブッシュとこれにつき従った福田。この米・日両帝国主義国家の権力者どもにたいして、インドのシンやブラジルのルラが猛反発し、この両国権力者を中国の胡錦濤が公然と援護したことのゆえに、MEMにおける政治交渉は完全に暗礁に乗りあげた。それゆえに、MEM首脳宣言には、温室効果ガス(とりわけCO2)の国別排出総量規制の「長・中期目標」の設定にかんしては、「数値目標」を具体的に設定することを回避したうえで「目標を採択することが望ましい」という、なんの拘束力も持たない空文句が盛りこまれたにすぎなかったのである。
 まさに洞爺湖サミットは、われわれが完膚無きまでに暴きだしてきたとおりに、米・日―EU―中・露主導の新興諸国連合とが「温暖化防止」の名による環境破壊を相互に転嫁しあう酷(むご)たらしいまでの角逐の開幕を告げる歴史的出発点を画するものとなったのであって、<偽善のサミット>いがいのなにものでもない。それこそは、<三極>間の環境=経済戦争の新たな次元における開始を告げ知らせるものにほかならないのである。

(以下、各章の見出し)
T G8サミットの最後的終焉=性格転換

U 米・日―EU―中・露主導の新興諸国連合間の環境=経済戦争の激化

V <三極>間の地球環境破壊の相互転嫁=促進
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最新号紹介

新世紀 The Communist

第236号 2008年9月

同志黒田寛一逝去二周年
腐蝕せる21世紀世界を突き破る思想的・組織的拠点を打ち固めよ

〈偽善の洞爺湖サミット〉を特集!
〈三極〉間の環境=経済戦争の新展開を抉る


 ▼わが反スターリン主義革命的共産主義運動の偉大な創始者である同志黒田寛一が逝去されて以後二年。『新世紀』最新号の巻頭に、「腐蝕せる二十一世紀世界を突き破るマルクス主義復権の大道を切り開け」(同盟議長・植田琢磨、政治組織局)を掲載した。同志黒田がなしとげた偉業を受けつぎ発展させることを改めて誓い新たな決意を打ち固めるために。
 われわれは、過去二年間の苦闘と成果を確認するとともに、〈米―中・露新対決〉のもとでの世界情勢の急転回――サブプライムローン・クライシスの勃発を発端とした世界経済の大波乱や地球環境破壊の破局的進行――という新たな認識にたって、その歴史的意味と構造的特質を社会科学的に暴きだした。
 第一には、〈米―中・露新対決の時代〉への急転回のもとでの戦争と絶対的貧窮化と自然環境破壊との相乗的進行という事態を、現代技術文明の末期症状をいよいよ露わにしたものとして明らかにしてきたことである。とりわけ、七月七日〜九日に開催されたG8洞爺湖サミットについて、それが、「CDM(クリーン開発メカニズム)を含む『排出権』取り引きをつうじて開始されている地球環境破壊の相互転嫁を一挙に拡大し促進する」ものであることを暴きだすと同時に、「『地球温暖化防止』対策をめぐる米・日―EU―中・露新興諸国連合の〈三極間〉の角逐」を「環境=経済戦争」の新たな次元での開始をしめすものであるととらえ明らかにしてきた。巻頭論文においては、米日―EUの対立の深まりが、国家独占資本主義の新自由主義的再編成のゆえにうみだされたカジノ資本主義、この腐朽した末期資本主義の破綻ののりきりをめぐる相克としての意味をもっていることが、理論的にも暴きだされている。
 第二に確認すべきことがらは次のことである。
 今アメリカ帝国主義の「一超」世界支配は根幹から崩落するにいたっている。「アメリカの世紀の終焉」はまさに「ドル支配」の破綻、中国・ロシアの〈ドル体制〉への挑戦として現実化しているのである。この「二十一世紀の超大国」をめざす中国と「大国」としての復権を遂げたロシアは、しかしながら国家資本主義というべき政治経済構造を形成しその諸矛盾をあらわにしているのだ。このような事態を根底から変革する武器はマルクスのマルクス主義以外にはありえない。マルクス主義の復権をかちとることはわれわれの双肩にかせられた責務なのである。巻頭論文は高らかに宣言している。「暗黒の二十一世紀を変革する武器はマルクス主義以外にはなく、マルクス主義の現代的復権はまさしく歴史的に破産し自己崩壊したスターリン主義の超克そのものとして実現しなければならない」と。
 ▼本号では「偽善の洞爺湖サミット」と題して特集を組んだ。「地球環境破壊を促進する偽善のG8サミット反対」のスローガンを高々と掲げ北海道現地闘争を戦闘的に牽引したわが革命的左翼の闘い、これを支えた理論的思想的拠点がこれだ!
 「偽善の洞爺湖サミット」(田稲武弘)は、「地球温暖化防止」を旗印にした今回のサミットが「温暖化対策」や「排出権」取り引きにおいて主導権を握る独=仏枢軸のEU連合、これに対抗してまき返しを策動するアメリカおよび日本、そしてこれら帝国主義諸国によるCO2排出規制の強要と新植民地主義的経済侵略に反対し「経済成長の権利」を主張する中・露主導の新興諸国・途上諸国連合、このような〈三極〉間の角逐の実体構造を浮き彫りにしている。CDMを活用した米・欧・日の帝国主義諸国による途上諸国へのネオ新植民地主義的侵略が、資源争奪戦の激化や飢餓の輸出≠引きおこしつつ現にいま強行されていることを怒りをこめて暴きだしている。
 こうした分析にふまえて、サミット反対闘争の革命的指針を提起しているのが、「洞爺湖サミット反対の火柱を!」(霧谷弘道)である。EU式「環境対策」を請願するにすぎない日共をはじめとして既成の反対運動が「温暖化防止対策」請願運動へとねじまげられているなかで、これをいかにのりこえサミット反対闘争をおしすすめていくべきか、を鮮明にうちだしている。全世界の労働者・人民にサミット反対闘争への決起を訴えるわが同盟の国際アピールをあわせて掲載した。
 「激化する米日―欧―中露間の環境=経済戦争」(菖田常雄)は、CO2排出削減目標の設定や「排出権」取り引きをめぐる〈三極〉間の国家エゴイズムをむきだしにした角逐を明解に抉りだしている。「エコ技術開発・新『環境ビジネス』開拓をめぐる新角逐」(三上英介)は、全世界的規模での原発新増設への突進、バイオ燃料開発とこれによってもたらされている世界的な食糧危機の深刻化、石油代替エネルギー開発や省エネルギー促進のためにしのぎを削って進められているエコ技術開発、これらの危険性と反人民性を暴きだし、その経済的意味をほりさげている。
 ▼「『労働の論理』について」(飛梅志朗)は、筆者自身の学習ノート「認識論の図解の形成過程」の執筆過程において同志黒田に質問し教わったことをふりかえり生き生きと再現した労作である。黒田さんに教わったことをまとめることをつうじて、同志飛梅は、実践論がマルクス哲学の、そしてわが黒田の哲学の枢軸であることを体得し確信している。そして「〈私〉にとっての〈黒田さんに教わったこと〉を、みずからの内につくりあげること」が大切であり、そのために「黒田さんの教えを導きの糸として、自分の力で学習を開始」しよう、と同志飛梅は心から呼びかけている。
 ▼本号では「極反動・福田政権を労働者・学生の実力で打倒せよ」(中央学生組織委員会)と「『双頭体制』の虚名を冠したプーチン専制体制の強化」(石垣次郎)の二論文も掲載した。
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「偽善のG8サミット反対!」鹿児島大生が怒りのデモ 7・5

 七月五日、鹿児島大学のたたかう学生たちは「7・5鹿大生怒りのデモ行進」に起ちあがった。
鹿児島市中心街を意気高くはつらつとデモ行進するたたかう学生たち
(7月5日)

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原子力空母G・ワシントン配備阻止の炎

7・19平和フォーラム系全国集会
闘う労働者が横須賀現地で奮闘

 しゃく熱の太陽が照りつける七月十九日、神奈川県横須賀に「G・ワシントン横須賀配備反対!」の声が響きわたった。「原子力空母の横須賀母港化を許さない7・19全国集会」の会場である横須賀市ヴェルニー公園に、北は北海道から南は九州・沖縄まで、全国から「平和フォーラム」や「平和運動センター」傘下の労組員を中心とする労働者・市民が結集した。わが同盟の旗のもとにたたかう革命的・戦闘的労働者たちは、「原子力空母の安全審査」要求や「日米地位協定改正」要求へと闘いを収斂する平和フォーラム指導部を左翼的・戦闘的に下から突きあげ、集会の戦闘的高揚をかちとるために奮闘した。わが同盟の情宣隊は、たたかう労働者とあい呼応しつつ、「反安保の旗高くたたかおう」と全参加者に熱烈に訴えたのである。

参加者の手にはわが同盟のビラ
(7月19日)

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