第2026号(2008年7月7日)の内容

<1面>
7・7―8北海道現地闘争に決起せよ
地球環境破壊を促進する偽善の洞爺湖サミット反対!

<4〜5面>
連載特集
三極角逐下の地球環境破壊 第3回
エコ技術開発・新「環境ビジネス」開拓をめぐる新角逐

<2面>
偽善のサミット反対の号砲 6・15北海道労学統一行動 札幌
那覇市街で内閣打倒の怒号 6・8学生マーチ
<3面>
「キャンパスの笹島移転反対!」 愛大生1000名が学生大会 6・5
万華鏡 ◆農地がダイヤに?
◆漁火叛歌
<6面>
「新しい職」導入をテコにした学校管理体制の強化を許すな
新日鉄名古屋製鉄所でまたも爆発事故
Topics ウソ八百の「最低賃金引き上げ」
<7面>
「生活第一」の仮面を被る小沢民主党の反人民的本性
<8面>
第46回国際反戦集会 海外へのアピール
<米―中露新対決>下の戦争と貧困強制と地球環境破壊に抗して反戦闘争の国際的創造を
  「解放」 最新号
 






  


7・7―8北海道現地闘争に決起せよ

地球環境破壊を促進する偽善の洞爺湖サミット反対!

 七月七日からはじまる北海道・洞爺湖サミットを前にして、アメリカ発の国際金融危機が再び深刻化しつつあるなかで、世界各国は原油高・株安・ドル安の荒波にさらされている。六月二十六日には、米原油先物相場がついに一バレル=一四〇ドルの大台を突破した。これを機に各国株が大幅に下落しドル安が進んでいる。サブプライムローンの焦げつき急増に端を発したアメリカの経済危機は、住宅販売のさらなるおちこみをインパクトとして製造業じたいの極度の低迷をも招来している。アメリカ経済は明白に不況局面に突入しているのだ。このアメリカ経済の危機を震源として世界的同時不況の様相がいよいよ深まっている。しかも、国際金融市場から逃避した投機資金が原油・鉄・非鉄金属・穀物などの各先物市場になだれこむことによって、これらの国際価格はさらに高騰しつづけている。
 こうした国際金融システムの危機の再燃とドル暴落、国際原油価格の高騰にたいして、G8(主要八ヵ国)各国政府は対応不能におちいっている。このゆえに、たとえG8サミットで対応策をめぐって議論したとしても、合意を導きだすことなど何ひとつできないことは歴然としているのだ。
 福田政権は、今サミットを、国際金融システム危機への対応策をめぐる協議は棚上げにして、「地球温暖化対策」を主要テーマとし、アメリカ主導でつくられたMEM(主要排出国会議)十六ヵ国の首脳会合――G8諸国に中国・インド・ブラジル・韓国・インドネシア・南アフリカ・オーストラリア・メキシコをくわえたそれ――を軸として実現しようとしている。
 アメリカ帝国主義をはじめとした先進資本主義諸国がこれまで続けてきた石油ガブ飲み・公害たれ流しの大量生産=大量消費システム、これによってもたらされている地球温暖化と環境破壊の数々。ミャンマーを襲ったサイクロン・ナルギス、アメリカ・ニューオーリンズを直撃したハリケーン・カトリーナをはじめとする巨大台風の襲来と、他方における干ばつなどの異常気象の連続。深刻化する食糧危機と飢餓・貧困。こうした地球規模の環境破壊に各国権力者も危機感を抱かざるをえなくなってはいる。だが、洞爺湖サミットでは、米日とEUとの、かつ前二者と中国・ロシアを先頭とする新興諸国連合との、非和解的な対立が浮きぼりになることは必至なのだ。たとえ各国政府間の「協調」が謳いあげられようとも、実際には温室効果ガス削減の「中・長期の数値目標」を合意することなどとうていできないであろう。それどころか、地球環境破壊の相互転嫁を図る角逐の場と化すにちがいないのである。
 この洞爺湖サミットを前にして、「連合」本部は、「福田ビジョン」についてはいっさい論評することもなく、福田政権にたいして「議長国」として「(温室効果ガス削減の)国際的枠組みづくりにおいて主導権を発揮する」ことを要請している。とりわけ鉄鋼・造船などの基幹労連の労働貴族どもは、ご主人≠スる独占資本家どもの意をうけて、「温暖化抑制のために原発技術の輸出にたいして国として支援せよ」とか「国内外における老朽化した発電所から高効率な発電方式への切り替えを促進せよ」とかと政府に要求してさえいるのだ。他方の代々木共産党にしても、「地球温暖化防止の先頭にたっている」EU諸国権力者を誉めたたえ、日本政府はEUの環境対策に見習え≠ニ叫びたてているだけなのだ。
 すべての労働者・学生諸君! <地球環境破壊を促進する偽善のG8サミット反対! 米日―欧―新興諸国連合による新たな環境破壊の相互転嫁を許すな!>のスローガンを高々とかかげて、洞爺湖サミットに反対する闘いを創造しよう! すべての労働者・学生は、7・7〜8北海道現地闘争に起て!

以下、見出し
「CO2削減」をめぐる米日―欧―新興諸国連合の角逐

「排出権」取り引きをめぐる三極間の環境=経済戦争

窮地に追いこまれた日本帝国主義

独占ブルジョア的「環境対策」を尻押しする既成指導部を弾劾せよ
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エコ技術開発・新「環境ビジネス」開拓をめぐる新角逐

 米・日・欧帝国主義間争闘戦の新たな次元での激化

T 新たな次元における<三極>間環境=経済戦争の開始

 こうして今や、EUの帝国主義諸国(独・仏・英)と米・日両帝国主義諸国は、「排出権」取り引き市場の拡大をめぐって、とりわけ経済新興諸国・開発途上諸国とのCDM拡大をめぐって、市場争奪戦を一挙に激化しつつある。米・日・欧の独占ブルジョアジーとその政府は、「地球温暖化防止」=「環境保全」という美名のもとに「エコ・システム」とか「CDM」とかの名を冠した新たな環境ビジネス≠創出することをたくらんでいるのだ。この新たな環境ビジネス≠フ創出とその市場拡大のための「切り札」として彼らが位置づけ現に追求しているものこそが、CO2排出量削減を可能にする原子力発電や「再生可能エネルギー」利用などの石油・化石燃料代替エネルギーの開発であり、また直接的生産過程における省エネルギーの促進のための生産技術革新(改良)および省エネルギー機器・製品の創出にほかならない。
 米・日・欧各国の独占諸資本の「エコ技術」の名による石油代替エネルギー開発や省エネルギー技術開発は、もちろん、現在では一バレル=一四〇ドルにいたっている原油の国際価格暴騰をはじめとするエネルギー価格の高騰――米欧諸国のヘッジファンドなどの国際投機資本の投機によって加圧されているそれ――に促迫されて、生産コスト増大を少しでも吸収し国際市場での価格競争力を確保していくためにも、追求されている。それと同時に、いまや急膨張している「排出権」取り引き市場の争奪戦に勝ち抜くために、その切り札として追求されているのだ。このようなものとしてそれは、米・日と欧州諸国との経済新興諸国・開発途上諸国にたいする新植民地主義的経済侵略の新たな次元での激化をもたらすと同時に、米・日と欧と経済新興諸国との<三極>間の環境=経済戦争の激化をもたらすものにほかならない。

U 米・日・欧間の「環境対策」技術開発をめぐる競争の激化

V 新たな「環境ビジネス」開拓への突進

W 新植民地主義の新たな形態
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「生活第一」の仮面を被る小沢民主党の反人民的本性

T 「首相問責決議案」提出のもたつきと腰砕け

 日本を「戦争をやれる国」へと飛躍させるために福田政権は、ブッシュ政権とともにMDシステムの日本全土配備につきすすむとともに軍事費の増大を強行し、それを財政的に支えるためにも増税をはじめとする大衆収奪や社会保障制度の大改悪の攻撃を一気呵成にふりおろしている。この四月以降、ガソリン税暫定税率の復活のための衆院再議決をはじめとして、後期高齢者医療制度の施行=社会保障費の大幅削減などの悪らつな攻撃を福田政権は労働者・勤労人民の頭上にふりおろしてきたのだ。この福田政権にたいして、労働者・人民の怒りは沸騰しつづけている。それゆえに福田内閣は支持率も二割を割りこみ、完全に末期状態へと転落しているのだ。
 このような状況のもとで、小沢民主党は、福田政権が後期高齢者医療制度廃止を拒否しつづけていることを理由にして、六月十一日に首相・福田にたいする「問責決議案」を、社民党・国民新党との共同で参院に提出し可決させた。
 だが、なにゆえに国会会期をわずか四日間残すばかりとなったこの時点にいたってから、民主党の小沢執行部は「首相問責決議案」の提出にふみきったのか。そもそも、四月一日からの後期高齢者医療制度の強行実施や年金不明記録問題にかんしての「公約違反」のハレンチな居直りなどのゆえに労働者・人民の福田内閣にたいする怒りが沸点に達していたときに「問責決議案」の国会提出を見送ったのはなぜなのか。(以下略)

U 弱者救済≠前面に出した欺瞞的代案

V 民主党支持を組合員に強制する「連合」中央を許すな
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第46回国際反戦集会の海外へのアピール

<米―中露新対決>下の戦争と貧困強制と地球環境破壊に抗して反戦闘争の国際的創造を

 第46回国際反戦集会実行委員会(全学連・反戦青年委員会・革共同革マル派)

A 米MDシステムの全世界的配備反対! 米 ―中・露の新たな核軍事力増強競争反対!

 アメリカ帝国主義のブッシュ政権は、「反テロ戦争」の名のもとにイラク・アフガニスタンへの占領軍増派を強行しながらも、敗北に次ぐ敗北の蟻地獄にはまりこみ、国際場裡において完全な孤立化におちいっている。それだけではない。イラク侵略戦争の強行とその敗北がもたらしている国際原油価格の高騰と、サブプライムローンの焦げつき急増を発端とした金融システムの破綻・ドル大暴落を引き金にして、国内経済上でも深刻な不況を招き劇的な基盤崩壊に直面させられている。まさにそれゆえにもたらされた「一超」世界支配の崩壊を糊塗しのりきるために、ブッシュ政権は、核軍事力の絶対的優位をなんとしても確保することを狙って、MDシステムのわが日本およびポーランド・チェコへの配備に突進している。
 中国とロシアをアメリカの世界制覇を脅かす主敵≠ニ見たてたうえで、この両国を軍事的に圧服するために、両国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を無力化≠キることを狙って、アメリカ権力者は、MDシステムの全世界的な構築を強行しようとしている。彼らは、このみずからの計画に参加し協力しつき従うことを、ヨーロッパならびにアジアの同盟諸国の権力者たちに強要している。
 だが、EU諸国の権力者たちは、アメリカ主導のMDシステムの中欧配備に――猛反対し戦争瀬戸際政策≠もとって対抗しているプーチンのロシアに配慮して――、アメリカ独自にではなく「NATOの枠内で」というタガをはめてやんわりとブレーキをかけた。「米韓同盟の再定義」を表面上は謳いあげた韓国の新たな大統領・李明博もまた、自国への配備を拒絶した。
 このブッシュ帝国の苦境のなかで、世界各国のうちでも唯一、アメリカのMDシステムの配備に全面協力しているのが、日米安保同盟の鎖で締めあげられているわが日本の福田自民党政権なのだ。この政権はブッシュ政権と手をたずさえて、東半球での核戦争を指揮する米軍総司令部を日米統合司令部という形をとって首都・東京近郊の横田に設置し、さらに洋上管制塔としての原子力空母G・ワシントンを横須賀に配備し、SAMやPAC3などのMD用の兵器と全地球を覆う情報通信網を張りめぐらす策動をおしすすめている。日本全土で、統合され一体化された日米両軍によって、MDシステムの技術向上のための合同軍事演習が絶え間なくくりひろげられ、そうすることによって日本はいま対中・対露の準臨戦態勢下におかれている。
 アメリカ帝国主義権力者によるMDシステムの全世界的配備の策動にたいして、中国とロシアの権力者たちは、全世界の労働者・勤労人民の「軍拡反対」の声をふみにじって、みずからもまた、宇宙軍拡にのりだし核軍事力の増強をおしすすめている。こうして二十一世紀現代世界は、――資源・食糧の米・日・欧帝国主義諸国と中・露とによる争奪戦の激化とあいまって――新たな世界大戦の危機を急速に胚胎しつつあるのだ。
 こうした事態は、なぜ許されているのか。わが日本における反戦平和運動および労働運動が、「連合」の各労働組合に君臨する労働貴族どもや転向スターリニストたる日本共産党によっていまなお支配され「国家の防衛」を第一義とするものに歪曲されているからにほかならない。
 われわれはまずもって、全世界の兄弟たちに、この日本の地から呼びかける。
 ただちに、アメリカ帝国主義によるMDシステムの全世界的配備とこれにたいする中・露の対抗的核軍事力増強に反対する国際的な反戦闘争をすべての国でいっせいに創造しよう! 既成反対運動指導部の腐敗をのりこえて「反戦・反安保」の闘いを日夜創造してきたわれわれ日本の革命的な労働者と学生は、この国際的闘いの最先頭で決起する!

B ブッシュ帝国の最後のあがきを断て

 全世界の労働者・人民にたいして侵略戦争と貧困をおしつけてきたブッシュ帝国は、いまや、「一超」世界支配の全面的崩壊に直面している。しかし、この窮地から脱出するために彼らは悪あがきを重ねている。
 イラクにおいて、アメリカ占領軍がマリキ政府軍をついたてとして強行した、サドル師派・マフディ軍の壊滅を狙った軍事作戦は完全に破産した。いやむしろ、マリキ政府とサドル派との調停をアフマディネジャドのイランが買ってでて成功したことによって、イラン政府のイラク政府とシーア派・スンナ派両勢力にたいする政治的統制力が強化されている。「イランの核開発阻止」の名のもとにイラン現政権の打倒をも策謀しているブッシュ政権にとっては、最悪の結果さえもたらされているのだ。
 ブッシュ帝国が「友」と頼んだ「有志同盟」諸国は、先を争ってイラクから逃げだした。みずからが火をつけたシーア派勢力とスンナ派勢力との内戦の泥沼に足をとられて蟻地獄にはまりこみ、断末魔の悲鳴をあげながら、なおも占領軍を居すわらせ凶暴な人民殺戮をくりかえしているのが、ブッシュ帝国なのだ。
 アフガニスタンにおいても、アメリカ占領軍の敗北は歴然となっている。アメリカ傀儡のカルザイ大統領は、息を吹き返したタリバンによって、政権内部にまで内通者をつくられ暗殺寸前にまで追いこまれた。イスラム国家のなかでも最貧国のアフガニスタンを蹂躙してきた異教徒≠フ連合軍=米軍中心のISAF部隊は、いまやタリバンやアルカーイダの苛烈なゲリラ戦闘のまえに防戦一方となり、首都カーブルに閉じこもっている地域政権≠ナしかないカルザイ傀儡政権は崩壊の危機に瀕している。血迷った米軍は、「タリバンの拠点」と目したパキスタンのトライバル・エリアにまで越境爆撃を加えて、アフガニスタン・パキスタン人民を殺戮し、パキスタンの嫌米$V政権との軍事的衝突をすら惹き起こしている。
 パレスチナにおいても、レバノンにおいても、シオニズム国家のイスラエルを衝き動かしてブッシュ帝国が強行してきたムスリム人民にたいする凶暴な殺戮戦は完全に破産した。「中東和平」の演出を最後の花道≠ノすることをたくらんで中東諸国にのりこんだブッシュの画策は、イスラエルを「選ばれし民の国」と称えるというブッシュ自身の阿呆ぶりのゆえに、サウジアラビアをはじめとするアラブ諸国権力者の総反発を食らって、惨憺(さんたん)たる失敗に終わった。
 この阿呆ブッシュの悪あがきにたいして、イランのアフマディネジャド政権が中心となって、パレスチナのハマス、レバノンのヒズボラ、シリア政府、イラク政府の結束のもとに「反米・反シオニズム」の包囲網が着々と形成されつつある。中国とロシアの両権力者は、中東におけるアメリカ帝国主義の支配を打ち破り・かつ石油資源にまつわる権益を奪い取るために、イランやシリアの反米$ュ府やアメリカ離れ=ドル離れ≠策すサウジアラビアなどの産油諸国政府にたいして様々な援助やテコ入れをおこなっている。
 こうしていまや、二〇〇一年のアフガニスタン侵略、二〇〇三年のイラク侵略の開始以来、「対テロ戦争」の名のもとに、中洋の石油資源略奪とムスリム人民にたいする殺戮をほしいままにしてきたブッシュ帝国の中東制覇の企ては、完全に破産した。これこそは、ネオ・コンサーバティブ一味式のユニラテラリズムを精神的心棒とし、「先制攻撃戦略」にもとづいて全世界で「対テロ戦争」という名の侵略戦争を強行してきた狂気のカウボーイ大統領の自業自得というべき事態にほかならない。
 それだけではない。ブッシュの「一超」軍国主義帝国は、いま経済危機に見舞われ、全世界を経済的=金融的に支配してきた基盤そのものの崩壊に震撼させられている。サブプライムローンの破綻に端を発する国際金融システム不安の底なしの拡大、ドル大暴落と国際原油価格の暴騰の連鎖に直撃されて、アメリカ経済は一気に不況局面に突入している。これらの危機のスパイラル的な進行のゆえに、ヤンキー帝国主義の「一超」世界支配の経済的基盤をなしてきた<ドル体制>そのものが、いまや最後的崩壊の危機に陥っている。
 貧困層を食い物にしてきたサブプライムローンと、これをRMBSやCDOの形で証券化して切り売りするという詐欺師まがいの金融商法は、必然的に破綻した。この大破綻は、LBOやCDSなどのデリバティブ(金融派生商品)全体の価格暴落へと連鎖しアメリカ金融諸機関じたいの国際的の信用の完全な失墜を呼び起こし、国際金融恐慌勃発の危機をも熟成させつつある。
 こうした事態こそは、「金融工学」の衣装をまとったヤンキー帝国主義製金融錬金術が完全に破綻したことを暴露する痛快事にほかならない。この金融錬金術によってのみ製造業部門の空洞化と経常収支の大幅赤字を弥縫し生き延びてきたアメリカのカジノ資本主義型の国家独占資本主義それじたいが、いまやその歴史的終焉を宣告されたのだ。それは、みずからの「市場」として全世界を獲得するために、各国に新自由主義「改革」と政治的・軍事的隷属を強制してきたUSA帝国の覇権の終焉を告げ知らすものにほかならない。
 こうした「一超」軍国主義帝国アメリカのどんづまりの危機をのりきるためのブッシュ政権の最後のあがきが、MDシステムの世界的配備であり、そしてまた、「地球環境保全」を大義名分としCO2の「排出権」取り引きを活用した後進諸国への新たな形態での新植民地主義的経済侵略なのである。

C 米・日・欧帝国主義による後進諸国への貧困強制と環境破壊を許すな!

 アメリカ帝国主義の金融システム破綻・ドル暴落・国際原油価格高騰・景気後退は、いまや「アメリカ発の世界同時不況」へと発展しつつある。
 ヤンキー帝国主義製の新自由主義イデオロギーにもとづいて、先進諸国の政府が、「グローバライゼーション」の名のもとに自国の政治経済構造をカジノ資本主義的なそれへと改造してきたことのゆえに、先進資本主義各国は、おしなべて連鎖的な金融危機と物価高騰(インフレーション)による経済的破綻に襲われている。
 先進諸国の独占ブルジョア階級とその政府は、公的部門の「民営化」と「規制緩和」を共通の合言葉にして、労働者・人民にたいして、大量の首切り・非正規雇用化と諸権利剥奪・労働諸条件改悪・賃金切り下げなどの攻撃を加えてきた。「小さな政府・強い国家」を理念とするこれらの政府は、――あくまでも膨大な軍事費支出の確保を大前提としつつ――大企業の独占資本家階級を支援する減税や一大リストラ促進策などの諸施策を採る一方で、労働基準規制の緩和や公的社会保障サービスの削減に狂奔してきた。
 いま、世界的不況突入のもとで、右のような諸施策をいっそう強化している政府に助けられつつ、各国の資本家どもは、労働者たちを次々に解雇して路頭に放りだすとともに、食料品などの生活必需品価格を大幅に引き上げている。かくして、いまや先進諸国では、――この攻撃を労働貴族どもが容認しているがゆえに――ワーキングプアと呼ばれる非正規雇用の労働者が激増し、これらの労働者と失業者や老人や障害者などの社会的弱者は絶望的な窮乏化を強いられている。わが日本においては、福田政権のもとで、わずかな年金で生計を立てる老人たちから高い医療保険料を強制的にとりたてるとともに医療費自己負担を拡大するという、非道な棄老$ュ策が強権的に実施されている。
 アメリカ主導の「グローバル市場」に組みこまれたアジア・アフリカ・中南米などの後進諸国では、米・日・欧の多国籍独占諸資本は、帝国主義本国においてさえも認められないような劣悪な労働諸条件と環境基準の採用を各国政府に強引に認めさせ、後進諸国人民に強搾取・強収奪と健康破壊・環境破壊を強制している。
 二十世紀の工業化が招いた地球温暖化によって、北極海の氷は溶け、世界各地で干ばつと大型台風(サイクロン・ハリケーン)が同時に発生する気象大変動が生じている。この気象変動による農業生産の総じての不振と、国際石油価格の暴騰を引き金としつつ米・欧のヘッジファンドなどの国際投機資本の暗躍によって促進されてもいる穀物・食料品の国際価格の高騰のゆえに、しかもアメリカが農産物の「輸入自由化」を各国政府に強制してきたことのゆえに、アフリカで、アジアで、中南米で、多くの人民が食料を買うことができずに飢餓に苦しんでいる。加えて自動車用燃料の「バイオエタノール転換」を号令したブッシュ政権の庇護のもとでアメリカのアグリビジネス諸独占体は、エタノール原料のトウモロコシの増産=小麦や大豆の減産に走り、このゆえに穀物の国際価格が高騰し、アメリカ産穀物の輸入に頼る世界各国の開発途上諸国、とりわけいわゆる最貧国≠ナは多くの人民が餓死に叩きこまれているのだ。
 まさに「地球温暖化対策」と銘うってのCO2削減をめぐる各国帝国主義権力者の駆け引きは、飢餓の拡大と環境破壊のいっそうの進行をうみだしているのだ。アメリカと日本、そして欧州の帝国主義諸国の権力者たちは、BRICs諸国の権力者たちにたいして、自国の製造業独占体のCO2排出を公然・隠然と容認しながら、CO2排出量の削減を迫っている。しかも、「排出権」取り引きの名のもとに、諸独占体は、新たな利殖の方途として、石油代替エネルギーや省エネルギーなどの「環境技術」開発にのりだし、その輸出競争にしのぎを削っている。莫大な利潤を獲得しうるそれらの技術を「CDM(クリーン開発メカニズム)」と称して後進諸国に植えこむ(plant)≠アとに血道をあげているのである。しかも、国際ヘッジ・ファンドは、新たな投機的利殖の機会を狙って、「CO2排出権」を証券化し、このデリバティブの売買に殺到している。それだけにとどまらない。わが日本やアメリカ、フランスの各国政府は、「環境に負荷をかけないクリーン・エネルギー」という嘘っぱちを連ねて、再び危険な原子力発電を称揚・推進し、これに庇護された各国の原子力独占体は、原発プラントを中国やインド、ブラジル、アラブ産油諸国に売りこむことに躍起となっている。
 「環境サミット」と銘うって日本で開かれる七月七日から九日のG8洞爺湖サミットこそは、「地球環境保護」のスローガンのもとに、米・日・欧の帝国主義諸国権力者どもや中国・ロシア主導の経済新興諸国・途上諸国連合の権力者たちが、「CO2削減」を相互におしつけあう環境破壊の相互転嫁≠フ場になるであろう。風光明媚な洞爺湖畔で開催されるこのサミットは、「CO2排出権取り引き」や新たな環境ビジネス商戦の、そして穀物・鉱物資源の争奪のための米・日とEU(仏・独・英)と経済新興諸国との<三極>のあいだでの醜い駆け引きの場と化し、地球環境破壊をかえって促進する跳躍台と化すにちがいない。
 それだけではない。北京オリンピックを間近に控え、チベット民族の反乱に揺さぶられている胡錦濤・中国を、四川大地震が襲った。八万人もの民衆の生命を奪い、シャングリラ(桃源郷)を地獄へと変えたこの大災害は、いまだに「社会主義国家」を名のる資本主義国家£国の暗部を明るみにだした。
 鉄筋もない欠陥建築、ライフラインの寸断、救援体制の不備、――これらに露呈しているものは、上海や北京の活況に象徴される中国経済の昇龍%I発展が、他面において地方・辺境部の貧しい勤労人民をおきざりにし、彼らの犠牲のうえで成りたっているという紛れもない現実である。中国政府が上からの資本主義化$ュ策によってつくりだしてきた国家資本主義の反人民的本質である。転向スターリン主義官僚の政府のこの政策の貫徹が、一部の資本家・官僚層と労働者・人民とのあいだの猛烈な貧富格差を、都市と地方の経済的格差を、そしてすさまじい環境の破壊をうみだしてきたという事実を、四川大地震はあますところなく暴露したのだ。ちょうど、三年前に襲来したハリケーン・カトリーナが、「アメリカの繁栄」の暗黒面を容赦なく暴露しつくしたように。
 石油の国際価格の高騰のおかげで「大国復活」をなし遂げ、メドヴェージェフをお飾り大統領にしながら実は自身の専制支配体制をいっそう強化したプーチンのロシアもまた、温暖化で北極の氷が薄くなったことにほくそ笑みながら、北極海の海底に眠る石油・天然ガス資源のアメリカ、カナダ、ノルウェーとの争奪戦に狂奔している。
 こうしていまや米・日とEUと中・露の三極間の環境=経済戦争の幕が開けられている。帝国主義諸国とBRICs諸国とは、「環境保護」を名分としての後進諸国の経済的支配と資源分獲りをめぐって相互に角逐しあっている。
 米・欧・日の帝国主義列強による「地球環境保護」を名分とした後進諸国にたいする新たな新植民地主義的侵略を、飢餓と環境破壊の強制を許すな! 帝国主義諸国に対抗しつつ後進諸国の資源分獲りと地球環境破壊を促進している中国・ロシア政府を許すな!

D いまこそ国際的反戦闘争の大きなうねりを!

 アメリカ帝国主義によるMDシステムの全世界的配備とそれに対抗する中・露の宇宙軍拡・核軍事力増強。地球温暖化問題をめぐる米・日とEU諸国との環境ビジネス商戦と投機合戦をつうじての後進諸国への経済侵略と、これにたいする中・露主導の経済新興諸国連合の対抗。食糧・資源争奪戦の激烈化と飢餓と貧困の拡大。――まさしく二十一世紀現代世界は、新たな世界大戦の火種を抱えこみ、この火種は日増しに大きく膨張し拡散している。
 没落するUSA帝国とその唯一の忠犬たる日本、そして独=仏枢軸の大陸EU諸国、これらに対抗する中・露を先頭とする経済新興諸国連合。――この三極間の相互角逐を震源として、いまやこうした地球的規模での危機が進行し深化しているのだ。
 あらゆる意味で、戦争と貧困と環境破壊は一体である。帝国主義が強制している全世界的な貧困と環境破壊は労働者・勤労人民の怒りの反乱を呼び起こし、これを抑えつけ叩きつぶすために帝国主義の軍隊は全世界で殺戮戦争や謀略テロルに狂奔している。ヨーロッパやアジアや中南米のたたかう労働者民衆が、そして中洋ムスリム人民が、果敢な闘争を展開している。とはいえ、先進資本主義諸国では「体制内化」した各国労働運動指導部が、おしなべてこの闘争を抑圧し、帝国主義の暴虐を支えている。この事態は、スターリン主義の自己崩壊によって軛(くびき)≠ゥら解き放たれた現代帝国主義の奇形的延命と転向スターリン主義によるその補完とが招いた二十一世紀の悲劇にほかならない。
 こうした現代世界の悲劇を断ち切り米―中露の新たな核軍事力増強競争による戦乱の危機を突き破っていく真の階級的力を創造していくために、この日本の地において唯一、わが革共同革マル派は、スターリン主義の<負の遺産>を背負う転向スターリン主義者どもの犯罪性を暴きだしつつ、断固としてたたかっている。「社会主義」をなおも標榜しながら実は国家資本主義≠ヨの変質をおしすすめている中国・北京官僚と、これを美化し付きしたがっているわが日本の代々木共産党を、われわれは絶対に許さない。
 わが日本は第二次世界大戦末に、アメリカ帝国主義による人類史上唯一の広島・長崎への核爆弾投下という惨禍を蒙った。この日本の地からわれわれは、第四十六回国際反戦集会を開催するにあたって全世界の兄弟たちに呼びかける。
 いまこそ新たな戦争的危機を打ち破る国際的な反戦闘争を力をあわせて創造しよう! グローバルな新自由主義的反動と貧困の強制に、帝国主義諸国と転向スターリニストが権力を握っている中・露などの諸国による凄まじい地球環境破壊に、ともに連帯して反対する闘いに決起しよう!
 二十一世紀現代世界の戦争と絶対的窮乏と地球環境破壊のどんづまりの危機を突き破るために、全世界の革命的左翼と労働者・人民は総決起せよ!
   (二〇〇八年七月一日)
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6・15札幌 偽善のサミット反対の号砲 北海道の労学が福田政権打倒の炎
 六月十五日、全学連北海道地方共闘会議と反戦青年委員会の労働者・学生は、札幌市において「MDシステム配備阻止! 消費税大増税反対! G8サミット反対!」を掲げて、労働者・学生統一行動に断固として決起した。七月の洞爺湖サミットに向けて厳戒体制がしかれている札幌中心部において、警察権力の弾圧をいっさい許さずに戦闘的デモンストレーションをくりひろげた。
洞爺湖サミットに向けて厳戒体制が敷かれる札幌中心街を戦闘的デモで席巻するたたかう労学
(6月15日)

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「辺野古新基地建設の着工阻止!」 那覇市街で内閣打倒の怒号 6・8学生マーチ
 六月八日、琉球大・沖縄国際大のたたかう学生たちは、辺野古の新海兵隊基地建設のための兵舎移転工事六月着工阻止、消費税大増税・大衆収奪の強化反対を掲げて「倒そう! 福田政権 6・8学生マーチ」に起ちあがった。
沿道の市民の共感を受け那覇市街をデモ
(6・8)

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「キャンパスの笹島移転反対!」 愛知大生1000が学生大会に結集 6・5
 「学生生活・サークル部活動・学生自治を破壊する笹島へのキャンパス移転計画絶対反対!」六月五日、愛知大学豊橋キャンパスに学生たちの怒りの声が轟きわたった。愛大昼間部自治会、文芸連、学研連、体育会、愛大祭本部など学生諸団体の執行部よびかけのもとに約一〇〇〇名の愛大生が結集し、学生大会を大々的に実現した。さらに二〇〇名を超える学生が学内デモを敢行し、本部当局を徹底的に追及する闘争を断固として展開したのだ。
 わがマル学同愛大支部を中核とする学生たちの闘いの高揚が、愛大当局をして心胆寒からしめているのである。
4月以降の論議のうえに熱烈な討論
(6月5日、愛大)

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