第2017号(2008年5月5日)の内容
<1面>
租税特措法案の衆院再可決弾劾
収奪強化・MDシステム配備に突進する福田政権を打倒せよ!
<4〜5面>
〈第三極〉形成めざす独=仏枢軸のEU
<米―中露新対決>下の苦悶と軋轢
<2面>
「サミット警備」を名目にした治安弾圧体制強化を粉砕せよ
<3面>
藤岡一派の「軍命」否定の妄論
飼い主への山茂派の「おわびと訂正」
<6面>
今日版産報運動に抗しJEC春闘を闘おう
<7面>
全国学力テスト・体力テストの強行と結果公表に反対しよう
<8面>
万華鏡2008――情勢の断層を読む
◆虎、ジャガーを制す
◆欧州お勉強の旅
◆ムキ出し
◆餃子問答
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」 最新号
租税特措法案の衆院再可決弾劾 収奪強化・MDシステム配備に突進する福田政権を打倒せよ!
「二・六兆円の歳入不足を生じさせないため」などという名分をおしだしてのガソリン税暫定税率復活=大増税と「後期高齢者医療制度」と称する七十五歳以上の高齢者に選別的に早や死にを強制する制度、これらを強行的に実施した福田政権にたいして、労働者・人民は今、怒りを爆発させている。四月二十七日におこなわれた衆院山口二区補選においては、政府閣僚・自民党三役が総力をあげて票固めに狂奔したにもかかわらず、自民党候補は民主党候補・平岡にあえなく惨敗した。この事態にうろたえた福田政権は、後期高齢者医療制度の「見直し」をやむなく言いだしたものの、ことガソリン税暫定税率については、その復活に狂奔したのだ。マスコミ各社の世論調査においても、福田政権の支持率はのきなみ二割台にまで下落している。もはや福田政権は死に体≠ニ化しているのだ。 これを福田政権を追いつめるチャンスとみてとり、小沢民主党は、首相問責決議案を提出するタイミングを見計らっている。「連合」の高木指導部は、〇八春闘を敗北に導いたことの責任には頬かむりして、「格差是正」を空叫びしているにすぎない。彼らは大衆収奪の強化・社会保障制度の改悪に反対する大衆的取り組みを放棄しているのだ。衆院解散=総選挙間近という気配をみてとった日共・不破=志位指導部もまた、後期高齢者医療制度の廃止法案を野党四党で共同提出していることをはじめとして、もっぱら院内での「反自民」の野党共闘を維持するという思惑をめぐらし、小沢民主党にすり寄っている始末なのである。 こうした既成反対運動指導部のテイタラクを見透かしているがゆえに、福田政権は、労働者・人民に重負担を強いる増税、社会保障切り捨て・大衆収奪強化の諸攻撃を強硬に仕掛けているのだ。しかも、ブッシュ政権とともに日米新軍事同盟を対中・対露の攻守同盟として現実的に強化するために、日本国軍の大増強に突進するとともに、米軍再編に全面的に協力している。そのために多額の軍事費を計上しているのだ。 怒れ! すべての労働者・勤労人民よ。起て! 極反動・福田政権を打倒する闘いに。院内かけひきにうつつを抜かしヨレヨレ福田内閣の延命を許している既成反対運動指導部を弾劾し、全国の職場・学園で総力をあげて奮闘しよう。4・29労学統一中央闘争の戦闘的高揚をきりひらいた地平にふまえて、いざ前進せよ! 以下、見出し 政権末期的危機の泥沼にのたうつ福田政権 「一超」世界支配の崩落に焦る死に体<uッシュ政権 アメリカ「一超」支配の破砕にのりだした中露 民主党にすがる既成反対運動指導部を許さず闘おう |
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<第三極>の形成をめざす独=仏枢軸のEU <米―中露新対決>下の苦悶と軋轢 アメリカのサブプライムローン焦げつき急増を発端として惹き起こされた国際的な金融システム不安は、いまなお止どまるところを知らぬ勢いで進行している。なかんずく米ドルの歯止めなき大暴落を呼び起こしているこの危機は、アメリカ帝国主義の「一超」世界支配の経済的基礎をなしてきた世界経済のドル支配=<ドル体制>の最後的な崩壊の始まりを意味する。そのことを端的に示しているのが、ドル暴落の反面においてもたらされているEU統一通貨ユーロ相場の上昇であり、ユーロ通貨圏とEU(ヨーロッパ連合)の世界経済における地位の高まりという事態にほかならない。 一九九九年一月一日の欧州統一通貨ユーロの発足(当初はドイツ・フランスを中軸に十一ヵ国が採用)によって世界経済レベルでは複数基軸通貨制への転換が画された。とはいえそれ以降もなお、アメリカの国際金融支配の後塵を拝してきたドイツ・フランス枢軸を中心とする大陸EU諸国は、いまや、アメリカ帝国主義との政治的・軍事的・経済的対抗を強めている中国およびロシアの<ドル体制>への挑戦、とりわけ外貨準備におけるドルからユーロへのシフトに救(たす)けられて、ユーロ相場の上昇=高値安定化という恩恵≠ノ浴しているのである。かくしてEU統一通貨ユーロは、EU地域経済圏の域内通貨の域を超えて、いまやドルと並らびたつ国際基軸通貨としての地位を確立しつつあるかに見える。 だが、ユーロの国際通貨としての地位の高まりは、ユーロ加盟各国における労働者・勤労人民の多大の犠牲のうえになしとげられつつあるものにほかならない。しかも、<米―中・露新対決>の時代の様態を深める現代世界において、この二者に対抗する<第三極>としてのユーロ経済圏の確立を策す独=仏枢軸の策動は、EUの政治統合強化をめぐる対立とも搦(から)みあいながら、EU加盟諸国間の軋轢の激化を呼び起こしてもいる。EU統合強化をたくらむ独=仏枢軸の眼前には、様々の困難が立ちはだかり、すでに暗雲が垂れこめているのである。 (以下、各章の見出し) 一、ユーロ通貨圏確立への試行 二、<米―中露新対決>下のEUの生き残り策 三、EU統合強化のもとで深まる軋轢と社会的諸矛盾 |
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