第2013号(2008年4月7日)の内容
<1面>
経済危機の犠牲を人民に転嫁する福田政権の収奪強化を許すな!
<4〜5面>
基幹労連労働貴族によるネオ産報運動を打ち砕け
「協約締結権」付与を餌とした公務労働者の労務管理強化
<6面>
西川郵政経営陣の超低額回答弾劾
民営郵便局会社の過酷な職場
JC労働貴族に怒り―3・14「連合石川」集会
Topics 超低額妥結を開き直るJC議長
<2面>
全学連124中委を成功的に実現
「愛知大学の笹島移転反対!」自治・学生生活破壊に抗議の怒号
<3面>
米軍基地撤去・安保破棄へ!
沖縄人民怒りの決起 3・23
戦闘的労学が県民大会を牽引
<7面>
幻想の「イスラーム革命」
酒井啓子のイラク情勢分析
<8面>
万華鏡2008――情勢の断層を読む
◇今リンカーン?
◇潜伏私服(デカ)に御用心
◇走狗の出し殻
■『新世紀』最新号(第234号)紹介
週間日誌は5面に掲載
「解放」 最新号
経済危機の犠牲を人民に転嫁する福田政権の収奪強化を許すな! わずか「一〇〇〇円」を上限とした独占資本家どもの回答を尻尾を振って受け入れ、これをもって「賃金改善」などと欺瞞を弄しつつ、JC労働貴族どもは早々に春闘の幕を引いた。この大裏切りに抗して、中小企業労働者たちは粘り強く〇八春闘をたたかいぬいている。この四月から、原材料費の高騰を口実として独占諸資本による電気・ガス料金の値上げや食料品・生活必需品の一斉値上げが労働者・勤労人民の生活を直撃しているのであって、かの「一〇〇〇円」などは実質賃金切り下げ以外のなにものでもないのだ。 すべてのたたかう労働者諸君! われわれはかかる屈辱的事態にたいする憤怒に燃えて、中小企業労働者を中心として、春闘を最後まで戦闘的にたたかいぬくのでなければならない。 四月一日をもってガソリン税暫定税率が期限切れとなり、ガソリン価格が一gあたり二十五円ほど値下げされている。だが、小沢民主党の執拗な抵抗に業を煮やしている福田政権は、四月末にも租税特別措置法案の衆院再可決(ガソリン税暫定税率の復活)を、新テロ特措法制定の強行と同じ手口で、強行しようとしているのだ。 それだけではない。おりからのアメリカ発世界同時不況への突入のもとで、この政権は、経済・金融政策上の無為無策・対応不能を露わにしている。この無能ぶりをおし隠すかのように、こと安保・軍事政策上では、日本を「戦争をやれる国」へ飛躍させるために、ブッシュの「一超」軍国主義帝国とともにMDシステム配備を中軸として日米新軍事同盟の現実的強化をドシドシ遂行しようとしているのである。 福田政権にたいする支持率は、いまや三〇%台に下落している。それにもかかわらず、このガタガタ政権の延命が今なお許されているのは、「倒閣」を叫びながらも・その実は腰ヌケ的対応しかなしえない小沢民主党になおも期待を寄せる「連合」労働貴族どもや日共の不破=志位指導部の腐敗のゆえにほかならない。この既成指導部翼下の反対運動をのりこえて、われわれは、すべての労働者の大幅一律賃上げ獲得の闘いとともに、社会保障制度改悪反対・一切の大衆収奪の強化反対の闘いを日米新軍事同盟の現実的強化反対の反戦反安保闘争と結びつけつつ、その高揚をかちとるのでなければならない。第二次大戦後未曽有の経済危機の泥沼にのたうち回る福田政権の打倒をめざして今こそ進撃せよ。 (以下、各章の見出し) アメリカ発世界同時不況への突入 景気後退に襲われる欧州・経済新興諸国 <ドル体制>の破砕を策す中・露 経済的四重苦への対応不能をさらけだす福田政権 ガソリン税・日銀総裁人事をめぐる迷走 <戦争と窮乏化>を強いる福田政権の打倒めざして邁進せよ |
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基幹労連労働貴族によるネオ産報運動を打ち砕け 08春闘を最後まで戦闘的に闘いぬこう! IMF―JC(金属労協)の集中回答日であった三月十二日、自動車・電機・鉄鋼・造船重機などの独占資本家どもは、JC労働貴族どもが掲げた今〇八春闘における「賃金改善」要求にたいして、回答を提示した。トヨタ自動車一〇〇〇円、東芝一〇〇〇円、新日鉄一五〇〇円程度(二年分)、三菱重工業二〇〇〇円(二年分)。 「五期連続の最高益確実」などと言われているように、諸独占体・諸企業が軒並み莫大な収益を懐中にしているにもかかわらず、彼ら資本家どもは、労働者の基本賃金はビタ一文も上げないという意志をむきだしにしたのだ。内閣支持率の急落を少しでも押し止めようという思惑をこめて財界に賃上げ≠「要請」して見せた首相・福田の口先介入=i三月六日)にたいしても、日本経団連会長・御手洗は、「(企業は)個々の事情で決める(余分な口出しをするな)」とはねつけた。この輩は、今回の妥結について満面に笑みを浮かべて語った。「景気の先行きが厳しい中での昨年並の回答だ、(経営側は)良く頑張った」と。 トヨタ労資をはじめとしたわずか一〇〇〇円(以下)という回答=妥結に直面して、「連合」会長・高木は「経営側にはもう少し大局的な判断をしてほしかった」などと泣き言をつぶやき、JAM会長・河野らは「中小企業は大手の動向に影響を受ける。労使交渉は急に厳しくなった」と危機意識≠吐露した。これにたいして「大手だけが引っぱるのではない。みんなの力で底上げしていくのだ」「賃上げの流れは継続できた」などと開き直っているのが自動車総連出身のJC議長・加藤である。自動車や電機とともにJCに加盟している鉄鋼・造船重機・非鉄金属産業の労働組合で構成する基幹労連の委員長・内藤にいたっては、「(経営側が)嫌がっていた固定費増につながる賃上げを認めさせた」などと胸をはって♀幹労連の「〇八春季交渉」の成果≠ネるものをおしだしているほどである。 まさしくこのようなJCとりわけ基幹労連の労働貴族どもを手なずけ彼らを最大限に活用しながら、独占資本家どもは徹底的に賃金抑制=切り下げ策を貫徹し、今〇八春闘を諸独占体の「国際競争力の強化」=生き残りのための経営・労務施策を押しつける春討≠ヨと収斂せしめたのである。 鉄鋼・造船重機部門の職場深部で不屈にたたかっているわれわれ革命的・戦闘的労働者は、基幹労連の内部において、彼ら労働貴族どもの反労働者性を断固として暴きだし、中小企業労組の内部でたたかっている仲間たちと固く連帯して、今春闘を最後までたたかいぬくのでなければならない。 |
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3・23県民大会
米軍基地撤去・安保破棄へ! 沖縄人民1万1000怒りの決起 戦闘的労働者・学生が断固牽引
政府・自民党は、彼らの大会破壊策動が粉砕されて県民大会が大高揚したことにたいして、「県民に多大な負担をかけていることを強く認識した」(外相・高村)と動揺を隠すことができないでいる。たとえ彼らが「(地位協定で)何も支障はなかった」「引き続き運用改善を図っていきたい」(官房長官・町村)などと開き直ろうとも、この県民大会の圧倒的実現は、最末期のブッシュ政権とその目下の同盟者たる福田政権による日米新軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての現実的強化の策動を粉砕する闘いの画期を大きく切り拓いたのである。 小沢民主党を支持する「連合」高木指導部も、県民大会を切り崩すための策動をくりひろげた。日共官僚は、自民党の大会破壊策動に完全に目をふさぎそれと対決することも放棄したうえで、自民党知事・仲井真に県民大会への参加要請をくりかえしたにすぎない。 わが革命的左翼のみが、政府・自民党と「連合」高木中央のこの反動的策動を適確に捉えて暴きだし、これを粉砕するためにたたかいぬいてきたのだ。日共の腐敗した対応を暴きだし、これをのりこえ、米兵による事件・事故弾劾の闘いを反戦・反基地・反安保闘争として<基地撤去・安保破棄>の方向性を鮮明にさし示しながらたたかいぬき、県民大会そのものの戦闘的・質的高揚のために断固として奮闘したのである。 |
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幻想の「イスラーム革命」 酒井啓子のイラク情勢分析 いまなおイラク軍事占領支配を続けているブッシュ帝国は、イラク人民の四年半におよぶ反米レジスタンスの猛火を浴びた占領軍の敗退に次ぐ敗退のゆえに、イラク・中東支配の惨めな破綻に喘いでいる。二〇〇七年十月の現時点においてブッシュ政権は、〇七年一月に決定せざるをえなくなったイラクからの「名誉ある撤退」、そのための政治的条件をつくりだすために、泥縄的な米軍増派による反米武装勢力の掃討作戦を――マリキ政府軍と呉越同舟で――展開している。 しかし、この乗りきり策もことの初めから破綻をきたしており、ムスリム人民の反米反占領闘争の火に油を注ぐばかりである。いまやブッシュ帝国の反米武装勢力掃討戦じたいは絶望的な状況に追いこまれているにもかかわらず、しかし同時に、イラクは宗派間・部族間・民族諸勢力間の悲惨な内戦の泥沼に叩きこまれている。 このようなイラクの内戦的様相を目の当たりにして、日本のイラク(イスラーム)研究の第一人者である酒井啓子(東京外語大学教授)は、憤りをこめて力説する。いま、イラクで日々引き起こされている宗派間抗争の激化、内戦ともみなしうる治安の悪化、これは現象的事態なのであってその原因はアメリカ・ブッシュ政権の占領政治にあるのだ≠ニ。イラクで生起している諸事態の「すべての元凶は(アメリカの)占領にある」と断言する酒井は、「ブッシュ政権の政策的誤謬を超えて、アメリカの軍事攻撃による『政権交代』が米政権の望まない『革命』ともいえる社会変化を誘発」していることを、イラク情勢の分析をつうじて明らかにしようとしている。 ここでは、このような酒井の独自なイラク情勢の分析、自称「小娘」の時代からフセイン体制のイラクに赴(おもむ)き、イラク研究に携わってきたと自負する酒井の面目躍如たる「分析」について検討する。 ここで検討する「『革命』か、『分断』か イラクの『パレスチナ化』の真相」(『現代思想』〇六年五月号所収)という論文は、約一年半前の当時――〇六年一月の「国民議会」選挙から同年四月のシーア派主導のマリキ政権成立にいたるイラク内諸勢力の政治的角逐・軍事的抗争、同年二月に勃発したサマラのシーア派聖廟爆破というブッシュ帝国の謀略、これらの動向を特色とした時期――の情勢の分析として執筆されたものである。それまで酒井が発表してきた数々のイラクの政治動向・情勢についての分析論文に貫かれている問題意識や関心、筆者のバネとなっているものを最も鮮明に示しているのが、この論文であるといえる。とりわけサドル派がイラク政治情勢を決定する重要な勢力として登場している今日、このサドル派に焦点をあててイラク情勢を分析している酒井の見解は、現時点においてもわれわれのイラク分析を深めるうえで検討に値すると考える。 (主たる検討対象は前述の論文であるが、以下、必要最小限のかぎり他の酒井の論文にもふれる。) (以下、各章の見出し) (一)内戦的様相を深めるイラク情勢への焦燥 (二)近代主義の高み≠ゥらのアプローチの拒絶 (三)ブッシュ帝国の占領政策についての一面的分析 (四)「革命」への願望を投射した観念的分析 |
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最新号紹介 新世紀 The Communist 第234号 2008年5月 経済大動乱下の08春闘の危機をいかに突破すべきか 「連合」「全労連」指導部の08春闘方針を徹底的に批判 とどまるところを知らぬドル暴落と国際原油価格高騰。世界同時不況の切迫。ますます深刻化する世界的経済大動乱のただなかで、〇八春闘は山場を迎えた。トヨタの「一〇〇〇円」を上限とする独占資本家どもの「回答」、これこそは、<絶対的貧窮>を強いられている労働者・人民をさらにどん底につき落とすことの傲然たる宣言だ。だが、「連合」労働貴族どもはこれを唯々諾々と受け入れた。この日本労働運動の破滅の危機を、いかに突破すべきか。そのための武器を満載して、『新世紀』第二三四号を贈る。 巻頭論文「経済大動乱下の賃金切り下げ・収奪強化を打ち砕け」は、〇八春闘をたたかうにあたって、世界的規模の未曽有の経済危機にいかにたち向かうべきかを提起したものだ。第一に、サブプライムローン焦げつき急増を発端としてあらわになった国際金融システム危機とドル不信認、これがアメリカ「一超」支配の経済的基礎からの瓦解をまざまざと示していること。第二に、アメリカ「隷属国」として対米盲従の通貨・通商政策や「構造改革」諸施策をとってきた日本帝国主義国家には、危機からの脱出の道は完全に封じられていること。まさにこのゆえに第三に、日本独占ブルジョアジーとその政府は、賃金抑制をはじめとしてありとあらゆる矛盾を労働者・人民に犠牲転嫁する総攻撃をかけていること。これらについて明らかにし、反撃の檄を発している。 ◆本号では「〇八春闘の危機の突破を」と題して総力で特集を組んだ。 「<戦争と貧窮化>に棹さすネオ産業報国運動を突き破れ」(中央労働者組織委員会)は、今〇八春闘をいかに戦闘的にたたかうべきかの指針を提起した力作だ。新テロ特措法制定の強行やMDシステム実戦配備などの日米新軍事同盟強化の攻撃と大増税・社会保障制度改悪・労働諸法制改悪の攻撃とは、日本を「戦争をやれる国」に飛躍させるための密接不可分の攻撃にほかならない。このゆえに、今春闘においては、欺瞞的な「賃金改善」要求を掲げるにすぎない「連合」指導部のネオ産報運動への歪曲を許さず、大幅一律賃上げを掲げると同時に、労働者・人民を貧窮のどん底に叩きこんだ新自由主義的「構造改革」と労働諸法制改悪にも反対し、さらに日米新軍事同盟の強化反対をも任務としてたたかうべきこと。このことが力強く提起されている。 「<絶対的貧窮化>強制の牙をむきだす日本独占ブルジョアジー」(新堀三郎)は、二〇〇八年版『経営労働政策委員会報告』につらぬかれている日本独占資本家どもの階級的野望を、サブプライムローン問題への沈黙という<書かれざる一章>の意味をも鮮明に浮き彫りにしている。すなわち、対米輸出依存の日本経済が受けるであろう打撃の大きさに怯え、また東アジア地域経済圏づくりの覇権争いにおける中国への敗北を直覚しながらも、これらを打開する方途をまったく見いだせないがゆえに、日本経団連は、「日本型雇用システムの新展開」を掲げ、雇用形態の改編に突進しているのだ、と。「全員参加型社会」と称して、老若男女すべての層の使い捨てをもくろみ、「外部労働市場の拡大」と称して非正規雇用形態のいっそうの拡大を宣言する日本経団連。彼らの対応策の反労働者性を、論文は徹底的に暴きだしている。 「欺瞞と偽善の『連合』式『格差社会脱却』論」(宇津宮研)は、経済危機を口実にして「賃金水準を議論することは困難」とうそぶく独占資本家どもにたいして、「内需拡大のための賃金改善」をお願いすることしかできない「連合」労働貴族どもの腰ぬけぶりを批判しつくしている。そもそも彼らは、今春闘のメイン・スローガンに「格差社会の脱却」なるものを掲げてはいる。だが、それは、賃金切り下げや非正規雇用の拡大を容認してきたみずからの犯罪を不問に付した欺瞞・偽善でしかない。「労働分配率の反転」という要求もまた、かつての「パイの分け前」論さえも投げ捨て「ステークホルダー・アプローチ」なるものの援用によって基礎づけられた、宥和主義を根幹とするシロモノだ。これらのことを、理論的に、壊滅的に批判している。 「『全労連』式『貧困撲滅春闘』方針の反労働者性」(宮原高男)は、「保守層との共同」路線をとる日共中央の指示に従って「連合」労働貴族に秋波を送る「全労連」ダラ幹への批判である。「貧困撲滅」とはいっても、その内実は、景気回復のために内需拡大をはかるというものでしかない。しかも、彼らが理念とし基準としているものは、富を公正に分配する「まともな資本主義」なるものであって、「EU型モデル」や「高度成長期の日本経済」を理想化する、理念のブルジョア化の極致をさらけだしたものでしかない。この犯罪性を許すな! まさに本特集は春闘をたたかう全労働者階級の生ける武器となるであろう。 ◆「『非自民連立政権』参加の妄執」(木本泰次)は、経済同友会終身幹事・品川正治にとりすがり、「財界人との共同」を謳歌するにいたった代々木官僚の底知れぬ路線的・イデオロギー的変質を暴きだしている。「全労連」批判と好一対の必読の論文である。 中野一派のドメスティック・バイオレンス≠ヨの反発もどきの「関西地方委員会」の造反に揺さぶられ、空中分解寸前のブクロ派残党へのトドメの一撃として、「ミニ分裂にあえぐブクロ派残党に最後の鉄槌を降せ」(朝日奈将司)をも掲載した。 「対馬『社会主義論』の超克」(水木章子)は、同志黒田寛一が現代ソ連邦の非社会主義性を自覚させられる契機となった対馬忠行の「社会主義論」、これをわが同盟がいかにのりこえ、社会主義理論を構築しているのかを、「労働の量と質」を基軸に掘り下げた力作である。 本号諸論文を闘いの武器にすべての労働者・学生は奮闘されんことを! |
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全学連124中委を成功的に実現 |
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反戦反安保・ネオファシズム反動化阻止の不抜の拠点を強化 3・13―14 東 京 |
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全学連の学生たちは春期闘争の爆発に向け決意をうち固めた (3月14日) |
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「愛知大学の笹島移転反対!」自治・学生生活破壊に抗議の怒号 |
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1・31対当局要求行動 | |
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