第1999号(2007年12月24日)の内容

<1面>
新テロ特措法の採決強行を許すな
<反安保>の旗高く首都・沖縄でのPAC3移動訓練を阻止せよ!


<4〜5面>
激化する原発輸出・ウラン資源争奪戦

<2面>
「米軍機移転反対・補助金カット反対」
 労学市民1万人が結集(12・1 岩国)写真へ
学園だより 鹿大祭(11・9〜13) 愛大祭(11・2〜5)

<3面>
郵便局・郵便事業会社の2万4千人の人員削減を許すな
全駐労労働者が第2波スト(11・30)写真へ

<6面>
Topics 初の「PFI病院」で贈収賄
リポート労働戦線
石川県下の高校統廃合の強行を打ち砕け!
民主尻押しに労働者の怒り
12・4「新テロ特措法反対」平和フォーラム集会
◆米中サヤ当て

<7面>
南北朝鮮統一への新転回

<8面>
2007年 掲載主要論文・記事一覧

週間日誌は3面に掲載します
  「解放」最新号
 







  


新テロ特措法の採決強行を許すな

<反安保>の旗高く首都・沖縄でのPAC3移動訓練を阻止せよ!

 福田政権は新テロ特措法を今国会において何がなんでも制定するために、一月十五日まで国会会期を再延長することを決定した(十二月十四日)。たとえ野党が過半数を占めている参院で否決または時間切れ≠ノ追いこまれようとも、衆院で三分の二以上の賛成で再議決し成立させる強硬策をとる腹を最終的に固めたのだ。
 小泉・安倍両政権が日本を現実に「戦争をやれる国」へ飛躍させるために築いてきた地歩を後退させるわけにはいかないという使命感にもつき動かされて、福田政権は越年国会をもって強行突破するために猪突猛進しているのである。
 しかも日米両権力者はいま、十一月に強行した日米共同統合実動演習を皮切りにして、MD(ミサイル防衛)システムを高度化するための実戦的訓練を連続的にくりひろげようとしている。この十二月中にも、政府・防衛省は首都中枢で、在日米軍は沖縄・嘉手納において、PAC3移動訓練を大々的に展開することを企んでいる。米日両権力者は日本列島にMDシステムを張りめぐらせ、対中国・対ロシアの準臨戦態勢を構築しているのだ。
 同時に、「消えた年金記録五〇〇〇万件」の名寄せ作業を〇八年三月に完了し「最後の一人まで調べる」と公約してきた政府・自民党が、今になって「できないこともある」(十二月十二日、厚労相・舛添)と言いだした。この歴然たる「公約」の破棄を、首相・福田はあろうことか「公約違反というほど大げさなことかどうか」(同日)などとホザいて開き直ったのだ。労働者・人民をどこまでも愚弄する権力者の犯罪を断じて許すな!
 にもかかわらず、既成反対運動指導部はこのような事態への危機感のかけらすらもちあわせていない。「連合」高木指導部は新テロ特措法に反対する態度をとることさえも意図的に回避し、巻き起こっている労働者の反対の声をブッ潰し封殺してまわっている。小沢の民主党が福田政権を国会解散に追いこみ衆院選挙で政権を奪取するという思惑から新テロ特措法にたいして強硬に反対していること、これに安堵した日共・不破=志位指導部は、ふたたび民主党との院内共闘を追い求めているがゆえに、「反安保」を完全に投げ捨てている。
 いまこそわれわれは、このような腐敗した既成反対運動をのりこえ、新テロ特措法制定阻止・PAC3の移動訓練反対の闘いを燃えあがらせようではないか。日本全土の準臨戦態勢の構築を許すな。CX疑獄弾劾の闘いを反戦反安保闘争と結びつけて推進しよう。年金保険料の国家的詐取の居直りを弾劾せよ。福田内閣打倒をめざしてたたかいぬこう!

(以下、各章の見出し)
 新テロ特措法制定にむけて強行突破を策す福田政権

 CX疑獄のもみ消しに汲々とする福田政権

 ブッシュ帝国のイラン包囲の破産と「一超」支配の崩落

 「反安保」を放棄した既成平和運動をのりこえ闘おう


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激化する原発輸出・ウラン資源争奪戦

 この十一月、ついに原油価格は一バレル=一〇〇jの大台に手が届くまでに高騰した。OPEC(石油輸出国機構)が米欧日帝国主義諸国からの圧力を受けて十一月から日量五〇万バレルの増産を実施したにもかかわらず、十一月七日のニューヨークマーカンタイル取引所の原油先物市場は、WTI(米国産標準種)の十二月渡しが、時間外取引で一バレル=九八・六二jの史上最高値をつけたのだ。
 この事態は、直接的には、アメリカのサブプライムローン焦げつきに端を発したドル信用不安にともなって、投機資金が原油先物市場にいっそう流入していることを要因としている。けれども、同時に、アメリカの石油消費量の増大やBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国の経済新興国連合)の経済成長にともなうエネルギー需要の全世界的増大と、ブッシュ帝国のイラク占領・支配が完全に破産したがゆえの、イラク・中東石油資源のアメリカ「一超」制覇の破産をこそ基礎とするものにほかならない。
 この原油・石油価格の高止まりのもとで、「地球温暖化対策」をも名分としながら、いま全世界的にバイオ・エタノール生産の拡大と原子力発電所建設のラッシュがひきおこされている。とりわけブッシュ政権は、イラク占領・支配の破産を糊塗するために「中東石油依存からの脱却」を掲げて、バイオ・エタノールの増産とともに、原発建設促進の旗を振っている。石油ガブ飲み≠フ経済構造を温存してきたがゆえに、石油価格高騰による生産コスト上昇の直撃を受けているアメリカ独占資本が悲鳴をあげているからだけではない。中東石油への依存をつづけているかぎり、アメリカによるエネルギー資源支配の再興はおぼつかないと、ブッシュ政権もようやく気づいたがゆえなのである。
 このアメリカの石油資源「一超」制覇をつき崩すために、結託して第二OPECや天然ガス版OPEC結成の策動をくりひろげている中国やロシアもまた、いっせいに原発大増設につっ走っている。
 BRICsが原発建設にとりかかったことを条件にして、原発輸出商戦と原発の燃料たるウラン資源をめぐる争奪戦が相互にからみあいながら、米(日)―中・露の角逐を軸とし、これに原発大国<tランスが加わるかたちで激化している。石油資源争奪戦とも結びついているこの角逐は、米―中露の新たな対立のインパクトとなっている。「原子力の平和利用」をかくれみのとして核兵器開発をたくらむイラン、このイランの原発建設を支援するロシア(中国)と、これをなんとしても抑えこもうとするアメリカとの対立を見よ。まさしく、原発輸出・ウラン資源をめぐる角逐の激化は、全世界的な戦乱と原発大事故による核惨事の危機をいっそう高める方向へと展開せざるをえないのである。


(以下、各章の見出し)
 T 原発建設ラッシュと原発機器製造諸独占体の国際的大再編

 U 原子力エネルギー支配をめぐる<米―中露>の角逐

 V 高まる戦乱と核惨事の危機

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南北朝鮮統一への新転回

A 米・朝瞞着のもとでの神経戦
 十二月六日から開催される予定であった「朝鮮半島非核化」をめぐる米・中・露・日・南北朝鮮の六ヵ国協議が延期となった。
 来年十一月に迫っている大統領選挙に向けて「対テロ戦争」の破産を追及しイラクからの撤兵を声高に要求して選挙戦を圧倒的優位のもとにすすめている民主党候補を大逆転≠キるために、ブッシュ共和党政権は、なんとしても「対テロ戦」の正当性・有効性をおしだす必要に駆られている。まさしくそのためにこそ彼らは、「反米国家」の抑えこみに奏功した証しとして北朝鮮政府の妥協=♀j開発の停止の体裁を整えることになりふり構わず突進しているのだ。
 そして根本的には、中国(ロシア)を主敵とする世界制覇戦略にもとづいて、日本と中欧へのMDシステムの配備を要とする米軍の世界大的再編=再配置を実現するために、ブッシュ政権は北朝鮮の核開発を阻止しようとしているのである。たとえ対北朝鮮にたいする要求をエスカレートしたとしても、来年に北京オリンピックを控えている中国の胡錦濤政権が仲介し金正日政権を抑えこむにちがいない、との政治的読みを働かせつつ。

B ハンナラ党候補・李明博の勝利必至の韓国大統領選
李明博の対北朝鮮政策
 李明博をはじめとするハンナラ党主流は、盧武鉉政権のもとでこじれた対米・対日の関係の一定程度の修復をはかり、韓米同盟を再構築することを基礎にしながらも、「南北統一」のチャンスが到来しているもとでは、中国(ロシア)との政治的・経済的の協調・協力関係を強化する政策をうちださざるをえないのである。

C 「二十一世紀の自力更生」をうちだした金正日政権
 「二十一世紀の自力更生は科学技術と実利にもとづいた自力更生だ」(『労働新聞』十月三十日付)ということを平壌官僚は強調し、そのためには「外国の先端科学技術を積極的に導入することがきわめて重要だ」と主張しはじめている。すなわち彼らは、「自力更生」という経済建設路線を形式上は護持しながらも、その内実を、外国からの先端技術の導入ならびに、「実利」をあげるために「経済管理方式」においては独立採算制をさらに徹底するというものに、軌道修正しようとしているのである。
 われわれは、民族統一をめざしてたたかう南北朝鮮人民と連帯してたたかわなければならない。そしてこのただなかで、かかる韓国反対運動指導部の現状を克服することを呼びかけなければならない。われわれは、盧武鉉政権ならびに次期政権がおしすすめようとしている「南北統一」の独占ブルジョア的本質をあばきだすとともに、南北分断の場所的=歴史的根拠への省察をつうじて<南北朝鮮のプロレタリア的統一>の展望を提示し、たたかう朝鮮人民と連帯してたたかおう!

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労学市民1万人が結集(12・1 岩国)


 十二月一日に山口県岩国市の錦帯橋下河川敷において、「国の仕打ちに怒りの一万人集会」が開催された。たたかう神戸大生をはじめとする関西の学生たちは、この集会の戦闘的高揚をかちとるために断固として決起した。



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全駐労労働者が第2波スト(11・30)


 大幅な賃金削減攻撃への怒りに燃えて全駐労労働者は第2波24時間ストに決起

キャンプキンザー城間ゲート
(11月30日)


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