第1955号(2007年2月12日)の内容


<1面>
改憲阻止!反戦反安保の奔流を
極反動=安倍政権の打倒をめざして反ネオ・ファシズムの戦列を構築せよ


<4〜5面>
労働者の権利剥奪・労働組合破壊への下からの呼応
日本労働運動の破滅を招く「連合」労働貴族を弾劾せよ!
大量人員削減を容認する自治労本部を弾劾せよ!
 自治労第133回中央委員会にむけて

<2面>
「憲法改悪阻止! 日米新軍事同盟の強化反対!」
1・27全学連国会包囲闘争
7000人の労働者が日出生台集会(1・21)

<6面>
石川県教委が労組破壊の攻撃
年末年始繁忙期 郵政小包集中局でも大破綻
Topics 相次ぐ閉院、診療科の休止・縮小

<7面>
NTT西日本 頻発するひかり電話事故

<8面>
シャープ亀山奴隷工場(下)
うた 黒田さんを永遠にわが胸奥に

<3面>
万華鏡2007――情勢の断層を読む
露帝の独白
◆排汚費
■米・エチオピアのソマリアへの軍事侵略弾劾!
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号
 





  


改憲阻止!反戦反安保の奔流を


極反動=安倍政権の打倒をめざして反ネオ・ファシズムの戦列を構築せよ

「イラクへの米軍増派反対!」全学連が米大使館に弾劾の嵐(1月27日)
 すべてのたたかう労働者・学生諸君!
 首相・安倍は一月二十六日の施政方針演説において、「戦後レジームを、原点にさかのぼって大胆に見直し、新たな船出をすべき」とキンキン声で叫びたてた。昨年十二月に教育基本法の改悪を強行したことを突破口にして、日本を「戦争をやれる国」に飛躍させるために、「戦後レジーム」の背骨とみなした「マッカーサー憲法」の改定に向けて、日本版ネオコン=安倍政権は全力疾走を開始している。
 とはいえ同時に、この安倍政権はますますガタガタぶりをさらけだしている。政府税調会長・本間の愛人住居<Xキャンダル、行革相・佐田の政治資金不正流用が相次いで暴露され、それぞれ辞任に追いこまれただけではない。「女性は子どもを産む機械」などと言い放った厚生労働相・柳沢の辞任を求める声が、野党のみならず与党内からも噴出するにいたっている。
 この柳沢発言はたんに「女性蔑視」の問題なのではない。問題は、厚生労働相たる柳沢が、そして安倍政権が、日本の労働者・勤労人民の家庭を子どもを産みたくても産めない、育てたくても育てられない生活苦に追いこんでおきながら、このことには頬かむりをきめこんで、少子化への危機感を女性に責任転嫁するかたちで吐露していることにこそあるのだ。五年余におよんだ小泉政権の「構造改革」諸施策と、これに支えられて独占資本家どもによる大リストラが仮借なく貫徹されてきた結果として、多くの労働者たちが、超長時間の過酷な労働を強いられてきたうえに賃金を切り下げられ、肉体的・精神的労苦=破壊と家庭生活破壊というべき今日版の絶対的貧窮化に突き落とされてきた。この小泉路線≠継承し「労働ビッグバン」という名の労働諸法制の改悪と労働組合の破壊を、憲法改悪の先取りとして、一挙におしすすめようと企んでいるのが、ネオ・ファシスト安倍政権なのである。
 しかしながら、既成反対運動指導部たる「連合」指導部や日共の不破=志位指導部は、安倍政権がいま強行しようとしている国民投票法制定の攻撃にたいしては、反対運動をまったくつくりだそうともしていないのだ。
 今こそわれわれは、労働者・人民の怒りを組織し、労働諸法制の改悪と憲法改悪を阻止する闘いを創造するのでなければならない。「連合」労働貴族どもの抑圧をはねのけ〇七春闘の高揚を切り開くとともに、「反安保」を完全放棄した日共系のインチキ「護憲運動」をのりこえて、改憲・日米新軍事同盟の強化を阻止するために奮闘するのでなければならない。
一月二十七日、全学連のたたかう学生たちは、「憲法改悪阻止!」「日米新軍事同盟の強化反対!」を掲げ、国会・首相官邸・アメリカ大使館にたいするデモンストレーションに起ちあがった。

 ガタガタ安倍政権の打倒をめざしてたたかおう!

以下、見出し

改憲・安保同盟強化に突進するガタガタ安倍政権

ポスト安倍を射程に激化する権力抗争

〈米中新対決〉下で高まる戦乱の危機

改憲・日米新軍事同盟の強化をうち破る闘いの高揚を




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労働者の権利剥奪・労働組合破壊への下からの呼応

――日本労働運動の破滅を招く「連合」労働貴族を弾劾せよ!

 「戦後レジームからの脱却」をかかげる安倍ネオコン政権は、教育基本法の改定をなしとげたことを突破口として、日本を「戦争をやれる国」に雄飛させるための総仕上げとして、いまや憲法改定の強行にむけて突進している。そのために、反対運動を徹底的に叩き潰すことをも内実に盛りこんでいる国民投票法案を今国会において成立させようとしている。
 それだけではない。この策動とともに日本国家権力者は、「労働市場の規制緩和」という独占資本家どもの要求にも応えて、「労働ビッグバン」と称しての労働基準法の改定や労働契約法の制定などの労働諸法制の抜本的改定を強行しようとしている。この労働法制の改定は、資本家どもが労働者を何らの法的制約もなしに自由に、超長時間、かつ解雇も意のままに、こき使えるようにするために、労働者の諸権利を剥奪し労働組合そのものを無力化させ根幹から破壊することを、目的とするものにほかならない。このようなものとして、日本労働運動の左足≠ニみなした自治労・日教組をはじめとする官公労を「労働ビッグバンと整合的な公務員制度改革」および「教員免許更新制」の導入などによって、また旧全逓労組を郵政分割民営化によって、壊滅させる策動と一体のものなのである。
 小泉政権の「構造改革」政策とそれに助けられた独占資本家どもの一大リストラの強行によって、いま日本の労働者・人民は、長時間労働と低賃金労働を強制され、過労死・過労自殺に追いこまれる労働者があとをたたないだけではなく、急増した非正規労働者たちの多くは、「ワーキングプア」と化しており、まさに総じて<絶対的貧窮>につきおとされている。これに追い討ちをかけるように、労働者にとって団結してたたかう拠点としての労働組合そのものが壊滅され無きものにされようとしているのだ。この労働組合の破壊こそ、「戦争をやれる国」にふさわしく、日本型ネオ・ファシズム支配体制を新たな次元で強化するための策略にほかならないのである。
 時あたかも〇七春闘を迎えるなかで、こうしたネオ・ファシズム的一大反動攻撃が吹き荒れているまさにこの時に、それには無対応をきめこみながら、「いざなぎ景気をこえた」などと意図的に喧伝されているGDPのわずかばかりの上昇に期待を寄せ、「格差是正」「公正な成果配分を」などと独占資本家どもに懇願しているのが「連合」本部の労働貴族どもである。しかも、安倍政権がおしすすめようとしている労働諸法制の大改悪にたいして彼らは、「公正なワークルールの確立」を代案として対置したり、「公務員は襟を正すべきは正すべし」などと叫びながら、下からそれに呼応しているのだ。まさにいま、「連合」労働貴族どもは、みずから日本労働運動の破滅を招き寄せる一大犯罪行為に手を染めているのである。
 すべてのたたかう労働者は、この日本労働運動の破滅の危機を根底から突破するために、総力をあげて〇七春闘をたたかいぬくのでなければならない。

A 「反転攻勢」の空叫びによる責任のがれ(抜すい)
 独占資本家どもが、労働貴族どものリストラ諸施策への協力(賃上げ要求の放棄を含む)に支えられて、企業の収益を年々増大させ、GDPも二%を超える上昇をしめす一方で、労働分配率は低落し、労働者の可処分所得は低下しつづけている。また独占資本家どものリストラ施策への労働貴族どもの協力によって非正規社員が急増し、低所得者層が一挙に増大してきている。生活保護水準(年収二〇〇万円)を下回る収入しか得られない「ワーキングプア」と称される労働者すらもが大量に生みだされ多くの労働者が絶対的貧困状態につきおとされている。いまや日本は、先進国中でアメリカについで貧困率第二位の位置をしめているほどなのである。
 こうした事態、労働者・勤労人民の<絶対的貧窮化>を招いた主体的責任は、あげて「連合」労働貴族どもにある。「連合」発足(一九八九年)いらい今日まで、十数年にわたって、「日本の賃金は世界一高い」などという独占資本家どもの盗っ人猛々しい言辞をオウム返しにし、賃上げを要求するのではなく「生活改善」をと称して春闘を裏切りつづけてきたのは、どこのどいつなのだ! 労働者の大量首切りや「成果主義」賃金制の導入や雇用形態の改編をすべて肯定し、もって独占資本家どものリストラ施策=経営・労務施策の貫徹に協力・加担してきたのは、誰なのだ! 増大する非正規雇用労働者の劣悪な労働諸条件を見て見ぬふりをして放置しつづけてきたのは、誰なのだ! 歴代自民党政府、とりわけ小泉政権による「構造改革」という名の「労働市場の規制緩和」促進策や社会保障制度大改悪=社会的弱者$リり捨てにたいして、これらをすべて容認し、「セーフティネットの充実」などというオタメゴカシの空語をふりまいてきたのは、いったい誰なのだ! すべて「連合」労働貴族どもではないか。
 この「連合」指導部がいまごろになって「反転攻勢」などと叫ぶのは、ただただ、責任のがれのためなのだ。労働者の労組組織率の急激な低下を、労働組合の「存在意義」の喪失をみずから招き寄せてきた徒輩が、この己れの責任を棚にあげて「反転攻勢」を口走ってみせたとしても、まったく空ぞらしいではないか。
 わが革命的・戦闘的労働者を先頭にした労働者たちの怒りが、「連合」指導部にたいする責任追及の声が、いままさに高まっている。この責任追及をかわし、労働者の下からの造反を抑えこみ反発のガス抜きをはかるために、ただそのために、「反転攻勢」を叫んでみせているのが「連合」指導部なのである。
(中略)
 こうして「連合」労働貴族どもは、〇七「連合」春闘においても、安倍日本版ネオコン政権による一大ネオ・ファシズム反動攻撃(労組の壊滅を中心柱としたそれ)にたいするいっさいの反撃をあらかじめ放棄しているのだ。しかもまた彼らは、今春闘をも、例年どおり「労使自治」の名のもとに各企業ごとの「労使協議」の場における一発回答=妥結≠ニして収束せしめる心算(つもり)であって、傘下全労組の共同行動を組織する意志などは毛頭ない。「反転攻勢」と称してはいても、その内実たるや、このようなものでしかないのだ。
 「労働ビッグバン」の名においてまさに労働者の権利の全面的剥奪と労働組合そのものの破壊とが一挙同時に、しかも憲法改悪と結びつけて、しかけられようとしている今日この時に、「連合」指導部がこの攻撃にたいする闘いの組織化を放棄しているのは、絶対に許しがたい反労働者的犯罪なのである。それこそ、日本労働運動の破滅をみずから招き寄せる犯罪にほかならない。

(以下、各章の見出し)

B 労働者の今日版<絶対的貧窮化>の無視抹殺

C 労働組合のネオ・ファシズム的破壊への屈服


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露帝の独白

ガスOPEC万歳(ウラー)! けれども……

 イスラームの坊主というのは、なかなかのものだ。ロシア大統領として公然とは言えないことを、平然と言ってのけ、この俺に恩を売るのだから。
 俺の親書を携えてイラン最高指導者に会いにいった安全保障会議書記イワノフに、大アヤトラ・ハメネイは言った――「世界の天然ガス埋蔵量の半分がロシアとイランにある。両国が協力して石油輸出国機構(OPEC)のような組織を創ることができる」と(一月二十八日)。イワノフは沈黙。職業外交官のくせに口の軽いこの男には、余計なことをしゃべるな、と釘を刺してある。帰国してからやっと口を開いた――「ガス・カルテルについては協議していません」。
 これに先だってアルジェリアを訪問した産業エネルギー相フリステンコも、共同声明で「カルテル創出は考えていない」と謳った。これでよろしい。
 俺のモットーは不言実行、いや、虚言実行。わがロシアが、つまりは、わが国の天然ガスの生産・輸送・販売を一手に牛耳る国有大独占体ガスプロムが中軸をなすガスOPEC≠ヘすでに形成されつつある。
 エネルギー資源とりわけこの天然ガスが、「世界の指導的大国」としての復権をめざすロシアの最大の武器である。わが国のガス埋蔵量はだんトツで世界一。アメリカは生産量でこそロシアに次いでいるが、その可採年数はあと十年足らず。干上がるのは目前だ。
 天然ガスは、燃焼時のCO2や有害物質の排出が石油よりも少ないクリーンなエネルギー源。需要は高まるばかりだ。ガスを欲する国々の政府や企業はできるだけ安く買いたたこうとする。これにたいしてわがガスプロムの、いや、ガス生産諸国の利害を毅然と主張し守るのが、ガスOPEC≠キなわちOGECの崇高な使命なのだ。
 EU諸国は、そのガス消費量の四分の一をガスプロムに依存しているくせに、「欧州ガス市場の自由化」と称して、転売を禁ずる仕向け地条項の廃止や、パイプラインへの全供給者の平等なアクセスの承認をわが国に迫ってくる。長期契約も好ましくないなどと言う。こういう要求がそもそもマチガイなのだ。すでに昨年、ロシア天然ガス協会会長の口をとおして警告しておいたではないか。「需要者が結束して圧力をかけてくるならば、供給者側も結束して行動する。それがガス生産国の連合、ガスOPECだ」と。
 EUにとっての第二の輸入国はアルジェリア。ロシアへのエネルギー依存から脱するために、EU首脳がアルジェリアからの輸入を拡大しようとした矢先の昨年三月に、この国はわがロシアに同調し、相互にガス田を共同開発し欧州市場でも共同歩調をとることにふみきった。生産国として当然のことである。大アヤトラの発言も当然のこと。非難される筋合いはない。
 わが国が主導するこのカルテルには、もちろん、米・英・カナダなどは入らない。生産国といってもあと数年で枯渇するのだから。中央アジア諸国やイラン、アルジェリアに加えて、ベネズエラやボリビアなども馳せ参じてくるだろう。ヤンキー帝国による世界のエネルギー資源独占をうち破るOGEC! わが戦略的パートナーである中国の胡錦濤も、俺様に一目おくようになるにちがいない。世界の大国ロシアの復活だ!
 ……いや、じつを言うと、肝心のガスプロムがたいへんなのだ。OGECはガスプロムのボロ隠し≠ナもある。生産量は数年にわたって横ばい状態。増大する輸出をこなすためには、中央アジア産ガスを大量に買い付けなければならない。この足下につけこんで、トルクメニスタンは去年の秋、五割以上の大幅値上げをロシアに要求し「交渉不調なら供給を止める」と、どこかで聞いた言葉をガスプロムに向かって言いやがった。仕方ないので、値上げは認めた。その直後の昨年十二月、トルクメニスタン大統領ニヤゾフが急死した。フッフッフ……
 ロシア版メジャーといってもガスプロムの主な輸出先はなおEUにとどまる。世界を相手にするために必要なのは、どこへでもタンカーで輸送できる液化天然ガスだ。ところがわが国の液化技術はゼロに近い。「環境保護」の名分を掲げて、シェルや三井物産・三菱商事が手がけてきた「サハリン2」の株の大半を取得し、もってLNG設備を横奪する目鼻をつけた。国内LNG生産設備建設にはアルジェリア企業に参加してもらわなければならない。……世界ガス市場制覇といっても心もとない。
 開発投資を後回しにしてひたすら輸出拡大につとめてきたガスプロムは、その輸出収益を、新興成金の石油会社の買収や、翼賛マスコミをつくりあげるためのテレビ局・新聞社の買収に注ぎこんだ。その付けが回ってきたのかもしれない。
 ボロ隠しをやるのならば派手にいこう。わが故郷ピーテルへのガスプロム本社の移転だ。超高層・キンキラキンのガスプロム・シティの建設だ。……

 ……ムニャ……なに?! 建設中のガスプロム・シティが爆発で崩落した、と。チェチェン・ゲリラの仕業ではなく、老朽化したガス管からのガス漏れが原因だ、と?……ムニャ……
 つい居眠りをしてうなされてしまった。これは正夢かも……
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