第1952号(2007年1月22日)の内容

<4〜5面>
カラー特集 スターリン主義の歴史的大罪
<1〜3面>
労働運動破滅の危機を突破せよ
     07春闘の戦闘的高揚を切り開け!

   中央労働者組織委員会
<6〜7面>
不破式脱資本主義@摧Oの虚妄
     日共版修正資本主義路線の粉飾

<8面>
年頭の決意 社会事業/中小企業/神奈川東部地区/中国地方

週間日誌は7面に掲載
 「解放」最新号
 





  


スターリン主義の歴史的大罪

<スターリン主義の負の遺産>を超克せよ

 <ロシア革命九〇周年・革共同創成五〇年>の本二〇〇七年にあたって、スターリン主義の破産とその根拠たるスターリン主義の歴史的大罪という問題を、われわれは改めて問うのでなければならない。
 ソ連邦および東欧のスターリニスト官僚専制国家群の崩壊・消滅として画された<スターリン主義>の自己崩壊以降、すでに十六年余の時が経(た)つ。とはいえ、これは過ぎ去った昔の問題ではありえない。二重の意味での<スターリン主義の負の遺産>というべき問題が、今日において、資本の鉄鎖からの永続的解放をめざす全世界の労働者階級・被支配階級人民の闘いに、大なる重圧としてのしかかっているのだからである。
 なによりもまず、自称「社会主義国家」ソ連邦の崩壊を区切りとしてスターリン主義からの転向を公然と・ないしは隠然と図った末裔どもが、基本的には三つの形態をとって新たな性格と次元での犯罪を二十一世紀現代世界に刻みこんでいる。一つの形態は、スターリニスト官僚専制国家の統治機構を残しつつも、政府による上からの資本主義化$ュ策の実施をつうじて国家資本主義というべき政治経済構造を形成しスターリニスト・レジームの解体を画した中国およびベトナム。二つめは、スターリニスト官僚専制国家の廃墟のうえに、FSB(=旧KGB)強権型の国家を築き、ごく奇形的な国家資本主義的政治経済構造を創出しつつあるプーチンの<亡国>ロシア。三つめは、真正社会民主主義あるいはブルジョア的リベラリズムへの路線的=思想的転向をやってのけた旧東欧(地政学的には現「中欧」)の、ならびにEU・日本など先進資本主義諸国の、転向スターリニスト諸党。
 これら三つの形態をとって生き残った<Xターリン主義の末裔どもは、「一超」軍国主義帝国アメリカとの新たな性格の対抗(米 ―中・露新対決)において新たな核軍事力増強競争と世界的戦乱の危機を醸成したり、資本主義の民主的改良≠ニいう幻想をふりまいたりしているのである。
 こうした末裔どもの犯罪とともに、革命ロシアの疎外=変質を出発点にしてスターリン主義者が累々と積み重ねてきた反プロレタリア的大罪とそれゆえの必然的自己崩壊が、今日においてなお「自由・民主主義・市場経済」の普遍性という帝国主義諸国権力者・支配階級のたれ流している神話を全世界に通用させる根拠をなしている、といわなければならない。<スターリン主義の負の遺産>を一掃し止揚する形においてスターリン主義を真に超克することは、いまもなお全世界のプロレタリアートにとって切実に問われているのである。
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労働運動破滅の危機を突破せよ

労基法改悪反対・改憲阻止! 大幅一律賃上げ獲得!

生活苦に喘ぐ労働者・人民の怒りを組織し〇七春闘の戦闘的高揚を切り開け!

 すべての労働者諸君!
 〇七春闘を前にして、政府・支配者階級は労働者・人民の頭上に一大反動攻撃を打ちおろそうとしている。
 安倍政権は、独占資本家階級の強い要求に応えて、労働時間を無制限にして労働者をこき使うことができる「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度」や労働組合を無力化する「労使委員会制度」の導入などを柱とする労働諸法制の大改悪に打って出ようとしている。「戦後レジームからの船出」を掲げて登場したこの極反動政権は、「労働ビッグバン」のかけ声のもとに、一応は「労働者保護」をたてまえとしてつくられた労働基準法を中心とした戦後労働法体系を最後的に解体しつくすことを狙う大攻撃を貫徹しようとしているのだ。
 この政権はまた、政府・地方自治体財政赤字の緩和を名分にして「公務員制度改革」という名の公務員大量削減・賃金の切り下げ攻撃を強行しようとしている。この攻撃には同時に、「民主党を支える『連合』の左足」とみなした自治労を解体するという狙いが込められている。
 これらの攻撃は、日本を「戦争をやれる国」へと飛躍させるための憲法大改悪の企みと一体のものであり、改憲の内容の一端を先取り的に強行する意味をもつものにほかならない。本年頭に「憲法改定を参院選挙の争点にする」と打ちあげた安倍は、改憲のための手続きを定める国民投票法を今通常国会において成立させようと牙(きば)をむいている。改憲賛成の小沢・民主党もすでにこの法案に賛同しているのだ。
 日本版ネオコン政権たる安倍政権のこうした一大攻撃を大いに歓迎し、これを支え・かつ自己の利害のために活用しようとしているのが、日本独占ブルジョアジーにほかならない。彼らは、労働諸法制改悪をも支えとして、いま新たなかたちにおいて、首切り・雇用形態の改変・賃金抑制の攻撃を一段と強化しようとしている。
 米・欧のみならず中国などの新興経済国≠フ諸独占体・諸企業とのあいだで激烈化している国際競争のもとで、日本独占ブルジョアどもは諸独占体の生き残りをかけて、「高付加価値生産への特化」などの経営諸施策を貫徹するために、労働者にいっそうの犠牲を強制しようとしているのだ。
 この独占資本家どもは、大リストラによる労働者への過酷な犠牲強制のうえに、すでに四〜五年間にわたって史上最高収益を更新してきている。それにもかかわらず、「企業内の痛んでいるところに手当てする賃金改善」と称して、「マクロで実質一%以上」などという超低率の要求を掲げ、独占資本家どもの新たな経営・労務施策に協力しようとしているのが「連合」指導部なのである。また、「財界独裁を打破する国民的なたたかい」と称して、その実、じり貧化する日共の票田を開拓するという思惑にもとづいて、「日本をヨーロッパ並みのルールある資本主義にするためのワークルールづくり」という「代案」の宣伝に努めているにすぎないのが「全労連」の日共系指導部なのだ。
 わが同盟と革命的・戦闘的労働者たちは、このような既成指導部の腐敗した対応をのりこえ、〇七春闘の戦闘的高揚のために奮闘しなければならない。すべてのたたかう労働者は、日本労働者階級の悲惨な現実への痛憤をバネに、怒りに燃えてたたかおう! 既成指導部の裏切りに抗して教基法改悪反対闘争を牽引した力を基礎として、あらゆる産別・地域から闘いを組織し、日本労働運動破滅の危機を根底から突き破ろうではないか!

中央労働者組織委員会

目 次
一 ネオ・ファシズム大反動攻勢下の〇七春闘

 A 「戦後レジーム」の最後的破壊を企む安倍ネオコン政権
 B 賃下げ・首切り・雇用形態改変の新たな施策を強行する独占資本家階級
 C 日本労働運動破滅の危機

二 ネオ・ファシズム下の産業報国運動を打ち破る戦列を構築せよ

 A 「連合」指導部による「経営施策受け入れの儀式」への春闘の歪曲を許すな

       
(本号)
 
B 「連合」指導部に追随する「全労連」日共系幹部を弾劾せよ

 C 〇七春闘勝利! 日本労働運動の戦闘的再生のために奮闘しよう
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不破式脱資本主義@摧Oの虚妄

日共版修正資本主義路線の粉飾

T 老党首独断専行の「日中両党理論交流」

 「日中理論会談」において不破が独走%Iに提起している「新しい路線の探究」の内実は、いったいいかなるものか。直接的には、中国式の「社会主義市場経済」なるものへの賛辞がならべたてられ、これこそ「社会主義への道」だということを理論的に基礎づけることが追求されている。この不破の「探究」たるや、その実は国家独占資本主義のケインズ式モデル≠「社会主義」と等置せしめ、もって修正資本主義路線をいっそう純化するシロモノなのである。
 以下では、不破式「二十一世紀論」および中国経済をモデルとした「市場経済を通じての社会主義への道」論の錯誤と、そこにつらぬかれている「未来社会」の理念そのもののブルジョア的変質を暴露する。


(以下、各章の見出し)
U 「二つの体制の共存と競争」論復元≠フ詐術

「世界史の法則性」=<脱資本主義>説の開陳
中国型<国家資本主義>への錯視

V 「市場経済を通じての社会主義への道」という虚構

レーニンのNEPの悪用
市場経済信仰の教典≠ヘ「資本論」?!
労働を忌み嫌う「未来社会」

W ケインズ主義への拝跪
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