第1930号(2006年8月7日)の内容

<1面>
8・6国際反戦集会の圧倒的実現を!

ブッシュ帝国につき動かされたイスラエルのレバノン侵略弾劾!
米日共同の対中国・対北朝鮮の戦争体制の構築を打ち砕け!

<4〜5面>
対米屈従≠フ小泉式「建築規制の緩和」政策
――耐震強度偽装事件の深層

ミタルの敵対的買収に屈伏したアルセロール――鉄鋼産業の大再編
<2面>
「PAC3の8月配備阻止!」 嘉手納基地前で労学が奮闘 7・19写真へ
イスラエルの侵略を弾劾し情宣 7・20大阪写真へ
米空軍特殊部隊が長良川で軍事訓練を計画
<3面>
浜岡原発5号機 タービン破損事故弾劾!
防災訓練への米軍参加を許すな
<6面>
公務労働者への賃下げ・大量人員削減攻撃を粉砕しよう
産報運動に組合員をかりたてる自治労本部
公務員連絡会が第2次中央行動 7・19
Topics 批判的教員の排除を狙う「免許更新制」
<7面>
高齢者の生活を破壊する介護保険制度の改悪
■トヨタのリコール台数が激増
<8面>
万華鏡2006――情勢の断層を読む
 ◆兵器の切れ目
 ◆「ドバイはヤバイ」
 ◆最終戦のパッチギ
『新世紀』最新号(第224号)紹介

週間日誌は3面に掲載します
「解放」最新号
 





  


8・6国際反戦集会の圧倒的実現を!

ブッシュ帝国につき動かされたイスラエルのレバノン侵略弾劾!

米日共同の対中国・対北朝鮮の戦争体制の構築を打ち砕け!

 血に餓えたイスラエル・シオニスト権力の侵略軍は、シーア派武装勢力ヒズボラの拠点掃討の名のもとに、レバノン南部の小村カナへの空爆を強行し、子供三十七人を含む五十数人の避難民を瞬時にして虐殺しさった(七月三十日未明)。予想だにしなかったヒズボラの頑強かつ強力な反攻に直面させられ血迷ったシオニスト軍は、いまやその本性をむきだしにして、空と地上両面からのホロコーストにうってでている。レバノン駐留の国連軍部隊にたいしてすら見境いなく攻撃をしかけているほどなのだ。
 この侵略軍にたいしてヒズボラは、ゲリラ戦術を駆使するのみならず地上戦にも応戦し、イスラエル領内へのロケット弾攻撃をも間断なく続行しつつ猛烈な反撃を加え、イスラエル地上軍を一部撤退に追いこんでいる。シリアは、全土に臨戦態勢を敷き、イランとともに、ヒズボラへの支援を強化している。こうしていまや第五次中東戦争勃発の危機が高まっている。
 ブッシュ帝国は、国連安保理の「停戦」決議採択を拒否しつづけ、いずれ不可避な「停戦」までの時間的猶予のうちにヒズボラ拠点せん滅戦を完遂するようにシオニスト・オルメルト政権をけしかけている。アフマディネジャドのイランがイラクのマリキ・シーア派主導政権、シリアのアサド政権、そしてパレスチナのスンナ派ハマス自治政府ならびにレバノンのヒズボラを糾合するかたちでおしすすめつつある<反米・反イスラエル>の共同戦線構築にたいして、心底からの危機感にかられているがゆえに、この共同戦線づくりをブチ壊すために、ブッシュ帝国はシオニスト政権を動員しているのだ。イランを抱きこみつつ反米国際包囲網の拡大・強化をすすめている中国・ロシアの策動を打ち砕くことをこそ、「一超」軍国主義帝国は画策しているのである。
 おりから開催されたASEAN地域フォーラムを舞台として、ミサイル発射実験を強行した北朝鮮にたいする「制裁」をめぐって米・日両国と中・露・韓三国との外交的駆けひきがくりひろげられた。ブッシュ帝国が主導して対中国侵略戦争計画にもとづく史上空前規模の実戦的軍事演習「リムパック2006」を展開し、かつ米・日両帝国主義国家が対北朝鮮の臨戦態勢をとりつづけているさなかにおいて。
 こうして、中東・東アジアを焦点として米・日と中・露との冷戦的熱戦が激化しつつあり、世界的戦乱の危機が高まっている。それにもかかわらず、テポドン発射実験強行の直後に、犯罪的にも「北朝鮮への経済制裁は当然ありうる」とほざいた代々木共産党中央を先頭にして、既成指導部翼下の平和運動は総じて政府・支配階級による反北朝鮮の民族排外主義キャンペーンの濁流に呑みこまれ、臨戦態勢への翼賛に走ろうとしている。いまこそわれわれは、この世界的戦乱の危機を突き破るために、革命的反戦闘争を力強く推進しその国際的波及をかちとるのでなければならない。すべての労働者・学生は8・6国際反戦集会に結集せよ!

<以下、見出し>
さし迫る第五次中東戦争勃発の危機

北朝鮮ミサイル発射をめぐる米・日と中・露の角逐

対中露攻守同盟の強化に突進する米・日両帝国主義

戦乱の危機を突破する主体的力を創造せよ
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対米屈従≠フ小泉式「建築規制の緩和」政策

――耐震強度偽装事件の深層

 金正日の北朝鮮政府が弾道ミサイル発射実験を強行したのにたいして、おりしもリムパック06大合同演習を実施していた米・日両政府は、押っ取り刀で臨戦態勢をとった。その渦中において、福田康夫が「高齢」を口実≠ノ九月の自民党総裁選への立候補断念を悄然(しょうぜん)と表明した(七月二十一日)。対北朝鮮・対中国の強硬策を喚(わめ)きたて小泉流対米追従∴齦モ倒政策の「継承」を旗印としている安倍晋三を次期首相におしたてるために、ブッシュ帝国が、「対中国・対韓国関係の改善」を目玉商品にしている福田にたいして、立候補断念を迫る強硬な圧力をかけたからにちがいない。
 この福田の立候補とりやめを契機として、九月の自民党総裁選を焦点に白熱化してきた日本政府・支配階級内の権力抗争は、さしあたり安倍の優位確定という新たな局面に転回した、といえる。今年初頭より「次期首相は対中国関係を改善できる人」(日本経団連幹部)と公言し、もって反小泉(=反安倍)≠フ旗幟を鮮明にし実質上は福田擁立を策してきた日本独占ブルジョアジー主流は、安倍をおしたてるブッシュ帝国の意向を見てとって、いよいよ焦りを募らせているにちがいない。
 おりしも、昭和天皇・裕仁が靖国神社への東條英機・松岡洋右らA級戦犯の合祀に「不快感」を表明したという元宮内庁長官・富田のメモが実は存在した、という暴露がなされた(『日本経済新聞』七月二十日付朝刊)。日本独占ブルジョアジー主流は、こうした暴露をテコにして、小泉直系≠フ安倍の自民党総裁=首相選任をなんとしても阻止するために、反安倍≠フ政治エリートどもに活を入れる策略を今後もめぐらすであろう。ライブドア不正蓄財事件(社長ホリエモンの逮捕)、ヒューザーの耐震強度偽装事件、村上ファンドの不正蓄財事件(代表者・村上世彰の逮捕)、さらにこの村上ファンドへの日銀総裁・福井俊彦のインモーラルな関与=究極のインサイダー取り引きなどの一連の事件が今年一月以降、あいついで暴露されたのも、彼ら独占ブルジョアジー主流の意を体して小泉=安倍を追い落とすために仕組まれたものと推断しうるのだからである。
 本稿では、ヒューザーの耐震強度偽装事件に焦点を絞り、その暴露の深層・政治的意味を、暴露された事件・事態の分析をつうじて、こと改めて明らかにすることを課題としたい。
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新世紀 The Communist  第224号 2006年9月

最新号紹介

東アジア・中東の戦雲を根底から突破するために

 ▼北朝鮮のテポドン発射とこれを好機にした米日両権力者による臨戦態勢への突入、イスラエルによるパレスチナ・ハマス政権とレバノン・ヒズボラの壊滅を狙った軍事侵攻の強行。まさに今、第五次中東戦争の危機が切迫し、アジアでは一触即発の硝煙がたちこめている。この危機と対決するために、本号では「米中新対決――高まる戦乱の危機」と題して大特集を組んだ。
 ▼巻頭の「米日戦争遂行同盟≠フ儀式」は、小泉・ブッシュの首脳会談こそ「一超」軍国主義帝国アメリカのもとへの日本帝国主義国家の「属国」化の完成を全世界にむかってお披露目する儀式であったことを怒りをこめて暴きだしている。プレスリー邸での小泉の狂騒ぶりに、かの儀式の本質が浮き彫りにされた。「世界のなかの日米同盟」を高唱し対中国侵略戦争ならびに「テロリスト支援国家」掃討戦を共同で遂行することに合意した日米両権力者、彼らの戦争策動をうち破る革命的反戦闘争を今こそ大きく創造すべきことが力強く呼びかけられている。この論文とあわせて、米日の対北朝鮮臨戦態勢への突入を弾劾するとともに、テポドン発射を強行した北朝鮮の軍事的暴走をも弾劾すべきことを訴えた小論を急きょ掲載した。「対中国戦のための大規模合同実戦訓練――リムパック2006」(平尾謙司)も併読されたい。
 「世界的戦乱の危機を断ち切る革命的反戦闘争を!」(中央学生組織委員会)は、米・中の冷戦的熱戦≠フもとで醸成されつつある新たな世界的戦乱勃発の危機を根底から突破するための闘いの指針を鮮明に提起している。日共中央は反基地運動を、「反安保」を完全に放棄して「自治体ぐるみの運動」としてとりくんでいる。彼らは安保条約を是認したうえで、その「建て前」(=日本防衛)どおりの運用を政府に要求するというものへと反戦・反基地闘争を歪曲しているのだ。この根拠は、日共指導部が「修正資本主義」をイデオロギー的根幹とした基本路線にもとづいて「保守層との共同」を自己目的化しているところにあることをえぐりだしている。ネオ・ファシズムの大濁流にのみこまれた既成平和運動をのりこえ、日米新軍事同盟の強化反対、改憲阻止、イラク軍事占領反対の闘いを革命的に創造するための武器が、この論文である。
 ▼本特集では、米中新対決下の現代世界を構造的に把握するために、三つの論文を掲載した。
 「『一超』世界支配の崩落に脅えるブッシュ帝国」(夏羽成臣)は、「新旧の全体主義とのロングウォー」を前面におしだした新ブッシュ・ドクトリンにたいする徹底的な批判の論文である。この新ドクトリンはイラク侵略・占領の大破綻のゆえにもたらされたブッシュ帝国の危機を突破するために中・露を「主敵」としてすえ直してうちだされた世界制覇戦略の集成である。だが同時に、全世界的な「反米」=「一超」支配への反逆のうねりの高まりによって、早くもこの新戦略は破綻の兆しに見舞われていることが鮮明にされている。
 他方、ロシアとの同盟的結束を固めSCOとBRICs連合を核にして反米国際包囲網の強化・拡大にのりだしている胡錦濤中国。「胡錦濤版『超大国化』戦略の厚化粧」(星尾一平)は、中国政府の「一超多強」戦略にもとづく反米包囲網づくりの策略の分析を深化している。しかも、この策略は、激発している<中国型国家資本主義>に固有の社会的経済的諸矛盾を隠蔽しのりきるためのものでもあること、また、「共富」=「小康社会の全面的建設」をシンボルとした労働者・農民保護策は、なんら危機の突破策たりえないことをも暴きだしている。「アフマディネジャドの対米挑戦」(嶋達雄)は、「イスラームの核」の開発を宣言し反米の共同戦線を中洋の地に構築するために奔走しているアフマディネジャド政権の挑戦、その歴史的意味を浮き彫りにしている。

ネオ・ファシズム反動を抉る

 ▼ポスト小泉の次期首相の座をめぐる抗争において優位にたつ安倍晋三、この「反北朝鮮」のウルトラ強硬策を売り物にする男がうけついでいるA級戦犯の祖父・岸信介のドス黒い血、その歴史的罪業や、たたかわずして敗北宣言を発した福田康夫の出生を暴きだしているのが「政界七光≠ヌもの血塗られたルーツ」である。
 「総務省版『新しい公共空間』論の虚構」(原田耕三)は、小泉政権が「公務員制度改革」攻撃を貫徹するために「自治体経営の刷新戦略」の名のもとにおしだしているイデオロギーの反動的本質を理論的にえぐりだしている。政府・総務省がふりまいている「公共サービス」の見直し論とは「戦争をやれる国」にふさわしい財政基盤を確立するための屁理屈であるとともに、「安全保障」こそが「真の公共サービス」であるとするヤンキー帝国主義製のニセ理論を直輸入した産物であることがつきだされている。人間Nシステム″\築や共謀罪新設をはじめとした治安弾圧体制強化の攻撃に反撃せよと訴えているのが、「国民総監視=総管理体制の一挙的強化」(竹垣作蔵)である。「NTT再統合へ――荒れ狂う大リストラ」(蓮見巧)をあわせて掲載した。
 岡野弘彦と福島泰樹の二大歌人の対談に感銘をうけ、己の思想を作り直し感性を磨きあげていく決意を語っているのが「『祖国』を読んで。」(福波良江)である。
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「PAC3の8月配備阻止!」 嘉手納基地前で労学が奮闘 7・19


 七月十九日に、嘉手納基地の米軍機による殺人的な騒音にさらされている北谷(ちゃたん)町砂辺の馬場公園において、「嘉手納基地の軍事強化につながるパトリオット配備に反対する集会」(主催 沖縄平和運動センター、中部地区労、新嘉手納爆音訴訟原告団)が開催された。

「パトリオット配備阻止!」シュプレヒコールをたたきつける労学
(嘉手納基地第1ゲート前)

県学連が<反安保>の息吹き(7月19日)


  

イスラエルの侵略を弾劾し情宣 7・20大阪


 七月二十日、全学連関西共闘会議のたたかう学生は、ブッシュ帝国にけしかけられたイスラエル・オルメルト政権によるハマスとヒズボラへの軍事攻撃を弾劾し、第四十四回国際反戦集会に総結集すべきことを訴える街頭情宣に勇躍決起した。

雨中に響くアピール(7・20、大阪)

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