第1920号(2006年5月29日)の内容
<1面>
<米―中・露対決>下で高まる戦乱勃発の危機をうち破れ!
<4面>
進出諸国で労組破壊に狂奔するトヨタ資本家を許すな
<5面>
NTT再統合にともなう大リストラ攻撃を打ち砕け
<2面>
沖縄から<反安保>の火柱
5・12〜14 平和行進・県民大会で奮闘(写真へ)
「原子力空母の母港化阻止!」
全学連が横須賀現地闘争に決起(5・14)
<3面>
教基法改悪を阻止せよ!
日教組本部の民主党教基法案容認弾劾!
「大悪魔」米帝にたいするアフマディネジャドの挑戦
<6面>
Topics 医療制度改革関連法の制定を許すな
渦巻く「構造改革」反対の声(北海道メーデー)
「改憲阻止」の声高く(福岡・北九州メーデー)
◆「議会主義との決別」の学習会に参加して
<7面>
「民営郵政」にむけた集配拠点の再編を粉砕せよ!
<8面>
万華鏡2006――情勢の断層を読む
◆俗学者の品格
◆当然の徳目
◆戦争プロパガンダ
◆ウソこくが
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号
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進出諸国で労組破壊に狂奔するトヨタ資本家を許すな 今年一月、「トヨタ・キルロスカ・モーター」(TKM)のバンガロール工場で、インドのトヨタ労働者が三人の労働者の不当解雇撤回を求めてストライキ闘争に起ちあがった。「違法なストには一切妥協しない」と言い放つ資本家どもの報復的な大量解雇攻撃に抗して、TKMの労働者はたたかいぬいている。昨年七月に解雇撤回を求めてストライキに決起したインドのホンダ子会社の労働者の闘いにひきつづいて、いまインド現地で日本(系)企業労働者の闘いは燃え広がっている。 凋落するゼネラル・モーターズ(GM)を尻目に、今年中に自動車の生産・販売台数世界一の座を奪取することを狙ってトヨタ独占資本家は今年のグループ生産目標を九〇六万台に設定している。彼らは、「最適地生産」の名のもとにグローバルな資本進出をすすめ、海外の子会社とりわけ発展途上諸国の工場においては、現地雇用の労働者に低賃金で超長時間労働や殺人的な労働強化を強要している。この強搾取は、進出した世界各国で労働者の総反発と激しい抵抗闘争を呼び起こしているのだ。 最近のリコール件数の急増に示される生産基盤・技術的基盤の劣化に直面し苛立ちを強めているトヨタ資本家は、このトヨタにとってのカベを突破するために・本社労務部の直接的な指揮と指導のもとに、国内の諸工場においては御用労組をてこにして労務管理をいっそう強化している。そしてまた、進出した諸外国では、日本国内におけると同様の労務管理を実施することを目標にして、その国の法律で保障されている労働基本権を蹂躙し裁判所の裁定すら無視するかたちで、労働組合そのものをぶち壊すことに血道をあげている。 日本のたたかう労働者は、世界各地でトヨタ系諸企業への反撃に起ちあがりつつある労働者と連帯し、吸血鬼・トヨタ経営者どもの悪辣な労働組合つぶしを弾劾し、日本の地で労働強化反対・労務管理強化反対の闘いを断固としてつくりだすのでなければならない。 以下、見出し ストに決起した労組の破壊に狂奔するインド・トヨタ シェア五割を占めるスズキへの対抗 外資系企業に加担するインド政府 各国政府をつき動かし悪辣な労組破壊と労務管理強化 第二・第三組合をでっちあげ―フィリピン・トヨタ 組合活動家を大量解雇―フランス工場 労組を一切結成させない―アメリカ トヨタ御用労組が理想型 労働者の団結でトヨタの労組つぶしを粉砕せよ! 「トヨタ神話」の化けの皮を剥がせ! |
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小泉政権による教育基本法改悪阻止! 愛国心・宗教教育を称揚する民主党教基法案を容認した日教組本部を弾劾せよ! 教育労働者委員会 小泉政権による教育基本法改定案が国会に提出された直後の五月十二日に、民主党は「日本国教育基本法案」と銘打ったみずからの代案をとりまとめ、十五日の党教育基本問題調査会で正式決定した。この民主党案たるや、自民党が公明党をとりこむために与党案では曖昧な表現をとった「愛国心」「宗教教育」などの諸項目をことごとく明記した・党内タカ派主導のもとに策定された右からの代案∴ネ外のなにものでもない。これは小泉政権の教基法改悪の策動を右から補完するものなのだ。 すべての諸君! あろうことか、政府・与党案以上に反動的なこの民主党案を、民主党内の日政連(日教組推薦議員の政治団体)議員だけでなく、五月十二日の会合(民主党案「検討会」)に出席した日教組・森越委員長もまた容認したのだ! たたかう教育労働者は、日教組本部のこの歴史的大罪を断じて許してはならない。「民主党案弾劾! 日教組本部の裏切り弾劾!」の声を集中しつつ、「小泉政権による教基法改悪阻止」の闘いを、職場からただちにつくりだそうではないか! 以下、見出し 右からの代案≠提出した民主党執行部弾劾! 日教組本部の歴史的犯罪を許すな! 教育基本法改悪阻止の一大闘争を創造しよう! |
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俗学者の品格 「祖国愛」は「愛国心」を超えるか?! 「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」。これ、政府・与党が今国会で強行採決しようとしている教育基本法改定案の核心。この案文を策定するにあたって、「愛国心」の明記に反対する公明党を懐柔するために、自民党の文教族議員が数学者・藤原正彦の『国家の品格』で理論武装≠オたのは有名な話。当の藤原は、いささか迷惑顔でこの案文を「下手な事務屋の文章」と酷評している。だが、彼らが藤原の所説に飛びつき、熱烈な藤原ファン≠ノなったのはゆえなきことではない。 藤原は言う。(イ)「愛国心」にはナショナリズムとパトリオティズムの「二種類の考え方が流れこんでいる」、前者は「国益主義」の「あさましい思想」、後者は「祖国愛」で気高く崇高なもの。(ロ)この「祖国愛」は「家族愛」「郷土愛」の二つの「延長」に位置づくもので、「自国の文化、伝統、情緒、自然をこよなく愛すること」だと。 ナショナリズムとパトリオティズムを峻別するという、この藤原の考え方は、かつて「忠君愛国」を喚きたてておきながらも「ソ連参戦」の報を聞くや関東軍が「民間人」を満州の広野に見捨てて逃亡したこと、幼い藤原が母に手を引かれて満州―朝鮮半島を縦断し命からがら逃げのびたこと、この苦難が原体験≠ニして息づいているにちがいない(母親の藤原てい著『流れる星は生きている』)。 彼の所説はなんら目新しいものではない。日本のファシズム研究者であり丸山真男の弟子である橋川文三は、「鐘楼のパトリオティスムス」――郷里の教会の鐘楼に懐かしさを覚えるような感情――を論じた欧米の学究に学びつつ、パトリオティズムを「郷土愛」と規定している。そしてナショナリズムを「政治的共同体への忠誠と愛着の感情」としてとらえ、「『故郷』はそのまま『祖国』へと一体化されるのではない」と、「郷土愛」を「祖国愛」から峻別している。(『ナショナリズム』橋川文三著作集第九巻) このような橋川らの主張は、近代国家の形成において自国の人民を「国民」「民族」として統合するためのイデオロギーとしてのナショナリズムと、ブルジョア国家形成以前にはぐくまれてきたエスニックな意識=イデオロギー、たとえばその地域に固有な文化・伝統・言語などにたいする愛着の感情をさす概念としてとらえられたパトリオティズム、この両者の区別と連関を明らかにしようとしたもの、ととらえ返せるだろう。 藤原は畑ちがいの数学者であってこれら先達の追求を学んだふしはない。「身近で見ている女房に言わせると、私の話の半分は誤りと勘違い、残りの半分は誇張と大風呂敷」と自認しているほどだ。要するに、「祖国愛」=パトリオティズムというように、近代ブルジョア国家の存在を肯定的前提にして論じ、「家族愛」や「郷土愛」の直接の「延長」に「祖国愛」=パトリオティズムを位置づけていること。「アメリカ化・グローバル化」に「武士道精神」を対置していること。このわかりやすさ≠ノ自民党の議員どもがとびついているのだ。 「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土」と謳われている自・公の改定案では、――藤原の主張をとりこみ――愛すべき=u伝統と文化」の根拠として、それらを「はぐくんできた我が国」=国家を位置づけ、それに至上の愛を降り注ぐべきことを要求している。そこには、家族(・郷土)の頂点に天皇制国家権力を位置づける大家族主義のイデオロギーが息づいてさえいる(今日版の大家族主義)。 それだけではない。藤原は「自国の文化、伝統、情緒、自然」という日本的なるものを絶対化している。それらに刻印されている地域的風土的特殊性や歴史性・階級性をいとも簡単に無視するという意味でも、「誤りと勘違い」だらけだ。現代に生きる個々人が、みずからを育んだ文化・情緒・自然に愛惜の念を抱く場合がある。このことについて、われわれは黒田寛一の次の一文に学ぶべきである。 「歴史的かつ社会的に形成されてきた・もろもろの文化をば、その時代的な社会性・階級性・エスニシティ・風土性などの特殊性において同時に普遍的なものとして批判的に受容し、この被制約性において被制約を自覚し、これを超えでてゆく感性と意識性を形成し磨くことができるのは、ただひとり『人間の顔をした非人間』という歴史的に独自な存在だけなのである。」(黒田寛一『実践と場所』第一巻五九三頁) 中国東北地方や朝鮮の支配権をめぐる戦争であった日露戦争を「国家の品格」を守るための戦争であったと肯定したり、「武士道」を「国家の品格」の根底とすることを標榜している藤原においては、「パトリオティズム」はそのまま固定化され絶対化されるのである。藤原の主張からは戦前の日本浪漫主義の悪臭が漂っていやしないか?! |
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当然の徳目 「日の丸」ペイントでドイツに行こう! 〔五月十四日、午前十一時すぎ、NHK放送センター内「小池日本共産党政策委員長様」控室にて〕 ハアー、今日の「日曜討論」はシビアだったナァ。教育基本法をめぐる論議の際に、自民党の甘利さん(政調会長代理)から「共産党さんが愛国心を認めているなんて、今日はじめて知った」と、ホントに驚いたカオをして言われたときは慌てちゃった。「そ、そんなことないですよ!」と即答したけど、ちょっと気色ばんじゃったかなぁ。番組を見ていた人に、わが党が「愛国心」そのものは「当然の徳目」として大切にしていることが、ちゃんと伝わらなかったかもしれない。 教育基本法「改正」案に反対していることをもって「共産党には愛国心がない。国民を守る気がない」なんて思われたら大変だ。経営者の皆様にも、わが党こそ民主党なんかよりずーっとつよい「日本を愛する心」をもって日本経済の発展について真剣に考えている「真の愛国者の党」なんだっていうことをキチンと知ってもらわないといけない。 もう一度しっかりと、常任幹部会で不破さんが「愛国心問題」について解明した内容を覚え直さないといけない。 まず、政府・与党の教育基本法改正案を批判する際には、最初に愛国心の問題をとりあげないようにする。現行法第十条に書かれている「国民の教育権」を否定して、教育への国家権力の介入を公然とすすめるものになっていることを一番目にとりあげ、そこを中心に批判する。 愛国心については、まずワールドカップとWBCについて触れ、わが党も自然な感情として愛国心をもっていることを示す。次に、わが党は「民主的道徳を身につけるための教育を三十年も前から一貫して重視し」「真の愛国心と諸民族友好の精神をつちかう」ことを主張してきたことを強調する。ここが大事なんだ。そのうえで、「国を愛する態度」は「現行の教育基本法から当然導かれる内容」であり、それをあえて書き込むのは「強制」になるから憲法に反する、とおしだす。最後にオマケとして、「憲法改悪がめざす『海外で戦争する国』にふさわしい人間を育てる教育への変質をはかる」という「よこしまな狙い」を指摘する。 ――不破さんが解明した通りにしゃべったつもりなんだけどナァ。 そういえば、先日(五月十日)の集会で市田書記局長が「サッカーを応援している若者が頬に日の丸をペイントして熱中しているのも、国民の自然な気持ちで理解できる」って発言してたっけ。それなら、いっそ次の討論会では、ジーコ・ジャパンの青いユニフォームを着て頬に日の丸をペイントして登場し、「よこしまな狙いをもった『愛国心』のおしつけではなく、憲法・教育基本法にもとづく『真の愛国心』の涵養を!」と絶叫してみるかな。 ……まぁ、あんまりホンネ丸出しでハジケると、党内の抵抗勢力がウルサイからなあ。市田さんの「日の丸のペイント」発言だって、翌日の『しんぶん赤旗』に掲載された発言要旨からはちゃんと削ってあったからな。 「日の丸・君が代」の強制に反対してたたかっている党員・支持者から、「『日の丸・君が代』強制問題に共産党はしっかり取りくんでいない」という不満の声がいっぱい寄せられてるらしい。どうせまた革マル派に煽られちゃってるんだろうよ、チクショー。 こういう人たちはわかっていないんだ、愛国心には保守も革新も区別がないってことを。そもそも、だ。わが党は「日本国民の党」だと規約に規定されているんであって、この「『日本国民』に小泉首相も奥田経団連会長も入るのは当然」なんだ。「労働者の利害」ばかり考えてちゃダメなんだ。『赤旗』にちゃんとこう書いておこう〔五月十七日付に掲載〕。 ……ワールドカップで日本チームが決勝に進出したら、私も小泉首相と一緒にドイツに行くぞ! トヨタがGMを抜いて世界一になったらバンザイ! わが国を守る自衛の戦争は安保条約の義務であり自衛隊を活用するのは当然だ! これこそ小泉さんとも奥田さんとも一致できる「日本国民の自然な気持ち」だ。よし、「真の愛国心」の一点での共同のためにガンバルゾ! |
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沖縄から<反安保>の火柱 5・12〜14 平和行進・県民大会で奮闘 |
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核基地の島=沖縄に全国から結集した闘う学生たちは、五月十二日から十四日に開催された平和行進・沖縄県民大会を戦闘的に高揚させるために奮闘した。写真は「嘉手納基地を撤去するぞ!」「安保粉砕!」――ゲート前でシュプレヒコールをあげる労学(5月14日) | |
辺野古新基地の建設阻止! 沖縄県民大会に轟く反安保の声(5月14日) | |
五月十四日、全学連の首都圏の学生は、米海軍横須賀基地および海上自衛隊総監部にたいして、「安保粉砕!」のかけ声高く戦闘的なデモンストレーションを貫徹した。全学連の学生は「新日米共同宣言粉砕! 日米新軍事同盟の構築反対!」のスローガンを高だかと掲げてたたかったのだ。米海軍横須賀基地正門に向けてシュプレヒコールの嵐(5月14日) | |
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